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経営難の私大・短大174法人、19法人は「自力再生困難」…少子化・物価高が拍車

2025年04月12日 08時24分27秒 | 教育

 私立の大学や短大を経営する学校法人の4分の1にあたる計174法人が経営難に陥っていることが11日、日本私立学校振興・共済事業団の調査でわかった。このうち19法人は、自力再生が極めて困難な「レッドゾーン」に分類された。少子化に加え、最近の物価高が経営悪化に拍車をかけている。

 
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【グラフ】私立大・短大法人の経営状況の分布© 読売新聞

 経営難と判定された学校法人数は、昨年調査から38法人増え、過去最多となった。事業団は文部科学省が所管し、私学助成金の分配や経営支援を担っている。大学・短大経営からの撤退や、他法人との合併、学部の譲渡などの対応を求めている。

 調査は、大学や短大を運営する全国661の学校法人が対象。各法人が2024年6月までにまとめた23年度決算について、▽教育に関連する収支が直近3年のうち2年以上赤字▽負債が運用資産を超過している――など八つの指標を用いて分析し、経営状況を4段階に分類した。

 その結果、19法人(2・9%)が、在学生が卒業するまでに経営破綻の恐れがあり、「自力再生が極めて困難」な状態にあった。155法人(23・4%)が「経営困難な状態」にあり、合計で174法人が経営難にあると判定された。

 また、経営指標に悪化の兆候がみられ、経営困難な状態の「予備的段階」とされたのは182法人(27・5%)。一方、経営が「正常な状態」とされたのは305法人(46・1%)で初めて半数を割り込んだ。

 事業団は「少子化で学生募集が厳しくなっていることに加え、光熱費の上昇で収支バランスが悪化している学校法人が増えた」と分析している。

 事業団が最も懸念しているのは、在学生がいる間の経営破綻だ。乱脈経営により資金繰りが悪化した創造学園大(群馬県)のケースでは、文科省が13年に学校法人の解散命令を出し、在学生約150人の受け入れを各地の大学に要請するなど、混乱した。

 事業団が昨年3月に改定した経営改善に向けたハンドブックでは「資金がないと撤退もできない。早期に学生募集停止の決断を行うことが大切」だと説明。計画的な撤退を促している。

 18歳人口は、1992年に205万人だったが、今年1月時点では109万人。2040年には74万人まで減少する見通しだ。文科省の中央教育審議会が今年2月にまとめた答申では、大学の統廃合や定員削減を進めて「規模の適正化」を求めている。


億り人が株で1億円達成までに歩んだ道のりを公開! 序盤でカギを握るのは「入金力」!?

2025年04月05日 08時23分17秒 | 資産形成

今や株式投資は一部のお金持ちだけでなく、庶民が資産をつくるための手段の一つに。そこで今回は「株で1億円」を達成する前に、多くの投資家が通った3つのフェーズを紹介!これを参考に“億り人”への第一歩を踏み出そう!(取材・文:ダイヤモンド・ザイ編集部 イラスト:スージー甘金)

「ダイヤモンド・ザイ」2025年5月号の「勝ち組8人に聞いた! 株で【1億円】をつくるワザ」を基に再編集。データはすべて雑誌掲載時のもの。

千里の道も一歩から! 最初は「入金力」が肝心!

運用で飛躍的に資産を伸ばすには研究も必要

 
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1億円を目指すために狙うべき株とは?© ダイヤモンド・オンライン

 株を買うなら目標設定が必要だ。ダイヤモンド・ザイではその目標を「1億円」と設定。達成が難しそうに感じられるかもしれないが、具体的にどうすれば達成の見込みがあるのか検証していこう。

 なお、検証にあたっては、実際に株で1億円以上の資産を築いた“億り人”8人に話を聞いている。8人の話を総合すると、1億円達成の前後では、ざっくり「3つの投資フェーズ」があることがわかった。

 
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1億円達成のためには3つの投資フェーズがあった!© ダイヤモンド・オンライン

 まず、第1フェーズは投資スタートから資産が3000万円になるまでの期間。この時期は、とにかく「元本を増やす」ことが重要だ。というのも、投資のリターンは「元本×運用利回り」で決まる。例えば、年利10%で運用するとして、元本100万円なら1年後は110万円、1000万円なら1100万円と、元本が大きいほど増える額も大きくなる。

 さらに、運用益や配当を再投資することで利益が利益を生む「複利効果」も、元本が大きいほど効果が増す。早い段階で、できるだけ元本を大きくすると、資産の増加スピードがアップするのだ。つまり、どれだけ多くお金を投資に回せるか=どれだけ多く投資口座に入金できるかという「入金力」がカギになる。

 第2フェーズは、運用で資産を飛躍的に伸ばす期間だ。この段階になると、運用の腕が上がり、投資手法が洗練されてくる。元本増により複利効果で増え方が加速する時期でもあり、勝ちパターンを確立すれば一気に資産を伸ばせる。5000万円を過ぎたころに新たな手法を加えて腕をさらに磨くと、1億円への道のりがグッと短くなる。

 最後の第3フェーズは、1億円達成後。資産を“守りながら増やす”ことを考える時期だ。高配当株などを活用し「資産が勝手に増えていく」仕組みを作ることが重要になる。複利効果も大きく、運用だけで2億、3億と増やしていくことも可能だ。ここまでくると配当収入で暮らせるようになり、FIREする人も多くなってくる。

「1億円達成のための8つの心構え」を紹介!

億り人は計画的に行動し、簡単に折れたり流されたりしない!

 前ページで紹介したように、資産1億円を達成するためには序盤の入金力、それに、勝つための手法を確立することが重要になってくる。何かと試行錯誤することも多そうだが、成功するための秘訣はあるのだろうか。

 億り人8人に1億円達成に向けた心構えを聞いたところ、以下の8つが浮かび上がってきた。まず、「元本を増やすフェーズ」における心構えは、以下の3点だ。

【元本を増やすフェーズの心構え】

(1)最初に計画を立てる

(2)投資の記録をつける

(3)家族とお金の話をする

 

「最初に計画を立てること」が大切だというのは、約17年で資産3億円を達成した億り人のなべさん。なべさんは、投資スタート時に「毎年250万円ずつ入金し、年率20%で運用できれば12年で1億円できる」という計画を立て、それに沿って実行した。計画を立てたことで実現の精度が増し、実際には少し前倒しで達成できたという。

(2)の「投資の記録をつける」ことは、自分の投資のクセや改善点を見つける役に立つ。また、「家族とお金の話をする」大切さを語ってくれたのは、億り人のりゅうさんだ。かつては生活費のあらゆるムダを削減して節約し、手取りの半分以上を投資口座に入れていたりゅうさん。資産運用の重要性を理解し、協力してくれた妻の存在が大きかったと話す。

 続いて、「運用で資産を伸ばすフェーズ」の心構えは、以下の5点だ。

【元本を増やすフェーズの心構え】

(4)決めたルールを守る

(5)投資法はブラッシュアップ

(6)失敗を放置しない

(7)相場にしがみつく

(8)即実行する

(4)にあるように「決めたルールを守る」ことが大切。個人投資家のたかねこさんは、「SNSの投稿につられて雰囲気でなんとなく買うなど、根拠のない投資はしないほうがいい」とアドバイスする。加えて、資産額や相場に合わせて投資法を見直したり、失敗したときに向き合って軌道修正したりする努力も必要だ。

 ちなみに、1億円を達成した要因を聞かれたとき、「投資を長く続けていたから」と答える億り人はかなり多い。暴落があっても退場せず、相場にしがみつくことは何より重要と言えそうだ。もちろん、1日でも早く始めることも大切。二の足を踏んで始められない人も多いかもしれないが、投資は複利効果で、長く時間をかけるほどリターンが大きくなる。億り人たちも、投資に興味を持って実行したからこそ今がある。まずは一歩を踏み出そう!


マレーシアに移住した50代男性が見た地獄。4000万円で購入したコンドミニアムのせいで「破産するかも」――人気記事ベスト

2025年03月26日 06時35分44秒 | 海外情報

 いつかは海外でのんびり暮らしたい。語学力を身につける意味でも海外で働きたい――そう思う日本人は少なくありません。

 

 しかし、何も調べずに準備不足で移住すると、思わぬ地獄を味わうことも残念ながら事実です。

 

 私(宮脇咲)は宮崎県から大学進学を機に上京し、現在はドバイに移住し、海外の物件をメインとした不動産投資をしている他、富裕層向けの海外移住支援も行っております。そういった経緯もあり、これまでに多くの海外移住者の方と知り合ってきました。

 

 この記事は、筆者が過去に見てきた思わぬ失敗を味わった方たちのエピソードを通し、移住に失敗しないためには何が必要か、どんなことに気をつけなければならないかを知っていただければと思います。

 
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宮脇咲さん(写真左奥)© 日刊SPA!

 

◆ドバイ移住も、富裕層から一気に転落

 

 海外移住で地獄を見るケースとして金銭面での失敗がまず挙げられます。海外移住者の中には、日本でビジネスで成功を収めた人も少なくありません。しかし、そんな成功者であっても築き上げた財産をなくしてしまうということがあるのです。

 

 仮想通貨で財産を築いた中井さん(仮名)という30代男性の事例を紹介します。

 

 彼は3年前、節税のためにドバイに移住しました。日本では仮想通貨で得た利益の55パーセントを税金として収める必要がありますが、ドバイではすべてを自分の手元に残すことができます。ただ、節税という堅実な手段での移住でしたが、移住後に彼は豪遊生活を始めてしまいました。

 

 中井さんのドバイでの家賃は年間2000万~3000万円。富裕層向けのマンションで生活し、無計画に高級車やパテックフィリップなどの高級腕時計を購入し、イスラム教の国なのでアルコールが高いにもかかわらず、彼は気にせずに毎日のように飲酒もしていました。

 

◆結局日本に帰国も、いまどこで何をしているのか…

 
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ドバイの街並み© 日刊SPA!

 

 なお、ドバイに現在住んでいる筆者にはたくさんの富裕層の知人がいますが、中井さんのようなお金の使い方は一般的ではありません。むしろ富裕層であればあるほどビジネスでしっかりとした固定収入を得た上で堅実な暮らしをしています。

 

 しかし、中井さんは違いました。

 

 彼は固定収入も乏しく、お金の使い方も無計画でした。ドバイにいる本当の富豪とは違ったのです。当然ですが、毎月のキャッシュフローがマイナスになり続ければ破綻します。さらに彼はリスクの高い仮想通貨に手を出し、貯金は底をつきます。

 

 結局、日本に戻った中井さんですが、ドバイ在住時にInstagramに毎日派手な生活を投稿していたこともあり顰蹙を買い、日本での人脈も失ったようです。いまどこで何をしているのかは筆者も知りません。

 

◆日本との感覚の違いが足かせに…ビジネスで失敗するケースも

 

 中井さんの失敗は厳しい言い方をするならば「身から出た錆」とも言えるかもしれません。しかし、堅実に生活をしていれば海外移住に成功できるかというと必ずしもそうではないという現実もあります。

 

 筆者の知人に東南アジアのある都市で飲食店を開業した和田さん(仮名)という40代男性がいます。現在、東南アジアでは寿司をはじめとした日本食が注目されていることもあり、和田さんのように国外での成功を夢見る飲食店経営者は多いです。

 

 そんな大きな希望を持って海外移住した和田さんでしたが、彼は撤退を余儀なくされました。

 

「理由は現地の法規制や商慣習に適応できなかったことです。例えば、従業員に働いてもらうマネジメントひとつをとっても日本人と現地スタッフでは感覚が大きく違います。マニュアルを用意しても守らない、遅刻も当然。日本では当たり前にできることも現地では違いました」(和田さん)

 

 こうした文化や慣習の違いに適応できずにBさんのビジネスは失敗に終わります。

 

「開業資金の1500万円はついに回収できませんでした。現在は日本に戻りましたが、40代ということもあり再就職先も限られており、帰国後も厳しい現実が続いています」(和田さん)

 

◆ローン返済は月40万円、家賃収入は15万円の大赤字

 
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マレーシアのマンションはプールとジムつきが一般的だという© 日刊SPA!

 

 筆者の周囲にいる海外移住した日本人は不動産や株式投資によって固定収入を得ているという人が多いです。

 

 しかし、その投資によって借金を抱えてしまう事例もあります。

 

 シンガポールからほど近いマレーシア・ジョホールバルに移住した50代男性の美濃田さん(仮名)はまさに投資によって失敗してしまったケースです。

 

「ジョホールバルでは2006年からスタートしたイスカンダル計画という大規模な開発計画があります。ジョホールバルはシンガポールにクルマで通勤できることもあり、国が資金を投じて開発させる目的でスタートした計画です。当時の私はここに目をつけました。土地やマンションの価格が上がるのではないか、と」(美濃田さん)

 

 美濃田さん含め、当時このイスカンダル計画には多くの日本人投資家が目をつけました。

 

「2013年に約4000万円を投資してコンドミニアム(家具家電付きのマンション)を投資目的で購入しました。ここから計画通りにジョホールバルが発展すればよかったのですが、話はそう上手くは進みませんでした」(美濃田さん)

 

 購入から10年以上が経ちましたが、美濃田さんはいまだに期待していたような収益を得られずにいます。

 

「現在もローンを返済している状況ですが、家賃として得られるのはわずか15万円程度。日本の貯金を切り崩して何とか返済をしている状況です。さらに、ジョホールバルの物件価値が上がらないため、売却しようにも買い手も見つからない状態が続いています」(美濃田さん)

 

 たしかに、ジョホールバルはシンガポールまでのアクセスはよいものの、開発の計画が遅れたり、最悪の場合中止したケースもあります。

 

 美濃田さんが「このまま好転することがなければいずれは破産するかもしれません」と吐露していたことが印象に残っています。

 

◆「金銭面に問題がないパターン」にも落とし穴が

 

 ここまで紹介した3人の事例はどれも金銭面に関連する移住の失敗でした。では、金銭面にさえ気をつければ移住は成功するのかというとそうではありません。海外はやはり日本とは文化、習慣、天候などさまざまなことが違います。この違いによって移住を後悔することもあるのです。

 

 マレーシアに移住した65歳の鈴木さん(仮名)という女性はその一人です。鈴木さんは楽園のような生活を夢見て夫婦での移住を決断しました。しかし、住み始めてから早々に大きなストレスを感じるようになります。

 

「日本人に比べて約束の時間を守らない、割り込みなど公共の場でのマナーが悪い、などちょっとしたことで苛立ちを覚えました。それに想像以上に英語力が必要でした」(鈴木さん)

 

 さらには鈴木さんの夫が病気になってしまったことも追い打ちとなります。

 

「日本は国民健康保険もあり、医療費はやすいですし、病院で安心して通えます。しかし、現地の医療水準が低かったこともあり、夫と日本に一時帰国をして治療を受けることにしました」(鈴木さん)

 

◆移住費用がパー。貯金を切り崩して生活することに

 

 こういった生活への負荷から、3年間のジョホールバルでの生活を経て鈴木さん夫婦は日本への帰国を決意しました。

 

「移住費用に加え、帰国してからの新居探しなど金銭的にも想定外の損失となりました。いまは、経済的な不安を抱えつつ貯金を切り崩して生活しています」

 

 老後はあたたかい東南アジアで海外でのんびり生活を……と思っている高齢者の方には鈴木さん夫妻のような失敗談は耳の痛い話ではないでしょうか。

 

 では、海外移住を後悔しないためには何が必要でしょうか。彼らのエピソードを通じてわかるのは、いきなり移住するのではなく、現地での短期滞在を経験すべきということです。特に現地での文化や慣習は旅行だけではわからないことがあります。最低でも季節を変えて3度、一ヶ月は滞在すべきです。

 

 また、英語力が必要な国の場合、言語学習に取り組み、できれば現地の日本人コミュニティとも連携を取れるように知人や友人を作っておくことを筆者はおすすめしています。たしかに、海外は日本よりも労働賃金が高かったり、気候的に魅力的かもしれません。しかし、彼らの失敗事例からわかるように、できるだけ事前準備を行うことが必要と言えるでしょう。

 

<TEXT/宮脇咲(みやわき・さき)>

 

【宮脇咲(みやわき・さき)】

海外不動産投資家・海外移住コンサルタント。1997年宮崎県生まれ。UAEドバイ在住。お茶の水女子大学在学時に、暗号資産投資で大きな利益を出し、分散投資の一つとして不動産投資をスタートする。大学3年生の21歳から国内不動産投資を始め、国内3棟18室を保有し利回り20%以上の物件を運営し、その後いくつかの物件を売却。22歳で海外不動産投資へ進出し、ジョージア、トルコ(イスタンブール)、アラブ首長国連邦(ドバイ)に不動産を所有。現在は、個人投資家として資産運用をしながら、富裕層、経営者、投資家への資産コンサルティングのほか、海外移住のアドバイザーとしても活動。チャンネル登録者数約6万人のYoutubeチャンネル「さきの海外不動産しか勝たん」を運営。


「AIに仕事を奪われる」どころではない、人間の組織まで代替してしまう「AGI」の着々と進む開発事情

2025年03月17日 06時41分33秒 | AI
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AIに仕事の補助はできても、自分自身を置き換えることなどできないだろうと、高をくくっていないか(写真はイメージです) Photo:PIXTA© ダイヤモンド・オンライン

「人工知能」から「人工一般知能」へ

人間の能力全般を代替する「AGI」とは何か

「AIが人間の仕事を奪う」という話は何年も前から語られてきた。確かに昨今のいわゆる生成AIの発展はめざましい。しかし、読者の多くは、AIに仕事の補助はできても、職場の自分を置き換えるなどといったことは起きないだろうと高をくくっているのではないだろうか。

 そこで考えたいのが、AGI(Artificial General Intelligence)という概念だ。日本語では「汎用人工知能」と呼ばれることが多く、それも決して悪くはないが、直訳するならば、むしろ「人工一般知能」と呼ぶべきだろう。私たちは、すでにChatGPTなどのAIを何にでも使っているので、用途を限定しない「汎用の人工知能」はもうできていると思うかも知れない 1)。一方、「一般知能2)」 を人工的に創れるかどうかは、2025年3月現在、未解決の課題だ。

 AGIの反意語は「狭いAI (narrowAI)」であり、これは例えば自動運転や病気の診断など、知能が及ぶ範囲が限定されているものを指す。一方、人工の一般知能であるAGIが実現するのは「知能の全体像」であり、環境に応じた柔軟な対応や創造的な問題解決、そして対人関係の構築などを含む、広範で限定されない知的能力を示している。

 人間の知的能力を、数値化できる「認知能力」(例えばIQ)と、数値化できないとされる「非認知能力」(例えば「やり抜く力」)に分けて考える向きもあるが、AGIが実現するのは人間の脳に可能な能力全般であるので、その両方を実現すると考えてよいだろう。

1) 専門的には、こうしたAI は「基盤モデル (foundation model)」と呼ばれ、さまざまなタスクをこなせる。

2) 我が国では、公務員試験において事務処理能力を測るための数的処理や文章理解といった科目群を「一般知能」と呼

ぶが、そういった問題を解けるAI は、後述するマイルストーンにおけるレベル 2 に相当し、ほぼ達成済みだと言え

る。ここでの「一般知能」はより広い概念—知能の全体像—を意味する。

 実際、例えばOpenAI社が先月発表し、他の各社も同様の機能をリリースして鎬を削っている「詳細なリサーチ」(deep research)のように、時間をかけ、試行錯誤しながらウェブ上の情報を収集・分析し、レポートにまとめ上げるといったサービスを利用した経験がある読者は、AIには人間よりよほど「やり抜く力」があると感じているかもしれない。

SF作品『スタートレック』に見る

人間を超える知的能力を備える存在

 ただし、人間の脳の作用の中でも「自我」の扱いについては注意が必要だ。ここで、AGIと自我の関係について、米国のSF作品『スタートレック』を例に考えてみよう。

 世の中にいまだ存在しない科学技術が社会でどのように使われていくかを考えるには、プロトタイピングの意味でSFが役に立つ。この作品に登場する、何百人もの乗員を乗せて銀河系を冒険する巨大宇宙船「エンタープライズ号」を司る知能システムは、その名も「コンピューター」と呼ばれ、(米国の作品なので)英語で自然に対話でき、宇宙船の航行制御から乗員の食事の世話、レクリエーション、医療まで、あらゆる実務をこなす。

 ただし、この「コンピューター」は自我を持たず、物語の中ではあくまで道具として描かれる(例えば、乗員が生き残るために必要であれば、宇宙船もろとも破棄される)。一方、同作に登場する「データ」という名のアンドロイドは自我をもち、人間を超える知的能力を備えるが、人間と変わらない仲間として描かれる(彼も乗員であるので、人間と一緒に生き残る道が模索される)。

 後者のような存在はもちろん興味深いが、私たちは、まずは道具としてのAGIを欲するだろうから、前者の「コンピューター」をAGIのモデルとして考えていくのがよいだろう。

AGIがどちらも代替してしまう人間の考え方

「A思考」と「X思考」とは

 もう少し人間の思考について考えてみよう。子ども向けのプログラミング環境であるScratchの開発などで知られるMIT(マサチューセッツ工科大学)メディアラボのミッチェル・レズニック教授は、その著書『ライフロング・キンダーガーテン』の中で、人間の思考を「A思考」と「X思考」の 2種類に分ける考え方を紹介している。

 A思考は、学校の成績で Aを取るような思考であり、与えられた課題に取り組み、「やり抜く力」を発揮して、困難を(周囲の協力を得ながら)自分で克服してゴールを達成する。一方、X思考は、学校では成績が付けられないような言わばハチャメチャな思考であり、問題を引き起こし、課題を自ら生み出してチャレンジする。「素人のように考え、玄人として実行する」という言葉があるが、A思考は「玄人として実行する」部分を担い、X思考は「素人のように考える」部分を担うと言えるだろう。

 これらの思考は、AIによってどの程度実現されているだろうか。先に述べたようにリサーチを自動的に行うdeep researchや、手許のパソコンでできることなら何でも自動でやってしまうOpen Interpreterといったツールは、人間に与えられた課題に沿って、試行錯誤しながらウェブ上の情報を収集・分析したり、プログラムコードを生成して正常に動作するまで自分でデバッグしたりする。技術は、A思考の自動化に向かって着々と進歩を続けているように見える。そうなると、A思考は機械により代替しうるので、人間に専ら必要なのはX思考であり、これからはX思考者を育てようではないか、という発想になるのも頷ける。

 

 だが、待ってほしい。私たちは、知能の全体像を人工的に創る話をしているのだから、X思考も自動化できなければ、AGIが実現したとは言えないのではないか。しかし、新しいアイデアを生み出すAIなど創れるのだろうか。

 実は、そのための試みもすでに始まっている。ソニーコンピュータサイエンス研究所所長の北野氏らが推進するNobel Turing Challengeプロジェクトは、AIが自動的に科学的発見を行って人類の知を拡大することを目指し、AIが自分で解くべき問題を決め、仮説を打ち立てるのはもちろん、生物学などのフィジカルな実験すらもAIとロボティクスにより自動化し、「AIシステムがノーベル賞級の発見を自動的に行うこと」を目標としている。

AIが組織を丸ごと自動化するのはいつ?

AGIの実現に向けた5段階のロードマップ

 では、AGIはいかにして達成されると考えられているのだろうか。OpenAI社は、表のような5段階を社内で共有しているという。これは、科学的な分類というよりは、まさに開発のためのロードマップと言えるだろう。

 
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【表1】AGIに向けた5つのステップ© ダイヤモンド・オンライン

 OpenAI社は現時点でレベル2までをほぼ達成し、レベル3に向けた取り組みを始めていると言える。レベル3のAIは、人間の代役ができるエージェントであり、人間に与えられたタスクの進行をモニタリングし、自らの思考にフィードバックをかけ、必要なら試行錯誤しながらゴールを達成できるし、数日間に渡って業務を執行し続けられる。これはA思考の自動化を達成するものだと言えるが、現代社会では多くの人々がA思考ができることをもって雇用されている事実を考えると、社会に破壊的なインパクトをもたらしかねない。

 そしてレベル4になると、仕事のやり方を改善したり、新しい道具や製品を生み出したりできるようになる。いよいよX思考までもが自動化される。これは一見、達成が困難なようでいて、新しいアイデアであっても基本的には既存のアイデアの組み合わせなのだから、ランダムな創出をレベル3の機能で試行・評価することで、意外とあっさり力技で達成されてしまうのかもしれない。

 

 レベル5を「組織」としている点は興味深いし、示唆に富む。たとえば、先に紹介したNobel Turing Challengeは「研究機関を丸ごと自動化する」試みだと考えられるからだ。また、レベル4の達成から組織全体の自動化までにはギャップがあるようにも見えるが、レベル4まででイノベーションが自動化されるのだから、自動化に関わるイノベーション自体が自動化され、革新的な変化が加速されるかもしれない。

 それでは、AGIの厳密な定義には揺れがあるにせよ、それはいつごろ生まれると考えられているのだろうか。OpenAI社のCEOであるAltman氏は、2029年までにと考えているようだ。

 Claudeを提供するAnthropic社のCEOであるAmodei氏は、早ければ2026年だと考えている。投資家たちに向けたポジショントークな面も否めないが、両社による開発がますます加速している現状を見れば、頷ける予想と言えるかもしれない。

 2030〜2040年代、あるいはもっと遅いと考える研究者らもいるが、最も早い部類では、大きな困難に直面しなければ、おおむね今後3〜5年の間にレベル4〜5の AGIが誕生するという見方が妥当だろうか(組織の全機能を置き換える、真のレベル5の実現のためにはロボティクスのさらなる進化が必要となるので、もう少し先になるとしてもだ)。問題は、その先に何が起きるか、何を起こしていくかだろう。

 さて、後編ではAGIが生まれた後、社会にどのようなインパクトがもたらされ、私たちはどう生きていけるのかを考えたい。

(早稲田大学ビジネススクール教授 斉藤賢爾)


平均給与460万円だが…「中間層の拡大」で露呈する、日本の「恐ろしい経済格差」

2025年03月15日 06時39分17秒 | 日本の衰退
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(※写真はイメージです/PIXTA)© THE GOLD ONLINE

国税庁『民間給与実態統計調査』(令和5年)より、「平均」からは見えてこない、日本人のリアルなお金事情について見ていきます。

「中間層の拡大」…眼前に現れるのは「恐ろしい格差」

前政権では「中間層の拡大」が掲げられてきましたが、効果には疑問の声も。はたして「中間層の拡大」は実現しているのか、現状を見ていきましょう。

まずは業種別の平均給与。国税庁『民間給与実態統計調査』(令和5年)によると、1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与について、最も高いのは「電気・ガス・熱供給・水道業」の775万円。「金融業、保険業」652万円、「情報通信業」649万円と続きます。最も低いのは「宿泊業,飲食サービス業」の264万円。諸手当を含んだ金額であることを踏まえると、かなり厳しい現状が見て取れます。

*********************

電気・ガス・熱供給・水道業……775万円

金融業,保険業……652万円

情報通信業……649万円

学術研究,専門・技術サービス業・教育,学習支援業……551万円

建設業……548万円

複合サービス事業……535万円

製造業……533万円

運輸業,郵便業……473万円

不動産業,物品賃貸業……469万円

医療,福祉……404万円

卸売業,小売業……387万円

サービス業……378万円

農林水産・鉱業……333万円

宿泊業,飲食サービス業……264万円

-----------------------------------------

全体平均 460万円

*********************

業種間格差が鮮明になっていますが、それぞれの業種について「年収のボリュームゾーン」はどこかを見ていくと、また違った様相がうかがえます。

*********************

電気・ガス・熱供給・水道業……1位「800万円超/41.1%」、2位「500万円~599万円/14.2%」

金融業,保険業……1位「800万円超/26.7%」、2位「400万円~499万円/15.1%」

情報通信業……1位「800万円超/24.4%」、2位「400万円~499万円/15.8%」

学術研究,専門・技術サービス業・教育,学習支援業……1位「800万円超/19.3%」、2位「300万円~399万円/14.4%」

製造業……1位「400万円~499万円/16.4%」、2位「800万円超/15.2%」

建設業……1位「400万円~499万円/19.3%」、2位「300万円~399万円/16.2%」

運輸業,郵便業……1位「400万円~499万円/21.8%」、2位「300万円~399万円/19.7%」

不動産業,物品賃貸業……1位「100万円~199万円/15.9%」、2位「200万円~299万円/15.4%」

複合サービス事業……1位「800万円超/17.6%」、2位「400万円~499万円/15.1%」

医療,福祉……1位「300万円~399万円/23.5%」、2位「400万円~499万円/18.4%」

 

卸売業,小売業……1位「100万円~199万円/17.5%」、2位「200万円~299万円/15.3%」

サービス業……1位「200万円~299万円/19.7%」、2位「300万円~399万円/17.1%」

農林水産・鉱業……1位「200万円~299万円/26.6%」、2位「300万円~399万円/23.0%」

宿泊業,飲食サービス業……1位「100万円以下/29.6%」、2位「100万円~199万円/21.5%」

*********************

「電気・ガス・熱供給・水道業」の高額っぷりに驚いた方も少なくないでしょう。

厳しい数字を記録しているのが、やはり「宿泊業,飲食サービス業」。本調査、「1年を通じて勤務した給与所得者」を対象に集計しており、正規・非正規の垣根はありません。飲食業に関しては、パートタイムで働く方々が多いのも関係してはいるものの、それでもなお、業種間格差を痛感してしまう数値です。

「所得」を見ていくと…「悲しい現実」が明らかに

このデータは「給与」、つまり働く日本人に限った「お金」ですが、そのほか公的年金や私的年金、資産運用によってそのほかの収入を得ている方々も少なくありません。

そこで厚生労働省『国民生活基礎調査』(2023年)より、広く平均所得について見てみると、1世帯あたり平均所得金額は、「全世帯」が524万2,000円。「高齢者世帯」が304万9,000円、「高齢者世帯以外の世帯」が651万1,000円、「児童のいる世帯」が812万6,000円となっています。

やはり気になるのは分布図。同調査によると、「100~200万円未満」が14.6%、「200~300万円未満」が14.5%、「300~400万円未満」が12.9%と、所得300万円未満の世帯が最も多くなっています。中央値は405万円。平均所得金額(524万2,000円)以下の割合は62.2%と過半数を超えています。

「中間層」の指し示す数字とは、一体何でしょうか。円安とインフレが続く今、国民の「お金への視線」はより一層鋭くなっています。


世帯年収の平均額ってどのくらい?「生活が苦しい」と感じる人の割合も紹介

2025年02月24日 07時01分00秒 | 日本の衰退
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世帯年収の平均額ってどのくらい?「生活が苦しい」と感じる人の割合も紹介© ファイナンシャルフィールド

依然として、物価の上昇による消費支出の増加が続いて家計を圧迫しています。では、家族の生活を支える平均的な世帯年収はどのくらいなのでしょうか。また、中央値とはどのように異なるのでしょうか。 本記事では、世帯年収の平均額や中央値について、共働き世帯とそうでない世帯で差はあるのか、厚生労働省のデータを用いて解説します。

世帯年収の平均額

厚生労働省の「2023(令和5)年国民生活基礎調査」によると、日本の世帯年収の平均は「524万2000円」です。世帯主の年齢階級別は表1のとおりです。

表1

厚生労働省「2023(令和5)年国民生活基礎調査」より筆者作成

平均値とは、全データの合計をデータ数で割った値です。そのため、一部の極端に高い年収が含まれると、平均値が押し上げられる傾向があります。例えば、10人のうち9人の年収が300万円で、1人が1億円の年収だった場合、平均年収は1270万円となります。

こうした影響を避け、より実態に近い年収を把握するために中央値が用いられているのです。

世帯年収の中央値

中央値とは、データを低い順または高い順に並べた際、中央に位置する値を指します。極端に高い年収や低い年収の影響を受けにくく、実態に近い数値として活用できます。

厚生労働省の「2023(令和5)年国民生活基礎調査」によると、世帯年収の中央値は「405万円」です。ところが世帯年収が524万2000円(平均値)未満の世帯の割合は62.2%でした。

実際の世帯年収の分布を見ると、世帯年収が「100万円未満」の割合は6.9%、「100~200万円」は14.6%、「200~300万円」は14.5%、「300~400万円」は12.9%という順番であり、「400~500万円」は10.7%と低くなっていきます。

 

このように、中央値を見ることで、実際の年収に近い分布が把握できるのです。

世帯構造別の平均年収

世帯年収は、世帯構成によって大きく異なります。共働き世帯では夫婦それぞれの収入が合算されるため、世帯年収が高くなる傾向があります。

厚生労働省の「2023(令和5)年国民生活基礎調査」にて世帯構造別収入の平均年収は表2のとおりです。

表2

厚生労働省「2023(令和5)年国民生活基礎調査」より筆者作成

仕事をしている人数が増えるほど、世帯年収も高くなる傾向があります。

また、夫婦共働き世帯に限定した場合、総務省統計局の「2024年(令和6年)家計調査」によると、共働き世帯の月収入の平均は68万8736円でした。年収にすると826万4832円となり、800万円を超えます。

一方、単身世帯や単独所得世帯では、世帯年収が平均よりも低くなる傾向があります。特に子育て世帯では、教育費や養育費の負担が大きいため、世帯年収が高くても生活に余裕がないと感じる場合もあります。

生活意識の状況

厚生労働省の「2023(令和5)年国民生活基礎調査」では、生活が「大変苦しい」「やや苦しい」と回答した人は、全体の59.6%にのぼり、6割近い人が生活に苦しさを感じていました。特に「児童がいる世帯」では、その割合が65%と高く、経済的な余裕のない家庭が多いことが分かります。

また、児童のいる世帯のうち、母親が仕事を持っている割合は77.8%と高いものの、それでも生活が苦しいと感じている世帯が多いようです。これには、近年の物価上昇が影響している可能性があります。

平均値だけでなく中央値も確認しよう

世帯年収は、世帯人数や有業者の数によって大きく異なります。特に共働き世帯では平均世帯年収が800万円を超えますが、それでも生活が苦しいと感じる人が多いようです。

また、平均年収は、一部の高所得者により数値が押し上げられるため、実態とは異なることがあります。国が公表しているデータから年収を把握する際は、平均値だけでなく中央値にも注目してみましょう。

出典

厚生労働省 2023(令和5)年国民生活基礎調査の概況

政府統計の総合窓口(e-Stat) 国民生活基礎調査/令和5年国民生活基礎調査/所得

総務省統計局 2024年(令和6年)家計調査(家計収支編)

政府統計の総合窓口(e-Stat) 家計調査/家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー


「妊娠してしまいました」と朝礼で泣き崩れる女性教師、給料ステイで3人分の仕事をする現場…“採用難の教育現場”で何が起きているのか

2025年02月23日 08時58分11秒 | 教育
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写真はイメージです Photo:PIXTA© ダイヤモンド・オンライン

年々、深刻さを増す“教員不足問題”。実際の教育現場はどのような状況に陥っているのか。そして、教員不足の問題は教員と子どもたちにどのような影響を及ぼすのか。長年教員の育成に携わってきた佐久間亜紀氏が、教員となった自身の教え子たちのリアルな声から深刻な現場の状況を書き記す。※本稿は、佐久間亜紀氏『教員不足――誰が子どもを支えるのか』(岩波書店)の一部を抜粋・編集したものです。

明るく愛情深い女性教師から

送られてきた「絶望」の二文字

「今日がまだ木曜日であることに絶望しています」

 ある朝、中学校教員になった教え子から、LINEアプリにこんなメッセージが入っているのを見つけ、私は思わず画面を凝視した。

 奈々子先生(仮名)は30代半ばの中堅教員だ。彼女が大学1年生だった時、私の講義を履修していたのが出会いだった。その頃から、彼女はいつも、どうやって自分自身と周りの人たちを楽しくするかを考えていた。たわいない会話の中にも「今日は胃カメラを、3オエオエくらいで無事にオエました!」と笑いを乗せてくるような、元気印という言葉がぴったりくる人だった。しかも、ひとたび教育の話になると、生徒が可愛くてたまらないと思う気持ちがあふれ出て止まらない。

 

 その奈々子先生が、「絶望」というような鋭い言葉を送ってくること自体が、事態の深刻さを物語っていた。どれほど追い込まれ、どれほど土曜が遠いのか。

 このメッセージの少し前、コロナ禍でオンライン開催になってしまった授業に関する自主的な研究会でも、奈々子先生は画面越しに、いつになくお笑い抜きで、仲間にそのしんどさを語っていた。

 4月から研究主任を任され、そもそも忙しい毎日だった。公立学校では必ず、学校全体の教育活動の質を向上させるために、各校で毎年テーマを決めて学校全体で教育研究に取り組む努力が行われている。奈々子先生に任された研究主任とは、授業の質を向上させる学校ごとの取り組みの統括を担う仕事だ。

 教員としての通常業務に加えて、研究主任の仕事を任されて大変ななか、6月頃に、同僚で同じ理科担当のA先生が妊娠し産休に入った。ところが、代替の先生が見つからない。やむをえず、本来なら産休代替の教員がするべきA先生の授業や校務を、理科の教員で分担して行うことになり、奈々子先生の理科の担当授業数も1.5倍になった。授業の量は増え、勤務時間内に授業の準備やテストの採点等をする空き時間もなくなってしまったのである。

いくら仕事が増えても

変わらない教員の給料

 すると、今度は教務主任のB先生が心を病んでしまい、出勤できなくなった。そしてB先生の替わりも見つからないと、教育委員会から連絡が来た。教務主任のような責任の重い仕事は非正規雇用の先生にはお願いできないから、正規雇用の教員で回すしかない。結局、校長から、奈々子先生が教務主任としてB先生の仕事も兼務するように言われたというのだ。

 奈々子先生がこう語るオンラインの画面越しに、仲間から悲鳴があがった。

「えー!ありえないよ!」「いったい、何人分の仕事?」

 教務主任というのは、授業実施に関する全般を統括する仕事である。学習指導要領で定められた授業時数がきちんと実施されているかを確認して報告するなど、いわば中学校全体の授業を回していく司令塔の役割にあたり、本来なら、授業の担当を免除されて専念するくらい大変な管理業務なのである。

 奈々子先生は、本来の仕事として、自分の担当する授業と学級担任を受け持ち、さらに校務分掌(編集部注/学校運営に必要な業務を教員が分担して行うこと)として研究主任の仕事を担当していた。そこへA先生の理科の授業と、B先生の教務主任業務も担当させられるのだから、数人分の仕事を1人でやれと言われているのと同じだ。ちなみに、担当授業時数がいくら増えても、給料は増えない。

 さらに信じられないことに、教育委員会からは、教員の働き方改革を促進するために学校で残業はしてはならないという連絡が来ているという。その一方で、子どもの個人情報の詰まったUSBや高校に送る推薦書のデータなどは、個人情報保護のために自宅に持ち帰ることは禁止されている。いったいどうしろというのか。

 もちろん、早く帰りたいと一番思っているのは奈々子先生自身だ。家には小学生の子どもがいて、同業の夫は部活動の指導で平日も土日も帰宅が遅い。

「やるしかないけど、帯状疱疹ができちゃった」と、奈々子先生は力なく笑った。「帯状疱疹って、こんなに痛いって知らなかった。激痛だったけど、忙しくて病院に行く暇さえなくて。後遺症が残ったらどうしよう」

 その後私から「調子はどう?」と送ったLINEへの返事が、絶望しているという冒頭の言葉だったのだ。

「妊娠してしまいました」

と言って泣き崩れる女教師

 苦しんでいるのは奈々子先生だけではない。産育休や病休に入る方の教員も、同じようにしんどい思いをしている。

 小学校教員をしている真美先生(仮名)は、念願叶ってようやく妊娠したという。数年前に結婚し、ずっと子どもが欲しいと思っていたけれど、なかなか授からずにいた真美先生は、初めての「おめでた」が本当に嬉しくて家族で抱き合って喜んだ、と私に伝えてきてくれた。

「でも、気が重いんです。産休代替の先生が見つからない時代なので、いまの校長は絶対にいい顔をしないはずなんです……」

 案の定、校長室で報告すると、校長は言葉では「そうですか、おめでとう」と言いつつ、その表情にお祝いの色はまったく感じられなかったそうだ。そして「替わりの先生が見つからないかもしれないから、産休に入るのはできるだけ遅くしてほしい」と言われたという。私からは「学校は替わりの誰かが回してくれるけど、お腹の赤ちゃんにはお母さんしかいないから、仕事は二の次にして赤ちゃんのことを考えて」と伝えた。

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 私自身も、子どもを授からなくて苦悩した時期が長かったから、真美先生とご家族の喜びの気持ちは痛いほどよくわかるし、もはや産休をとる以外の選択肢はない。それでも、帯状疱疹ができてしまった奈々子先生の顔を思い浮かべながら、「学校側も大変だろうな」と、お祝いしたい気持ちにうっすらと影が差してしまう。

 
別の小学校で教員をしている慎二先生(仮名)も、「僕の学校でも、前の年に結婚した同僚が職員朝会で、妊娠してしまいました、申し訳ありません、とだけ言って、泣き崩れてしまったんですよ」と教えてくれた。

「新しい命を身ごもるなんて、とても喜ばしいことだし、本来ならみんなで歓声をあげて、おめでとう!ってお祝いする瞬間になるはずなのに、なんだか本当にいたたまれなかった。

 産育休をとる先生に何の罪もないのは、みんなよーくわかっているんです。でも、それでも、現実問題として産育休代替の先生が見つからなかったらどうなってしまうのか、学校の子どもたちはどうなるのか、不安になっちゃうのも事実なんです。そう感じてしまう自分が本当に情けないし、やるせない」と語る。

およそ8万人の子どもが

“担任がいない”状況に

 文科省は、2021年に各自治体の4月始業日と5月1日の教員不足数に関する全国調査を行った。調査対象となる学校種は、公立の小学校・中学校・高等学校・特別支援学校であり、調査対象となる教員は、校長以下講師まですべての職位を含むとともに、雇用形態としても「正規教員、臨時的任用教員、非常勤講師(会計年度任用職員)、再任用教員(フルタイム・短時間)をすべて含む」とされていた。

 そして、この調査報告書では「教師不足」とは「臨時的任用教員等の講師の確保ができず、実際に学校に配置されている教師の数が、各都道府県・指定都市等の教育委員会において学校に配置することとしている教師の数(配当数)を満たしておらず欠員が生じる状態」と定義されていた(文部科学省「「教師不足」に関する実態調査」2022年)。調査結果によれば、2021年度4月始業日での不足が全国で2558人だった(うち小中の不足は2086人)。

 
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『教員不足――誰が子どもを支えるのか』 (岩波書店) 佐久間亜紀 著© ダイヤモンド・オンライン

 不足を埋めようと1カ月間教員を探して配置してもなお、5月1日時点で2065人が不足していたという。2558人という4月の不足数は、学校に配置されている教員定数全体に占める割合としてみると、0.31パーセントにあたると、この報告書には記されている。

 さて、0.31パーセントという数字を、大きいとみればよいのか、小さいとみればよいのか。文科省の記者会見の会場では、記者たちの間に、不足が深刻なのかどうかよくわからない……といった当惑した空気が流れたという。

 不足が「大きい」か「小さい」かという評価は、何かを基準にして比較する見方になる。ここでは、まず子ども目線で考えてみよう。例えば不足教員2558人の背後に、何人の子どもと保護者がいるだろうか。

 1学級に約30人の児童・生徒がいると仮定すれば、全国でおよそ7万人から8万人の子どもたちが、担任の先生がいないという状況を経験させられていたことになる。その背後には、それより多くの保護者がいる。私にはこの数が決して小さいとは思えない。


「払った分を返金して」厚労省『X』大荒れ…年金への怒り爆発 「106万円の壁撤廃」で社会保険料の企業負担増…給与明細に“会社負担分”明記する動きも

2025年02月18日 06時43分11秒 | 年金対策
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「払った分を返金して」厚労省『X』大荒れ…年金への怒り爆発 「106万円の壁撤廃」で社会保険料の企業負担増…給与明細に“会社負担分”明記する動きも© FNNプライムオンライン

厚生労働省が「106万円の壁」を撤廃する方針を固めたが、山形・新庄市では障害者就労支援会社が、年間6800万円あまりの人件費の増加を理由に事業所閉鎖を発表した。SNSでは年金への批判が噴出し、厚労省は意見を参考にするとした。一方、企業が社会保険料の企業負担分を給与明細に明記する動きも広がっている。

「社会保険料が少子化を加速させている」Xで怒り爆発

厚生労働省が「106万円の壁」を撤廃する方針を固めたことで、社会保険料の企業負担の増加が見込まれている。

山形・新庄市の障害者就労支援に取り組む会社が、事業所を2026年に閉鎖する事が分かった。原因は、年間6800万円あまりの人件費の増加が避けられないことだ。障害者200人以上を解雇する方針だという。

そんな中、厚労省のXには気になる動きがあった。

テーマは、「厚労省の『X』大荒れ 年金への怒りが爆発ソレってどうなの?」だ。

厚労省は年金制度改革について、国民から広く意見を募ろうと、Xにこう投稿した。

(以下引用)

厚労省のXより:

年金制度の改正に関するご意見がございましたら、厚生労働省へお寄せください。

 

社会保障審議会年金部会では、自由で安全な環境の中での公正な議論を大切にしています。

(以上引用)

しかし、コメント欄には年金や社会保険料について、批判の声が殺到した。

(以下引用)

厚労省Xのコメント欄より:

毎月の保険料が高すぎる。今まで払った分を返金してくれ。

厚労省Xのコメント欄より:

今後きちんと年金をいただけるのか、とても不安です。保険は任意加入にしてください。

厚労省Xのコメント欄より:

高すぎる社会保険料が少子化を加速させている。大幅に引き下げて欲しい。

(以上引用)

こういったSNSでの声についてどう思うか、街の人に聞いた。

20代:

若者はXやSNSをメインで情報を得ていると思うので、そういった取り組みで若者の関心を引くのはいいことかなと思います。

30代:

逆に、厚労省は聞いて何が変わるのか。Xも皆さん見てる人が多いからいいんでしょうけど、私はあまり見ていないので。

厚労省はXに寄せられている多数の反応について「ご意見は様々な視点からいただいたものであり、今後、国民の皆様の年金制度への信頼を高めるための参考とさせていただきます」としている。

「仕組みより理解できた」給与明細に会社負担分記載で意識共有

青井キャスター:

こういった批判について、どう思われますか?

SPキャスター・柳澤秀夫さん:

年金と聞くと、かつての消えた年金の問題とか、国民の目線から見ると、どうも不安や不信感が拭えないんですよね。厚生労働省もいろんな声を聞くのはいいんですけど、聞くだけじゃなくて、実際にそれを政策に落とし込んで反映させてほしいです。

青井キャスター:

さまざまな意見の中、イット!が注目したのは、この投稿です。

(以下引用)

Xの投稿:

ねんきん定期便に会社負担分が記載されていないのはなぜですか?

(以上引用)

青井キャスター:

社会保険料の負担割合は原則、本人と企業の折半となっています。1年に1度手元に届く「ねんきん定期便」には、今まで払った年金と、将来貰える金額が書かれています。ただ、会社員や公務員など第2号被保険者は、企業側が負担している金額の記載がありません。

 

そんな中、給与明細に企業負担分を記載する会社が登場しています。従業員280人以上を抱える不動産会社「大和財宅株式会社」の給与明細には、出勤日数や支給額、控除の合計などが記載されています。

しかし、明細の右端には見慣れない欄があります。そこには「会社負担社会保険料」や「会社負担社会保険料含む総支給額」が明記されています。社会保険の会社負担分の記載を始めた理由は何でしょうか?大和財宅の藤原正明代表に聞きました。

大和財託・藤原正明代表:

我々会社としては賃上げしているが、社員の手取りはなかなか増えていかない。賃上げすると、そこに社会保険料がプラスで乗ってくる。会社が負担している社会保険料を含めて、社会保険料の負担の重さを一般社員の方々にも知って欲しい。世の中の今の社会課題というか、我が国の課題にちょっとでも関心を持っていただきたいです。

青井キャスター:

会社負担分の金額を見える化することで、社員から何か反応はあったのでしょうか。

大和財託・藤原正明代表:

若手社員は「僕自身が雇用してもらうために、会社がこれだけの社会保険料を別途負担していただいたことに衝撃を受けました」「制度の仕組みをより理解できました」そういう声もあったので、非常に社員としてもいい気づきになったのではないかと思います。

青井キャスター:

別の会社の経営者も会社負担分の金額を給与明細に載せたことで、社員との距離が近くなったと言います。

4社を経営するBさん:

僕らで伝えられることはできるだけ伝えて、同じこういうところで意外と経営者、経営層も悩んでたりするんだよというのは、変に隠すより実際を伝えた方が、逆にもっと従業員が頑張ってくれると思います。

厚労省は、2026年度のねんきん定期便からは、「事業主も同額を負担」している旨の説明を記載する方向で準備をしているという。従業員にも企業にも負担が大きい社会保険料を、正しくクリーンに運営してほしい。

 


自殺者の8割、生前に行政と接点 職員は「命の門番」に

2025年02月13日 07時18分26秒 | 行政
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自殺した区民の8割以上が生前に区と接点があった――。2024年9月、東京都江戸川区がこんな調査結果を公表した。ある1年間に自殺した103人と区の関わりを調べたところ、申請手続きや生活相談などで8割以上と何らかの接点があった。苦悩する区民との「点」のつながりを行政はどう生かせばいいのか。現場で模索が始まっている。

「計画は達成しているのになぜ減らない?」「実態を把握しきれていないのではないか」。全部署の部長級が顔をそろえた江戸川区の自殺対策戦略会議。斉藤猛区長は参加者にこう問いかけた。

同区は都の東端にあり、江戸川を挟んで千葉県と隣り合う人口約69万人の都市だ。自殺対策に積極的に取り組み、14年には健康部に「いのちの支援係」を設けて対策を推進してきた。

計画達成も、自殺者が減らない

だが区内の自殺者数は横ばいの状況が続く。ピーク時(11年)には179人だった自殺者は115人(16年)まで減ったが、その後は増減を繰り返し、23年は122人。区が掲げる目標の「30年に82人」との隔たりは大きい。

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自殺対策計画で各部署が立てた対策は8〜9割が達成している。それでも減らないのは自殺した区民の実態を十分に把握できていないからではないか。

戦略会議での区長の発言は、対策の原点に立ち返る重い問いだった。

区は全庁を挙げて、自殺者との接点を調べることにした。中心となったのが健康部の大沢樹里副参事といのちの支援係の係長だ。ある1年間に自殺したと判別できた区民103人について、関わった部署や時期、内容などを調査。一般社団法人「いのち支える自殺対策推進センター」とも連携協定を結び、調査結果の分析を依頼した。

自殺者85%に区と関わり、17課が相談受ける

約1カ月をかけた調査の結果は、関係者も予想外の内容だった。

自殺者103人のうち接点があったのは85.4%の88人。住民票や戸籍の手続き、各種申請、生活上の相談などで29部署に何らかの関わりがあり、うち17課は相談を受けていた。

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中でも目立ったのが、税金や社会保険料の滞納を巡る相談だ。督促や催告を担当する「納税課」や「医療保険課」、「介護保険課」などが10人以上から相談を受けていた。

生活保護の申請を受け付ける「生活援護課(第一〜三)」や、精神疾患や心の悩みなどに対応する「保健予防課」にも複数人から相談があった。

相談はないが、接点となる機会が多い部署の存在も分かった。例えば、転出入届の窓口となる「区民課」は50人を超える区民と接点があった。

経済的に困窮している人は精神的にも追い詰められている可能性が高い。

転居の背景には離婚や転校、転職など様々な家族の事情がある。z生活環境の変化そのものが精神的な負担となる場合も少なくない。

大沢さんは「『自殺対策は全庁で取り組む』という目標を掲げていたが、各部署へのヒアリングで職員の意識に差があったことも分かった」と振り返る。

職員の意識に差、「命の門番」研修強化

区は昨年9月、調査結果を公表し、対策強化に取り組んでいる。

8月下旬には管理監督職865人全員に理念研修を実施。いのち支える自殺対策推進センター代表理事でNPO法人「自殺対策支援センターライフリンク」の清水康之代表が登壇し、部署間の連携を深めて点と点を線で結び、面にしていく重要性を説いた。

陸上のリレー競技に例えて「バトンを落とすことなく、しっかりと必要な部署につないでほしい」と呼びかけた。

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江戸川区の管理監督職を前に講演するNPO法人自殺対策支援センターライフリンクの清水康之代表(昨年8月)

9月10〜16日の自殺予防週間中には、非常勤などを含む全職員1万7503人が「ゲートキーパー」(命の門番)としての役割を学ぶeラーニングなどの講習を受けた。ゲートキーパーは悩んでいる人に気づき、声をかけて話を聞き、必要な支援につなげる人のことだ。

講習の資料には、職員に自分の問題として捉えてもらうため、窓口での区民とのやりとりを想定した設問も盛り込んだ。相談者が追い詰められて発信したSOSを否定したり、批判したりせず、気持ちを一度受け止めて、連絡先などを聞き取り、相談窓口につなぐよう促す内容だ。

各部署にフィードバック、職員の心のケアも

全庁調査で判明した関わりの内容は、部署ごとにヒアリングシートにまとめて報告し、対応策を検討してもらった。今後は自殺対策計画の評価と合わせて各部署の進捗状況を毎年確認していく方針だ。

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図書館など区民が立ち寄りやすい窓口には相談先が記載された名刺大のカードを置いた

一方で、区は税や保険料の徴収や督促を担う職員の心理的負担を和らげる職場づくりにも取り組んでいる。担当職員は徴収率を上げることを職務として求められる一方、生活苦などの相談を受けて板挟みになる場合があるためだ。職員が精神科医らにアプローチ方法や困りごとを相談できる機会も年12回から16回に増やした。

調査の公表後、区には各地の自治体から問い合わせがある。経済的な困窮に加え、家庭や学校、職場などに問題を抱えた人とどうつながり、支援に結びつけるかは行政機関に共通する課題だ。

「(対策が効果を上げて)少しでも自ら命を落とす人を減らせるといい」。いのちの支援係の藤林佐和子係長は期待を寄せる。江戸川区で点から線へ、線から面へと広がろうとしている命を守る試みは、全国の自治体に広がっていく可能性を秘めている。

(高岡憲人)

日本の自殺死亡率、G7で最も高く

国は自殺対策基本法に基づき、対策の指針となる「自殺総合対策大綱」を策定し対策を進めている。大綱は5年ごとに見直され、2022年の第4次は特に子どもや若者、女性らに対する支援の強化を掲げている。

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課題は多い。国は10万人あたりの死亡者数を示す「自殺死亡率」を26年までに13.0以下に引き下げる目標だが、21年の自殺死亡率は16.5で、主要7カ国(G7)で最も高い。

厚生労働省が2月に公表した24年の自殺者数は2万268人(暫定値)で前年の確定値に比べ1569人(7.2%)減ったが、小中高生の自殺者は527人に上り、確定すれば22年の514人を超えて最多となる。対策の検証と見直しが欠かせない。

ビットコインも対象に…富裕層の財産を〈徹底的に〉追跡する「国税庁」の思惑とは

2025年01月24日 06時27分37秒 | 税金
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(画像はイメージです/PIXTA)© THE GOLD ONLINE

日本の国税庁は「重点管理富裕層プロジェクトチーム」を立ち上げ、富裕層の財産の動きや所得を監視しています。持っている資産について書類で提出する義務が強化され、ビットコインなどの仮想通貨も対象となりました。国際税務のプロフェッショナルが解説します。

追われる富裕層の財産

「重点管理富裕層プロジェクトチーム(富裕層PT)」を立ち上げた国税庁は、資産5億円以上を所有する富裕者及びその家族の、財産の移動や所得を重点的に追っています。

サッカーのマンツーマンディフェンスのように、生前贈与や隠し資産、隠し所得がないかどうか、税務署員を特定の富裕者にそれぞれ割り当てて監視します。まるで中国政府当局の「国家転覆罪」の監視のようです。

確定申告では所得の申告に加え「財産債務調書」を提出しなければなりません。

これはその年分の所得が2,000万円以上で、かつ財産が3億円以上の場合が対象ですが、加えて、それに該当しなくても国外に5,000万円以上の資産を持つ場合は対象となります。

さらに有価証券(上場、未上場を問わず)を指す「国外転出特例対象財産」を1億円以上持っている場合も提出の必要があります。中小企業のオーナー経営者にはこの条件に該当する人も多いのではないでしょうか。

これは富裕者の、シンガポールなど相続税の無い国への移住による節税を防ぐためです。以上の書類を毎年税務署に提出させることで、財産の移動を把握するのです。

今年の税制改正でさらに、所得が無くても財産がすでに10億円以上ある人は「財産債務調書」の提出が義務化されました。これは、今まで所得を2,000万円以下に抑えることで「財産債務調書」の提出を免れてきた者たちを一網打尽にします。

富裕者には「配当所得」がいくらあっても源泉分離課税の制度によって申告をしなくてよい人が多くいます。

彼らは給与所得や不動産所得を2,000万円以下に抑えているため、国税当局は把握することができませんでした。令和5年からそのような人をあぶり出し、新たに富裕層PTの囲い込みに入ります。

把握できない仮想通貨

ところでアメリカのIRSで大問題になっているのが仮想通貨です。今では暗号資産と呼ぶビットコインやイーサリアムなどの通貨は、銀行預金などとは異なりなかなか把握ができません。

アメリカでは暗号資産を使った所得税逃れを捕捉しようと躍起になっています。日本でも同様であり、国税庁は、暗号資産を所有している場合は「財産債務調書」の「その他の財産」の欄に種類別、用途別、所在別にその旨を記入せよと発表しました。

もともと暗号資産はどこかの国の発行通貨でもなく、どこかに所在しているかもしれない、ブロックチェーンで守られているだけの存在です。

しかし、課税当局はその暗号資産を有する者の住所が日本であれば、暗号資産を預けている暗号資産取引所がどこにあるかは関係ないとしています。

国税庁がこのように規定している以上、暗号資産を虚偽に申告した者を摘発しなければなりませんが、どのようにして不正記載した者を見つけるのでしょうか。

IRSの苦戦を見ていると、国外財産調書のように国民や納税者の性善説に頼る他はないのかもしれません。

税理士法人奥村会計事務所 代表

奥村眞吾