今や株式投資は一部のお金持ちだけでなく、庶民が資産をつくるための手段の一つに。そこで今回は「株で1億円」を達成する前に、多くの投資家が通った3つのフェーズを紹介!これを参考に“億り人”への第一歩を踏み出そう!(取材・文:ダイヤモンド・ザイ編集部 イラスト:スージー甘金)
千里の道も一歩から! 最初は「入金力」が肝心!
運用で飛躍的に資産を伸ばすには研究も必要
株を買うなら目標設定が必要だ。ダイヤモンド・ザイではその目標を「1億円」と設定。達成が難しそうに感じられるかもしれないが、具体的にどうすれば達成の見込みがあるのか検証していこう。
なお、検証にあたっては、実際に株で1億円以上の資産を築いた“億り人”8人に話を聞いている。8人の話を総合すると、1億円達成の前後では、ざっくり「3つの投資フェーズ」があることがわかった。
まず、第1フェーズは投資スタートから資産が3000万円になるまでの期間。この時期は、とにかく「元本を増やす」ことが重要だ。というのも、投資のリターンは「元本×運用利回り」で決まる。例えば、年利10%で運用するとして、元本100万円なら1年後は110万円、1000万円なら1100万円と、元本が大きいほど増える額も大きくなる。
さらに、運用益や配当を再投資することで利益が利益を生む「複利効果」も、元本が大きいほど効果が増す。早い段階で、できるだけ元本を大きくすると、資産の増加スピードがアップするのだ。つまり、どれだけ多くお金を投資に回せるか=どれだけ多く投資口座に入金できるかという「入金力」がカギになる。
第2フェーズは、運用で資産を飛躍的に伸ばす期間だ。この段階になると、運用の腕が上がり、投資手法が洗練されてくる。元本増により複利効果で増え方が加速する時期でもあり、勝ちパターンを確立すれば一気に資産を伸ばせる。5000万円を過ぎたころに新たな手法を加えて腕をさらに磨くと、1億円への道のりがグッと短くなる。
最後の第3フェーズは、1億円達成後。資産を“守りながら増やす”ことを考える時期だ。高配当株などを活用し「資産が勝手に増えていく」仕組みを作ることが重要になる。複利効果も大きく、運用だけで2億、3億と増やしていくことも可能だ。ここまでくると配当収入で暮らせるようになり、FIREする人も多くなってくる。
「1億円達成のための8つの心構え」を紹介!
億り人は計画的に行動し、簡単に折れたり流されたりしない!
前ページで紹介したように、資産1億円を達成するためには序盤の入金力、それに、勝つための手法を確立することが重要になってくる。何かと試行錯誤することも多そうだが、成功するための秘訣はあるのだろうか。
億り人8人に1億円達成に向けた心構えを聞いたところ、以下の8つが浮かび上がってきた。まず、「元本を増やすフェーズ」における心構えは、以下の3点だ。
【元本を増やすフェーズの心構え】
(1)最初に計画を立てる
(2)投資の記録をつける
(3)家族とお金の話をする
「最初に計画を立てること」が大切だというのは、約17年で資産3億円を達成した億り人のなべさん。なべさんは、投資スタート時に「毎年250万円ずつ入金し、年率20%で運用できれば12年で1億円できる」という計画を立て、それに沿って実行した。計画を立てたことで実現の精度が増し、実際には少し前倒しで達成できたという。
(2)の「投資の記録をつける」ことは、自分の投資のクセや改善点を見つける役に立つ。また、「家族とお金の話をする」大切さを語ってくれたのは、億り人のりゅうさんだ。かつては生活費のあらゆるムダを削減して節約し、手取りの半分以上を投資口座に入れていたりゅうさん。資産運用の重要性を理解し、協力してくれた妻の存在が大きかったと話す。
続いて、「運用で資産を伸ばすフェーズ」の心構えは、以下の5点だ。
【元本を増やすフェーズの心構え】
(4)決めたルールを守る
(5)投資法はブラッシュアップ
(6)失敗を放置しない
(7)相場にしがみつく
(8)即実行する
(4)にあるように「決めたルールを守る」ことが大切。個人投資家のたかねこさんは、「SNSの投稿につられて雰囲気でなんとなく買うなど、根拠のない投資はしないほうがいい」とアドバイスする。加えて、資産額や相場に合わせて投資法を見直したり、失敗したときに向き合って軌道修正したりする努力も必要だ。
ちなみに、1億円を達成した要因を聞かれたとき、「投資を長く続けていたから」と答える億り人はかなり多い。暴落があっても退場せず、相場にしがみつくことは何より重要と言えそうだ。もちろん、1日でも早く始めることも大切。二の足を踏んで始められない人も多いかもしれないが、投資は複利効果で、長く時間をかけるほどリターンが大きくなる。億り人たちも、投資に興味を持って実行したからこそ今がある。まずは一歩を踏み出そう!