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経営難の私大・短大174法人、19法人は「自力再生困難」…少子化・物価高が拍車

2025年04月12日 08時24分27秒 | 教育

 私立の大学や短大を経営する学校法人の4分の1にあたる計174法人が経営難に陥っていることが11日、日本私立学校振興・共済事業団の調査でわかった。このうち19法人は、自力再生が極めて困難な「レッドゾーン」に分類された。少子化に加え、最近の物価高が経営悪化に拍車をかけている。

 
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【グラフ】私立大・短大法人の経営状況の分布© 読売新聞

 経営難と判定された学校法人数は、昨年調査から38法人増え、過去最多となった。事業団は文部科学省が所管し、私学助成金の分配や経営支援を担っている。大学・短大経営からの撤退や、他法人との合併、学部の譲渡などの対応を求めている。

 調査は、大学や短大を運営する全国661の学校法人が対象。各法人が2024年6月までにまとめた23年度決算について、▽教育に関連する収支が直近3年のうち2年以上赤字▽負債が運用資産を超過している――など八つの指標を用いて分析し、経営状況を4段階に分類した。

 その結果、19法人(2・9%)が、在学生が卒業するまでに経営破綻の恐れがあり、「自力再生が極めて困難」な状態にあった。155法人(23・4%)が「経営困難な状態」にあり、合計で174法人が経営難にあると判定された。

 また、経営指標に悪化の兆候がみられ、経営困難な状態の「予備的段階」とされたのは182法人(27・5%)。一方、経営が「正常な状態」とされたのは305法人(46・1%)で初めて半数を割り込んだ。

 事業団は「少子化で学生募集が厳しくなっていることに加え、光熱費の上昇で収支バランスが悪化している学校法人が増えた」と分析している。

 事業団が最も懸念しているのは、在学生がいる間の経営破綻だ。乱脈経営により資金繰りが悪化した創造学園大(群馬県)のケースでは、文科省が13年に学校法人の解散命令を出し、在学生約150人の受け入れを各地の大学に要請するなど、混乱した。

 事業団が昨年3月に改定した経営改善に向けたハンドブックでは「資金がないと撤退もできない。早期に学生募集停止の決断を行うことが大切」だと説明。計画的な撤退を促している。

 18歳人口は、1992年に205万人だったが、今年1月時点では109万人。2040年には74万人まで減少する見通しだ。文科省の中央教育審議会が今年2月にまとめた答申では、大学の統廃合や定員削減を進めて「規模の適正化」を求めている。


「妊娠してしまいました」と朝礼で泣き崩れる女性教師、給料ステイで3人分の仕事をする現場…“採用難の教育現場”で何が起きているのか

2025年02月23日 08時58分11秒 | 教育
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写真はイメージです Photo:PIXTA© ダイヤモンド・オンライン

年々、深刻さを増す“教員不足問題”。実際の教育現場はどのような状況に陥っているのか。そして、教員不足の問題は教員と子どもたちにどのような影響を及ぼすのか。長年教員の育成に携わってきた佐久間亜紀氏が、教員となった自身の教え子たちのリアルな声から深刻な現場の状況を書き記す。※本稿は、佐久間亜紀氏『教員不足――誰が子どもを支えるのか』(岩波書店)の一部を抜粋・編集したものです。

明るく愛情深い女性教師から

送られてきた「絶望」の二文字

「今日がまだ木曜日であることに絶望しています」

 ある朝、中学校教員になった教え子から、LINEアプリにこんなメッセージが入っているのを見つけ、私は思わず画面を凝視した。

 奈々子先生(仮名)は30代半ばの中堅教員だ。彼女が大学1年生だった時、私の講義を履修していたのが出会いだった。その頃から、彼女はいつも、どうやって自分自身と周りの人たちを楽しくするかを考えていた。たわいない会話の中にも「今日は胃カメラを、3オエオエくらいで無事にオエました!」と笑いを乗せてくるような、元気印という言葉がぴったりくる人だった。しかも、ひとたび教育の話になると、生徒が可愛くてたまらないと思う気持ちがあふれ出て止まらない。

 

 その奈々子先生が、「絶望」というような鋭い言葉を送ってくること自体が、事態の深刻さを物語っていた。どれほど追い込まれ、どれほど土曜が遠いのか。

 このメッセージの少し前、コロナ禍でオンライン開催になってしまった授業に関する自主的な研究会でも、奈々子先生は画面越しに、いつになくお笑い抜きで、仲間にそのしんどさを語っていた。

 4月から研究主任を任され、そもそも忙しい毎日だった。公立学校では必ず、学校全体の教育活動の質を向上させるために、各校で毎年テーマを決めて学校全体で教育研究に取り組む努力が行われている。奈々子先生に任された研究主任とは、授業の質を向上させる学校ごとの取り組みの統括を担う仕事だ。

 教員としての通常業務に加えて、研究主任の仕事を任されて大変ななか、6月頃に、同僚で同じ理科担当のA先生が妊娠し産休に入った。ところが、代替の先生が見つからない。やむをえず、本来なら産休代替の教員がするべきA先生の授業や校務を、理科の教員で分担して行うことになり、奈々子先生の理科の担当授業数も1.5倍になった。授業の量は増え、勤務時間内に授業の準備やテストの採点等をする空き時間もなくなってしまったのである。

いくら仕事が増えても

変わらない教員の給料

 すると、今度は教務主任のB先生が心を病んでしまい、出勤できなくなった。そしてB先生の替わりも見つからないと、教育委員会から連絡が来た。教務主任のような責任の重い仕事は非正規雇用の先生にはお願いできないから、正規雇用の教員で回すしかない。結局、校長から、奈々子先生が教務主任としてB先生の仕事も兼務するように言われたというのだ。

 奈々子先生がこう語るオンラインの画面越しに、仲間から悲鳴があがった。

「えー!ありえないよ!」「いったい、何人分の仕事?」

 教務主任というのは、授業実施に関する全般を統括する仕事である。学習指導要領で定められた授業時数がきちんと実施されているかを確認して報告するなど、いわば中学校全体の授業を回していく司令塔の役割にあたり、本来なら、授業の担当を免除されて専念するくらい大変な管理業務なのである。

 奈々子先生は、本来の仕事として、自分の担当する授業と学級担任を受け持ち、さらに校務分掌(編集部注/学校運営に必要な業務を教員が分担して行うこと)として研究主任の仕事を担当していた。そこへA先生の理科の授業と、B先生の教務主任業務も担当させられるのだから、数人分の仕事を1人でやれと言われているのと同じだ。ちなみに、担当授業時数がいくら増えても、給料は増えない。

 さらに信じられないことに、教育委員会からは、教員の働き方改革を促進するために学校で残業はしてはならないという連絡が来ているという。その一方で、子どもの個人情報の詰まったUSBや高校に送る推薦書のデータなどは、個人情報保護のために自宅に持ち帰ることは禁止されている。いったいどうしろというのか。

 もちろん、早く帰りたいと一番思っているのは奈々子先生自身だ。家には小学生の子どもがいて、同業の夫は部活動の指導で平日も土日も帰宅が遅い。

「やるしかないけど、帯状疱疹ができちゃった」と、奈々子先生は力なく笑った。「帯状疱疹って、こんなに痛いって知らなかった。激痛だったけど、忙しくて病院に行く暇さえなくて。後遺症が残ったらどうしよう」

 その後私から「調子はどう?」と送ったLINEへの返事が、絶望しているという冒頭の言葉だったのだ。

「妊娠してしまいました」

と言って泣き崩れる女教師

 苦しんでいるのは奈々子先生だけではない。産育休や病休に入る方の教員も、同じようにしんどい思いをしている。

 小学校教員をしている真美先生(仮名)は、念願叶ってようやく妊娠したという。数年前に結婚し、ずっと子どもが欲しいと思っていたけれど、なかなか授からずにいた真美先生は、初めての「おめでた」が本当に嬉しくて家族で抱き合って喜んだ、と私に伝えてきてくれた。

「でも、気が重いんです。産休代替の先生が見つからない時代なので、いまの校長は絶対にいい顔をしないはずなんです……」

 案の定、校長室で報告すると、校長は言葉では「そうですか、おめでとう」と言いつつ、その表情にお祝いの色はまったく感じられなかったそうだ。そして「替わりの先生が見つからないかもしれないから、産休に入るのはできるだけ遅くしてほしい」と言われたという。私からは「学校は替わりの誰かが回してくれるけど、お腹の赤ちゃんにはお母さんしかいないから、仕事は二の次にして赤ちゃんのことを考えて」と伝えた。

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 私自身も、子どもを授からなくて苦悩した時期が長かったから、真美先生とご家族の喜びの気持ちは痛いほどよくわかるし、もはや産休をとる以外の選択肢はない。それでも、帯状疱疹ができてしまった奈々子先生の顔を思い浮かべながら、「学校側も大変だろうな」と、お祝いしたい気持ちにうっすらと影が差してしまう。

 
別の小学校で教員をしている慎二先生(仮名)も、「僕の学校でも、前の年に結婚した同僚が職員朝会で、妊娠してしまいました、申し訳ありません、とだけ言って、泣き崩れてしまったんですよ」と教えてくれた。

「新しい命を身ごもるなんて、とても喜ばしいことだし、本来ならみんなで歓声をあげて、おめでとう!ってお祝いする瞬間になるはずなのに、なんだか本当にいたたまれなかった。

 産育休をとる先生に何の罪もないのは、みんなよーくわかっているんです。でも、それでも、現実問題として産育休代替の先生が見つからなかったらどうなってしまうのか、学校の子どもたちはどうなるのか、不安になっちゃうのも事実なんです。そう感じてしまう自分が本当に情けないし、やるせない」と語る。

およそ8万人の子どもが

“担任がいない”状況に

 文科省は、2021年に各自治体の4月始業日と5月1日の教員不足数に関する全国調査を行った。調査対象となる学校種は、公立の小学校・中学校・高等学校・特別支援学校であり、調査対象となる教員は、校長以下講師まですべての職位を含むとともに、雇用形態としても「正規教員、臨時的任用教員、非常勤講師(会計年度任用職員)、再任用教員(フルタイム・短時間)をすべて含む」とされていた。

 そして、この調査報告書では「教師不足」とは「臨時的任用教員等の講師の確保ができず、実際に学校に配置されている教師の数が、各都道府県・指定都市等の教育委員会において学校に配置することとしている教師の数(配当数)を満たしておらず欠員が生じる状態」と定義されていた(文部科学省「「教師不足」に関する実態調査」2022年)。調査結果によれば、2021年度4月始業日での不足が全国で2558人だった(うち小中の不足は2086人)。

 
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『教員不足――誰が子どもを支えるのか』 (岩波書店) 佐久間亜紀 著© ダイヤモンド・オンライン

 不足を埋めようと1カ月間教員を探して配置してもなお、5月1日時点で2065人が不足していたという。2558人という4月の不足数は、学校に配置されている教員定数全体に占める割合としてみると、0.31パーセントにあたると、この報告書には記されている。

 さて、0.31パーセントという数字を、大きいとみればよいのか、小さいとみればよいのか。文科省の記者会見の会場では、記者たちの間に、不足が深刻なのかどうかよくわからない……といった当惑した空気が流れたという。

 不足が「大きい」か「小さい」かという評価は、何かを基準にして比較する見方になる。ここでは、まず子ども目線で考えてみよう。例えば不足教員2558人の背後に、何人の子どもと保護者がいるだろうか。

 1学級に約30人の児童・生徒がいると仮定すれば、全国でおよそ7万人から8万人の子どもたちが、担任の先生がいないという状況を経験させられていたことになる。その背後には、それより多くの保護者がいる。私にはこの数が決して小さいとは思えない。


なぜ日本の学校はつまらなくなったのか…ある日突然、娘が不登校になった親が明かす「人格無視の実態」

2024年11月04日 07時28分04秒 | 教育

「学校がつまらない」娘が不登校に…

「娘が『学校がつまらない』と言って、不登校になっています。ずっと理由が分かりませんでしたが、学校に行って『そういうことか』と思ったのです」

都内在住の川上宏美さん(仮名、40代)の娘は、公立小学校に通う小学5年生。3年生の時から登校を渋るようになり、不登校気味だった。5年生の2学期になると、好きな図工と家庭科がある日以外は学校に行かなくなった。

宏美さんが忘れ物を届けようと学校に行った時に低学年の教室の前を通りがかると、女性の教員がイライラした様子で「そこっ!〇〇さんと〇〇さんっ!おしゃべりしないで前を向きなさい」と怒鳴っている。宏美さんが見る限り、クラスメイト同士ちょっと顔を合わせて笑った程度だった。子どもたちに何か作業をさせている間、教員が児童の様子を見回るが、腕組をしながら上から目線。まるで工場で検品しているかのような厳しい態度で子どもたちをチェックしていた。

 
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〔PHOTO〕iStock© 現代ビジネス

高学年の教室がある廊下では、男性の教員が男子児童を教室から引きずり出して叱責していた。何か悪ふざけでもしていたのかもしれないが、宏美さんには「もっと違った指導ができないものか」と不快な気持ちが残った。

校庭でも教員が大声を張り上げて指示している。子どもたちが行進する姿や教員の号令によって一斉に動く姿は、まるで北朝鮮の軍隊のようだった。体操服はあっても赤白の体操帽子を忘れると、見学が強いられる。違うクラスの友達や、違う学年の兄弟姉妹に借りてはいけない学校内の「謎ルール」があり、この日も何人かが見学していた。

娘は胸の大きさが目立ってくると、体操服を着ることを嫌がり、体育を見学することが増えていた。白いシャツはズボンの中に入れて体育の授業を受けなければいけない。それも体型が目立つため嫌がり、体操服をズボンの外に出して授業を受けると教員から厳しく叱られ、体育を見学するよう命じられ、「反抗的だ」という烙印を押された。娘や同級生は腕や足の体毛が気になり始め、半ズボンへの抵抗感が強くなっていた。

宏美さんは体操服について学校と話し合い、学校指定以外の運動服や、胸や体型のラインが目立ちにくい紺色の体操服の着用を求めたが、「上着を巻き込んだら危険だ」「モラルが低下する」という理由で叶わず、納得がいかない。

「中学生なら長袖・長ズボンのジャージもある。大学生になれば市販の運動着でもいい。小学生だからといって、皆で同じ、昔ながらの白い半袖に紺の半ズボンを着る必要性が本当にあるのでしょうか。マット運動や鉄棒で服を巻き込む可能性があるのは分かります。そういう時だけズボンに入れれば済むのではないでしょうか。赤白帽子を忘れただけで見学というのは、教育を受ける権利を奪っているのではないか。友達同士で貸し借りして助け合ったり、代用を考えるというのも大事な教育なのではないか」

宏美さんには、そうした疑問が拭えない。「右へ倣え」の一斉指導が、子どもを息苦しくさせているとしか思えなかった。「だから、娘は学校に行きたがらないのだ」と。

筆者の取材からは、こうした教員の考える「枠」にあてはまらない子どもたちが排除され、傷つき、不登校になるケースが全国各地で散見される。教育現場が規格化・画一化されるあまり、子どもたちの人格が無視されてしまうのだ。

「不登校」は過去最多

文部科学省は10月31日、2023年度の不登校の子どもの人数を発表した。「2023年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」によれば、年間30日以上、小中学校に登校しなかった「長期欠席者」は49万3440人に上った。そのうち「不登校」は34万6482人(児童生徒全体の約3.7%)と過去最多で、11年連続での増加となった。

調査結果を詳しく見ると、小中学校の長期欠席者数は2022年度の46万648人から2023年度は49万3440人へと前年度よりも約3万3000人増えている。同様に不登校の人数は2022年度の29万9048人から2023年度は34万6482人へと約4万7000人の増加となっている。

小学生の不登校は13万370人で10年前と比べて5倍、中学生の不登校は21万6112人で10年間で2.2倍になっており、小学生の不登校が大幅に増加している。

今回発表された文科省の調査では、学校が把握している不登校になった理由のトップは「学校生活に対してやる気が出ない」(32.2%)、次に「不安・抑うつ」(23.1%)、「生活リズムの不調」(23%)となっている。

この「学校生活に対してやる気が出ない」のなかには、宏美さんの娘のように「右へ倣え」の一斉指導が影響しているケースもあるのではないか。一律・画一的な教育現場で少しの多様性や配慮が認められず、苦しむ子どもたちがいる。

さらに宏美さん親子を悩ませるのは、周囲の「中学受験熱」だ。首都圏で最大規模の中学受験向け公開模試を行う「首都圏模試センター」によれば、首都圏での2023年の私立・国立中学受験者数が過去最多の5万2600人で、受験率は過去最高の17.86%をつけた。宏美さんの娘が通う学校では約半数が中学受験をする予定で、受験しなくてもほとんどのクラスメイトが塾や習い事に通っている。

中学受験のために小学3~4年生から受験専門の塾に通う同級生は、既に6年生の分の勉強が終わっている。大量に出る塾の宿題は難解で、それを解くのに日々明け暮れるうち、「学校の宿題なんて簡単すぎてやる意味がない」「学校の授業なんてもう分かっている」と言って、児童らは学校の授業を軽視。保護者は学校に「塾で忙しいから宿題を出さないで」と注文をつけている。

塾の多くが毎月実施されるテストの成績順によってクラスが決まるため、教室での話題は塾の成績のことばかり。学年が上がるにつれ、子ども同士、親同士でマウントのとり合いが激しくなる。その雰囲気が、受験しないと決めている宏美さん親子にとっては辛い。受験勉強のストレスで教室は荒れ、教員が子どもたちを管理・統制するしかなくなる。だから、「右へ倣え」となっていく。

そして、そもそも教員は長時間労働によって疲弊している。人手不足で教員が精神的に追い込まれれば、一人ひとりを丁寧に見ることができず、子どもたちを従わせるようになることもある。教育の質の低下とともに指導がマニュアル化し、受験塾で機械的に答えていくことに慣れた子どもたちは、大人が望むことを子どもが答えるようになる。そうした教室が、学校が、楽しいと感じられるだろうか。

「学校がつまらない」「学校が嫌」——。そう言って不登校になるのは、子どもたちの精一杯の抵抗かもしれない。不登校の増加から、規格化・画一化された教育現場の実態に目を向けることが求められるのではないだろうか。

 
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なぜ日本の学校はつまらなくなったのか…ある日突然、娘が不登校になった親が明かす「人格無視の実態」© 現代ビジネス
 
小林 美希(ジャーナリスト)

どうやって暮らせば?日本で子どもに生活費をあげない親が増加―華字メディア

2023年03月23日 07時02分03秒 | 教育

2023年3月17日、華字メディアの日本華僑報網は「どうやって暮らせば?日本で子どもに生活費をあげない親がますます増加」と題する文章を掲載、日本で大学に通うわが子に生活費を援助しない親が増えていると伝えた。

 

文章は、全国大学生活協同組合連合会が昨年、日本の国公立、私立大学の学部生約9000人を対象に実施した調査で、1カ月に家から支給される生活費が6万7650円となり、年々減少傾向が続いていることが明らかになったと紹介。1円ももらっていない学生も8.3%いたと伝えた。さらに、日本の大手就職情報サイトによると、アルバイトをしている大学生の割合は62.9%で、そのうち生活費を稼ぐ目的でアルバイトをしている学生が約4割を占めることを紹介した。

 

一方で、「生活が苦しい」と答える大学生は8.1%にとどまっているとし、「日本の大学生は家の援助から脱却し、徐々に経済的独立の方向に進んでいる」と指摘。日本では家賃、光熱費、生活費を学生が賄うことは「難しい問題ではない」とし、東京では最低時給が1072円で、週28時間の労働でも1カ月あたり12万円は稼げる上、人手不足によって待遇はさらに良くなっていると説明した。また、ディスカウントストアやセールをうまく利用することで食費を十分に抑えられるほか、飲食店でバイトすれば低コストで賄い飯を食べることができるなど、工夫のしどころが大いにあることを紹介している。

 

文章は「中国人留学生にとっては、両親からの援助が得られなくても、しっかり日本語を勉強し、バイトに勤しめば日常生活の費用を負担することが可能な上、いくらか貯金さえできる。そしてまた、アルバイトをすれば日本の社会に深く入り込むことができ、日本語やさまざまな技能を学ぶ助けにもなる」と伝えた。(翻訳・編集/川尻


日本には「クソどうでもいい仕事」が多すぎる…もうすぐ韓国にも抜かれる日本のヤバい現実

2022年11月13日 09時10分44秒 | 教育

バラエティ番組『ホンマでっか!?TV』でもお馴染みの生物学者、池田清彦氏の新刊『バカにつける薬はない』が角川新書から刊行された。

綺麗ごとばかり並びたてる「愚か者」を軽快にぶった切っていく本書から、教育現場にはびこるブルシット・ジョブ(クソどうでもいい仕事)に関する一節を紹介する。

© 現代ビジネス

嘘八百の美辞麗句

「政府は学習履歴などの個人の教育データについて、2025年頃までにデジタル化して一元化する仕組みを構築することになりました」というニュースを聞いて呆れてしまった。

「こうした教育データを学校や教育機関が共有して、教育の向上につなげたい」「子供たちの個性を伸ばすことができるよう、教育の現場でデジタル化の環境を整備し、具体的な政策として進めていきたい」ということらしいが、よくもまあ、嘘八百の美辞麗句を並べるよね。

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そのうち、課外活動や塾や学校外の活動もデジタル化するつもりらしい。デジタル化すると言ってもオリジナルなデータを集めるのは現場の先生なので、今でさえ忙しい教育現場は、さらに忙しくなり、教育そのものにかける時間はさらに少なくなり、教育は悲惨なことになりそうだ。

現在でも、学校の先生の仕事の大半は教育の向上には全く役に立たない無駄仕事で、デジタル化はこれに拍車をかけるだろう。はっきり言って、志のある若者は政府に管理された学校の先生にはならない方がいいと思うよ。

「2030年頃までには、本人が閲覧できるようにして、生涯学習などに役立てたい」と、とてもいいことのように言っているけれども、余計なお世話だ。大体自分の過去の学習履歴などを参照して、将来の学習に役立てようなどという国民はまずいないだろう。こういう無駄なことに、エネルギーと金を使うので、日本はどんどんドツボにはまっていくのである。

私が現役の高校教諭だった頃も、指導要録というのがあって(今もあるけど)、成績や出欠、その他の素行などの「指導に関する記録」を記載して、5年間(「学籍に関する記録」は20年間)保管しておく決まりがあった。私は担任をしていたので、指導要録を書かされたが、成績と出欠だけ記載して、素行や行動の記録はすべて、特記事項なしというハンコを押して済ませていた。

入学、卒業、退学、転入、転学等の、学籍に関する記録は、本人が証書類を紛失した際に、卒業や在籍を証明する証拠となるため、20年間保管することに意味はあるが、指導に関する記録などは、書いて金庫に保管してから5年間、閲覧する人はほぼ皆無なので、事細かに記載しても時間の無駄なのだ。

だからこういうことにエネルギーと時間をかけるのは無駄仕事の最たるもので、児童生徒と遊んでいる方が余程有意義なのである。

個人の過去の学習履歴をデジタル化しても、本人はまず見ない。そもそも見るメリットがない。データが教育産業に流れて、金もうけの道具に使われるのが関の山だ。実はそのためにやっているのかもしれない。

適当な名目を付けて、税金を使って、私企業の利益に奉仕するといういつものパターンになるのは火を見るより明らかだろう。そのうち個人情報が漏れて、○○さんの中学時代はお勉強もできなくて欠席が多く素行も悪かったなどという情報が、いつの間にか第三者に渡るといったことも起こりそうだ。

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おそらく政府の狙いは、児童生徒の政治的傾向をデジタル化して、政府の政策に反抗的な国民のリストを作って、国民を政権の管理下に置きたいということなのだろう。とりあえずお友達企業をもうけさせて、あわよくば、独裁政権の礎を築きたいということ以外に、こんなアホなことをする理由が思いつかない。

進士正憲さんという方がツイッター(Twitter)で述べていたように、国会議員の活動実績、国会・委員会の出席状況、発言履歴、歳費、交通費の収支明細を一元管理して、公表して、国民が必要に応じて閲覧できるようなデジタル化なら大いに意義があると思うけどね。

国民を統制することには熱心だが、自分たちはやりたい放題で、税金の使い道や、怠慢の記録は絶対に公表しないというのは、独裁への道だ。だんだん、現政権を支持する人々が嫌う、中国や北朝鮮の政権のやり方に近づいている。これらの人々が中国や北朝鮮が嫌いなのは、近親憎悪なのかもしれない。

スポーツが好きな人は勝手にやればよい

少し前に、スポーツ庁が、中学生の16%がスポーツ嫌いという調査結果を受けて、これを半減させたいという計画を掲げているという話を聞いた時も、アホかいなと思ったけれども、スポーツ庁とかデジタル庁とかは、本当にブルシット・ジョブで成り立っているような官庁で、国民一般はこんな官庁がなくても一向に困らず、税金の無駄遣いだ。

速やかに解体すれば、日本の凋落の速度は、多少は緩和されるだろう。

ブルシット・ジョブとは2018年出版のデヴィッド・グレーバーの著書の題名で、仕事をしている本人でさえ、完璧に無意味で、不必要で、有害でさえあると認識しているが、組織の維持、あるいは自身の雇用を守るために、意味があるかのようにふるまわざるを得ない仕事を指す。

例えば、スポーツが好きな人は勝手にやればよくて、それに政府が介入する必要はない。スポーツ嫌いな中学生が16%から8%に減ったからといって経済が潤うわけでもない。スポーツで国威を発揚させて、国力の向上に役立てたいということかもしれないが、はっきり言ってこれは妄想だな。

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冷戦の頃、旧ソ連や東ヨーロッパでは、国を挙げてオリンピックに勝つべくステートアマを養成したが、これらの社会主義国はほとんど崩壊してしまった。国威発揚は、国力の向上という観点からは、何の役にも立たなかったブルシット・ジョブだったのだ。独裁者の自己満足みたいなものだな。

プロのスポーツは金もうけのための手段だから、それを規制する必要も補助する必要もない。アマチュアのスポーツは趣味なのだから、好きにやらせておけばいいので、税金を使って振興するのは、スポーツは素晴らしいというイデオロギーのなせる業だ。

私は、自分ではスポーツはやらないし、ほとんど見ない。スポーツ振興に私の納めた税金を使わないでくれと言いたい。そういう人も多いだろう。

私は、時々釣りをするが、例えば調査の結果、釣り嫌いの中学生が50%いるとして、これを25%に下げるために、文科省と農林水産省が協力して釣り振興のために税金を使うと決めたら、おかしいと思う人が沢山いるだろう。スポーツも釣りも、個人の趣味なのだから、スポーツだけを優遇するのは間違っている。

スポーツも釣りも多少は経済振興に貢献するとは思うけれど、スポーツや釣りが盛んになったので、経済が発展したのではなく、経済が発展したので、スポーツや釣りをする余裕ができたのである。現代社会においては、経済を発展させ、国力を伸ばしたのは紛れもなく科学技術で、国は科学技術力を高めるために何をすべきかを第一義に考えるべきなのだ。

学習履歴をデジタル化するというのは、それ自体がブルシット・ジョブの最たるものだが、児童生徒を管理して、同調圧力に従わない個性的で我が強い人間を排除して、先生や上司の言うことを良く聞いて、ブルシット・ジョブもいとわない国民を作りたいという政権の意図が見え隠れする。

先生の仕事は大半がブルシット・ジョブ

日本は、高度成長期にみんなで一律の仕事をして、安価な製品を大量生産するというやり方で、経済成長を成し遂げた。

日本経済が絶頂だった1989年の株価時価総額の世界1位はNTTである。以下、日本興業銀行、住友銀行、富士銀行、第一勧業銀行が第5位までで、次にやっとIBMが入っている。トヨタ自動車は11位で、50位までに日本企業が32社入っている。それが、2022年のトップ5は、アップル、マイクロソフト、サウジアラムコ、アルファベット(グーグル)、アマゾンで次がテスラ。50位以内の日本企業はトヨタ自動車がかろうじて31位に入っているのみである。いかに日本の経済力が落ちたかがよく分かる。

ちなみに、台湾セミコンダクターは10位、韓国のサムスン電子は15位である。多くの日本人は日本の科学技術力は、台湾や韓国より上だと思っているようだが、これを見ると、少なくとも半導体や電子機器では太刀打ちできなくなっているのは瞭然だ。

台湾セミコンダクターの時価総額はトヨタ自動車の2.1倍、サムスン電子の時価総額は1.6倍である。1990年に一人当たりの名目GDPが世界8位だった日本は、2021年には28位に落ちた。韓国は30位、台湾は32位で、近い将来日本は追い抜かれるだろう。

経済が停滞した原因は、日本がかつての成功体験を忘れられずに、イノベーションを起こす人材を優遇せずに、安売り競争を続けたためだ。その間、世界はITに代表される新しい技術を開発して、価格が高くとも性能が飛躍的に良い製品開発にまい進していたのである。アメリカは1990年代になってから新興のIT産業が伸びて、あっという間に日本を抜き去ってしまった。

日本には、アップルやマイクロソフトの創業者であるスティーヴ・ジョブズやビル・ゲイツのような人材が出なかったのだ。この二人は、同調圧力が強く、変わり者を冷遇する日本の教育システムでは育たなかっただろう。

何度も言うように、日本の学校や官庁や会社は、ブルシット・ジョブが多すぎて、新しいアイデアを考える暇がない。先生の仕事は大半がブルシット・ジョブ。児童生徒も与えられた課題をそつなくこなすことが過大に評価されて、自ら新しいアイデアを考えることは嫌われる。イノベーションを起こす可能性のある人材を潰すことに精を出しているとしか思われない。

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そこを反転させて、先生には自主研修の時間を大幅に与え、児童生徒には学習の自由を大幅に認める教育制度に変えなければ、日本の科学技術は発展せず、どんどん後進国へ滑り落ちていくのは自明だ。ああそれなのに、学習履歴のデジタル化などといった時代錯誤な政策を打ち出すとは、日本の崩壊もいよいよ秒読みに入ったのかもしれない。