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アボルダージュ!!

文芸及び歴史同好会「碧い馬同人会」主宰で歴史作家・エッセイストの萩尾農が日々の思いや出来事を語ります。

『風 アダルトに』というライブ FROM 舟木一夫

2022-11-08 | 世情もろもろ
 舟木一夫のステージの中に、一年に一度『風 アダルトに』というliveがある。
 もう長い歳月続けられているステージ。私が初めて目にしたのは1992年11月、メルパルク東京の大ホール。
 舟木一夫の姿がステージに表れた途端に、胸熱くなり、歌声の第一声が耳に届いた瞬間から、涙―。
 そして、隣の見知らぬ男性がしきりに鼻をすすっていることに、ふと気が付いた。チラッと見てしまった。泣いていた。その人の胸にも、己が青春が甦ったのか、青春は傷つくことも多いが、人生の中のかけがえのない時間、甘く、そして、苦くもある時間―世に足を踏み出した後は、青春の傷などよりも、もっと大きな傷を負ったりする、叩きつけるように押し寄せてくる出来事が多々ある。青春の頃の「傷つく」のレベルではない。
 この隣の見知らぬ男性も、そんな風に歩いてきたかもしれない。そして、今、舟木一夫と再会(!)したのだ―等々と勝手に想像を巡らせた、ほんの一瞬の時間…。
 それから、30年(!)、30年と今、書いて、「ワ~ッ!!」と声を上げそうになるほど驚愕。もう30年!と、なぜか、慌てた。
『風 アダルトに』というliveは、舟木一夫からの贈り物のような気がする。だから、〞FROM 舟木一夫〞…か(?)。
 そう、このliveは、貴重な宝のようなステージだ。舟木一夫が自由な構想と構成で創る。
 もちろん、ヒット曲を含めたconcertの数々も、舟木一夫が作っている。そこには、「高校三年生」「絶唱」といった絶対に外せない曲も当然、含まれている。けれど、『風、アダルトに』のliveには、それらは出てこないことが多い。だから、より、自由感を感じてしまうのかもしれない「音楽しろうと」の私―。
 毎年行われるconcert tourの二時間余の時間の中、観客は歩いてきた道(人生)へ思い馳せ、あるいは、良かった時代に、青春の頃に想いを飛ばす。二時間余のその空間は、あの頃を見知っている、体験している者たちだけが、「言葉ひとつ」で解る、奇跡のような時間(ひととき)なのだ―と、今年は、より強く感じた。
 そのように思い至れば、〞そちら〞も、〞FROM 舟木一夫〞である。〞贈り物〞である。
 心の内に、本当の優しさを持った男(ひと)からの、珠玉のような贈り物だ。
 そして、『風、アダルトに』は舟木一夫が自由な思いで、自由に曲を選び、創り、届ける贈り物―通常の(というのか?)ステージと無理やり(笑)区別をつけると、そういうこと…かな(と、かなり自信が無い(笑)。

 今年の『風、アダルトに』―〞ふっと木枯らし〞(上田成幸・作詞作曲)が構成に入っていた。思いがけず聴くことができて、とても嬉しかった。
 そして、つい笑ったのは、スタンディングとなった『渚のお嬢さん』―。曲の終わりは、♪渚の若いお嬢さん♪と繰り返し、何度も繰り返し、会場を見回しながら繰り返し、ようやく(笑)終わって、バンドメンバーに、
「お嬢さん、どこにもいない」
と。会場中、爆笑!
「お嬢さんもお兄さんももういないよ」と呟く私。そして、「昔のお嬢さん」というのが妥当なところまで、はるかに歩いてきたね―と。
♪渚の昔のお嬢さん、渚の昔のお兄さん♪という言葉がメロディ付きで、つい頭の中を巡って苦笑―。

 Last songは1996年の『風好きに吹け~迷夢本望』(小椋佳・作詞作曲)。当時は、その詩の意味を深く理解できなかった。♪男ひとり、生きてみれば♪との歌詞の通り、女には理解できないか―と、半分、諦めたりしたような記憶が…。しかし、そこから、これもまた、26年!(また、「26年~!」と半分叫びそうになった、時間の速さ!)
 26年の時間が過ぎ去って、歌詞をじっくりと見つめる。〞男ひとり〞だが、〞人ひとり…〞とも解釈できるなぁ、ここまでくると―などと、そこの仲間に入りたくて、勝手に思い定める。迷いも夢も、どれも、本望だ、人として生きてきて、いずれも、本望だ―と、強気に思う。(マ、そうしないと、荒れすぎている、荒々しい世界情勢の波に溺れてしまうという点もあるかも…。「強気でいろよ、お前」…みたいな?)
 右手極楽、左手地獄―と、風、好きに吹いてくれ、ここまで来たら…と、風吹く空(くう)にふっと語りかけたい思い。好きに吹いてくれても、夢に迷いはもう無いよ―と答えて、今年のあと二ヶ月、そして、来年の月日の中を、この『奇跡の船』はまだ進んでいくから―と伝える。

 〞FROM 舟木一夫〞をたくさん受け取って、ふと見上げれば、秋、真っ盛り、いや、晩秋へ駆け足の時期、まもなく、冬隣りの季節―。
 今年は60周年だったので(?)、世話をサボった柿の実も私の身勝手(!)をものともせずに、勝手にたくさんの実をつけて(実、勝手?(笑)、真っ青な空に、濃いオレンジの色が映えている。本当に美しい色合い。そして、美味!!
 本日夜は、18時ころから22時ころまで皆既月食。442年ぶりに(!)天王星食も起こるという。「天王星食」とは月食の間に、月が天王星を隠す現象。
 やっぱり、自然は、すごい! 大宇宙はものすごい。
 でも、私たちの(!)奇跡の船もすごいよ―と、今夜は月に向かって、いや、太陽系の端っこの天王星に向かって、自慢しようかな(笑)。

                                (2022/11/7)


【追記】「今年のあと二ヶ月」―と、文中に書いた。もう二ヶ月で2022年も終わりか!と、少し、焦る。11/15と11/16、東京・中野サンプラザホールで、舟木一夫concert tour2022のファイナルステージ。一日目に観る。でも、二日目の16日、仲間の一人が家の事情で行かれなくなった。地理的に一番近い私が、行くことになる可能性大。16日はまた、オペラグラスのお世話になるなぁ。取り壊しのために中野サンプラザホールの最後のステージとなるから、連日頑張ろうかな…と、一年ごとに体力が落ちていることを知らされるこの数年の中で考える(笑)。
これまで、何度も取り壊し、建て直しと言われてきたこの中野サンプラザ、今度は本当に、来年、取り壊し…らしい(と、まだ、疑いの目?)。
 そして、12月、11日間の新橋演舞場のlong concert。3日、3日、3日、1日というAからⅮ version(Ⅾは終わりの一日のみ)。これは、大変な試みだ。「頑張れ、頑張れ、舟木キャプテン!」と、エールを送ろう。
すご~く、嬉しくて、楽しみなのは、B versionに『恋唄』があること。ここは逃せない!
 等々、思い馳せて、まずは、日常を頑張ろう。

                               (2022/11/8)


                       
                          

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