アボルダージュ!!

文芸及び歴史同好会「碧い馬同人会」主宰で歴史作家・エッセイストの萩尾農が日々の思いや出来事を語ります。

『湖愁』が凄くて、素晴らしくて…、舟木一夫 in 静岡、そして…

2023-10-08 | 世情もろもろ
〞そして〞のあとには、「新幹線を撮る」と続く。
 新幹線を撮りたかった。
 東海道新幹線の乗降はいつも品川駅なので、品川駅で試みた。が、人が多すぎる。外国の方が、ホームドアの柵からカメラ(スマホ)を構えた手を伸ばしていたら、放送で注意された。品川駅では無理、人の多さと、ホームドアなどが邪魔(?)になる。
「静岡駅はホームドアは無し、しかも、真ん中の線路をのぞみ号が通過する、それを狙うぞ」
 などとひそかに目論んで(笑)、ひかり号にひとり乗り込む。東京駅から乗っていた友人と合流。
〞鉄道マニア〞ではないけれど、鉄道は好きだ。今はもう殆ど運航されていない蒸気機関車は大好きだった。毎年、蒸気機関車のカレンダーを購入して部屋に貼っていた。昔、能登半島に蒸気機関車が走っていて、金沢の友人の一人が車で蒸気機関車の横の道を競争(!)して走ってくれた。その頃、そんなテレビコマーシャルがあった(笑)。
 瀬戸大橋ができていない頃、高知にいくのに、岡山から高松まで船で渡り、高松から高知までの列車は蒸気機関車だった。長い道のり、トンネルになると窓を閉めるというのは本当だった(笑)。
そして、今、移動は超高速の新幹線。西へ行くのも北に行くのも南も、みんな新幹線だ。実は新幹線も好きで、乗るとなると、いくらか気持ちがウキウキ(笑)。その割に、一人旅では、乗車後、新横浜を過ぎると、すぐにお弁当を食べて、あとは、目的地まで結構寝る(笑)、富士山を通過するときだけ、なぜか、目が覚める(笑)。

 今年は静岡で誕生日―。舟木一夫の歌声の中で…と、暢気に喜んでいたのだけど、ボーっとしているどころではなかった。
 緞帳が上がって、「声、違うのでは?」―と。
良い方向への「違うのでは」である。
〞きれいな声〞が届いて、それは、耳にさわりのとても良い声だった。私は9月22日の名古屋御園座のステージ以来だったから、この数日前の東京大田区アプリコのステージは観ていないので、その時、どんな声が会場を流れたのか、当然、知らない。
 若いから若い声が出せる、年齢を経たからそれなりの声になる―というのは、まったく当たらないと思った。
 本当に、きれいな声が届いて、ひと言でいえば、
「聴き惚れた~」―かな?
 その声が届く中で、自分に「誕生日、おめでとう」と言ったか?いや、それは全く忘れていた、まさに、今、その世界に飲み込まれている。が、そこに漂う波はなんとも、心地よい波だった。
 そうして、本当に、波の音が聞こえて、『その人は昔』へ―。心を込めて、歌い切って、それを私も受け止めて、緞帳が降りていく。
 そして、アンコール。
『湖愁』―どんどん、素晴らしくなっている。本当に、凄くて、素晴らしい歌になっていっている。舟木一夫の大きな大きな、そして、遥かな想いが、この歌の中にギュッと詰まっている。それが、わ~っと、解き放たれていくような、そんな風景が目の前にある。いや、もともとあるのではなく、舟木一夫が、想いと歌声と心を込めて、歌い放つから、そんなにも遥かな、すごい歌に、この歌は成長したのだ。
♪空の果て~♪
歌のラストの声が届くとき、私の胸内にも大きな何かがこみあげてきた。七月の浅草公演の際のtalkで、少し叫ぶような口調で言った「生きている限りはこの歌を歌うぞ!」
―それをふっと思い出した。
 その通りなのだと、すごく共感して、降りていく緞帳の向こうで手を振る舟木一夫に向けて、私も拍手と力いっぱいに手を振った。

 本当に、『湖愁』は凄くて、素晴らしい歌になった。

 静岡公演、『その人は昔』と『湖愁』―秀逸だった…と余韻に浸りながら、静岡駅へ。
 ここに仕事(?)が残っていた。新幹線を撮る。
 
 ひかり号の乗車口にはまだ誰も並んでいなかったので、自分たちの乗る号車の乗車口の一番前に並んで、ひとつ向こうを走る新幹線を待ち、スマホカメラを構える。しかし、あまりに早く通り過ぎるから、動画で構えているならそのまま撮れるだろうけど、写真で撮ろうとしていたので、もう殆どピンボケ(泣き!)。私のiPhoneは何世代も前の古いタイプだから(もう7年も使っている)、カメラのシャッタースピードも遅い。最近のiPhoneは本当の一眼レフくらいの機能があるらしい。シャッタースピードも勿論、速い。
 なんとか、1~2枚は撮れて、振り向くと、そばの階段を、舟木一夫が爽やかに上がってきたところだった。心で、「お疲れ様」「素晴らしいステージをありがとう」と言った。
 
 次は16日の新大阪行き。でも、大きな駅ばかりだから、新幹線写真は撮れないだろうなぁ。いや、写真を撮るのが目的ではない。16日大阪フェスティバルホール、17日ロームシアター京都の公演を観る。
 私事が多忙!力は夏の灼熱地獄で随分そがれた。でも、頑張ろう。

                                  (2023/10/8)

【追記】次は大阪…だったのだけど、10月10日の越ケ谷公演、友人が「行かれなくなった」と電話してきた~!私が行くことになるだろうなぁ。他の仲間たちはすでにチケットを持っているから…。前日の9日、自由が丘で「10月生まれ、3人の誕生日ご飯をやろう」という話がきて、天気悪いけど、雨天決行。連チャン。頑張るぞ。


 

 
  

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