ふりかえれば、フランス。

かつて住んでいたフランス。日本とは似ても似つかぬ国ですが、この国を鏡に日本を見ると、あら不思議、いろいろと見えてきます。

フランスが、40度の暑さにゆだっている!

2011-06-28 21:47:56 | 社会
なでしこジャパンは、初戦のニュージーランド戦、ちょっと苦戦気味でしたが、なんとか2-1で勝利しました。苦戦の原因の一つが、思わぬ暑さと言われています。ドイツで30度を超えている。ロンドン・オリンピックを目指すU-22が先日クウェートでの試合で負けてしまいましたが、その時は40度近い暑さ。それに比べれば30度ちょっとなら、それほどでもないと思えてしまいますが、準備をしていなかったところへの思わぬ暑さですから、その影響も大きかったのでしょうね。

このドイツの暑さ、他のヨーロッパの国々をも襲っていたようです。西隣のフランスも暑かった。週末から暑くなり、27日には、40度を超えた地点も。どんなに暑かったのか、その原因は、そして対策は・・・27日の『ル・フィガロ』(電子版)が伝えています。

27日、フランスのほぼ全土が強烈な熱波に見舞われた。ほとんどの地方が午後までに33~37度を記録し、37~40度まで上昇した地域も。特に、中央部からアキテーヌ地方が記録的な高温を記録した。パリとナントで36度、トゥールーズで35度、ボルドーでは38度(夕方までに40度に上ったというテレビ報道もあります)。先月は1900年以降で最も暑い5月となったが、その傾向がまだ続いているようだ。

例外的に地中海沿岸と北西部は26~31度とそれほどの高温にはならなかった。だが、夜にはロワール地方やベルギー国境に近いフランドル地方などは、激しい雷雨に襲われそうだ。雷、突風、雹に注意が必要で、北西部の広い範囲でにわか雨が予想されている。

火曜の朝には北西部の雷雨も徐々に収まりそうだが、ノール・パ・レ・カレ(Nord Pas-de-Calais)地方では若干長引く予想が出ている。雷雨はその後、火曜の午後にパリ周辺や中央部でも発生する模様だ。

今後の予想によれば、火曜以降、気温はほぼ平年並みに落ち着きそうで、中央部、特にトゥールでは月曜と火曜の最高気温の差が12度ほどにもなる予想だ。水曜からは、東部の一部を除いて、夏の暑さから解放されるだろう。

「この暑さの原因は、アフリカ北部から南風に乗って吹き込んできた熱波で、日曜日から居座り、月曜日に暑さのピークを迎えた」と、“Météo Consult”(1988年に設立された、ヨーロッパで最初の民間気象予報会社)の予報責任者、パスカル・スカヴィネール(Pascal Scaviner)は説明している。くもり空のため朝の放射冷却が少なく、空気も乾燥しているため、気温が一層上昇したようだ。

火曜にはアイスランド方面から寒気が北西部地方まで下がってくる予想で、その後フランス全土を覆うことになる。暖気と寒気がぶつかれば、激しい嵐が発生することになる。

「熱波に襲われると、人間の身体は急激な気温の上昇にすぐには対応できない。熱帯など暑い地域に到着した旅行者のような感じになる。非常に暑い気候に慣れるには、一般的に一週間必要だと言われている」と、一般医組合(Syndicat des Médecins Générakistes)の委員長を務めているレシェール(Claude Leicher)医師は語っている。

対処法としては、暑い時間帯には雨戸と窓、特に南に面した開口部を閉めることが大切で、またその熱い時間帯に屋外で働く人や出歩かなければならない人は、水分と扇子を持ち歩くことで、少しは暑さから逃れることができる。

レシェール医師はまた、高齢者に身体の水分を減らしてしまう利尿剤の服用を減らすように、そして水分をやや多めに摂るようアドバイスをしている。ただし、水分の摂り過ぎはいけない。高齢者は水分の排泄量が少ないので、取り過ぎてはかえって身体に良くないそうだ。

赤ちゃんに関しては、閉め切った部屋に放置しないことが大切だ。レシェール医師は、クルマの中のような閉め切った場所では、その気温の急激な変化に赤ちゃんは対応しきれないからだ、と説明している。赤ちゃんを直射日光にさらさせないこと、特に午前10時から午後4時までの暑い時間帯には避けることが大切だ。そして水分をいつもより多めに与えることが必要だそうだ。

・・・ということで、フランスは100年ぶりとも言われる暑い春に続いて、40度前後の高温に見舞われました。TF2のニュースによると、27日の最高気温が41,1度まで上がった地点もあったそうです。

噴水や川に飛び込む人も続出。パリの観光名所、トロカデロでは、観光客が噴水の両側にぎっしりと並んで、足湯ならぬ、足プール。ただし、デファンス地区など、ビジネス街では、ネクタイを締めたサラリーマンも多く見受けられました。オフィスの中は、冷房がしっかり効いているのでしょうね。

原発大国、しかもサルコジ大統領が原発の開発や安全対策に巨額の予算を組むと語っていますから、電力制限などとは無縁のようです。片や日本は、先のG8サミットで原発継続を表明してきた(少なくとも他のG8参加国はそう理解している)首相が、思いつきのように脱原発を宣言。自然エネルギーへ移行すると言っています。自然エネルギーには賛成ですが、突然そうできるものではない筈です。移行期間をどうするのか・・・思いつき、その場しのぎのポピュリズム政治の危なさが暗雲となって日本全体を覆っているような気がしてなりません。

女子ワールドカップ、U-17ワールドカップ、オリンピック最終予選、ワールドカップ予選、8月に始まるヨーロッパ各国の新シーズン・・・日本選手の活躍に、せめてもの一服の清涼剤を期待してしまう今日この頃ではあります。
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