Gメモリーズブログ

有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

ソフビ制作裏話 その224

2011年04月14日 | 制作裏話


Part.2 配色の理由

 今日はシチュエーションイメージを表現するための配色のチョイスについて。


■「キンゴジ 氷山出現バージョン」との区別化
 この「エリアGバージョン」を企画する際に、まず最初に考えたのは一昨年夏に発売した「キンゴジ 氷山出現バージョン」(完売)との区別化です。
 劇中の氷山の中から出現する時のシチュエーションで考えたのが「氷山出現バージョン」。氷の中で凍っていた部分を残したくツヤ消しホワイト等の処理をしたり、とにかく冷たい状態を表現する事をまず考えました。
 しかし「エリアGバージョン」の場合は、氷の中から出現するシチュエーションではなく、完全に氷の中にいる状態のものです。劇中でもわかるように色的には暗いイメージで表現されています。設定上でもゴジラのいるあたりは浅くはないと思うので、明るくはないはずです。
 そのため使用する成型色は「氷山出現バージョン」のような明るいブルーではイメージが違うと判断しました。
 そして違いを出すという理由もありますが、チャレンジという意味合いも含めて「氷山出現バージョン」では塗装として効果的だったツヤ消しホワイトを使用しない他の方法で、氷の中のゴジラを表現できないものかと考えたのです。

 成型色としては濃いめのクリアブルーが良いと考えたのですが、イメージに合うだろう色は意外にも他社製品の怪獣ソフビでもありそうでない色なのです。ですから完成したものは成型屋さんに相談してこのために作っていただいた色です。
 もちろんこれだけでは半透明のクリア成型なので、シチュエーションのイメージとしてかなりライトな印象になってしまいます。
 そこで弊社としては定番のラメ入りクリア成型プラス内蔵モール(ここ数年、ラメ入りクリアプラス内蔵モールが「羽沢組の十八番」とおっしゃる方もいらっしゃいます……笑)で、冷たさや深い氷の下の色を表現する事にしました。

ソフビ制作裏話 その223

2011年04月13日 | 制作裏話


Part.1 企画意図

 今日から昨年4月から発売を開始した「ファイナルゴジラ エリアGバージョン」(現在発売中!)の制作裏話を書きます。今日は企画した理由や意図について。


■静かに動きを停止しているゴジラ
 数多くのゴジラ作品の中で、ゴジラがじっと動きを停止しているシーンはいくつかあります。海中、山中、時にはあきらかに眠っているのがわかるものがあります。
 その中でも人類の手によって管理されて長期に渡って氷の中で眠らされて(?)いるのは『ファイナルウォーズ』だけです。南極における人工的に作られた施設エリアGの氷の下でゴジラは眠っていました。
 そのシーンが見られるのは時間としてはわずかですが、その後の復活シーンがインパクトありましたので、エリアGで眠っているゴジラは印象が強いし、設定としてはある意味新鮮だったと言えるでしょう。

 弊社商品の中で、劇中シチュエーションイメージの配色のゴジラはたくさんありますが、動きを停止している(眠っている)シチュエーションのものはありませんでした。アグレッシブに動きのある方が作っても飾っても楽しいのですが、静かなゴジラというのも逆に配色等を考える難しさの楽しみがありますし、飾る上でもイメージを膨らませる楽しみがあると思うのです。ですから、いつかそういう静かなゴジラのイメージの商品も作ってみたいとは思っていました。

 昨年から発売を開始した「ファイナルゴジラ」の新規カラーの企画を考えた時に、最初がシンプルな「ブラックバージョン」でしたので、それとは違う印象の色になるような配色にしたいと考えていました。
 ファイナルゴジラというとどうしても黒系、もしくは濃いめの色のイメージが強くあったので、明るい色のものは考えにくかったのは確かです。が、氷の中で眠っているシーンをイメージするなら、ある程度青系で作れるのではないかと考えました。静かに動きを停止しているゴジラの表現ができると考えました。

 続きはまた明日。

メカゴジラカラーアイディア

2011年04月12日 | お客様のコーナー


こんなメカゴジラは!?

 3月30日にメカゴジラのカラーアイディアのリクエストを募集しましたが、お馴染みのお客様の大阪府・WATさんが面白いカラーの画像を送って下さいました。
 最初にいただいたのが左のもの。どこかのヒーローのような色です。

 以下、ご本人のコメントです。
「メカゴジラのカラーアイデアを募集されてたので、色々と考えていたのですが…
どんな怪獣にも負けないような、「とにかく強そうな色」ということで、こんな色にたどり着きました!(笑)
「どんな怪獣にも」と言いつつ、黒い宇宙恐竜には負けてしまいそうですが…(苦笑)
スーパーメカゴジラというのがあるのだから、「ウルトラ」もあってもいいですよね?(いや、アカンやろ)」


 完全に許諾不可能なカラーリングではありますが、爆笑ものです。こうなると正義のロボットになってしまいますね。もしかして機動時間は3分!?
 さらに続いていただいたのが、右のもの。
 もはやモビルスーツになってしまいました。「メカゴジラ、いきまーす!!」って。

 商品化はまず無理なものでも、こうして面白いネタであればぜひまたお寄せ下さい。他の方もよろしくお願いします。そしてみんなで笑いましょう!!

がんばろう!

2011年04月09日 | 代表羽沢のG雑感
こういう時だからこその「がんばろう」!!

 先週、茨城県の中央のあたりに行ってきました。身内がいるので、元気な顔を見るためと少しばかりの向こうで買えないだろうものを届けにです。
 高速道路はずっと速度制限。少々の段差が多数あるのです。路面でも分離帯でも震災の影響による修復が多数見られました。短期間にこれだけの修復をされているプロ達の仕事に、なんとしても首都圏と被災地を結ぶ道をつなげるんだと言う気持ちが走っていて伝わってきます。
 目的地近く、一般道を走っていてすぐ気がつくのが家。数多くの瓦屋根が崩れたり落ちているのがわかり、屋根がブルーシートで覆われている家々が目立ちます。時折、道々のガードレールが折れていたり、不思議な曲がり方をしていたり、コンクリートの塀が崩れていたりするのを見かけます。
 道は所々で修復箇所が見られますが、小さなヒビは多数。大きなヒビがあるだろう所は通行止め。橋もまた通行禁止がいくつかあり、いつも以上に時間をかけての迂回をしなくてはなりません。
 海沿いでは壊れた堤防、陸に乗り上げられた船がいくつも見られました。

 震災の被災地の様子はテレビをはじめとする各媒体で毎日のように取り上げられて目にする事はできますが、ほとんどは大きな被害の所が中心です。私の行った所は大きな被害の報告としては扱われていない所。それでもマスコミの目が届かない所でもこうしていくつもの震災の跡が見られるのです。その風景に動揺は隠せません。
 そして頻繁に体感する大小の余震。東京で感じる余震と感じ方がやはり違います。地の底から揺れている感じがします。
 もっと大きな被害を受けた所にもし行っていたら、また違った感情がわいてくるのかもしれません。
 当たり前の事ですが、それぞれの地元の人たちはそこで生きようとしています。そこにその人達の生活や、思い出や家族があるからです。

 もっと苦しんでいる人たちの所に行った訳ではないのに偉そうなことを言うなとお叱りを受けそうですが、今回の震災の件で誰かを批判してばかりいる人、挙げ足を取ってばかりいる人、流行に乗るかのように買い占めている人たちは、テレビや雑誌に写っているものではなく一度自分の目で見たり感じたりしたら、きっと何も言えなくなるんじゃないかと思いました。

 全国から各方面で現地で支援している人たちがたくさんいます。中には命をかけている人たちもいます。
 私は大きな事はできません。でも、自分でできる範囲で何かをしなくてはという気持ちはより強くなりました。
 簡単に「がんばろう」や「がんばって」は言えます。安っぽく受け取る人もいるでしょう。
 それでも自分も含めての「がんばろう」なのです。こういう時だからこその「がんばろう」なのです。
『継続は力なり』は私のモットーなのですが、これからも続けてがんばるつもりです。NEVER GIVE UP!の精神で。


 昨夜も余震というにはあまりにも大きな地震がありました。
 これからもまたあるかもしれません。各地の皆様、どうぞお気をつけ下さい。

メカゴジラ未塗装配布チラシ

2011年04月08日 | その他


 4月29・30日発売予定の「メカゴジラ(未塗装版)」をお知らせするチラシです。
 本日より通販購入の際に同封させていただきます。
 購入のご検討をよろしくお願い致します。

 商品の詳細につきましては、4月6日の記事をご覧下さい。

(2011.7.25更新)
「メカゴジラ 未塗装版」は完売致しました。ありがとうございました。
 それに伴い、「NEVER GIVE UP! がんばろう日本!」シールステッカープレゼント、メカゴジラマグネットステッカープレゼントは終了させていただきます。ありがとうございました。

NEVER GIVE UP!

2011年04月07日 | その他


ゴジラのように強くたくましく!!

 今もなお厳しい生活が続いている東日本大震災の被災地。微力ではありますが、何かしら弊社としても役に立ちたいと考えております。そのうちの一つ、少しばかりではありますが、弊社は4月、5月のソフビフィギュア業務での収益の一部を、東日本大震災の義援金として寄付致します。

■ポスターの提供について
 昨日お知らせしましたように4月29・30日に「メカゴジラ ブラックバージョン」と同時に「メカゴジラ(未塗装版)」を発売する事に致しました。
 それに特典としてポスターとステッカーを付けさせていただく事となりました(デザインは昨日の記事を参照下さい)。ポスターやステッカーのみの販売は一切致しません。
 商品を購入していただく方々にはもちろん、それを目にする方々に震災の現状を意識していただきたく、なおかつその人たちがそれぞれでできる事を考えていただくきっかけになってほしいという思いです。
 ゴジラは日本を代表する強さの象徴的キャラクターでもあると思うのです。やられても何度も立ち上がり復活してきました。その強さやたくましさの心を被災された方も応援する方もいつも持っていただきたいと考えております。ですからデザインは、これまで弊社で発売させていただいたゴジラソフビ10種を使用し、「NEVER GIVE UP! がんばろう日本!」とコピーを入れました。
 ステッカーは予算の都合で、「メカゴジラ(未塗装版)」にのみ特典として付く事となりますが、ポスターは購入された方以外でも、被災した方やそのヘルプとしてお手伝いをされている方等で希望される方がいらっしゃったら可能な限り無償で提供したいと考えております。お店、施設等で多くの人たちが目にする所に貼りたいとお申し出いただければぜひご相談下さい。できるかぎりお力になりたいと考えております。
 ほんのちょっぴりでも励みになれば幸いです。

 今回、こういった目的でのポスターやステッカーの制作は特例となりますが、東宝株式会社様には目的や意義にご理解いただきました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。

■収益の一部を寄付致します
 今回だけではなく、今後もできる範囲で行うつもりですが、ソフビフィギュア業務での収益の一部を日本赤十字社を通して、義援金として寄付したいと考えておます。
 まず「メカゴジラ ブラックバージョン」と「メカゴジラ(未塗装版)」だけではなく、4月29日のスーパーフェスティバルでの弊社商品の収益、4月・5月の通販での収益のトータルから一部を寄付する予定です。
 今回「メカゴジラ(未塗装版)」の発売を急に決めたのも、これらのための収益を増やすためでもあります。
 それ以降でも不定期ではありますが、少しずつでもできるように検討していく予定です。
 また商品販売の際には、定価を超える金額の受け取りは致しませんので誤解のないようにお願い致します。
 どうぞご理解のほどよろしくお願い致します。

 微力ではありますが、他にも何かできる事があればできる範囲で考えてみたいと思います。

(2011.7.25更新)
「メカゴジラ 未塗装版」は完売致しました。ありがとうございました。
 それに伴い、「NEVER GIVE UP! がんばろう日本!」シールステッカープレゼント、メカゴジラマグネットステッカープレゼントは終了させていただきます。ありがとうございました。

メカゴジラ未塗装版発売!!

2011年04月06日 | 新作商品情報


緊急発売決定!!
メカゴジラ(黒成型・未塗装版)


4/29スーフェスにて先行発売!!
4/30通販受付開始!!
ミニポスター&ステッカー付き!!


 4月29・30日より「メカゴジラ ブラックバージョン」を発売致しますが、未塗装版の「メカゴジラ」も同日発売することになりました。「メカゴジラプロジェクト」の特別版として少数限定発売です。特典としてミニポスターとステッカーもつきますので、こちらも「ブラックバージョン」同様にお求めくださいませ。

 すでに「メカゴジラ ブラックバージョン」の告知をさせていただいていますが、急きょその未塗装版も同日発売することになりました。 
 成型色はシンプルなブラックで、塗装をしていない状態のものです。
 以前から黒いメカゴジラのリクエストをいただいていましたので、ひと味違ったブラックメカゴジラを楽しんで下さいませ。
 販売個数は25個限定となります。なくなり次第終了となります。

 またこの「未塗装版」は、特典としてA3版ミニポスターとステッカーがつきます。
 どちらも同じデザインになります。ポスターはプリント出力のものです。印刷ではありません。ステッカーはハガキに貼って使用できるように、ハガキサイズより少しだけ小さく作ってあります(約140ミリ×95ミリ)。
 デザインをご覧いただいてお分かりかと思いますが、東日本大震災で被災された方々、それをヘルプされている方々を応援したいという気持ちで作ったものです。今だけではなく、これからも大変な思いをされている方々や復興に向けてがんばっている方々がいらっしゃるという事を意識していてほしいという願いも込めました。
 弊社で発売してきた10種のゴジラをレイアウトしたデザインです。日本を代表するキャラクターであるゴジラのように強くたくましい気持ちをみんなが持ち続けてほしいと思っております。

 また、この「未塗装版」と「ブラックバージョン」を同時購入の方には何かしらの特典もさらに付けたいと思っております。内容は現在検討中です。決まりましたらここでお知らせ致します。

 なお、この「未塗装版」の発売は急に決まったものなので、雑誌等のメディアでの告知はしておりません。このGメモリーズブログだけでの告知となります。ご了承ください。

 もちろん今回の「メカゴジラ(未塗装版)」も、これまでのシリーズで発売したゴジラ同様、その怪獣の持つ個性を強調する羽沢組ならではのディフォルメタッチでアレンジし、「Gメモリーズセレクション」のテーマでもある「カッコかわいく」から外れる事ないようなバランスで造型、配色して遊べるソフビとして制作するものです。

 こちらの商品は2011年4月29日開催のスーバーフェスティバルで先行販売、翌日より通販(12時より電話受付開始)で発売致します。

G メモリーズセレクション
「メカゴジラ (未塗装版)」

●ソフトビニール製 未塗装品
●全高約19センチメートル ノンスケール ディフォルメタイプ
●発売日 2011年4月29日
4月29日開催のスーバーフェスティバルで先行販売
4月30日通販(12時より電話にて)受付開始
●価格 3150円(税込み)
●登場作品 東宝映画『ゴジラ対メカゴジラ』1974年作品
 ™&©1974,2011 TOHO CO.,LTD.



▲ポスターとステッカーのデザインはこれです。
©1995,1999,2001,2004 TOHO PICTURES INC.
TM&©1962,1964,1965,1989,1991,1995,1999,2001,2004,2011 TOHO CO.,LTD.




(2011.4.15更新)
 一部の雑誌で「メカゴジラ(未塗装版)」の告知をしていただけることになりました。
(2011.7.25更新)
「メカゴジラ 未塗装版」は完売致しました。ありがとうございました。
 それに伴い、「NEVER GIVE UP! がんばろう日本!」シールステッカープレゼント、メカゴジラマグネットステッカープレゼントは終了させていただきます。ありがとうございました。

ソフビ制作裏話 その222

2011年04月05日 | 制作裏話


Part.4 配色について

 今日は黒のイメージで企画した「ブラックバージョン」について。



■シンプルな黒に!
 配色についても「こだわり」で書いた通りです。
 これまで発売してきた各ゴジラソフビでも、シンプルな黒成型の「ブラックバージョン」は作ってきました。
 ほとんどのゴジラは、真っ黒でも充分に合うものだと思いますが、「ファイナルゴジラ」はその中でも特に黒のイメージの強いゴジラと考えていましたので、できる限り色という面ではシンプルに作りたかったのです。
 造形ではかなり細部に渡ってたくさんのこだわりがありましたから、その部分も色がシンプルだと見やすいのでわかっていただけるだろうと思います。
 そして黒のイメージという点では、いつものように配色の候補はいくつか考えていました。結果的にこの時の「ブラックバージョン」は、先に書いた理由でシンプルに落ち着きましたが、ほかにもいろいろとやってみたかったのは確かですし、そのうちの一つは後に「バージョン2」(完売)として発売した通りです。

 ちなみに何人かのお客様達にお聞きした所、この「ファイナルゴジラ」でイメージする色は、人によって様々。「グレー」「ブルー」「グリーン」etcとかなり違う事がわかりました。なるほど…と思う事も多々あり、大変参考になりました。


 さて、この「ファイナルウォーズ」のゴジラは、現時点では最後のゴジラですから、そういう意味でもいつかは作っておかなかればならないという勝手な使命感も少なからず潜在意識の中にあったと、今振り返るとそう思います。
 そしてたくさんの劇中で対戦したファイナル怪獣達、全部はさすがに無理でしょうけど、いくつかは作って並べて対戦シーンを実現させてみたいものです。
 その時はまたよろしくお願い致します。

ソフビ制作裏話 その221

2011年04月04日 | 制作裏話


Part.3 お客様の反響

 今日は「ファイナルゴジラ」を発売後、皆様からいただいた造形に関してのご意見等について。



■造形についての皆様の感想
 発売前の「こだわり」で、今までで一番アレンジして作ったゴジラソフビである事を書きました。自分の中で「ファイナルゴジラはこうあってほしい」という願望を入れ、平成VSシリーズのゴジラの姿勢のエッセンスを取り入れて、より力強く見せたかったのです。あくまでも「似ていなければ意味がない」という枠の中での造形・アレンジのつもりではありますが、ある意味見る人によっては羽沢組オリジナルイメージゴジラと呼ばれても否定はできないでしょう。
 発売前にこういった事を書いていたので、皆さんの反応は気にはなっていました。
 中にはアレンジを抑えて、劇中スーツにもっと似せてほしかったとおっしゃる人もいらっしゃるだろう事は覚悟していました。(言い辛いのかもしれませんが、そういった声は今の所ないようです。)

 実物をご覧いただいて一番多かったのが、「(「こだわり」を読んで)もっとアレンジしていると思っていたら、ちゃんとファイナルゴジラしているし、それでいてかっこよくなっている」とおっしゃっていただいた感想。すごい嬉しかったです。
 中には「『ミレニアム』以降のゴジラは集めていなかったけどこれは別。見てたら欲しくなりました」と笑顔で語って下さった私と同世代(たぶん)の方が何人かいらっしゃったのが印象的でした。
 不安があった分、イベント等でお会いしてお褒めのお言葉をいただくと嬉しくなってこちらもついベラベラと話が長くなってしまう私です。
 推測ですが、私と同世代ぐらい、もしくは上の世代の方々にとって「ゴジラはこうあってほしかった」という部分では、「ファイナルゴジラ」を対象とした時にはかなり近い感覚を持っていたのかもしれません。実物の細さや顔つきが皆さん気になっていたようです。ですからこれらをアレンジした弊社商品では喜んでいただけたのだろうと推測しています。
 これもまた推測ですが、逆に「ファイナルウォーズ」中心でゴジラのファンになった若い人たちには、もっと似せてほしかったと思っている人もいらっしゃったかもしれません。特に「ファイナルゴジラ」が一番好き、もしくは一番カッコいいと思われている方。もしそういった方がいらっしゃったら気兼ねなくおっしゃって下さいませ。

ソフビ制作裏話 その220

2011年04月02日 | 制作裏話


Part.2 原型の制作

 今日は「ファイナルゴジラ」の原型を制作して感じた事について。


▲写真は原型です。

■今から思えば楽しい作業でした
 粘度原型の制作時は、予想以上に手間はかかりましたが今から思えば楽しい作業でした。
 今までのゴジラ商品の中では一番アレンジが多かった商品と言えます。
 力強さをより出したくて平成シリーズのエッセンスを取り入れたり、たくさんの細部のこだわり、川北監督に教えていただいたゴジラスーツの姿勢のポイント、そして「ファイナルゴジラはこうあってほしかった」という願望をも含ませて、「カッコかわいく」というディフォルメテーマの中でこれらをとのぐらい実現できるかという挑戦の楽しさと言えます。
 詳細は以前書きました「こだわり」(2010年2月25日~3月5日掲載)で紹介していますので割愛しますが、若い世代のファンの方々にはすぐにたくさんのこだわった所は気がついてもらえると思うものの、おじさん世代の方々にどの程度これらのこだわりがわかっていただけるか、納得していただけるかという意味での挑戦もあったと言えます。
 そして、5年程度のキャリアで高々と言うほどの事ではないと笑われてしまうかもしれませんが、ゴジラソフビの原型という点では、これまでの経験の集大成的な部分もあった事は確かです。
 また、全ゴジラの中で「カッコかわいく」に一番遠いと思っていたのが「ファイナルゴジラ」でしたので、完成後は「ファイナルゴジラができたんだから、今後他のゴジラを作ってもこんなに悩んだり手間のかかる事はないだろうなぁ」と感じました。(きっといつか「甘かった…」と反省する事はあるかもしれませんが……笑。)
 なんだかんだ言ってもやっぱりゴジラソフビの原型を作るのは楽しいです。

ソフビ制作裏話 その219

2011年04月01日 | 制作裏話


Part.1 発売のきっかけ

 今日から昨年3月に発売した「ファイナルゴジラ ブラックバージョン」(完売)の制作裏話を書きます。今日はまず、「ファイナルゴジラ」を作ろうと思ったきっかけの補足から。


▲写真は原型です。

■自分なりの「カッコかわいいファイナルゴジラ」
 まずは、この時期に「ファイナルゴジラ」を新規造形で作ろうと思ったきっかけですが、2010年2月22~24日の「雑感」で書いた通りです。
 まだまだ今も表向き「評論」と題して、自分の好きじゃないゴジラシリーズの辛口コメントや明らかな悪意の感じられる言葉や文章を目にしたり耳にしたりする事があります。そしてそれらを好きだという若いファンへの上から目線の冷笑的言葉も。何でもかんでも言葉の中に「毒」を入れればいいと思うのは、とてもカッコ悪い事です。どちらかと言えば私もその辛口のおじさん達と同じ世代なので、余計寂しく感じます。
 どんな世代の人たちでも、好きな作品やゴジラ(怪獣)に対してはとことん応援していただきたいし、コレクションや愛好も広げていただければと思うのです。だからと言って、対象外の作品やゴジラ(怪獣)、それを好む人たちへの口撃は別の次元です。

 若い世代にはそれぞれの夢中になったゴジラがある訳で、そういう辛口な人達に対して同じゴジラファンとして負けてほしくないのです。
 一昨年の後半頃、そういった一部の風潮に対して、ちょっと年甲斐もなく熱くなっていました。 
 だからこそ最も若い世代のゴジラを応援したいと思ったのが、「ファイナルゴジラ」を商品化しようと決めたきっかけです。
(今あの時の「雑感」を読み返してみて「私もまだまだ青いなぁ」と良い意味でも悪い意味でも感じます。)

 そして若い人たちには彼らなりの「ファイナルゴジラ」がああるように、私のようなおじさん世代には長年ゴジラを見続けてきた世代なりの「ファイナルゴジラ」があり、必ずしもこれらは一致はしません。
 できる事は自分なりのできる限りの解釈や希望等を取り入れた「カッコかわいいファイナルゴジラ」を作る事。そういう思いで企画・制作しました。