Gメモリーズブログ

有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

ソフビ制作裏話 その192

2010年08月07日 | 制作裏話


Part.3 造形の区別化


▲左「決戦ゴジラ スタンダードカラー」右「モスゴジ スタンダードカラー」(いずれも完売)

■プレッシャーより作る楽しさ
 流用パーツ使用のソフビの制作と言うのは、かん着部分を揃えなければならないし、全体として頭身を合わせなければならないと言う、いつもとは違う行程も必要になります。が、ある意味劇中スーツ同様に「アレンジ」と言う要素の中での造形作業ですので、完全新規造形の物とは違った難しさ以上に楽しさがあります。

 昨日書いたように、「モスゴジ」から「南海ゴジラ」までは一連の流れがあります。似ている造形なだけに4種類のゴジラの特徴、個性、そして何よりも差を見つけ、頭身を揃えて作らなければなりません。
 特にこの時は同時期に「モスゴジ」を作っていますので、当然お求めいただく皆さんには比較されます。ディフォルメとは言え「モスゴジではない、紛れもない決戦ゴジラだ!」と言われるものにしなければなりません。プレッシャーもありますが、作る楽しさの方が遥かに上回っていました。何年か前だったらもっとプレッシャーの方が大きかったかもしれません。Gメモリーズも始めてから(当時)4年目ですし、生意気な言い方ですが少しはそのプレッシャーを以前より楽しめるようになってきたのかもしれません。作業の大変さより、大好きなゴジラを作る事のできる喜びの方が大きいのですから。
「モスゴジ」と「決戦ゴジラ」の違いや商品としての造形的区別については、以前書いた「こだわり」に細かく書きましたので割愛しますが、まだよく違いをご存知ない方はそちらの方を改めてご覧いただければ幸いです。
 造形行程で大きな苦労と言うのはなかったのですが(強いて言えば全部大変!?)、いつものように違いや個性、差を重視し過ぎるとどんどんリアル傾向になる私の癖でしょうか。わずかの違いを「カッコかわいく」の中でディフォルメする作業は、どうしても熱中し過ぎるとリアルよりになりがちの私です。ですから特に頭部はいつもながら何度かやり直します。逆にこの「決戦ゴジラ」に限っては、リアルよりになりがちな作業の時に「もっとかわいくディフォルメに」と調整し過ぎると今度は「モスゴジ」に似てきてしまうゴジラですので、そのバランスに一番注意したと言えるでしょう。
 いずれにしても楽しく、また良い経験値が得られた作業でした。
 
 このパーツ流用でソフビを作ると言うのは、以前に「ビオゴジ」「ギドゴジ」を経験していたのですが、その時以上に楽しく造型できたと言えます。こういった流用使用の行程は、ゴジラに限らず他社さんのディフォルメソフビでもよく見かけるパターンなのですが、版権商品、しかも大好きなゴジラでできる喜びをこの時は強く感じました。
 そして一連の流れでの4種類のゴジラのうち、3つを現在作りました。残る「南海ゴジラ」もいつか作って並べてみたいものです。

 ゴジラ映画では他にも劇中スーツ流用で複数の作品を作っています。数えてみるとこのパターンは結構あるんですね。その時々のゴジラをまたこの時の経験を生かして作ってみたいと思います。もちろんそれぞれにはっきりとわかる特徴や個性、差を明確にしてです。