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Gメモリーズブログ

有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

ソフビ制作裏話 その310

2013年03月01日 | 制作裏話




▲「74ゴジラ ブラックバージョン」

4.顔の造形

特に注意した2つのゴジラの顔の違い

 2つのゴジラの造形は難しくも楽しいものでした。
 Gメモリーズセレクションでは、どの商品も「カッコかわいく」をテーマに作っています。それは最初から一貫して変わりません。
 ご承知の通り、ゴジラ映画では「メガロゴジラ」から親しみのある愛嬌のある顔に変わりました。それを受け継ぎ、「74ゴジラ」はより可愛さが増しています。人によって印象は違うとは思いますが、全ゴジラシリーズの中でも「可愛さ」という点ではこの2つが一番ではないかと思います。そういう意味では、もっともGメモリーズセレクションのテーマで作りやすいゴジラなのかも知れません。

 その通り、顔を作っている上では作りやすく楽しいものでした。ただ、2つ当時制作でしたので違いを明確にする部分は楽ではありません。
 違いを強調しすぎると、どんどんそれぞれがリアルになっていき、ディフォルメから遠ざかっていくのです。ディフォルメを強調していきすぎると、元々似ている2つがどんどん近づいていってしまうという事に陥ります。(最初に作った芯の部分に大まかに粘土を盛りつけたものはほとんど同じになり、我ながら「あれれ!?」となりました…笑)
 例えば、頭のてっぺん部分のモールドにも違いはあるのですが、より細かく差を表現していくとどんどんリアルに近づき、他の部分とのバランスをも崩してしまいます。ですからそういう細かに所は抑えめにして、はっきりと分かりやすい部分だけ…、目の形や大きさ等は逆に強調して完全に違うものに変えるなどのわかりやすい部分だけを強調する事で調整しました。

 口が「メガロゴジラ」は閉じて、「74ゴジラ」は半開きにしています。これは私の好みです。劇中で敵を睨みつけた時や歩いている時の何とも言えない表情に感じたシーンが印象的だったので、「メガロゴジラ」の口は閉じました。「74ゴジラ」は完全にメカゴジラと対峙した時のイメージです。大きく口を開けている時より半開きで向かい合っている時の方が雰囲気が出ると思ったためです。
 おそらく、どちらか1体だけの制作であればさほど悩まなかった所もあったと思いますし、制作時間も少ないと思うので発売はもっと早かったでしょう。頭部パーツに関しては、「2つ作る=倍の時間」とはやはりなりませんでした。時間も予想以上にはかかってしまいました。

ソフビ制作裏話 その309

2013年02月27日 | 制作裏話




▲「メガロゴジラ ブラックバージョン」

3.2つのゴジラの違い

違いがわからない方は「見聞録」を!
 実際に「メガロゴジラ」「74ゴジラ」の両方のゴジラを作る事にした訳ですが、皆さんに違いを突っ込まれても答えられないようではシャレになりません。どちらもディフォルメとはいえ、原型を作る意味でも当然理解をしていなくてはできませんし。「偉そうに違いを表現すると言っておきながら、ディフォルメでごまかしてる」と思われては本末転倒です。
 ですからいつもとは違う「ゴジラの勉強」から始めたのがこの2つのゴジラなのでした。
 2011年12月10~21日まで長々と調べてみた事等を「見聞録」で書いておりますので、『メカゴジラの逆襲』の時の「75ゴジラ」も含めて、各ゴジラの違いや当時の着ぐるみスーツの特徴等をご覧頂ければ幸いです。もちろん商品としての「メガロゴジラ」と「74ゴジラ」の違いもそれぞれの「こだわり」同様にこの「見聞録」でご理解いただけると思います。ただし、この「見聞録」は弊社としての解釈も多分にありますので、過去発売された書籍等に記載してあるものとは違うと判断した内容もあります。その点はご理解の程よろしくお願い致します。
 もしかするとまだまだ弊社の知らない事実もあるかもしれません。わかった時は改めてここでその旨をお知らせしたいと思います。

 いずれにしてもこの2つのゴジラは全く同じものではありません。違いがはっきりした以上は、それを「カッコかわいく」造形です。
 ゴジラの粘土原型制作は毎回楽しいのですが、この時は2つ同時進行でしたので、いつもとは違う難しさも楽しさの中にありました。

 ●「見聞録」その1 ●「見聞録」その2
 ●「見聞録」その3 ●「見聞録」その4
 ●「見聞録」その5 ●「見聞録」その6
 ●「見聞録」その7 ●「見聞録」その8
 ●「見聞録」その9 ●「見聞録」その10

ソフビ制作裏話 その308

2013年02月26日 | 制作裏話




▲「74ゴジラ ブラックバージョン」

2.同時制作の理由

メガロゴジラと74ゴジラを同時に制作
 メガロゴジラと74ゴジラを同一と思われている人たちが多い事に引っかかっていたので、その違いや共通点等、それぞれの個性を重視したものを作る事で、勘違いされている方々にそれらを理解してもらえると考えました。
 ですから、この2つを一緒に作り、近い時期に続けて発売しようと決めたのです。
 もちろん弊社としても商品として売れてもらわなければなりませんし、似ているゴジラ同士ですから、お客様の「どちらかでいい」という判断をされる可能性があるリスクも考えなければなりません。
 しかし、逆に違いを理解していただく事で、より弊社商品そのものだけではなくゴジラの世界をもこれまで以上に楽しんでいただけるようになれば幸いな訳です。(一番嬉しいのは両方お求めいただく事ですが…笑)

 最初にしなくちゃならないのは、肝心の弊社が2つのゴジラの違いを正しく把握する事。そして、なぜこのように多くの方の誤解があったのかという事を理解しなければならない事でした。
 74ゴジラはメガロゴジラの改修・流用ゴジラです。時間はかかりますが、大小の変わった部分とそのまま共通パーツとしてある部分は、映像や書籍の写真等を何度も比較して見ればいずれわかります。
 誤解を生んだ原因は、いくつか要因は上げられますが、結局のところ100%はわかりません。推測ではありますが、理由は大きく2つ。一つ目は誤った、もしくは詳細を明記せずに誤解されても仕方のない表現をしている書籍があったこと。もうひとつは、過去のホビー誌告知やホームページ告知等で一部のレトロタイプのソフビメーカーさんが「メカゴジラと(も)戦ったゴジラ」としてメガロゴジラを発売し、同時期、もしくは近い時期にメカゴジラを発売されていることではなかろうかと。そしてこれらがゴジラソフビを買われる多くのファンに浸透してしまったためではないかと思うのです。(ですから塗装済み完成品のレトロタイプソフビとして、メガロゴジラは過去複数のメーカーさんが発売されていますが、74ゴジラというのは少ないのです。)

ソフビ制作裏話 その307

2013年02月25日 | 制作裏話




▲「メガロゴジラ ブラックバージョン」

1.きっかけ

 今日から昨年1月に発売を開始した「メガロゴジラ ブラックバージョン」、翌2月に発売した「74ゴジラ ブラックバージョン」の制作裏話を続けて書きます。
「メガロゴジラ ブラックバージョン」の詳細は2011年12月13日の記事、「こだわり」は2011年12月26~29日の記事をご覧下さい。こちらの商品は現在発売中です。ご希望の方は「通販情報」をご覧の上、弊社までお電話でお申し込み下さい。残りあとわずかとなっております。どうぞご注意下さい。
「74ゴジラ ブラックバージョン」の詳細は2012年1月14日の記事、「こだわり」は2012年2月2~8日の記事をご覧下さい。こちらの商品は完売しております。

「メガロゴジラ ブラックバージョン」
 ●詳細
 ●「こだわり」その1 ●「こだわり」その2
 ●「こだわり」その3 ●「こだわり」その4

「74ゴジラ ブラックバージョン」
 ●詳細
 ●「こだわり」その1 ●「こだわり」その2
 ●「こだわり」その3 ●「こだわり」その4
 ●「こだわり」その5 ●「こだわり」その6
 ●「こだわり」その7 

実は多い勘違いされている人たち
 先に発売した「メガロゴジラ」の粘土原型は翌月発売した「74ゴジラ」と一緒に作りました。
 元々のきっかけは、「こだわり」にも書いたように、前年に発売した「メカゴジラ」です。メカゴジラと対戦したゴジラはやはり並べられるように作りたいのです。
 これまでにゴジラと対戦怪獣の組み合わせになる弊社商品は、「モスゴジ」と「モスラ幼虫」、「決戦ゴジラ」「大戦争ゴジラ」と「キングギドラ」です。並べて楽しめるというのは、手前味噌ですが単独で見るよりも楽しさが倍増します。作った立場としても出来上がった時のニタニタがいつもとは違うのです。
 ですから「メカゴジラ」と対戦した「74ゴジラ」を作ろうという所から企画を始めたのが最初で、「メガロゴジラ」は後から一緒に作ろうと決めたものです。

 たくさんの方にお求めいただいている「メカゴジラ」ですが、最初の「スタンダードカラー」の発売当初から「メカゴジラと戦ったメガロゴジラも作って下さい」という誤ったリクエストをたくさん頂きました。それがとにかく引っかかっていました。
 メガロと戦ったメガロゴジラと、メカゴジラと戦った74ゴジラを同じものとして思っておられる方が実に多いのです。あまり詳しくないだろう方や若いゴジラファンならわかりますが、40代以上の方やゴジラに詳しいと思われる方々もおっしゃる訳です。
 義務感を感じた訳ではありませんが「こりゃあ何とかしなくちゃ」と勝手にメカゴジラが破壊したコンビナートぐらい燃えちゃったのです。

ソフビ制作裏話 その306

2012年11月22日 | 制作裏話


4.発売後



真っ黒とモンスターブルーを避ける
 一番こだわったのは昨日まで書いたようにボディの色です。基本的に黒系、ダークグレー系ではありますが、その中でも微妙に違う様々な色のイメージを劇中で見せたギドゴジ。ですからトータル的に劇中の雰囲気をと考えての配色でした。
 細部の配色は同様にそれに合わせた色をチョイスして決めたものです。詳細は「こだわり」に書いた通りです。

 いずれにしても劇中スーツのイメージカラーというのは、こだわればこだわる程リアルになる傾向にあります。が、「カッコかわいい」ディフォルメとしての配色にしなければならないので、ある意味Gメモリーズのテーマからは遠ざかる事にもつながってしまいます。あくまで配色そのものも「リアルにならないようにしての劇中イメージカラー」という矛盾したようなテーマで決めなくてはならないのが難しい所でした。
 そういう意味では楽しくも勉強にもなった商品でした。

 お求めいただいた皆様、特に平成ゴジラファンの方々には喜んでいただいて嬉しかったです。「平成ゴジラらしい色」「他のゴジラでもこういう色を」「ビオゴジのスタンダードカラーも」(ビオゴジは後に商品化しました)といったお声もいただきました。ありがとうございました。
 まだ作っていない他のVSシリーズゴジラはあと3つありますが、いつか全て作ってみたいと考えてはおります。仮に「スタンダードカラー」を3つとも発売するとしても、それぞれの劇中イメージがありますから、近くはなると思いますが、たぶん違う配色で塗装すると思います。私自身それを楽しみにしております。

「ギドゴジ スタンダードカラー」発売中!! お求めは弊社までお電話を!!

ソフビ制作裏話 その305

2012年11月21日 | 制作裏話


3.配色の決定



真っ黒とモンスターブルーを避ける
 シーンやカットによって全身の色が違って見えるキドゴジ。そういった中で決めなくてはならない配色の「スタンダードカラー」。

 このギドゴジに限らず、平成ゴジラ(デスゴジ以外の5作)のフィギュアは、ソフビに限らずリアル、ディフォルメ問わずたくさんのメーカーから様々発売されました。塗装済みのものとしての多くは全身が黒、もしくは限りなく黒に近い色で配色されているものが多いのですが、黒以外で一番多いのは青が少し入ったダークグレー。模型塗料等で一般的に言われている「モンスターブルー」です。
 Gメモリーズの「ギドゴジ」では、すでに「ブラックバージョン」(完売)を発売しましたから、真っ黒なものは避けなくてはなりません。さらに「原潜襲撃バージョン」(完売)では濃いめの青をイメージしたものでしたから、他社商品のようにモンスターブルーをイメージしたカラーリングにしてもかぶってしまいますので、それも意識しました。

 結果的に決めた配色は「こだわり」に書きましたのでここでは割愛しますが、他にはないダークグレー系で平成ゴジラらしい色になったと自負しております。色の調合にも悩みながらも時間をかけていくつか試してみましたし、陰影という部分では他のゴジラの「スタンダードカラー」より塗装の手間もかけました。
 特に「きれいなスーツ」の状態ではなく、映像の中の「やや汚れた印象」をも意識していますので、「カッコかわいく」の中でありながらも雰囲気は出せたと思います。
 本来商品を発売する側としては、なるべくすべき事ではないと思うのですが、最初の発売情報時の彩色サンプル公開から、完成商品がかなり違った色になったのは、「もっとベストに色にできないか」と試行錯誤を繰り返していたためです。
 いずれにしてもこれだけ「スタンダードカラー」と名のついた商品でこれだけ悩んだり時間をかけたのは、この「ギドゴジ」が一番かもしれません。

ソフビ制作裏話 その304

2012年11月20日 | 制作裏話


2.劇中スーツの色



ギドゴジの劇中スーツの色は?
 この「ギドゴジ スタンダードカラー」は、劇中スーツのカラーをイメージして企画したものです。
 平成ゴジラ6作の劇中スーツは基本的には黒で塗装されているのですが、撮影時のライティングや背景やセットとの反射、爆発や粉塵等の影響等で、作品ごとに、さらにはシーンごとに映像で見られる色は違います。
 以前川北監督に(大まかにではありますが)お聞きした事があるのですが、撮影の最中のスーツのメンテナンスは昭和の時の方法と基本的には変わらなかったそうです。格闘シーンや爆撃を受けたりした後のゴジラは傷が残っていたり、火薬の跡が残ったりします。次のカットを撮るために当然メンテナンスやクリーニングが必要となります。撮影は時間との勝負でもあったそうなので、その場で修復、塗装。クリーニングについいてはほとんど「水をぶっかけるだけ」。いずれも乾かないうちに次のカットの撮影に入っていた事は珍しくはなかったそうです。そして撮影を重ねるごとにスーツは傷み、強い照明の影響もあってどんどん変色もしていくそうです。

 そこで「ギドゴジ」。前作『ゴジラVSビオランテ』でゴジラが登場するのは夜のシーン、暗いシーンがほとんどでした。『ゴジラVSキングギドラ』では正反対化のように昼のシーン、明るい背景のシーンが多く見られます。ですからビオゴジに比べてギドゴジは全体の色の変化がよくわかります。汚れの付き具合から、修復直後の「水をぶっかけた」と思われる濡れた感じもカットごとに推測できる程です。
 ですから劇中スーツのカラーをイメージした「スタンダードカラー」と言っても、カットごと映像で見える色は違うのですから、どういった色に商品を配色・塗装するのかは選択が必要です。
 もしかしたらそれまで発売してきた「スタンダードカラー」の中で、一番映像や資料等を見直したゴジラかも知れません。

ソフビ制作裏話 その303

2012年11月19日 | 制作裏話


1.20周年記念として



 今日から2011年9月に発売を開始した「ギドゴジ スタンダードカラー」についての制作裏話を書きます。
 商品の紹介は2011年8月20日の記事を、「こだわり」は2011年9月20~23日の記事をご覧下さい。
 こちらの商品は現在発売中です。ご希望の方はお電話でご連絡下さい。


●商品紹介
●こだわり その1
●こだわり その2
●こだわり その3
●こだわり その4
●通販情報

発売できて良かったタイミング
 これまでたくさんのゴジラソフビを発売してきました。そのほとんどの発売したゴジラでは、基本となる劇中スーツをイメージしたカラーの「スタンダードカラー」としてのカラーバリエーションを作ってきました。この「ギドゴジ」でもそれにあたるのがこの時の「スタンダードカラー」です。
 タイミング的にはちょうど公開から20周年。この時期に発売できたのは良かったと思っています。この「ギドゴジ」の原型を作った頃から大まかではありましたが「20周年の時にスタンダードカラーを出せればいいなぁ」と思っていたのです。
 実はもう一つ「ギドゴジ」と同時に原型を作った「ビオゴジ」についても当初同様の事を思っていました。「ビオゴジ」の20周年は2009年。この時は迷ったあげくに「三原山出現バージョン」をチョイスしたので、この年には「スタンダードカラー」は出せませんでした。
 ですから「ギドゴジ」では2011年に「スタンダードカラー」を20周年として発売したかったのです。「ビオゴジ」ではできなかったので、そういう意味では発売できて良かったバージョンでした。

 当時平成ゴジラの「○周年」と言えば、最初となる『ゴジラVSビオランテ』では20周年で話題になりましたが、それ以降の平成ゴジラ作品ではさほど取り上げられていなかったので、「あれ、ギドゴジで20周年って喜んでるのはウチだけ?」という気持ちになったのも確かです(笑)。

ソフビ制作裏話 その302

2012年10月23日 | 制作裏話


4.発売後



一人一人違うブルーイメージ
 おかげさまでお求めいただいた皆様からは好評をいただきありがとうございました。
 その中でも「モスゴジ」をブルー系とイメージされていた方々からは「(自分がイメージするモスゴジは)もっと黒に近いブルーをイメージしていた」「もう少し明るい感じ」「ちょっとグリーンが混じった感じ」と様々でしたが、ほぼ一様に「でもこのブルーもいいですね」「こっちのブルーの方がかっこいいかも」と、(お世辞もあったかもしれませんが……笑)お誉め頂きました。
 商品にしてみてさらにまた「同じブルー系をイメージされている方でも、一人一人イメージするブルーはやっぱり違うんだなぁ」と改めて実感致しました。勉強になります。
 そしてそれだけ「モスゴジ」は多くの人に印象深いゴジラであるとともに、人気があるゴジラであると重ねて思いました。

 そしてまだイメージカラーとしてグリーン系の「モスゴジ」というのは作ってはいませんが、いずれ機会があれば作ってみたいと思っております(たまに「グリーンのモスゴジは?」と聞かれる事があります。お待たせしてすみません)。ずいぶん先になるかもしれませんが、その時もきっと一人一人イメージするグリーンの「モスゴジ」というのは違うんだろうなぁと改めて思う事でしょう。

「モスゴジ ブルーバージョン」発売中です。お求めはお電話で!!

ソフビ制作裏話 その301

2012年10月22日 | 制作裏話


3.ブルーの作成



ブルーの調合について
 限られた中でブルーイメージの「モスゴジ」にするために選んだテーマは、「こだわり」にも書きましたが「ブルー系で作るスタンダードカラー」でした。
 成型色の理由、細かなこだわった所や色のチョイスの理由は以前書きましたのでここでは割愛しますが、塗装のための色の調合は何度も試してみました。「どこかの商品で見た事ある色」という印象にならない事を注意しましたが、これまで発売してきたGメモリーズのブルー系のゴジラたちでもしなかった色になるようにという点も心がけた所です。
 Gメモリーズのゴジラたちをたくさんお求めいただいた方々には、機会がありましたらぜひ並べて見比べていただきたいと思います。青系だけを並べてみるのも楽しいかもしれません。
 青という色はシンプルではありますが、他の色との組み合わせで微妙に印象が変わってしまいます。わずかの比率で明るくも暗くもなる色です。そして地となる成型色の違いでも、ソフビ用の塗料は明暗だけではなく発色すら変わってしまう色です。そういう意味では難しくも楽しい調合でした。

 弊社の「モスゴジ」は、整った顔のカッコいいモスゴジではなく、劇中の中のアグレッシブな動きでやんちゃな暴れっぷりをみせたやんちゃなイメージになるように造形したつもりです。モスラから見たら悪役のゴジラです。それにも合わせるべく、結果的に羽沢組ならではの「青いモスゴジ」になったと思っております。

ソフビ制作裏話 その300

2012年10月20日 | 制作裏話


2.色のチョイス



ブルーの「モスゴジ」を作るという事
 ブルー系の配色の「モスゴジ」ソフビはこれまで他社メーカーさんからも多数発売されてきました。レトロタイプという事もあってか、その多くが明るめの青にしているものが多く、中には水色と言い切れる色にされている所も少なくはありません。オーソドックスな青系の塗装でもメタリックだったり、逆に渋めのであれば一般に言われるモンスターブルーと呼ばれるグレーが入ったブルーだったりの塗装がされています。数が多いせいか似ている配色のものも多数あります。

 Gメモリーズセレクションの配色は、そのテーマに合う色をチョイスする事が第一前提にしていますが、他社さんとかぶらないようにというのもできる限り心得ています。弊社商品を発売した後に他社さんがその商品に限りなく近い色でゴジラを発売された事は何度もありますが、その逆は今まではなかったと自負しています。
 そして後発の羽沢組がブルー系の「モスゴジ」を作るという事は、可能性として他社さんが過去に発売されたものに近くなってしまう事も充分あり得るのです。そういう意味で配色を決定する際は、いつもより色のチョイスの枠が狭かった商品と言えます。
 やはりオリジナルな配色の商品にしたいですから。

ソフビ制作裏話 その299

2012年10月19日 | 制作裏話


1.イメージ

 今日から2011年7月に発売を開始した「モスゴジ ブルーバージョン」の制作裏話を書きます。
 こちらの商品の詳細は、2011年6月18日の記事、2011年7月17~21日の「こだわり」をご覧下さい。
 なお「モスゴジ ブルーバージョン」は現在発売中です。ご希望の方は弊社までお電話を!


商品紹介
こだわり1
こだわり2
こだわり3
こだわり4
こだわり5



ブルーイメージの「モスゴジ」
 ゴジラファンにとって「モスゴジ」はメジャー中のメジャー。ゴジラの中で一番好きと言われる方も多い、今でも人気のあるゴジラです。
 これまで各カラーバリエーションの「こだわり」等でも書いてきましたが、その多くのファンにとってイメージする色は人それぞれ。実に多様である事がわかりました。
 Gメモリーズの「モスゴジ」のイメージカラーをテーマにしたバリエーションとしては、「ブルーグリーン」(完売)を発売しましたし、「倉田浜出現バージョン」(発売中)もある意味茶色系のイメージでもあります。一番皆さんがイメージされる色として挙げられたご意見がブルー系とグリーン系の2つでした。
 そのうちの一つ、ブルー系として企画したのがこの商品です。

 しかし、人気のゴジラですし、古くから多くのソフビメーカーさんでも「モスゴジ」は発売されてきました。その中の多くがブルー系のカラーバリエーションも発売しています。
 いつものようになるべく他社さんがしない色をチョイスして配色して展開したいという希望がありますので、私自身がコレクションしている「モスゴジ」ソフビのいくつかのチェックからはじめました。

そフビ制作裏話 その298

2012年08月25日 | 制作裏話


4.発売後

 今日は「決戦ゴジラ 出現バージョン」を発売してみて思った事。



もしかしたらマイナー?
 ガレージキットとしてはこれまで比較的多く商品化されているゴジラなのですが、塗装済み完成品の「決戦ゴジラ」ソフビ自体、これまでほんの少ししかありませんでした。なおかつこうしてバリエーション展開までしているのはおそらく弊社だけだと思います。そういう意味ではマイナーなゴジラというカテゴリーに入れられてしまうのかもしれません。(個人的にはどこかでスタンダードサイズのレトロタイプで発売してほしいです)
 さらにまた出現シーンだけをテーマにした訳ですから、この「出現バージョン」はマイナー中のマイナーといわれても仕方がないかもしれませんね(笑)。
 でも「決戦ゴジラ」自体は、ゴジラ映画の歴史の中では重要な位置にいるゴジラだと思いますし、映画作品自体も名作といわれるものです。初代キングギドラと相対するべきゴジラは「決戦ゴジラ」でなくてはならないと思う訳です。

 発売後は皆さんに喜んでいただいて嬉しかったのですが、「劇中云々とは別に見ても良い色ですね」と何人かの方にいわれたのが印象的です。川北監督にも似たようなお言葉をいただいたのもよく覚えています。皆様ありがとうございました。

 個人的にはもし2~3cm大のクジラのフィギュアがあったら、たくさん購入してこの「出現バージョン」の側に置いておきたいと思っております。

「決戦ゴジラ 出現バージョン」発売中です。お申し込みは弊社までお電話で!!

そフビ制作裏話 その297

2012年08月24日 | 制作裏話


3.配色・塗装について

 今日は「決戦ゴジラ 出現バージョン」の配色と塗装について書きます。



メタリックカラーを使う事
 配色については以前書いた「こだわり」にある通りなのでそちらをご覧下さい。
 塗装で一番気を使ったのはやはり部分的にボディに塗ったメタリックブルーです。
 こういった色を多用する際は、どうしても他社さんで発売されているレトロタイプソフビのようにならないようにしなくてはなりません。Gメモリーズセレクションの造形にレトロタイプのような塗装の仕方をするとどうしても違和感が生じます。マルブルタイプのようなレトロにはそれにあった塗装の仕方が必要ですし、GメモリーズにはGメモリーズに合った塗装の仕方が必要です。
 ましてやこの時は、あくまで劇中シチュエーションとしての使用であり、全体的なイメージカラーという訳ではないので、スプレーする部分や濃度に気を使いながらの作業です。
 スプレーする部分はゴジラの体型に合わせてしているのですが、パーツの形状によっては、色が目立ちすぎたり見えにくくなったりしますし、そのバランスも考えながらの作業になります。さらには海中からの出現のあのシーンの色を表現したい訳ですから、映像で見える色を参考にした所とあえて変えた所と事前に決めておく必要もあります。

 メタリック系の色をスプレーした商品をこれまでいくつか作ってきましたが、劇中シチュエーションで使用したものは数える程しかありません。ほとんどは劇中には捕われないイメージカラーとしてのものでした。ぶっちゃけ劇中に捕われない方が作業としては楽なケースが多いのは確かです。
 思えばある程度、数を作ってきたからこそこういった塗装によるバリエーションも可能になったのだと後々思ったものです。Gメモリーズ初期の頃ではできなかったパターンかも知れません。

そフビ制作裏話 その296

2012年08月23日 | 制作裏話


2.ゴジラの登場シーン

「決戦ゴジラ 出現バージョン」の企画意図の部分で、昨日書いた出現シーンに続いて、今日は作品全体のゴジラの登場シーンについて。



出番の少ないゴジラ
 登場シーンを忘れている人が多いも知れないこの「決戦ゴジラ」の出現シーン。
 元々『三大怪獣 地球最大の決戦』でのゴジラは、出番が多いという印象はありません。怪獣の印象としてはどうしてもキングギドラの方がインパクトがあったのは否定できません。それにモスラやラドンも登場しますので、ゴジラの単独のシーンというのはほんのわずかなのです。
 この作品でのゴジラと言えば、海から出現して夜の港を襲撃、ラドンとの喧嘩、モスラと話をするシーン、そして力を合わせてキングギドラと戦うシーンと、簡単に数えられます。
 ですからGメモリーズセレクションのテーマの一つにしている劇中シチュエーションカラーとして考えてみても、「決戦ゴジラ」は多くのバリエーション展開をする事が難しいと言わざるを得ません。シチュエーションを覚えているというよりは、コミカルなゴジラと言う印象を強く持たれている方が多いのかもしれません。それもあって数少ないゴジラの劇中シチュエーションカラーとして、色的に表現しやすい出現シーンをイメージしたカラーリングはどうしても作っておきたかったというのは本音でもあります。

 また、夜の濡れた表現として配色を考えてカラーリングをしたのですが、出現後に夜の港街を襲うシーンのゴジラとしてもイメージが合う色になっていると個人的には思っています。もちろんこれは商品ができてから感じた事ですが。
 ぜひ映像で見比べていただければと思います。個人的にはもっと秒数の欲しかったシーンです。