おでかけ大好き

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本当のファミリー・ツリー

2012-06-04 07:26:57 | 映画
タイトルは、家族の木ではなく、

原題からすると「子孫」らしいよ。


終始、苦悩に満ちた、戸惑い、怒りを抑えたジョージ・クルーニです。

浮気をしてたあげく植物人間になってしまった妻に、

家庭を省みなかった自分に、

手に負えない思春期の娘たちに、

難しい決断を迫られる土地問題に、

それに妻の死を家族でどう迎えるかに。


「なんで自分なんだ」とうらみつつ、

今さら、自暴自棄になることもできず、

日々を問題をこなしていくしかない。

ハワイの自然は美しく、楽園のようだけど、

BGMのアロハは、常に悲哀に満ちたメロディ。


他人から語られる妻は、どんな人だったんだろう。

語る人によって光があたる側面が違って、まるで別人のよう。

一言で語り尽くされる人なんていないだろうな。


やはり妻への別れの言葉。

散々悪態をついた後、

「さようなら、僕の苦しみ、僕の喜び」

本当だなって、泣けました。


最初に、家族をハワイ諸島になぞらえて、

寄り集まっているだけで、一人一人は独立していると言っていたけども、

最後に、ひとつの毛布に足をつっこんでアイスを分け合いながら、

無言でテレビを観るなにげない姿に、

血はつながっているけども、実際は地続きではない家族は、

なにかを乗り越えて、なにかを共有する家族になるんだなと。


ハワイの明るい光と、現実問題の暗い影。

押し付けがましくない演出でとてもよい映画でした。