HASSY局長のハサカル日誌

伊勢志摩バリアフリーツアーセンター事務局長HASSYが
日々のハサカル(気になる)出来事など記録していきます。

鳥羽高校卒業式

2010-03-02 01:35:37 | バリアフリーツアーセンター
本日は、県立高校の卒業式でした。
鳥羽高校で「観光とバリフリー」を授業選択した生徒たち25名の卒業式でもあります。
この授業を受け持って、3年目で初めてですが、卒業式に参列しました。
先生席で…。

いやはや、卒業式なんて自分の卒業式以来、ン十年ぶりですよ。

そういえば、私もこの学校で卒業式、そしてこの体育館だったな~と思いながら、着席。
ン十年も経てば、生徒人数も少なくて…

1学年5クラス×30名=150名ぐらい?
私のときは…
1学年9クラス×40名=360名
だったな~。
ば、倍違う…。
だから、今日の卒業式の体育館の生徒数を見て、なんだかすっきりした卒業式だな~って思いました。
私のときなんて、体育館ギュウギュウでしたよ。

さて、式典は卒業証書授与式にはじまり、学校長挨拶、来賓祝辞、在校生送辞…と、淡々と進んでいきました。

この分じゃ、泣く機会もないかな~って思っていたときです。

最後の卒業生答辞。

校長先生と向かい合って、答辞を読むのはレスリングでも好成績をあげていたというNくん。(※残念ながら観光とバリアフリーは選択していません)

落ち着いた様子で、答辞が書かれたであろう大事に折りたたんだ用紙を出しました。



「ごきげんよう」がはじまり、スマップがCDデビューをはたした年、僕たちは生まれました。

ええ?今から答辞よな?
のっけから答辞らしからぬ言葉が次から次に発せられます。

「1年生、入学したすぐに「宿泊研修」がはじまった。「おいおい、いきなり宿泊かよっ!」と思いました。でもいつの間にかみんなと打ち解けていた。」

卒業生爆笑の渦です。

「2年生 同級生の顔と名前も一致しはじめたけれど、毎日の単調さにチャレンジ精神もなくなってきた。楽しみが朝のめざましテレビの占いカウントダウンハイパーだ。ちなみに今日僕は9位。1位は乙女座。ラッキーパーソンは最近助けてくれた友達だそうだ」


あ、私今日11位やったわ。確かに今日の1位は乙女座やったね。

「3年生 体育祭で選手宣誓の役をもらう。いっちょ笑わしたろかと『スポーツマンヒッ○にもっ○り』、皆が凍りついたのが見えた。U村先生の顔が引きつっていた。校長先生からは「すべったのぅ」と慰めの言葉を掛けられた」

卒業生大爆笑。

この時点で、この答辞なんかオカシイ、大丈夫か?と、今までにない答辞の内容に、ドギマギです。
先生はこの答辞に目を通したのだろうか?このまま読ませてもいいのだろうか?どこまで行くのあろう?卒業生も泣くどころか笑い続けている。
とっても心配で、ハラハラと大人目線で見てしまっていました。


しかし、この後の文章展開にドキッとした。

弁当業者が入らなくなってかまど家の弁当が恋しいと思ったこともあった。
でも、母の作るお弁当が一番美味しかった。



そこからですね、あまりにもいろいろあってよく覚えていないですが、

気恥ずかしかったけれど、レスリングの試合に両親が来てくれた事、とても嬉しかったこと。
両親には本当に感謝している。
でもそれを言葉に出来ないのはシャイだから。
ここにいる3年生もきっとみんな、感謝の気持ちはあるけれど、言葉にしないのは僕と同じ気持ちだからだと思う。
今日ぐらいは、親に感謝の気持ちを伝えるのもいいかもしれない。
学校生活でレスリング顧問のU村先生には特に感謝している。
試合で先生の口癖で「もぉいっちょ」「もぉいっちょ」という言葉が飛んでくるのですが、この言葉、精神的に追い詰められるのですが、でもなんだか不思議と力が涌いてくるのです。
これから、社会に出て壁にぶつかることもあるだろうけど、そのときはこのU村先生の「もぉいっちょ」と、自分にいい聞かせて越えていきたいと思う。
U村先生には心から感謝したい。


などと、もうそれは、前半のオチャらけたこととは違い、Nくんも時々涙で言葉がつまり、でもゆっくりゆっくりとその一言一言を思いをこめて発していました。
もっともっと、心にグッとくるようなことを語っていたのですが、頭が付いていかなくて良く覚えていません。
なんせ、この後半からの意表をついた展開、思いもよらぬ言葉がハラハラと降り落ちる光景を呆然と眺めていたのは私だけじゃなかったと思う。

現に、卒業生も、この辺りからすすり泣く声が…。
あ、隣の先生も涙を拭っていた。

答辞の内容を最初から最後までハッキリ覚えているわけではいけれど、最初のあのオチャラケは、本当にテレだったのでしょう。かしこまった言葉は自分には似合わないと考えて、あのような自然体。緊張した卒業生たちの心もほぐしているかのように思いました。
それに、きっとあのオチャラケたとことろは、卒業生が共感する要素がたくさんあったと思う。

そんな、心をほぐし終えた後に、キュンとくる感謝のオンパレード。
そりゃね、泣いちゃいますよ。
いい文章構成でした。
泣かしてやろうと思ってつくった文章じゃないだけに、余計にやられました。

答辞を読み終えた後、それまで祝辞を言おうと、挨拶があろうと拍手がなかったのに…。
この式典中、唯一この時だけ自然と拍手が沸き起こりました。
しかも大きなね。

そして、校長先生から手を差し伸べ、長くしっかり握手を交わしていました。

今まで
ありふれた言葉のパズル。
当たり障りない、文章で、無難に思ってもいないことを同級生、在校生、保護者、先生の前で淡々と読む答辞しか、聞いたことなかったかもしれない。(そんなに聞く機会はないけれど)

今日の答辞はまさに自分の言葉で自分の思いをぶつけて、なおかつ、その言葉で同級生たちの気持ちも代弁し、心をほぐし…。
ちょっと目が覚めました。

自分の言葉で伝える。
言葉がキチンと心に届くとはこのことなのかもしれません。

本当、いい卒業式に出席させていただきました。

帰りU村先生にも「ステキな生徒さん教えられていたのですね、とても感動しました」と声をかけて帰りました。

私の生徒たちは、きちんと入場、退場のときにしっかと目に焼き付けておきましたからね~。
みんな堂々とした顔つきになっていましたよ。

みんな~ 卒業おめでとぉ!!

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