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「積弊清算」か「政治報復」か 韓国、保革対立深く

2018-09-25 12:00:37 | 日記
「積弊清算」か「政治報復」か 韓国、保革対立深く

2018/3/23 2:02日本経済新聞 電子版


 【ソウル=山田健一】

韓国の大統領経験者が再び逮捕された。李明博(イ・ミョンバク)容疑者は、韓国の情報機関、国家情報院などから賄賂を受け取ったとされる。

李容疑者の後任だった朴槿恵(パク・クネ)前大統領も収賄罪で起訴され公判中。

1年足らずの間に2人の大統領経験者が任期中の汚職で刑事責任を追及される異常事態を巡り、韓国政界の保守と革新の対立深化が懸念される。

 韓国検察関係者によると、李容疑者と朴被告はともに強力な大統領権限を利用して任期中に多額の賄賂を受け取った。李容疑者の収賄額は国家情報院の元首脳や大手財閥サムスングループの元幹部らからもらった約110億ウォン(約11億円)。

朴被告はサムスングループなどから未遂分を含めて約592億ウォンを収賄した罪に問われている。

 2017年5月に就任した文在寅(ムン・ジェイン)大統領は歴代保守政権の「積弊清算」を重要政策に掲げる。

保守政権で積み重ねられた不公正な慣行を取り除くのが積弊の清算で“改革姿勢”は世論の支持を得やすい。李容疑者と朴被告の不正行為の追及も「積弊清算」の一つというのが文政権の受け止めだ。

 「裁判所は法の原則に従い厳粛な物差しで司法の正義をみせてくれると期待する」。

革新系与党「共に民主党」の秋美愛(チュ・ミエ)代表は21日、国会内でこう述べ、李容疑者に対する捜査の妥当性を強調した。

 ただ、保守系の認識は異なる。李容疑者は1月、国家情報院を巡る捜査で自身の側近が相次ぎ逮捕されたことを受けて記者会見し「保守を壊滅させる政治工作」と主張。

捜査の裏に文政権の意向が働いているとの考えをにじませた


 朴被告に関してはソウル中央地裁が昨年10月、同被告の勾留期限を最長6カ月延長すると決定。朴被告は公判で「法治の名を借りた政治報復だ」と力を込めた。同被告はその後、健康問題を理由に公判を欠席している。

 「歴代大統領が繰り返し不幸な状況に見舞われるのは、韓国国民全員の不幸だ」。保守系野党「自由韓国党」の重鎮、金武星(キム・ムソン)議員は21日の党の会合で、大統領が退任後に捜査対象になる事例が相次ぐ国情を嘆いた。

 一方で現在の政治環境ではどの政権も成功を収めるのは難しいとも指摘。「文政権も例外ではないとの考え方もある」と将来の“報復”を早くも示唆し、保守と革新の対立の根深さを改めて浮き彫りにした。

 韓国は6月に統一地方選を控える。選挙が近づけば、保守と革新のそれぞれの勢力が互いに非難しあう機会が増えることが予想される。

2月の平昌冬季五輪への北朝鮮の参加を巡って表面化したような国論の分裂が、韓国で再び起こる可能性が高まっている。


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