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韓国、吹き荒れる「保守系糾弾」の嵐

2017-11-14 17:54:02 | 日記

韓国、吹き荒れる「保守系糾弾」の嵐
文在寅政権、過去の政権高官を相次ぎ摘発

朝鮮半島
2017/11/13 23:30
情報元
日本経済新聞 電子版

 【ソウル=峯岸博】発足から半年が過ぎた韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権で、李明博(イ・ミョンバク)、朴槿恵(パク・クネ)両政権時代の政府高官らによる「不正」を糾弾する動きが相次いでいる。

「積弊の清算」と呼ばれる取り組みに、保守系勢力は「政治報復」と反発。

再び国論が分裂する兆しもみえるが、支持率70%を超える世論の後押しを受ける文大統領は、保守政権期の洗い出しを進める姿勢を崩さない構えだ。

「ろうそく集会」から1年を記念した集会に参加した人々(10月28日、ソウル)=共同
 

「ろうそく集会」から1年を記念した集会に参加した人々(10月28日、ソウル)=共同

 韓国検察は13日、朴政権で駐日大使や情報機関トップの国家情報院長などを歴任した李丙琪(イ・ビョンギ)氏を出頭させ取り調べた。

国情院には、朴前大統領(サムスングループなどからの収賄罪で公判中)の側近らを通じて毎月最大1億ウォン(約1千万円)を大統領府に届けたという疑いが浮かぶ。

総額は40億ウォン程度に達するとみられる。

 李氏は日本の官房長官にあたる大統領秘書室長として、2015年12月の旧日本軍の従軍慰安婦問題を巡る日韓合意を事実上仕切った。

 11日には、金寛鎮(キム・グァンジン)元国防相も逮捕された。

北朝鮮とのサイバー戦を担う軍のサイバー司令部を使い、インターネット上で革新系野党を批判する世論工作を主導した容疑だ。

司令部の要員に保守系に近い人物だけを採用した職権乱用の疑いもある。

 韓国聯合ニューステレビは13日、軍部隊の世論工作に関与した疑いで、李明博政権時代に大統領府対外戦略企画官として外交・安保を取り仕切った金泰孝(キム・テヒョ)氏を検察が出国禁止措置にしたと報じた。

近く聴取するとみられる。

 韓国メディアによると、金寛鎮容疑者は当時、李明博大統領に世論工作を報告し、指示を受けたとされる。

李明博氏自身にも捜査が及ぶかに注目が集まる。

李氏は12日、「『積弊の清算』という名分を掲げるが、これが改革なのか。

政治報復ではないかと疑わしく感じ始めた」と語り、文政権を批判した。

 9年ぶりに誕生した革新系の文政権では、李、朴両大統領のもとで政権と対立した労働組合や市民団体が、攻勢を強める。

元慰安婦支援団体、韓国挺身(ていしん)隊問題対策協議会(挺対協)は、日韓慰安婦合意のとりまとめに尽力した李丙琪氏ら元大統領府高官を職権乱用容疑で捜査機関に告発した。

 一方、公共放送のKBSなど放送局2局の労組は9月から、「保守政権下で大統領への批判を抑えた」として、朴政権下で選任されたそれぞれの社長の退陣を求めて全面的なストライキを続ける。

ニュース番組の短縮や一部の番組休止などを余儀なくされている。

 韓国ギャラップの世論調査によると文大統領の支持率は74%。

政権半年時点の比較では金泳三(キム・ヨンサム)氏に次いで2番目に高い。

 支持理由のトップは「積弊の清算」などの改革姿勢だ。

文氏は「積弊が清算された時点から国民の統合が始まる」と主張してきた。

革新系与党「共に民主党」も「『積弊の清算』のない新しい韓国は砂の城にすぎない」と全面的に支持しており、文政権の保守系への強硬姿勢は揺るがない。

 逆に、保守系は「政治報復の刃(やいば)は、国民の統合や北朝鮮の核危機にある状況下で全く役に立たない」(野党第一党の自由韓国党幹部)と危機感を募らせる。

 朴前大統領の罷免から約8カ月。保革の攻守を入れ替えて、「積弊の清算」の嵐が吹き荒れる。

最大手紙の朝鮮日報は「このままでは韓国が対立と葛藤の大きな混乱に巻きこまれるのは誰が見ても明らかだ」と訴えた。



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