さすらいの青春(439)
𝓛𝓮 𝓖𝓻𝓪𝓷𝓭 𝓜𝓮𝓪𝓾𝓵𝓷𝓮𝓼
———————【439】————————————
Mais elle hâta le pas et, sans répondre,
prit une allée tranversale. D'autres prome-
neurs couraient, jouaient à travers les ave-
nues, chacun errant à sa guise, conduit
seulement par sa libre fantaisie. Le jeune
homme se reprocha vivement ce qu'il app-
lait sa balourdise, sa grossièreté, sa sottise.
..————————(訳)—————————————
しかし彼女は歩みを早めて、モーヌの言葉には
返事をせずに、横切っていた別の小道へ去って行
った.他の散歩者たちは、走り、戯れ、並木道を
渡り、めいめいが好き勝手に徘徊し、自由な思い
つきだけで行動していた.若者モーヌは、激しく
自分の発した間の抜けた言葉、愚かで無作法な言
動を自身に咎立てをした.
————————《語句》————————————
hâta:(直単過/3単) < hâter (他) 早める、急がせる
hâter le pas / 足を早める
tranversal, e:(形) 横切る、横断の
d'autres promeneurs:他の散歩者たち
couraient:(直半過/3複) < courir (自) 走る
Une fille court. Elle court à la galopade /
娘が走る.パッパカ走る.
jouaient:(直半過/3複) < jouer
à travers les avenues:並木道を横切って
chacun, e:[シャカン, シャキューヌ](不定代) ❶おのおの、各自;
❷誰でも、各自みんな【女性形は使わない】
Chacun fait ce qui lui plaît. / 誰もがみんな
したいことをする.
errant, e:(形) 放浪する、さまよう、流浪の、
à sa guise:思うままに、好きなように、
chacun conduit par sa fantaisie:(独立分詞節)
(各自思うに任せて行動していた)
独立とはいえ、本動詞がないので、本文とは
なり得ず、D'autres promeneurs ... に付随する
分詞節に変わりはない.conduire という動詞
は、自動詞に「行動する」という意味がなく
代名動詞se conduire で用いない場合は、この
分詞節と解釈するのが相当です.ということ
で、étant をerrant とconduit の前に1つずつ
補って解釈しましょう.
seulement:ただ
fantaisie:(f) 気まぐれ、思いつき、
par sa libre fantaisie:思いつくがままに
reprocher:(他) qn を避難する
se reprocha:(直単過/3単) < se reprocher (pr)
se reprocher qc:qc のことで自分をとがめる
この場合se は間接目的補語
vivement:(副) ❶活発に、敏捷に、勢いよく;
❷激しく、深く、強烈に.
appelait:(直半過/3単) < appeler (他) 呼ぶ
balourdise:[バルルディーズ](f) 愚かな行為、愚鈍さ、
間の抜けた言葉、
grossièreté:[グロスィエルテ](f) 粗野、無作法、下品;
無礼な言動、下品な言動;
sottise:[ソティーズ](f) 愚かさ
———————《文法感想》———————————
conduit は形態が (p.passé)と(直現/3単)とが同じ
なのでchacun conduit を「各々が行動する」と文法
上は強引に訳すことができる.(それでも苦しい)
しいて言えば「各々が運転する」になるからだ.
しかも過去の話をいきなり現在形で語るからだ.
これも強引に「物語過去」だと言って突っ走る.
なんだか、「ぎなた」という武器が昔はあった、
と言って「弁慶がな、ぎなたを持って、牛は
噛まるは....」みたいな解釈です.牛は何に
噛まれたの?と聞いてみたい.
———————《落書き》——————————
Toutes les filles courent à la galopade.
娘はみんなパッパカ走る~(^^♪