もぐりの語学教室+修行が辛くお寺を逃走した元僧侶見習の仏教セミナー

ご一緒に学習を!
私は先生ではありません.間違いだらけかと思います.
ご容赦下さい.

2097番:フィフィ嬢(4)

2023-05-20 15:00:46 | 日記


フィフィ嬢(4) 
MADEMOISELLE FIFI(4)


——————————【4】——————————————————

 La  pluie  tombait  à  flots,   une  pluie  normande  qu'on
aurait   dit   jetée  par  une  main  furieuse,  une  pluie  en  
biais,  épaisse  comme  un  rideau,   formant  une  sorte  de  
mur  à  raies  obliques,  une  pluie  cinglante,  éclaboussante,
noyant tout,  une  vraie  pluie  des  environs  de  Rouen,  ce
pot  de  chambre  de  la  France.

 
——————————(訳)—————————————————
                       
雨が激しく降っていた.怒り狂った手で投げつけられたような
激しいノルマンディーの雨だ.横殴りで幕のようなずんぐりし
た雨が、斜めに縞模様のある壁のようなものを作り上げている.
泥水を浴びせかける酷い雨である.何もかもが水びだしである.
ルーアン近郊の正真正銘の雨であり、まるでフランスがしびん
なら、その出口である.


——————————《語句》—————————————————
             
flots ❶(複) 波、[文] 海、 ❷<flot (m) 海流;上げ潮
    ❸多量の流れ、
à flot  浮かんで、 être à flot (船が) 浮かんでいる
à flots  多量に
   Le jour entre à flots par la large fenêtre.
   広い窓から日がいっぱいに差し込む.
normand(e) (形) ノルマンディ地方の
furieuse (形女) [フュリユーズ]激怒した、激昂した <furieux [フュリユー]    
biais [ビエ](m) 斜め、 en biais [斜めに]、 de bias [斜めに] 
épais(se) (形) 部厚い、濃厚な、ずんぐりした、
    livre épais  部厚い本
  La neige était épaisse sur la route. / 路上に雪が深く積もっていた.
      épais(se) de ~   ~の厚さの 
    mur épais de trente centimètres / 厚さ30センチの壁
rideau (m) ❶カーテン、窓掛け、❷(劇場の)幕       
raie [rɛ](f) 縞     tissu à raies / 縞模様の布
oblique [ɔblik](形) 斜めの
   mur à raies obliques / 斜めの縞模様の壁         
cinglant(e)(形)❶鞭を打つ、(雨や風が)激しく降り(吹き)つける、
  たたきつけるような、(寒さが)厳しい、❷容赦のない、過酷な
  remarque cinglante 辛辣な批評  
éclaboussante <éclabousser (他)❶(に)水[泥など]をはねかける、
  (はねなどで)汚す、 ❷(人に)とばっちりをかける        
noyant <noyer (他)❶溺れさせる、溺死させる、
   ❷水浸しにする、浸水させる   
   La basse terre a été noyée sous les eaux du fleuve.
      低地は河水の下に沈んだ.      
pot (m) ❶つぼ、かめ、びん、 pot de la faïence / 陶器の鉢   
       ❷植木鉢、❸鍋で煮込んだ料理、
    ❹しびん、おまる (pot de chambre)、 ➎[話] 酒、飲み物
       ➏幸運、チャンス
environs (m/複) 付近、周辺、近郊、界隈
  Paris et ses environs / パリとその近郊
  Il habite aux environs. / 彼は近郊に住んでいる.
  habiter dans les environs de Lyon / リヨンの近郊に住む.  
Rouen [ルアン](固有) ルーアン
  (フランス北部Haute-Normndie 地域圏の中心都市)
vrai(e) (形) 本当の、本物の、

 

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2096番:ハリエット嬢(56)

2023-05-20 14:57:59 | 日記


ハリエット嬢(56)
Miss Harriet
Maupassant


..———————————【56】—————————————————

 Une  autre  foie,  en  se  promenant  au  pied  de  la
falaise,   elle  avait  acheté   un  gros  poisson   qu' on
venait  de  pêcher,   rien  que   pour  le  rejeter  à  la
mer.   


————————————《訳》——————————————————

 またある日、ハリエット老嬢が断崖の下を散歩してい
たときのこと、彼女は釣れたばかりの大きな魚を、海に
投げ返すだけのために買ったのでした.

 

..———————————〘語句〙——————————————————
                     
une autre foie:またいつか、別の機会に、
   またあるときは、
      fois は~回の意味ですが、une fois で「いつか」
   とか、「ある日」と訳す場合が多い.      
falaise:(f) 断崖、絶壁、      
au pied de qch :~の下で、~の下で
 * 「歩いて」はà pied  (この場合 pied は無冠詞)       
rien que...:ただ…だけ
rien que pour ~ :ただ~だけのために
                                                

 

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2095番:金の脳みそを持った男(34)

2023-05-19 10:17:54 | 日記


金の脳みそを持った男(34)


——————————【34】———————————————

  ≪Je sais  quelqu' un  à  qui  ces bottines  feraient  bien 
plaisir≫, se  disait- il  en  souriant; et,  ne se  souvenant  
déjà  plus  que   la  petite  femme  était  morte,  il  entra  
pour  les  acheter.


———————————(訳)————————————————

 「このブーツで喜ばせることができる人を知っている
ぞ」、男は微笑みながら呟いた; そして可愛い奥様は最
早死んでいることすら思い出せなくて、男は店に入って
それを買おうとしました.


———————————《語句》——————————————— 
                    
bottine:(f) ハーフブーツ         
se souvenir:覚えている、思い出す

 

 

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2094番:ハリエット嬢(55)

2023-05-19 10:12:27 | 日記

 
ハリエット嬢(55)
Miss Harriet
Maupassant


———————————【55】—————————————————

  Je  demandais  à  la  mère  Lecacheur: « Eh  bien,
qu' est-ce  que  fait  notre  démoniqaque  aujourd' hui ? »
  Et  la  paysanne  répondait  d' un  air  scandalisé:
 «  Croiriez - vous,   monsieur,   qu' all' a  ramassé  un 
crapaud  dont  on  avait  pilé  la  patte,  et  qu' all'  l' a
porté  dans  sa  chambre,  et  qu' all  l' a  mis  dans  sa
cuvette  et  qu' all' y  met  un  pansage  comme  à  un
homme.  Si  c' est  pas  une  profanation ! »   


..———————————《訳》——————————————————

  私はルカシュール母さんによく尋ねたものです:「そ
れで我らが悪魔姉さんは、きょうは何をしているのです
か?」
 すると女将さんは、怪しからんと言ったような面持ち
で答えるのでした.
 「ご主人、あんた、どう思います?脚がつぶれたヒキ
ガエルを拾ってきて、自分の部屋に持って行って、洗面
器に入れて、人にするように、今はそれに包帯を巻いて
やっているんだから.ありゃ冒涜じゃないのかい!」

 

.———————————〘語句〙——————————————————
          
eh bien:【説明、返答を促す間投詞】それで          
scandalisé:(過去分詞) <scandaliser (他)
    ひんしゅくを買う、眉をひそめさせる      
ramassé:(過去分詞) <(他) ① ~を寄せ集める、
    拾い集める; ❷ 拾う、拾い上げる    
qu'all'a ramassé:que elle a ramassé ~
    を拾ってきたんだってさ
Croiriez-vous:どう思います?
Croiriez-vous, monsieur, qu' all' a ramassé un crapaud 
  ねえ、どう思います?ヒキガエルを1匹拾って
  きたんだってよ. 
crapaud:[クラポー](m) ヒキガエル    
pilé:(過去分詞) <piler (他) くだく、すりつぶす、粉にする
   碾く、   
patte:(f) [動物、昆虫の] 脚
crapaud dont on avait pilé la patte:脚がつぶれたヒキガエル    
cuvette:(f) 洗面器、洗面台、便器、   
pansage:(m) ブラシをかけること、ブラッシング;
   しかし、カエルには毛がないので、このpansage
   には他に意味があるかもしれない.大辞典を引い
   たが説明なし.どうしても納得が行かないので、
   そこでpansage のもとの動詞を調べてみた.
   pansage <panser (他)❶ (患部、けが人などに)
    包帯を巻く;2(馬などに)ブラシをかける
   があった.panser はブラシがけの意味でpansage に
   怪我の手当の意味でpansement になったようである.
   おそらくモーパッサンの時代にはpanser も併用され
   ていたのであろう.訳はもちろん「包帯を巻く」と
   しました.      
   【結論】カエルにブラッシングは出来ません!
    こそばしても感じないと思う.マッサージなど
    つぼも血流もないカエルにはむだ.こういう場合
    はきっと他に意味があるはず. 
profanation:(f) ❶ 冒涜、不敬; ② 乱用、悪用
si ...! :~だろ!
si .c' est  pas ~ ! :じゃないのか?

 

———————————≪むだ口≫—————————————————

もうだいぶ前にeh bien という本が出版されていました.
それほどeh bien には豊富なニュアンスが含まれていると
いうわけでしょうか.今でも買えるのかアマゾンで調べま
したが、残念ながらもう購入は不可のようです.
 さて、入手できなければ仕方がないので、ここは私なり
の考えを述べてみます.eh bien のeh は、日本語では、こ
こで、咳払いするところかも知れません.コホン、それで
例の件はどうなったのかね?みたいな.bien は「よい」と
いう意味ですから、「まあ、それはそれでいいとして」み
たいな感じでしょうか.「コホン、ま、いいでしょう」

 


.——————【勘違いのお詫び】——————————————

「エ・ビアン」ではなく「エ・アロール」という本でした.
今でも購入可です.
『エ・アロール それがどうしたの』 (角川文庫)
渡辺 淳一著 | 2006/4/25       ¥692

 

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2093番:フィフィ嬢(3)

2023-05-19 08:11:34 | 日記


フィフィ嬢(3)
MADEMOISELLE FIFI (3)


——————————【3】———————————————

 Quand  il  eut  achevé   ses  lettres  et   parcouru  les
journaux allemands  que  son vaguemestre  venait  de  lui
apporter,  il se leva,  et,  après  avoir  jeté au feu trois  ou
quatre  énormes morceaux  de bois vert,  car ces messieurs
abattaient  peu   à  peu  le  parc   pour  se  chauffer,  il
s'approcha  de  la  fenêtre.  

 

..——————————(訳)————————————————
                       
彼が花文字をなぞり終えて、郵便担当下士官が持ってきて
くれたばかりのドイツの新聞にくまなく目を通し終えたと
き、彼は立ち上がった.そして生木の大きな薪を3つ4つ
暖炉に投げ入れたあと彼は窓に近づいた.

car ces messieurs abattaient peu à peu le parc pour se chauffer 
(この箇所、力不足なので訳せません.すみません.)

試訳
「なぜなら、彼の部下たちが、暖を取るため、庭園の木を
少しづつ 切り倒していたからでした.」

訳しておかないと、物語が進まないので、とりあえず、
正誤は無視してこの訳にしておきます.

 

——————————《もう一度》———————————————

彼が花文字をなぞり終えて、郵便担当下士官が持ってきて
くれたばかりのドイツの新聞にくまなく目を通し終えたと
き、彼は立ち上がった.そして生木の大きな薪を3つ4つ
暖炉に投げ入れたあと彼は窓に近づいた.実は、彼の部下
たちが、暖を取るため、庭園の木を少しづつ 切り倒して
いたからなのでした.


———————————《語句》—————————————————

achevé: (過去分詞) <achever (他) 終える、
    仕上げる、完成する
parcouru: (過去分詞) <parcourir (他)くまなく歩き回る、
  駆け巡る、(衝撃などが)走る
    parcourir l'Europe ヨーロッパを歩き回る
  J'ai parcouru le village pour chercher un médecin.
    私は医者を探して村中を走り回った.    
vaguemestre: [ヴァグメストル](m) 郵便担当下士官    
se leva: (単純過去) <se lever  立ち上がる、起床する  
après: ~のあとで      
au feu: (暖炉の)火に
bois vert: 生木、薪         
chauffer: (他) 暖める、熱する
se chauffer: (代)体を暖める       
parc: (m) 公園、庭園       
abattaient: (半過去3複) 
    <abattre (他)  切り倒す、打ち倒す


———————————《訳本では》—————————————————

わからなかった箇所を昨日入手した訳本をみてみました.
『モーパッサン傑作集』より「マドモワゼル・フィフィ」
(光文社、太田訳)
「暖をとるため、プロイセンの紳士がたは庭園の樹木を
次々に切り倒していた」

つまり、私が ces messieurs を部下たちと訳したのに対し
訳本はプロイセンの紳士がたとしてありました.ここまで
きたら、もうどっちだっていいと思います.正解だったの
で、胸を撫でおろしているところです.

 

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