《 映画/遥かなる帰還 》
はやぶさ 帰還
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見えない力に導かれて
「企画」/坂上順さん
《はやぶさ》・・・3億キロ彼方の深宇宙から“誇りと希望”を持ち還ってくれた 《はやぶさ》の苦難の奇跡を家族同様の思いで見守り続けた研究者・技術者の姿を大型スクリーンで人々に届けるということは、映画の使命ではないだろうか 覚悟が決まると次々不思議なことが起こった
難題の製作費は・・・東映・テレビ朝日・住友商事がいち早く出資を決定してくれた 渡辺謙さんが脚本もない段階で出演ばかりか、製作から宣伝まで、プロデューサーとしての参加を申し出てくれた
脚本の西岡氏・・・滝本監督・・菊池プロデュ-サー・・は《はやぶさ》チームのさむらい達の取材を始めるや、憑かれたように脚本作りにのめり込んだ
撮影所では・・・アッという間に坂本カメラマンはじめ最強のスタッフが編成され、300坪のステージに7年前のJAXAの管制室・運用室がディティールまで忠実に再現された そのリアルなセットは俳優陣を緊張させる 待ち時間にも俳優の渡辺謙・・江口洋介・・を中心に熱いチームワークが醸成されてゆく
JAXA管制室
運用管理室・・・管制室に隣接する大型コンピューターが並んだ部屋 外観はNECの当時のコンピューターを、そのまま再現 美術の造作物だが、NECの担当者が見学に来た際、機材の動きが本物そっくりなので入手方法を尋ねられるほどリアルな作りだ
VFX(映像加工)チームは・・・撮影現場に張り付き原寸大の《はやぶさ》をフル稼働し、宇宙にカメラを持ち込んだようなダイナミックな映像を創った
音楽の辻井伸行さん・・・初の映画音楽に挑戦してくれ、孤独に宇宙を飛翔する《はやぶさ》に切なく美しい曲を重ねてくれた 全ての人々が仕事の域を超えて斗っている 何が彼らをそうまで衝き動かすのか
献身するチーム・・・決して諦めなかったチームの技術と人間力が《はやぶさ》に命を与え、その魂が滝本監督とそのチームを導いたのではないだろうか 決して名誉でも利のためでもなく、献身するチームの姿は、混迷の中の日本人の心に“勇気と希望”を与えてくれるものと確信している
《諦めるな》
力を信じて前へ進む
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企画/坂本順さん
経 歴
旧満州出身・・・1939年11月17日生まれ 62年慶応大学卒 同年・東映株式会社入社 「網走番外地」シリーズ 映画・テレビ作品の制作進行を経て、プロデューサーとして数多くの東映作品を手掛ける 主な作品・・・藤本賞受賞作『鉄道員(ぽっぽや)』・『半落ち』・『男たちの大和』・『剣岳・点の記』など
《VFX》野口光一さん「3Dの臨場感」表現
デジタルカメラ・コンピューターを駆使
「CG」を超える
《VFX》とは映像を加工すること・・・「CG」と限りなく同義ですが、あくまで「映像を加工」し視覚面での効果を与えることが主体 現実では見ることのできない画面効果を実現するための技術のこと 《剣岳・点の記》でも使用
JAXA 管制室
JAXA管制室・・・《はやぶさ》運用のメインルーム 室内のコンピューターは、打ち上げ時にはブラウン管、帰還時には薄型液晶モニターと、時間の経過を考慮して換えられている リアクションホイールやイオンエンジンの、どの部分が故障したか一目でわかるモニター画面は、JAXAの協力を得て制作スタッフが完全再現した (《はやぶさ》・・カタログ参照)
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映画「はやぶさ」を鑑賞して
《はやぶさ》の素材感・光
日本のモノづくり・・・日本の素晴らしさ、大手企業から町工場の技術まで全ての技術を総動員して創った《はやぶさ》 映画では照り返しの光の具合はどう撮影したの?・・・《はやぶさ》の表面に貼り付けられている金色に光るブランケットやヒートシールドは、本物の素材を作った企業に依頼し、リアルな《はやぶさ》を実現した 映画ではその《はやぶさ》を最新技術とアナログ技術を駆使し撮影された
「はやぶさ」帰還の臨場感
『7年の歳月を要した末に迷走』・・・《はやぶさ》を“ボロを纏ったマリリンモンロウ”・・とNASAの学者達に揶揄されたが諦めなかった(《はやぶさ》プロジェクトメンバー) 最後まで『諦めない信念を持ち続けた』 技術者たちの成功した喜びは大きい 《はやぶさ》3D表現に魅了される
「NHKスペシャル」が蘇る
2010年6月13日(日)・・・「NHKスペシャル」に釘づけされた映像が私たちに蘇る 最後に場内を包み込むような辻井伸行君のピアノ エンディングに流れる純粋無垢なピアノの旋律に涙が次々と溢れる 明かりが灯るまで席を立つ者は誰もいない 涙が流れるままエンディング曲に身を任せていた
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原作/山根一真著
《はやぶさの 大冒険 》より
2012.211(土)~
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