雨は上がらず-長野県茅野市：御射鹿池

Mishakaike Pond, Chino City, Nagano Pref.

さてさて、長野県茅野市の八ヶ岳にやって来てオーレン小屋に宿泊したワタクシ達ですが、
二日目は朝の5時には山小屋を出発し、硫黄岳や横岳を登って下山しようと思っていました。
しかし気になるのは天候です。4時に起床し談話室のテレビで気象情報をチェックしましたが、
信州は北部を中心に雨が降りやすく、山は天候が荒れ模様の様子でした。


ワタクシ達は山頂に登っても展望を得ることも出来ないし、写真を撮影することも出来ないと判断し、
山小屋から下山することにいたしました。そして、温泉にでも行こうじゃないかと意見が一致いたしました。
若い時ならとりあえず山頂だけは踏んでおこうと考えたでしょうが、今は安全な下山を選択しました。


オーレン小屋から車を停めている桜平までのんびりと歩きます。
シトシトと雨が降る中、高山植物が登山道わきにチラホラと咲いていました。
この花はシナノオトギリだと思います。しっとりと濡れた姿も悪くは無いかなぁ。


こちらはゴゼンタチバナですね。亜高山帯ではよく見かけるお花なんですよ。
ワタクシ達は無念な気持ちはいっぱいありましたが、天候ばかりは誰も責めることは出来ません。
駐車場で車に乗り込み、気持ちを切り替えて写真を撮影できそうな場所に向かいました。


ワタクシ達が向かったのは桜平から車でおよそ1時間ほど、奥蓼科にある御射鹿池でした。
ワタクシはこの池に何度か行っているのですが、相棒さんは行ったことが無いので行くことにいたしました。


ワタクシが初めて御射鹿池を訪ねたのは10年ほど前だったと思います。
その頃から、この池は多くのカメラマンに知られるようになりました。
結果、御射鹿池の前を通る道路には多くの車が路上駐車し、一般の車の通行の邪魔になっていたんです。


今回御射鹿池を訪ねてビックリ。普通車だけではなく、大型車の駐車場が作られていたんです。
さらに道路には歩道が作られ、歩道と池の間には柵が作られていました。
以前は池畔に下りることが出来たのですが、これでは道路から池を撮影するしかありません。


以前は八ヶ岳に登る人くらいしか知らなかった御射鹿池ですが、東山魁夷氏がこの池を見て絵画を描いたことなどが
広くインターネットなどで紹介され、今では観光バスが訪れるようになったんです。
これだけ情報が広まると「知る人ぞ知る」というような場所も、あっという間に多くの人が知ることになるのですね。


池に暮らすカモは、そんなことを気にすることも無く、悠然と池の上を泳いでいるのでありました。

使用したカメラ：FUJIFILM X-Pro2


山に登りだした若い頃は、「山頂に立つこと」が登山の目的でした。
それが徐々に「山の風景を撮ること」に目的が変わっていきました。
これからも「山の風景を撮ること」が大きな目的であることは変わりませんが、様々な山の楽しみを見つけていきたいです。
「山小屋でゆったり過ごす時間」「山頂で飲むコーヒー」「下山後のビールとお風呂」…


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