東屋では、匂宮が中の君の所にいた浮舟を見つけてしまい、
後ろから衣の裾をとらえ、「誰?名前が聞きたい」と問いかけます。
後ろから衣の裾をとらえ、「誰?名前が聞きたい」と問いかけます。
浮舟の乳母がそれに気づいて側に来て、何とか事なきを得たという場面があります。
匂宮・浮舟・乳母の3者の緊迫した場面です。
匂宮・浮舟・乳母の3者の緊迫した場面です。
匂宮が中の君の所へやってくると、
あいにく中の君は洗髪中で、若君も昼寝中。しかたなくあたりをぶらぶらします。
すると目なれない童が見え、新しくきた女房かとふすま障子の間からのぞきます。
あいにく中の君は洗髪中で、若君も昼寝中。しかたなくあたりをぶらぶらします。
すると目なれない童が見え、新しくきた女房かとふすま障子の間からのぞきます。
障子のあなたに、一尺ばかりひきさけて、屏風たてたり。 そのつまに、几帳、簾(す)に添えへて立てたり。 帷(かたびら)一重(ひとえ)をうちかけて、 紫苑色のはなやかなるに、女郎花の織物と見ゆる重なりて、袖口さしいでたり。 屏風の一枚たたまれたるより、心にもあらで見ゆるなめり。(東屋)
帷(かたびら)とは几帳の布のことのようです。
宇治や城南宮で見た通り、紫苑の花は薄い紫色。それに女郎花は黄色の花です。
吉岡幸雄氏は「日本の色辞典」で、「女郎花の織物」を
「装束抄」の用例より、経(たて)青、緯(よこ)黄とされています
宇治や城南宮で見た通り、紫苑の花は薄い紫色。それに女郎花は黄色の花です。
吉岡幸雄氏は「日本の色辞典」で、「女郎花の織物」を
「装束抄」の用例より、経(たて)青、緯(よこ)黄とされています
トップ画像は「源氏物語の色辞典」と「日本の色辞典」より。
1000年前の本当の色はわかりませんが、こんな雰囲気なんでしょうか。
1000年前の本当の色はわかりませんが、こんな雰囲気なんでしょうか。
こちらは「源氏物語の色辞典」より、紫苑かさねと女郎花かさね。
きっと実物の色布の方が綺麗だと思います。
自然界の植物の色から着物に取り入れる
季節に合った王朝感覚美は素晴らしいですね☆
きっと実物の色布の方が綺麗だと思います。
自然界の植物の色から着物に取り入れる
季節に合った王朝感覚美は素晴らしいですね☆