源氏物語と共に

源氏物語関連

故蝶

2010-04-23 16:58:37 | 
今年は天候が不順で
咲いた桜を長い間楽しむことが出来ました。
八重桜もそろそろ散っていくのでしょうか。

近くのお宅で、山吹を見かけ、
寒い中藤の花も咲いているのも見ました。
新緑の若葉もあざやかに伸びてきています。
『三月はつかあまりの頃あひ』
まさしく「故蝶」の世界と同じです。

『お前の方(紫の上)は、はるばると見やられて、
色をましたる柳、枝を垂れたる、花も、
えも言われぬ匂ひを散らしたり。
色をましたる柳ほかには盛りすぎたる櫻も、
今さかりにほほゑみ、廊をめぐれる藤の色も、
こまやかに開けゆきにけり。
まして、池の水に影をうつしたる山吹、
岸よりこぼれて、いみじき盛りなり・・・』

何故かここを読むとGWに訪れた宇治の平等院の景色を
思い出します。
まさに、紫の上の住む春の御殿に近い印象でした。

紫の上はその登場から北山の桜がイメージされています。
その容姿に例えられた樺(かば)桜も八重桜だったのでしょうか。

いっぱんに樺桜といわれるものは、
花房の長いうわみず桜ともいわれるのですが、
やはりその印象は違います。
http://www.cc9.ne.jp/~ssuto/uwamizu.htm

実はこの苗を買ってみたのですが、今年はまだ咲きませんでした。

夕霧が紫の上に例えた樺桜、
その頃でも有名だった遅咲きの桜なのでしょうか。
それとも下界よりも遅く咲く山桜の1種だったのでしょうか。

今まさに季節はそんな頃合いですが、
この場面のような、この世の極楽かとも思うような晴天がなかったように思います。
季節的にも、故蝶の巻を味わうのも楽しいかと思います。
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