POG勝ち組への道!!

「楽燕カップ」というPOGをやっています。現在14年目に突入。

ドラフト回顧〜マクベイン編〜 第14回楽燕カップ

2024年06月21日 12時00分00秒 | 第14回楽燕カップ ドラフト2024-2025

マクベインさんの指名馬はこちら

(ドラフト回顧提出日:6/19)

 

 

 

 

 


大分出身で、現在福岡でひっそりと暮らしております。

最近老眼が更に進んできたのか、手元の字を読むのに少々難儀してしまいます。

(去年も似たようなことを言った気が・・・)

 

 

〇指名コンセプト

とにかく、全ては優勝のために・・・は毎年変わっていません。

POGでは、人様(リアル馬主の方)の馬を指名させて頂くこと、多忙である牧場・厩舎関係者の皆様のご協力で情報を得られることで成り立っているものですから、そういった現実の関係者の皆様への最低限の礼儀・敬意として「優勝のため」という目標を引き下げてはいけないと思っております。

ドラフト直前に、情報が紙・ネットを問わず媒体で多く取り上げられる関係上、早期デビュー馬というのはドラフト時に人気が過熱しすぎる側面があるため、ここをあまり欲しがり過ぎない…と言うのは例年通りです。

ただ、各指名馬紹介の欄で書かせていただく内容と被ってしまうのですが、牝馬限定の三歳重賞は登録馬数が多く1勝馬だと抽選になることも多いため、2歳のうちに2勝目を挙げておく重要性が牡馬より高くなっています。

ですので、牝馬に関しては例年より早期デビュー予定多め、秋ごろデビューが見込まれる馬も兄姉がデビューから連勝して出世した血統的実績がある馬を選びました。

 

 


☆1位 ダノンシーマ(キタサンブラック×インクルードベティ)

4月にゲート試験合格済み。様々なメディアでノーザンFの大物候補として評判になっております。

今年の(も?)中内田厩舎には複数の1位候補の2歳馬が在籍するため、その分入札が分散し単独指名の確率が高くなる・・・と判断し、入札しました。

具体的なデビュー時期の話は出ていないのですが、牡馬は勝ち上がりを急がずとも、2歳G2もしくは3歳G3を一つ勝てば収得賞金でほぼ確定でダービーに出走が可能になります。

育成馴致の技術が進歩した現代においては、能力のある馬をより確実に勝ち上がらせることが可能になっており、またクラシックに繋がる中距離の世代限定重賞は小頭数になりやすく、1勝馬でも除外のリスクがほぼありません。

そういう現状においては、早期デビューが可能であったとしても、牡馬クラシックや古馬王道路線まで見据えるだけの大物ならば、6月デビューにこだわる必要はないのではないか、と考えております。

ゲート試験合格後放牧に出されていましたが、6月に入って再入厩。

夏競馬でのデビューとなるとやはり直線の長い新潟コースが最有力かと思いきや、7月の小倉デビューが本線となるようです。

やはりドラ1でクラシック候補として指名した馬ですから、一発で勝ち上がり、2戦目は秋の重賞という、クラシックを目指す馬のエリートコースを期待したいです。

現代においても「POGではレース数を多く使うことができる早期デビューが正義」と言う風潮は根強く残っているのですが、現代競馬の基本として「将来G1を勝つような馬は生涯通して使うレース数が少ない」のですから、とにかく一発で結果を出し続け、無敗のままキャリア4戦前後でクラシック制覇を達成する・・・それだけの才能の持ち主であることを期待しています。

 

☆2位 ディアナザール(ロードカナロア×ドナウブルー)

母はジェンティルドンナの全姉で自身重賞2勝、古馬マイルG1で2,3着と牡馬も含めた一線級で実績を残し、繁殖入り後も2頭のオープン馬を出しており、本馬にはそれ以上の活躍が期待されています。

デビューまで順調にいかないことの多い牝系ですが、早期にデビュー出来た馬はほぼ確実に走ってきており、本馬もすでにゲート試験合格済みです。

今はしがらきで更なる精神面の成長を促すということで、2歳時の目標となるであろう朝日杯から逆算してデビュー時期を考えていくことになるのではないかと思います。

アーモンドアイなど父の初年度産駒が3歳から華々しい活躍を見せた翌年に種付けされたロードカナロア四歳世代は、確かに2頭の中距離G1馬を出しています。

ですが、それまで各世代43~4%とJRAでの高い勝ち上がり率を挙げていたのですが、「アーモンドアイ効果」で中長距離を中心に繁殖牝馬の質がグッと向上したはずにもかかわらず、この世代の勝ち上がり率が35%と大きく下がっていることが気になりました。

netkeibaのデータベースによると、4歳世代の芝レースの勝利した平均距離は、ロードカナロア産駒の他世代が軒並み1500m前後であるのに比べ、この世代だけ1700mを越えていることも目立ちます。

このことから、ロードカナロアは「アーモンドアイ再び」を目指して中長距離型の大物繁殖の仔を狙うより、現役時代のイメージに合うマイル~短距離型の繁殖の仔の方が、トータルの期待値的にはいいのでは?という考えに至りました。

母はG1で2,3着がありながら、残念ながらあと一歩のところで頂点まで届くことができませんでしたが、父の血を加えたことで息子はマイルの王者へと昇り詰める・・・そんな期待をしています。

 

☆3位 ダノンフェアレディ(キズナ×メチャコルタ)

母はアルゼンチンのG1馬で、上のきょうだいは皆2歳の6~7月にデビューということでPOGでも人気しやすい血統です。

兄・姉は世代限定のG3、オープンで好走したものの二勝目に届いてはいないのですが、父のランクが上がったこともありさらに上のステージを目指せるのではないかと期待しています。

牡馬と違い牝馬は、クラシック一冠目の桜花賞の出走賞金ラインが高くなりやすく、なおかつ3歳牝馬限定重賞の登録頭数が多く1勝馬では抽選→除外のパターンも多くなります。

一般論として「牝馬は仕上がりが早い」と言われますが、実際牝馬は早いうちに賞金を積んでおかないと3歳になってから使いたいレースに出走できないことも多く、早いうちの賞金加算が重要になってきます。

牡牝のそういった違いを考えれば、6月デビューの有力牝馬の上位指名から逃げることは難しく、競合必至の本馬を指名しました。

新馬戦開幕週、最初のレースで好タイムで勝利。初戦としては言うことなし、の勝利だったと思います。

性別に関係なく、やはりG1を勝つレベルの素質馬は「レース数を極力少なく使う」ことが基本となっていますので、消耗の大きそうな夏場に使わず、2戦目を9月以降とはっきり明言されていることにも安心しています。

 

☆4位 リバーバレイト(キタサンブラック×リリーバレロ)

母は名繁殖牝馬ヴィートマルシェの仔で自身も4勝の活躍馬。

この世代も数が少ないキタサンブラック産駒で名門堀厩舎への預託ながら、初仔で小柄と言うこともあってか、この順位でも無風で指名することができました。

平成以降東西トレセンの成績が西高東低になったきっかけは栗東の坂路コースだと言われています。

ですが、大手を中心に外厩が発達してトレセンに滞在する時間が少なくなった現代においても年間の総勝利数で、関西と関東で1.5倍前後の差がある以上、現状の東西格差は「有力な馬主は素質馬・良血馬は関西中心に預託している結果」なのだと思います。

一方でG1の勝利数だけを見ると近年では東西が拮抗しており、G1を勝つ関東馬の多くがやはりノーザンF系のクラブ馬、かつ名門厩舎の所属・・・となっています。

単純な考えではありますが、クラブとして関東の有力厩舎に素質のありそうな馬を優先して預託し、その中からG1を勝つ馬が現れることで関東馬のブランド価値を上げる狙いがあるのではないか、と思っています。

ノーザンや社台のような大手は、大手だからこそより多くの生産馬を、「幅広い層のお客様に買っていただく」必要があります。

そして、日本国内の人口分布として、ここ20年東京周辺の首都圏の人口増加が大きかった一方で、近畿圏の人口は大阪が微増程度、周囲の府県は人口減少が起きていました。

やはり、クラブ会員の方はご自分の愛馬を競馬場まで直接応援に行けた方が嬉しいでしょうから、人口比の首都圏一極集中化が進んでしまった現状では、大手クラブが関東に力を入れるのは当然であり、特に関東のトップ厩舎には相当な素質馬が潜んでいる可能性は高いのではないでしょうか。

(もちろん競争馬はプロの目をもってしても、実際に走ってみないとわからないものですから、アーモンドアイやイクイノックスのような超大物を我々一般競馬ファンが狙って引き当てるのは至難の業なのですが・・・)

となると、関東馬をある程度上の指名順位で狙うならば変に捻ったりせずノーザン・社台系クラブ、有力厩舎預託馬に絞るという素直な選び方が一番良いのではないでしょうか。

一方でJRAのトップ騎手や厩舎が関西に偏在していることもあり、大物個人馬主の方は従来通り関西に素質馬を預ける流れはそうそう変わらないと考えておりますので、個人馬主所有馬を上位指名するときは、変に捻らずに関西の有力厩舎を素直に選ぶのが間違いない…のではないかと思います。

ノーザンF空港でも秋東京デビューからのダービー候補として高く評価されているようですし、その期待が持てる客観的な下地は揃っているのでは、と期待しています。

 

☆5位 エスタンシア(ドゥラメンテ×マラコスタムブラダ)

阪神JF制覇のレシステンシア、G3京成杯を勝ったグラティアスの半弟になります。

ドゥラメンテ産駒は最終世代かつこの世代の頭数が少ないこともあり、激しい争奪戦になりがちな今年のPOGですが、いい感じの順位で指名できたと思います。

産駒最終世代と言うことで、プレイヤー側の需要が強く、なおかつ例年より産駒の数が少なめになりどうしても例年より高めの順位を考えざるを得ない本年度の中で、自分でも、ラッキーかなと思える順位で残ってくれていた馬でした。

グラティアス以降の兄二頭が未勝利のまま地方へ転厩したことなどもこの順位まで残っていた理由だとは思いますが、母出産時の年齢が12歳であればまだまだ大物を出せる期待はできるはずです。

重賞を勝った前記の兄姉だけでなく、長兄であるミッキーブラックも新馬勝ちからの連勝で2勝目を挙げています。

新馬戦に強く、かつ連勝できる血統であるというのは、速やかに2勝目を挙げなければ重賞に出ることが難しい牝馬にとっては大きなアドバンテージだと考えています。

また重賞勝ちの兄姉はともに10月デビューであることから、早期デビューを焦らずともOKと言うのも魅力に感じています。

近年は能力の高い1勝馬を抽選覚悟で阪神JFに登録するパターンが少なくなっていることを考え、2歳時は自己条件で2勝目を挙げることが目標、3歳重賞で賞金を稼いで桜花賞へ・・・という青写真を描いています。

 

☆6位 エスタア(モーリス×ブチコ)

おなじみの白毛一族で、ソダシ・ママコチャ2頭のG1馬を姉に持つ良血馬です。

三頭のきょうだいのうち、残る全兄のカルパが勝ち上がりに7戦を要しました。

普通に考えれば上3頭がすべて中央で勝ち上がり…はむしろプラス要素なのですが、注目度が高すぎる一族だからこそ、父替わりで勝ち上がりに時間がかかったことがマイナスに受け取られたのかもしれません。

父モーリスは種牡馬として一定以上の実績は残しているものの、では、初年度に集められた超豪華な繁殖牝馬群に見合うほどの成績を残しているか?と問われると難しいところがあり、人によって評価が分かれるタイプの種牡馬だと思います。

また、同産駒が上位で狙われやすい年とそうでない年の波があるため、あらかじめ上位での指名動向をある程度見ておかないと、適切な指名順位を見極めるのも困難なところがあります。

今年はそこまで注目度も高くなかったようで、ソダシと同じく金子真人HD‐須貝厩舎という強力なラインにもかかわらず6位まで残っていたので、ならば遠慮なく・・・ということで飛びつきました。

全兄よりデキそのものの評判は高いようで、5月末に入厩。

須貝厩舎ですので、順調ならば北海道デビューもあるでしょうか。

こちらも牡馬に出たことで姉とは違うダート向きに出ることもあるでしょうが、そのあたりの判断も結局はレースをいくつか使わないと見えてこないこともありますし、早めにデビューして見極め期間を作れるのは大きいのではないかと思います。

理想はソダシ同様札幌で重賞まで勝ってくれることですが、夏の間に一つ勝つだけでも以降の予定が立てやすくなりますし、期待したいです。

 

☆7位 サトノシャイニング(キズナ×スウィーティーガール)

3、5位に続いて7位でも母がアルゼンチンのG1馬・・・なのですが、これはたまたま目を付けた馬がそうだったというだけで作為的なものではありません。

上4頭のうち2頭が里見治氏の所有、残る2頭が下河辺牧場のオーナーズ募集で、生産者・オーナーともに期待の高い血統であることがうかがえます。

4頭中3頭が勝ち上がっておりそこそこ堅実といったところ。

リーディングトレーナー杉山春師の評価が高く、既に滋賀のチャンピオンヒルズまで移動済みのようです。

まだ栗東に入厩してはいないようですので、頓挫がないのであれば、秋の中央開催から逆算して段階を踏んでいるのかな?と考えています。

栗東まで入ってくれば、メディアから情報が出てくる馬だと思いますので、秋が楽しみになるようないい情報が入ってくればいいな…と思っております。

 

☆8位 オーケアニス(ロードカナロア×タイタンクイーン)

国内外合わせて、上のきょうだい4頭が重賞を制しており、国内でデビューした産駒は全て中央で2勝以上と非常にアベレージの高い母の仔です。

母が海外で種付けされ生まれたなかで重賞を制覇した3頭の父はバラバラ、日本に輸入された後も8頭の産駒全て父が異なっているというのはこのレベルの優秀な繁殖牝馬としてはかなり異例なのではないでしょうか。

上のきょうだいがとにかく父種牡馬がバラバラであるため、勝利を挙げている距離・馬場もバラバラ。

それゆえきょうだいから自身の適正を推測するのが困難なのですが、父がロードカナロアであることを考えれば、まずは1400~600くらいの距離からデビューすることになるだろうと思われます。

恐らく「優秀な繁殖だからこそより良い可能性を模索して、様々な種牡馬を交配している」のではないかと思いますし、新たな父を迎えた本馬が今までの優秀な兄姉をさらに上回る大物である可能性に、出産時の母年齢が18歳と高いことを考慮しても充分に期待できるのはないか、と考えます。

牝馬に出たこともあり、マイル一本に絞った使い方ができる分、距離適性を探るためにいくつもレースを使うことで回り道を通る必要が出るタイプとは考えづらく、早期デビューではなくとも順調に自己条件で2勝を挙げれば桜花賞トライアルには十分間に合うはずです。

半姉のギルデッドミラー(父オルフェーヴル)は古馬になってからダート方面にシフトしましたが、NHKマイルカップで3着に入っている実績もありますし、父ロードカナロアなら桜花賞出走・好走まで期待してもいいのでは?と思っています。

 

☆9位 ネティフラウ(ミッキーアイル×ウィラビーオーサム)

父ミッキーアイル、開幕週デビュー予定・・・ということで完全に短距離で即戦力狙いの指名です。

来年定年の音無厩舎所属ですが、天下のサンデーレーシングの馬ということで転厩先の厩舎も有力どころが期待され、順調であれば来春の活躍に悪影響は出ないのではないかという安心感もあります。

ミッキーアイルのような短距離型の種牡馬は「クラシックやジャパンC・有馬記念などに代表される2000m以上の大レース」という「夢」を見ることが難しい分、「賞金を確実に稼いで馬主を楽しませてくれる」ことが求められる傾向にあります。

にもかかわらず、JRAにおける産駒の勝ち上がり率は3割ちょっと、層の薄い短距離・ダート路線は芝中距離よりも勝ち上がりが比較的容易であり、短距離ダート型の種牡馬は基本勝ち上がり率が高くなりやすいことを考えると相当低い・・・と言わざるを得ません。

例えばキンシャサノキセキは生涯G1も勝利した産駒を一頭も輩出していないにもかかわらず、ずっと社台スタリオンステーションで繋養され続けていました。

中央で700頭以上の産駒が走ったにも関わらず障害も含めて重賞の勝ち数は9と少ないのですが、全体として4割近い中央での勝ち上がり率をキープしていることで、種牡馬リーディングでも10位近くの高順位をキープしており、「低価格で堅実に楽しめる馬」を求める馬主の方のニーズには十分な答えを出していましたので、そのあたりと比べると未勝利リスクの高いミッキーアイルは少々厳しいところがあるのは事実だと思います。

一方で産駒一頭当たりの生涯獲得賞金では、エピファネイアやモーリスといった良質な繁殖と交配して、実際にG1をいくつか勝った種牡馬たちと遜色ない高いアベレージを誇っている・・・という不思議な種牡馬であります。

デビューした産駒の絶対数自体が少ないためナムラクレア・メイケイエールという重賞をいくつも勝った2頭が平均賞金を大きく引き上げているというのが最大の理由ではあるのですが、この二頭の共通点は小倉二歳Sを制覇しただけでなく、3歳春から古馬になるまで活躍を続ける・・・という早熟性と息の長さを両立できたことにあります。

POGとはもちろん2歳~3歳春までの限定された期間内の賞金を競うゲームではありますが、トップホースであれば4歳で引退し種牡馬入りすることが異例とは言えない競馬の世界においては、POG期間の約一年という時間は決して短いものではなく、短くない1年間の期間にフルに賞金を稼ぎうる馬は、単に2歳までがピーク・・・の普通の「速攻系」よりも魅力があるのではないでしょうか。

6月一週の新馬戦開幕週の1400mに出走して、6着。

戦前よりかなりの折り合い難が伝えられており、「控える(または好ポジションをとる)レースを教える」というよりも「まず、レースを教えられる程度の気性かどうか」を見る必要があったのかなと思います。

相当折り合いを欠きつつ、外を回らされ続けてながら完全に大崩れはしていませんでしたので、能力そのものがないわけではないのかな、とは思っています。

次走以降距離をさらに縮めて馬の行く気に任せるのが正解なのか、それとも多少回り道をしてレースを覚えさせるのが正解なのか、私のような素人には分からないのですが、少しでもいい結果を出してくれればいいな、と思っています。

 

☆10位 ダノングレイ(エピファネイア×リリーズキャンドル)

母はフランスの2歳G1の勝ち馬で、本馬はその3番仔です。

ノーザンファーム生産、セールで1億4300万円で落札、ダノックス所有で名門矢作厩舎所属というプロフィールながら10位で指名することができました。

この順位でも残っていたのは、一日一頭指名が基本の楽燕カップではドラフト期間中にダービー・オークスが行われるため、10位指名もダービーの結果が出る前に確定したことも勿論大きかったと思います。

ただ、これだけの好プロフィールが揃った上、6月には本州移動を目指しているなど順調に育成されている馬が10位指名でも普通に残っているのにはそれなりの理由があります。

基本的に「血統派」に属する競馬ファンの方は、エピファネイア(母シーザリオ)やドゥラメンテ(祖母エアグルーヴ)などの産駒を好んで上位指名することが多く、「名牝の血を引く血統馬を尊ぶ傾向にある」ことは皆さまもイメージしやすいのではないかと思います。

そして、血統派の方はどうしても「好配合」「ニックス」と言われる血統構成の馬を好まれる傾向にあるため、エピファネイアやドゥラメンテ産駒の「ニックス馬」は高い指名順位を用意しないと獲得できない傾向ができてしまっています。

また、エピファネイア産駒の活躍馬は母がサンデーサイレンスを持っていて父が持つSSの血とのクロスが発生するもの、キングカメハメハを持つものが多く、そういった血とのニックス関係にあるのでは、と言うのが一般的な考えとして定着しています。

ですが、馬券を買うときをイメージしていただければわかりやすいのですが、「血統的に適性のある馬」「パドックで好馬体だった馬」「追い切りの良かった馬」はこれまでの成績以上に馬券が売れてしまうことで、上手く的中しても期待したような配当が付かず意外に儲からない、ということが繰り返され長期的な収支は思いのほか良くならない・・・ということはよくあることだと思うのです。

そういう考えがあり、私が今年エピファネイアやドゥラメンテの産駒を指名する際は、従来の「ニックス」にこだわらず、ポテンシャルの高い母とのカップリングに期待することで、血統派の方と違う道を行けば「低い順位」で素質のある馬を獲得できるのでは?という考えを持って馬選びをしたつもりです。

順調であれば9~10月の中央開催で満を持してのデビューになると思いますが、早熟傾向があり「能力のピークを長く持続することが難しい」エピファネイア産駒にとっては、デビューが早すぎないというのはむしろ「能力のピークを来春のクラシックに持っていく」ことを考えるとむしろ好材料だと考えます。

もちろん、同一馬主・種牡馬での二年連続ダービー制覇はそうそう起こることではないのですが、6月移動が視野に入るほど順調でありながら、馬高にも更なる成長の余地があるということで、これからどんどん評判がアップしていき、わくわくしながら秋のデビューを待つことができたら幸せですよね。

 

☆11位 シーク(キズナ×セレブラール)

兄姉9頭のうち8頭がJRAで勝ち上がり(未勝利の3歳も2着が3回)、うち2頭がPOG期間内の重賞勝利という、「はずれが出ない」という点についてはこれ以上ない母の産駒です。

その分、出産時母年齢は18歳と若くないのですが、本馬はすでに520キロと言う馬体重を誇りつつ、すでにゲート試験合格済みという順調さが大きな魅力となります。

上は5年連続でキズナが付けられており、そのうち4頭が3勝を挙げているということもあり、両親の配合的相性についても心配はいらないでしょう。

ただ、その3勝の内容は、ある馬は芝の2000m以上だったり、ダートのマイル以下だったり、障害だったりとバラバラで、血統から本馬の適性を想像するのはかなり難しいところがあります。

そういうこともあり、本馬が最も力を発揮できる距離はどれくらいか?芝なのかダートなのか?・・・という点は実際にレースを使いながら探っていく形になることが予想されます。

宝塚記念当日芝1800mでデビュー予定との話が出ており、POGにおいては芝のマイル路線やダート路線にも大きな稼ぎどころがある時代ですから、幅広い可能性があるということで、前向きな捉え方ができるのではないでしょうか。

(逆に、ダート路線の改革が行われたことでこういった芝のトップ種牡馬の産駒が早期からダート路線に参加するこれからの時代、従来のダート血統・米国産馬はこれまでと違い3歳の世代限定競争に出走する時期から激しい競争に晒されることを求められるようになり、過酷だよなぁ・・・と思ってしまいます。

競馬の世界において資金力で上を行き、良血を取り込み続けることで進化してきた日本の主流芝血統のレベルは極めて高く、そういった芝血統が今まで手薄だったダート路線に次々と参入していくという「国内間での黒船襲来」は従来のダート勢力図を中長期的には、一気に塗り替えてしまう可能性が高いと予想しています)

 

☆12位 コウソクグルーヴ(スワーヴリチャード×ソニックグルーヴ)

初年度産駒が2歳時に大活躍したスワーヴリチャードの2年目産駒、祖母が名牝エアグルーヴということで、「下位指名可能な地味なプロフィールながら、実は良血」というコンセプトの指名です。

現在リーディング上位のトップ種牡馬たちの初年度産駒の2歳勝ち上がり率はロードカナロアを除きほとんどが2割台半ばだったのですが、スワーヴリチャードの初年度産駒の2歳勝ち上がり率は3割2分を超え、かつ2歳G1勝馬を輩出したことで大きく注目を集めました。

3歳になってからもトライアル重賞を二頭が勝利したのですが、注目度の高いクラシックで人気に応えられなかったことや2歳時に極めて高かった勝ち上がり率も実は5~6月現在、3割2分程度で横ばいとなっていることから、正直1500万円という種付け料で期待値が上がりすぎたことを考えると、厳しい見方をされるのは仕方ないことかもしれません。

そういったこともあり、来年以降種付け料1500万という看板を背負って生まれる産駒のセールでの評価、競争馬としての活躍を予想するのは正直難しいのですが、逆に考えれば初年度産駒がクラシックを勝てなかったことで、2年目産駒もそこまで人気過剰になることもないだろうと思い、何頭か目星をつけており、ノーザンファーム生産の名牝系出身ながら下位指名が可能だと判断した本馬一本に絞り指名しました。

母の直仔には重賞勝ち馬はいないのですが、孫世代にG1チャンピオンズカップを制したジュンライトボルトがいるなど、地味ではあっても、流石名牝系・・・と言えるだけの背景は十分に持っています。

4月にゲート試験合格済みで、現在デビューに向けて中館厩舎で調整中です。

中館厩舎だから福島デビュー・・・かどうかは正直情報を持っていないので分からないのですが、有力馬は直線の長い大型の競馬場でデビューさせることが多いJRAにおいては福島デビュー=新馬戦の相手が軽くなりやすいという魅力があります。

相手関係が楽なうちに賞金と経験を積むことで、序盤のポイントゲッターになってくれることはもちろん、2歳G1やそれ以降をにぎわせてくれる存在になってくれれば嬉しいなと思っています。

 

☆13位 ソリスディエス(キタサンブラック×プリュス)

祖母はフランスのG1を3勝したサラフィナで、産駒はPOGでもしばしば人気になったこともあり、記憶に新しい方も多いのではないでしょうか。

母のきょうだいはJRA所属馬も含めて2頭がフランスのG3を勝っている…ということで、祖母は一定の繁殖能力は示しているものの、日本適性はどうなのかな?というイメージも多少あるとは思います。

・・・が、母自身は内国産でJRAの芝1400mを2勝しており、流石に3代目となれば日本適性が足りない…ということはないのではないかと考えます。

父キタサンブラックは初年度のイクイノックス、二世代目のソールオリエンスといった一部の代表産駒により過大評価されているわけでもなく、JRAの勝ち上がり率は45~6%をキープし続けており、これはキズナやハーツクライと同レベル。ドゥラメンテ・エピファネイア・モーリスが40%に届くかどうかで推移しているいうことを考えれば、長打力でなく、現役種牡馬としては最高レベルの打率も兼ね備えているといえます。

本馬に話を戻しますと、残念なことに骨片の除去手術を受けておりデビューは遅れることになりそうです。

ですが、現代の医療技術は目覚ましい進歩を遂げており、かつては競争馬の不治の病と言われた屈腱炎ですら、症状によっては全治に一年かからないケースも見受けられる時代です。

既にゲート試験を終えているなど、身体的な成長は順調であったことを考えると、決して治療に時間を要することの少ない頓挫であれば、早期発見と手術ができたのは不幸中の幸いで済む話なのかもしれません。

この時間を更なる成長に充てることができれば治療が終わり調教を開始することができるようになれば、そこからは案外早いのではないかと期待しています。

 

☆14位 ブリッサドラーダ(キズナ×ラドラーダ)

兄はダービー馬レイデオロの他に重賞馬レイエンダがいます。

デビューすることができた兄6頭は全て中央で2勝以上を挙げており、決してレイデオロだけの一発屋の母ではありません。

勿論母の出産時年齢は若くはないのですが、とはいっても本馬出産時はまだ16歳、指名順位を考えれば、大きなリスクとは言えないのではないかと思います。

他に気に掛かるポイントとしては現在410キロ程度の馬体重や、兄の多くが去勢されているなど、血統的な気性リスクも気になるポイントであることは正直、否定できないな…とは思っています。

ただ、これだけの血統馬で順調であれば7月頃に移動予定ということで、秋の東京で満を持してのデビューは期待できそうです。

本馬が所属する木村厩舎のノーザンF系のクラブ馬は、とにかくPOGで大人気という現状、この良血でキャロットの看板血統が14位で指名できるのです。

不安要素は多くとも、父母のアベレージの高さを考えればイメージほどのリスクは感じません。

ならば、行くしかあるまい!と言う指名です。

近年の桜花賞は馬体重の小さい馬が不利というデータもありますが、本馬は関東馬なので、オークスなりNHKマイルカップに出走・活躍すれば文句なし、と
割り切って選びました。

 

☆15位 デルアヴァー(Frankel×Amour Briller)

父はおなじみのフランケル、母アムールブリエはダート交流重賞6勝、その全てが2000m以上で、ダート長距離路線自体が世界中見渡してもほとんど存在しないことを考えるとその競走成績以上に特異なキャラクターの競争馬でした。

父フランケルの産駒はJRAだけで70頭以上と海外種牡馬としては異例なほど多くの産駒が走っている分、平均としては、勝ち上がり率・一頭当たりの賞金ともに現在ではそこまで傑出した数字ではなくなっています。

基本的に、外国産馬は層が薄く新馬・未勝利戦の番組が多い短距離・ダート路線を使われることが多く、それゆえに高い勝ち上がり率を出しやすいです。

またある種牡馬の産駒のうち日本に輸入された数少ない数頭のうち一頭が重賞クラスまで出世したことで、賞金系の指標も跳ね上がることもしばしばあるパターンです。

こういった少ないサンプルで「日本適性がある」と言われているのではなく、多数の産駒が、JRAでも特にレベルの高い芝中距離路線を含め多様な路線で使われて来たことなどを総合的に判断すればやはり数少ない「信頼して産駒を指名できる海外種牡馬」だと言えるでしょう。

外国産馬は基本的にPOG関係の書籍・ネットメディアで取り上げられやすいセール出身馬・社台グループ系のクラブ所属もしくは大物馬主への庭先取引の馬が高い順位で指名されやすいと思うのですが、その点本馬はノースヒルズの自家生産馬であるため、高い順位を用意せずに済むというのも、助かるポイントです。

6月末の福島開幕週、芝1800mを予定という報道があり、今までのきょうだいに比べて相当早めのデビューとなりそうです。

祖母が天皇賞馬でありながら、何故かダート馬ばかりが生まれる血統ですが、結局競馬は実際にレースに出走した結果でしか判断できないものですから、どういった適性を見せてくれるか、注目したいと思っています。

 

☆16位 ジロラータ(リアルインパクト×シティイメージ)

エクストララウンドで、競合の心配が少なそうなオーナーズの馬を指名したにもかかわらず競合して、ジャンケン負け。

楽燕カップでは5人ずつ指名馬が順番に公開されていくシステムですが、最後の公開順で外れ指名候補として探しておいた馬が次々と消えていき、大あわてで調べなおした結果行きついた馬です。

父リアルインパクトは初年度にG1馬を出したものの、勝ち上がり率・平均賞金ともにあまり良い数字ではなかったのですが、4,5世代目(現4.3歳)になり、産駒全体の成績が向上しています。

3世代目までは3割に満たなかった中央での勝ち上がり率が3割半ばまで上昇、ダートの勝率が高くなるなど、「安くても堅実に走る馬主孝行な種牡馬」になりつつあります。

楽燕カップのエクストララウンドは、勝ち上がりボーナス・5着以内に入れなかった場合のペナルティが基本となっているため、「地味ながら勝ち上がり率の高い種牡馬」が好まれる傾向にあります。

ただ、そういった種牡馬は産駒の絶対数自体が少ないだけでなく情報も少なすぎて、そもそも中央に入るか地方に入るかすら私のような情報収集力の乏しいプレイヤーでは調べられない馬も多いです。

本馬は、社台ファーム生産・セレクトセール取引で、POG本にも美浦の久保田厩舎所属と明記されておりそういった心配もありませんでした。

ただ指名が確定してから気づいたのですが、改めてPOG本を見返したところ早めの入厩も視野に入っているという記述に気づき、「6/10までにJRAの競走馬データベースに登録された場合のペナルティ」を受けてしまう可能性に怯えていたのですが、そこは大丈夫でした。

4勝している半兄のブレイブロッカーは芝の2000m以上で活躍して古馬重賞にも参戦していますが、こちらはマイル路線で兄より早期の出世をしてくれれば最高ですね。

 

 

〇終わりに(大半が指名コンセプトの続きのような気もしますが)

POGを始めて数年は、「ああ、自分って馬を見る目がないんだなぁ~」と思い続けていました。

しかし、最近になって考えたことがあります。

「そもそも『馬を見る目』なんてものが本当にあって、『走る馬』を見抜くことができるのだとしたら、それだけでいくらでも富も名声も入ってくるのが競馬の世界。そんなものがあったら、世の中の競馬産業に携わっているプロの方々だって、日々大変な苦労をして働く必要なんてないはずだよな」と。

「走る馬が誰にも分からない」ことを前提に考えて、その前提の上でどうすれば他のプレイヤーとの競争で優位に立てるか?

…そのことを考え続けて、今も考え続けている中での現状における私なりの答えが、今年の指名馬です。

競馬の結果自体は誰にも分からないのですが、それなりに長い歴史の中で、「こういう馬は走る可能性が高い」というセオリー自体は確立されており、だからこそ、「経験上走る可能性が高い」であろう血統や馬体が優れていると人々に評価された幼駒は高額で取引されるわけです。

生身の生き物である競争馬には「走りそうな要素」もあれば、必ず「走らなそうな要素」も併存するものですから、その両方をできる限りフェアに評価して、より大きな視点から馬選びをすることを心掛けました。

自分好みの馬の、良さそうなポイントだけに目を向けて過度に高い順位で指名しないこと、仮にそうでない馬であっても、ネガティブな面ばかりに難癖をつけて指名する可能性を排除しない(アンチ化しない)ことに例年以上に気を付けたつもりです。

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