歴史とドラマをめぐる冒険

大河ドラマ・歴史小説・歴史の本などを中心に、色々書きます。
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本能寺黒幕論・陰謀論をあえて愉しむゆとり

2020-05-16 | 麒麟がくる
私は黒幕論や陰謀論が苦手で、そういうのが出てくるとゲンナリします。信長の棺は一回だけ読みましたが、体質的に合いませんでした。池宮さんの「本能寺」なども、途中で「マジか」と言いたくなるぐらいの陰謀論のオンパレードになります。苦手だわー。それから新進気鋭とかいう歴史学者の「陰謀否定論」、よくよく読むと自分で陰謀論を作っていたりします。もっと苦手だわー。

ところがさっき「信長殺し、光秀ではない」の感想ブログを読んだのです。ブログ主に言わせると八切止夫は「嘘だとわかって書いている。そういう視点でみると面白い」そうです。ふーんと思いました。

「信長殺し、光秀ではない」は本能寺黒幕論の「元祖」でしょうか。古い作品です。たしか中一の時に読んだ。記憶では黒幕は斎藤利三であり、また帰蝶です。大河は黒幕論をほとんど採用しませんが、なんか「麒麟がくる」に採用されそうな設定です。

ちなみに「おんな城主直虎」では本能寺陰謀論が採用されました。徳川家康は加担していたとされた。あれ極めて珍しい設定です。大河は基本、陰謀論、黒幕論を採用しません。基本ですが。

史実としては「帰蝶黒幕論」なんて絶対に成立しません。そもそも帰蝶が生きているか史料では分からない。史料が全くない。帰蝶という本名かどうかも分からない。それでもあえて「帰蝶と光秀が本能寺を起こした」とするとどうなるでしょう。

・信長の供回りや日程はプロデューサーの帰蝶が設定していた。だから少ない供回りで本能寺にいた。
・帰蝶は自分が育てた「モンスター」の虐殺を止めたかった。千代が山内一豊の虐殺を止めたかったように。
・自分の子ではない信忠も京都にいるよう帰蝶が仕向けた
・真面目な光秀は同調しなかったが、斎藤利三が実行部隊となった(四国問題もあったし)

なるほど帰蝶と光秀と斎藤利三が組めば、「たまたま信忠が京都にいた問題」も解決しそうです。八切さんは「わかっていて楽しんでいた」説も成立するかも知れない。何度もいいますが、私は陰謀論否定派でこんなこと一ミリも信じていないけど、陰謀論というのはなんとなく都合がいい具合に「こじつけられるものだな」と思うのです。

しかし、こんな風に考えても「織田信孝・丹羽長秀軍が兵の逃亡で消滅した問題」は解決しません。他にも解決しない問題はありそうです。

陰謀論を作る人はいろんな問題をこじつけないといけないので、結構勉強しています。しかしその情熱はむなしいとも思います。しかし陰謀論を作る人がいて、それを楽しむ人がいる。

実害がないのなら、それはそれで歴史の一つの楽しみかたなのかなーとは思います。私は参加しませんが。いや参加するほどの知識はありませんが。

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