歴史とドラマをめぐる冒険

大河ドラマ・歴史小説・歴史の本などを中心に、色々書きます。
ただの歴史ファンです。

映画「空海」と「Karaの復活」

2022-11-30 | ジェンダー論
映画「空海」、は1984年、北大路欣也主演のドラマで、最澄は加藤剛さんが演じました。
印象的な言葉が三つある。

1,妙適淸淨句是菩薩位 - 男女交合の妙なる恍惚は、清浄なる菩薩の境地である

これは密教の理趣経に書かれており、空海は東大寺の別当でもあったから、東大寺では理趣経は今も大事な経典らしい。むろん密教系にとって最高の経典の一つであることは言うまでもありません。
性交は仏の境地、性欲は仏の境地
無軌道な性欲の発動は社会の秩序を乱すから、この理趣経の考えは「小難しい哲学的解釈をもって改変」されてきました。道徳的になるように。
しかし私は素直に読むべきだと思います。「男女の合意さえあれば、性欲の発動は生きる活力であり、つまりは元気の源である」ということです。
「男女の合意」というのは「現代風の私の解釈」だが、空海においても強姦が許容されるはずもなく、さして間違ってはいないでしょう。もちろん私は現代人なので「合意でも未成年はダメ」は言うまでもありません。未成年同士の場合は妊娠の問題が気になります。「おじさんと未成年女性」は合意そのものが成り立つ気がしません。「成人で、きちんとした合意さえあれば」ということです。「交合」とは「合意を含む」と思います。

2,マンダラの世界が文字によって表現できますか。日本は文字によって文化を学んできた。だから空海に言わせれば「日本は貧しい風景に中にたたずんで」いる。

文字至上主義。理性至上主義の相対化ですね。マンダラの世界は私には分かりませんが、言葉としては好きです。

そして「3」、橘逸勢(たちばなのはやなり、)石橋蓮司の次の言葉です。中国でイランの踊りを見て言います。

☆なぜだ、なぜだ空海。日本のおなごたちは、なぜこのように体ごと飛び跳ねて踊らないのだ。

ここでkaraにつながります。ちょっと前の韓国の女性ユニットで、日本でも人気がありました。「体をくねくねさせてセクシーに」踊ります。韓国国内では「未成年にみだらな踊りを強要している」と問題になったこともあるようです。日本で一回限りかも知れませんが復活するようです。

Karaの全盛期。私はさほど興味がなく、ちょっと品がないとまで考えていました。しかし今になってユーチューブでよく「ミスター」を見ます。元気よく踊っていて、下品な感じは全くしません。
「元気があって、明るくて、活力があって、とっても結構」だと思います。

では「女性が体ごと飛び跳ねて踊っていればいいか」というと、それも違っていて、不思議なのですが、TikTokで踊っている「女子中学性や女子高生」は「何やっているのだろう」と思ってしまいます。
たぶん制服を着ているからでしょう。AKBでもなんでも「制服を着て踊る女子高生みたいの」が苦手です。
昔高校の教師をしていて、女子高生とは本当によく話をしました。いい子が多くて、基本的には「何でも話して」くれました。彼女たちの心は「いろいろ難しく複雑な」のです。それが分かっているので、どうも「明るいだけの女子高生」という虚像が苦手です。