歴史とドラマをめぐる冒険

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ボイス110緊急指令室・ソニンが虐待母・ぼかしが入る韓国の原作

2019-08-03 | ボイス 110緊急指令室
ボイス110緊急指令室の韓国版原作について書きます。「ネタバレ」を一切気にしないで書くので、ご注意ください。

韓国版の原作・興味深いところ

・遺体が残虐過ぎて、配信でも「ぼかし」が入る。それ以外でもホラーっぽい演出が多い。ソニンが虐待母をやるようだが、原作の虐待母は存在がホラーと思えるほど怖い。

・韓国はまだまだインフラが貧しいのか、町の風景が汚い。あるいはわざとそういう場所で撮影しているのかも知れない。

・主役は二人とも、韓国の方がかっこいい。チャンヒョクは鍛え抜かれた体をしている。女性のイハナは173センチスリム体形の美人である。色白のお姉ちゃんとか犯人に言われている。35ぐらいだろうが、おばちゃん感が全くない。

・日本でやるなら男性刑事はオダギリジョーあたりが良かった。もっとも唐沢さんも適役である。女性は背が高くスリムで小顔な美人。30代。誰がいるだろうか?35歳頃の松嶋菜々子?背は低いけど石原さとみ。北川景子かな。あっ、戸田恵梨香が一番いいかも知れない。日本には背が高くてかわいい系の女優さんがいない。

・やたらと「精神病」のせいにする。これは日本では無理であろう。精神病患者への人権意識は日本の昭和の段階ぐらいであろうか。

・最後真犯人は精神病者たちに殺されるが、これも日本では違った設定になるだろう。

・犯人は韓国ドラマの定番である「金持ち」である。しかし「市の有力者」程度で、たいした金持ちとは思えない。それでも警察まで牛耳っている。「金の力が何より強い」、そりゃ日本でもそうだが、ちょっと度を超えている。

・日本が「逃亡先」として指定されることが多い。日本の警察を何と見ているのだろう。たぶん韓国より厳しいぞ。

・一話完結でなく、事件の解決を「次の回の冒頭まで引っ張る」のはどうやら韓国方式らしい。

・第二回かな、「水槽の音」で真木よう子さんは犯人の居場所を探索した。原作では理髪店のぐるぐる回るサインポールである。日本ではなかなか見なくなった。

・真犯人はサイコパスの「怪物」とされるが、正体がばれてからは意外と「あっけなく」捕まる。

・5か国語を操る警察官の女性。日本では石塚さん。「少年のようで不満顔」だ。原作はずっとフェミニンである。

・聖書の引用がでてくる。西洋的な「原罪」を扱っているのかも知れない。

・原作は猟奇殺人、虐待・臓器売買、気持ちの悪い設定のオンパレードである。救いは「正義が勝つ」ことだけ。

・原作では女性主人公は「無音響の部屋」に住んでいる。

・ネーミングがださい。例えば主人公たちのチームの名は「ゴールデンタイムチーム」である。クラブ「フィーバー」なんてのも登場する。

・日本でリメイクされる理由。韓国で大ヒットしたから、ある程度安定して視聴率が期待できるのだろう。それと日本人がなかなか描けない肉親がからむ「情念の世界」が表現できている。

・実際原作は「おもしろい」のである。ある事件が終わると「食い気味に」次の事件が起きる。飽きているヒマがない。

・男性刑事が反発を感じながらも、捜査に加わる理由。「被害者が助けてくれと言っているんだ」、よいセリフだ。韓国版も同じである。

ボイス 110緊急指令室・最終話までネタバレ・韓国版を全て見た。

2019-08-01 | ボイス 110緊急指令室


ネタバレ注意

「ボイス110緊急指令室」は韓国版のリメイクです。しかもリメイクするに当たって、極端な変更はしていません。従って韓国版を見れば、日本版のラストまで「ほぼ予想がつく」ということになります。以下ネタバレを無視して韓国版のことを書きます。読んでしまうと、日本版のラストもほぼ分かってしまうので注意してください。

写真左が主人公の二人です。唐沢さんにあたるチャンヒョク、真木よう子さんにあたるイ・ハナ。残念ながらどっちも韓国版の方が魅力的です。年齢が違うのです。唐沢さんは現在56歳、チャンヒョクは42歳です。しかもチャンヒョクさんは「剣術もの」で鍛えたアクション向きの体があります。アクションシーンの体のキレは抜群です。

真木さんとイハナはほぼ同じ年齢で36歳ぐらい。でもイハナの方が圧倒的に若く見えます。さらにイハナさんの方が、個人的には美人だと思います。さらに彼女身長がとんでもなく高いのです。173センチ。そして細い。真木さんは声が野太くて、なんだかちょっと原作(韓国版)のイハナが持つ「はかなげな感じ」が再現できていないかも。かも、です。頑張っているとは思います。

チャンヒョクはちょっと井戸田潤似ですが、実に男性的魅力に溢れた演技をします。「根の深い木」を見て、男性の私すら好きになりました。

写真右、上の一番右が増田くんに当たるペク・ソンヒョン。インス大妃では皇太子役をやってました。

写真右、下左が田村健太郎にあたるイェソン。韓国のアイドルグループ・スーパージュニアの1人のようです。右下真ん中が石橋菜津美にあたるソン・ウンソ。そして右下右が伊勢谷さんにあたるキム・ジェウク。役名はモテグ。真犯人です。伊勢谷さんは日本ではまだ顔が出てませんが、みんなもう分かっています。

伊勢谷さんはまだ顔が出てないので判断つきませんが、いずれも韓国の俳優の方が魅力的です。主要人物で日本がやや勝っているのは木村さんぐらいでしょうか。それも見方によります。

さて韓国ドラマの原則

・犯人は権力者である。そして権力者とは「金持ち」である。

超格差社会「韓国ならでは」なのか。日本が特殊なのか。「財閥」は何をやっても許されるという前提が存在します。犯人のモテグはたかが「市一番の運送会社の会長の息子」なんですが、それでも「金の力で、親父とモテグが犯行を隠蔽してきた」ことになっています。

日本版はどうするのでしょう。伊勢谷さんが「ソフトバンク会長の息子」でも「野村證券会長の息子」でも、「殺人を隠蔽する」とか「警察に簡単に圧力をかける」なんてできません。金持ちだから殺人という犯罪から逃げられるなんて日本ではありえないはずです。今の日本の総理は汚職系の民事は逃げ切っていますが、さすがに刑事罰は無理でしょう。まして殺人となると現総理でも無理。隠蔽できない。さて、伊勢谷さんはどういう「出身」とされるのか。「大金持ちでかつ与党上層部の息子」という感じになるのか。もっとも韓国版だって、結局は逃げられないのですが。ちなみに韓国版、何かというと悪人が「日本に逃亡しよう」とします。おいおい、日本の方がきっと厳しいぞとは思います。

さてこの真犯人。モテグはサイコパスです。子供の頃のトラウマで「怪物になった」とされます。彼にとって殺人は「狩り」です。ホームレスを雇っては「運動代わりに殺す」なんてことをやっています。彼には「専用の殺し部屋」とか「殺し別荘」とかがあります。

主人公刑事と音の特殊能力を持つ女性警視(日本版では)がそれを追い詰めていきます。真木よう子さん、なんと警視なんです。

主人公妻は「ホームレスの援助」をしており、消えたホームレスを探すうちに「真犯人」にいきつきます。だから殺されるわけです。臓器売買とか、いろいろと嫌な背景も描かれます。

ざっというと唐沢さんと真木さんは「いろいろな妨害」特に「警察内部、検事とかの妨害」を乗り越えて、真犯人の伊勢谷さんに行きつきます。

で、犯人は「殺人ゲームをして遊ぼう」ということになりますが、刑事と女性警視はそのゲームにも勝利し、犯人をつかまえます。殺しはしませんが、手足とかバンバン拳銃で撃ちます。韓国版だと犯人は精神病院に送られ、そこの医者と患者に殺されます。なんで医者が殺すのかよく分かりません。犯人の親父の会長は自殺します。

あとこれも相当なネタバレですが、刑事の子分、兄貴と呼ぶ増田くん。彼は真犯人のスパイです。自分と兄貴を守るためにスパイになる。犯人に殴られ、半ば植物状態となります。
さらに強行班の木村さん。彼は弱みを握られ脅されています。でもシーズン後半はそれを乗り越えて、主人公刑事とともに犯人を追い詰めていきます。

犯人のモテグは意外と魅力的です。サイコものは犯人が「カジウラぐらい」魅力的でないと面白くない。その点合格です。「殺人賛美」はしてません。「ドラマの話」です。

韓国版の方が俳優は素敵ですが、吹き替えがないので、目が疲れました。アマゾンプライムで配信しています。日本が勝っているのは「街の風景が綺麗」であること。韓国は全体に汚い。経済成長はとげましたが、まだまだインフラは貧しいのだなと感じます。まえにウクライナのドラマ「スニッファー」を見て、ウクライナの貧しさにひっくり返りそうになりました。そこまで貧しくはないですが、全体に建物とかが汚い。これから発展するでしょう。

イハナは美しいし、凛としているし、背がすらりと高い。いい女優さんだと思います。韓国では男性主人公は変わって、シーズン2と3が作られているようです。