類稀なる勇気の持主、スティーヴン・サットンさん(19歳)。
一時は死を覚悟したものの、その後体調は奇跡的に好転し、今月2日には退院を許されましたが、
11日には呼吸困難に陥りふたたび入院し、
今朝方、眠るように息を引き取られたそうです。
母親の ジェーンさんと。
今日彼の母校には、彼を偲ぶ黄色いリボンが飾られ、
『お悔やみ帳』への記帳台も設けられました。
多くの人にインスピレーションを与えたスティーヴンさん。 『ティーンエイジ・キャンサー・トラスト』への寄付は、100ヶ国以上の国々から寄せられているそうです。
いつもポジティヴで、笑顔を絶やさなかった彼。 日本の高校卒業時にあたる6thフォーム終了時の学業成績も、抜群に優秀でした。 難無くお医者さんを目指せたことでしょう。
19歳なんて、まさに人生これからという一番希望に満ちた、一番楽しい時期なのに・・・。 体が辛くてたまらない時だって、苦痛にうめきたい時だって、あったはず。 なのに、ほんの19歳でありながら、あの精神力と前向きな姿勢は、いったいどうやって培われたものか。 19歳だった自分を振り返ってみると、私がスティーヴンさんの立場だったら、絶対自分の悲運を嘆き、癌を呪い、死の恐怖に怯えながら悲観的な日々を過ごしていたと思います。
奇跡の退院後、心ない一部の人は、インターネットが隠れ蓑になるのをいいことに、スティーヴンさんを中傷したり批判したりするようなコメントをアップしました。 でもスティーヴンさんは、そんな悪意もさらりとかわしました。
「残念ながら、他人の感情を冷笑したりわざと煽ったりしたがる人間は存在する。 それに腹を立てたりむきになって仕返ししないことが大切だ。 大多数の人間は善人だと、僕は信じている。」
シェーン: 「スタン、お前が何千ポンドも寄付集めに協力してやったあの子が退院したってことだけど、一体どうなってんだ? 大勢がだまされたと思ってんぜ」
スティーヴン: 「がっかりさせてごめんなさい。僕は今も癌もちで、その癌は治療不可能です。これで貴方の“だまされた”感が和らぐならいいのですが」
スティーヴンさんが最後に公に姿を現したのは、10日前の5月4日。 彼の『生きているうちにやりたいことリスト』に挙がっていた、“ギネスブックに載る記録をつくる”イベントのためでした。 彼の代わりに友人たちが、「過去最多の人数で一斉に両手でハート形をつくる」ことでの記録づくりに挑戦することにしたところ、思いがけず退院を許されていたスティーヴンさんが、“ボランティア”として急遽参加したのです。
イベント名は、LAUGH(笑う)とマラソンを合わせて、LAUGHATHONと名づけられたのかな?
友人や地元の人々が続々参加してくれて、・・・
・・・無事記録が達成されたそうです。 おめでとう!
スティーヴン・サットン 享年19歳
1994年12月16日 - 2014年5月14日
どうぞ安らかにお眠りください・・・・・
そしてなんという強い心の持ち主。
一時的な退院も本当に奇跡でしたよね。
でも彼のやってきたこと、そして一生は決して無駄ではありませんでした。もしかしたらだらだら長生きするよりずっと意味のあるものだったかもしれません。
こんなにも多くのものを残していけて、すばらしい人生だったと思います。
ご冥福をお祈りいたします。
彼の魂が高潔すぎて、荒んだこの世に置いておくにはもったいなさすぎる。と、神様が決めたのでしょうか。
彼のポジティブさと行動力は、多くの人の心に残ることでしょう。
願わくは今後、彼に触発されたおかげで、少しでも多くの人が Pay it forward の精神で、困っている他人に優しくなれますように。
彼のポジティブな態度に、自らを省みた人間は多かったはず。
短い一生で、多くの人々の心に大切なものを残してくれました。
ほんと、だらだら長生きしている人間には、絶対にできないことです。
誰でもいつかは必ず死にます。誰にとっても、この世でも時間は借りた時間。
私も残された時間を大切に、人の為に役立つよう心がけながら、生きなくちゃと思いました。