ハナママゴンの雑記帳

ひとり上手で面倒臭がりで出不精だけれど旅行は好きな兼業主婦が、書きたいことを気ままに書かせていただいております。

類稀なる勇気

2014-04-26 22:34:01 | ひと

スティーヴン・サットン、19歳。 15歳の時に結腸直腸癌と診断された。 治療の甲斐なく、悪性腫瘍は徐々に転移していった。

「僕は癌持ちではあるけれど、そのために自分を失うことは絶対にしない。」 治療を続けながら、『義務教育終了時学業成績』ではA*が5つ、Aが4つという抜群に優秀な成績を修めた。

 

「医者になりたかったけれど、その夢は叶いそうにない。 ならば将来の癌患者、とくに自分のように若くして癌にかかった患者を助けるために出来ることをしたい。」

46項目からなる『生きているうちにやりたいことリスト』を作り、ひとつずつ項目を片付けていくかたわら、自分の日常や心情を綴るブログを始めた。 癌研究組織のイベントでの講演や、癌患者をサポートするチャリティー団体の資金集め活動にも積極的に参加した。

 

スカイダイビングを体験し、ユニヴァーサル・スタジオを訪れ、首相官邸で講演し、

 

4輪車泥んこレースをこなし、『群衆サーフ』を楽しんだ。 これらは『やりたいことリスト』のほんの一部。

 

 

            “人生は時には公平でないという思いは、僕の『世界をより良い場所にしたい』という意欲を高めてくれる。

                   不幸は起こるものだが、それにどう反応するかで自分という人間が決まる。”

 

           

 

スティーヴンは、『やりたいことリスト』に「ティーンエイジ・キャンサー・トラストのため1万ポンド(約170万円)を集める」ことを含めていた。 同トラストは、特に若い癌患者をサポートするチャリティー団体で、スティーヴンも世話になっていたからだ。

 

サファリ・パークで象とハグ。                           スティーヴンの親友はロンドン・マラソンに参加して資金集めに協力。   

 

Facebook のスティーヴンのページのフォロワーが徐々に増え、スティーヴンの話がニュースで取り上げられて世間に広く知られるようになると、寄付の輪がどんどん広がっていった。 

有名人も次から次へと、スティーヴン支持を表明。 当初の目標だった1万ポンドは軽く達成し、スティーヴンは目標額を100万ポンド(1億7千万円)に上方修正した。

  

  

100万ポンドの目標額も、4月23日に達成。 しかしスティーヴンは、20日に呼吸不全を起こして救急車で病院に運ばれ、そのまま入院。 危険な状態が続き、22日には Facebook からお別れのメッセージを送った。

 

「僕からの最後のサムズ・アップ! これまでは上手くかわしてきたけど、残念ながら今度のハードルは少し高すぎるみたいだ。

 こんなに急に終わりが来るのは残念だな――きちんとお礼やお別れを言わなきゃならない人がたくさんいるのに。 そうできなくて、ごめんなさい。

 見届けたかったエキサイティングなプロジェクトもたくさんあるんだけれど。 それらが今後も続いてくれるといいな。 資金集めを続けたかったら、ぜひそうして下さいね。」

                

 

その後スティーブンは奇跡的に持ち直し、現在は小康状態が続いている。 25日には、 YouTube にかねてから用意してあった自分のストーリーを公開した。 寄付は続々と寄せられ、総額は一昨日(24日)200万ポンド(3億4千万円)を超えた。

 

                

 

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遅ればせながら私も今日、Hanamamagon の名で50ポンド寄付させていただきました。 寄付総額は26日午後10時半現在で、272万ポンドを超えています。 300万ポンド(5億1千万円)達成は時間の問題でしょう。 (現時点での寄付総額のチェックはこちらでどうぞ。)

 

 

普段は私、心を鬼にして街頭でしか『寄付はしない主義』なんです。 ムスメが社会人になるまでは。 親として、子供に対する責任がありますからね。 

でも今日は、寄付しないではいられませんでした。 だって・・・ 自分の死を意識していながら、何という強さ、何というポジティヴさ。

医者になる夢が叶っていたら、本当に良いお医者さんになってくれたでしょう。 残念です。

でもスティーヴンさんの勇気と行為は、多くの人々の心に残るはず。

人々の心に善意を呼び戻してくれた彼に、心から感謝します。

 

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