心の扉 神戸カウンセリング花時計

心理療法や催眠療法、ストレス解消や悩み等メンタルに関するもの、そして日常の出来事を自由気ままに掲載します。

矢印法

2017年10月21日 | 心理カウンセリング

十分な催眠状態にある被験者に

「椅子から立ち上がることが出来ない。」と暗示をすると

被験者が立ち上がろうとしてもしても

立ち上がることが出来なくなります。


「~しようとしても~することが出来ません。」

このような暗示のことを拮抗暗示と言います。


この時、被験者が暗示を

上手く自己解除して立ち上がるか、

(解除しようとするより楽しむのが一番ですが。)

暗示に反応する心の方を受け入れて

椅子に落ち着けば楽になれます。


しかし、暗示に反応する心に抗って

立ち上がろうと挑み続けるのは、

結構な労を費やすことになります。


これと同じように

怖さの原因から離れようとする気持ちと

それを良しとしない気持ちが

同時に働いているような状態が続くと

私達は、悩み苦しみを体験することになります。


そのような悩み苦しみの状態を

軽減、解消するための一つの方法が

矢印法です。


矢印法は、まず否定的感情と関わる

否定的な思考を特定します。


そして、

「何故、それが恐ろしい(不安、悲しい)のだろうか。」

「それの何が良くないのだろうか?」

「それは何を意味するのだろうか?」と問いかけていき、

否定的感情を持ち続けさせている土台となる

非適応的思考(心の規則)を発見します。


例えば、

会社に行くことを思うと凄く滅入る。

(感情、感覚、気分、)

私に対して無愛想で感じの悪い上司がいる。

(思考、気持ち)

だとすると、

 

それは何を意味するのだろうか?

「人事評価が悪くなる。」

それは何を意味するのだろうか?

「昇進が出来なくなる。」「やがて解雇される。」

それは何を意味するのだろうか?

「収入がなくなり生活が出来なくなる。」

それは何を意味するのだろうか?

「犯罪を犯して刑務所行きになる。」

「路頭に迷って野たれ死んでしまう。」


上のような場合、

自分に対して上司が無愛想だと感じたことは、

本人の心の中では、

やがて犯罪者か野たれ死んでしまうことを

意味することになります。


そのような理解をしていたら

気が滅入り意欲が失われるのも当然です。


しかしながら

自分に対して上司が無愛想だとしても、

「犯罪者に成り果てる。」「野たれ死に。」

とには、大きな隔たりがあります。


上司が無愛想なのは、

自分に対してではないかも知れませんし、

例えそうだとしても、

その原因が判明すれば、

対処法が見つかるかもしれません。


また、昇進もその後の仕事ぶりで

上司の自分への評価が変わる可能性があります。


その他にも色々と分岐点があり、

太陽が東から昇り西の山に沈んでいくのとは

訳が違うのです。


このように

矢印法で「心の規則」を変えるための準備を

整えることが出来ます。

 

催眠療法&心理療法 神戸ストレスカウンセリング・ルーム花時計


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