心の扉 神戸カウンセリング花時計

心理療法や催眠療法、ストレス解消や悩み等メンタルに関するもの、そして日常の出来事を自由気ままに掲載します。

扉の向こう

2012年03月31日 | 雑感・愚見



一度見た映画や一度読んだ小説に再び手を伸ばせば、

あの名場面や物語に流れる独特の感じに

もう一度触れることが出来るかもしれない。

だけれども、その先の展開がどうなるのか全く分からないままに見ていた時の

同じワクワク感やドキドキ感を再び味わうことは出来ません。



4年間の学生時代を終え、就職をし、

右も左も分からず仕事をしながら多少なりとも仕事を理解し始めた頃、

突然、ふっと今まで感じたことがない異質の恐怖心が、

「このままでは、何かが終わってしまう。」



この感じは、全力で滑走路から飛び上がった飛行機が安定飛行に達すると、

後は、時間が経過すれば目的地に着くだけのような感じ。

もちろん目的地に着くまでは色々なことがあるだろうし、

確実に目的地に到着する何て保証はないけれども、

その時の感じは、後はシートに座って時間が流れていくだけで、

目的地に着いた時には、40年の年月が過ぎ去っている。



つまりです。その先の自分の人生の40年分が見えてしまった。

40年分の未来が、今と同居してしまったのだからどうしようもない。

あっけないほど時計の針が40年分進んでしまう感じ。



不満が無い収入を手にして、

おそらく結婚をして、子供が一人か二人、

時折奥さんと喧嘩をしたり楽しく過ごしたり、

子供に手を焼いたり、子供の笑顔を見て幸福を感じたり、

それも素晴らしい人生の過ごし方であることに異論などありません。



ですが、その時の私にとっては、今の私もそうなのですが、

次のシーンはどうなるのだろう。

次のページは、どんな物語が展開するのだろう。

「じっくりと自分の人生を味わいたい。」

ワクワク感とドキドキ感は、そんな願いを叶えてくれるように思うのです。



まだまだ思い出を楽しむのには早過ぎる。

だとしたら、新しい扉を開いて物語の続きをスタートさせるのが一番です。


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不思議な絵

2012年03月25日 | ライフ



この絵は、フェイスブックで有名な絵だそうです。

ちょっと不思議で面白い絵だったのでご紹介!



何が不思議かと言うと

絵の鼻の部分にある赤い点を30秒ほど見つめた後で

白い壁に目を移すと、チョット面白いことが起きます。



これやり過ぎるとどうなるんでしょうか。

やり過ぎてある限度を超えると全ての女性が、

同じように見えたりして。

それはそれで良いかもしれませんが。

催眠トランスで幻覚のプチ体験です。


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ツタンカーメン

2012年03月23日 | ライフ


日本で40年ぶりの少年王ツタンカーメン展。

今回を見逃せば、もう見るためにはエジプトに行くしかないと

友人と共に行って参りました。



当日券は割とスンナリと購入できたので混雑はさほどではないかもと思ったのですが、

スロープを歩いた先に見えたのが写真の行列と、

会場スタッフが持つ看板には、待ち時間120分。



待つのが好きではない私が、

過去に120分以上も並んだのは私の記憶では、

大阪万博のアメリカ館とディズニーの人気アトラクションしかありません。



通常であるなら隣の海遊館や観覧車に目的を変更するところではあるのですが、

何せ、今回の目的は私とっては超ド級!

120分が240分でも並ぶしかありません。



120分後、ようやく展示場の入り口に辿り着き、

そして、中へと踏み入りました。

展示品の写真撮影は禁止されていて撮影することは出来なかったのが残念でしたが、

心には焼きつけてきたつもりです。



強大なピラミッドの建造技術はもちろんなのですが、

あの年代に、あれだけの細工をするだけの技術を持っていたのは

信じがたいほどの驚きです。

だからこそ謎、ゆえに世界から注目を浴びているんでしょうね。

私達が展示品を見終えるに一時間ちょっと、

他の人達はもっと時間を要しているかもしれません。



歴史ものを見たので、その影響なのか

明治創業以来変わらぬ味の大阪名物の自由軒のカレーを食し、

その日は、エジプトの歴史と日本の歴史を味わうことが出来た

贅沢な一日となった次第です。

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個人が持つ力

2012年03月18日 | 心理カウンセリング



今から、10年前にある一人の男性が相談に訪れました。

その男性の訴えは、「早漏を治したい。」

ここまでは、他の男性からも相談を受けたことがあります。



しかし、それに続いたのが

「自分が声をかけた全ての女性とSEXが出来るようになりたい。」

このあたりから「ん?」

そして、「自分の男性自身を大きくして欲しい。」

どれ位の大きさを希望しているのかを聞くと、

「最低でもキッチンペーパー位に。」

その男性の表情や話しぶりから冗談でもふざけているのでもなく

本気であることが分かります。



最初の訴えの早漏の解消は可能としても、

後に続いた訴えは、

とてもじゃないけれども実現は不可能です。


実現不可能なものを、

目を見開いて真剣に本気で訴えてくる様子を見て、

その男性の現在の心の混乱が相当なものであることは明白です。


さらに追い打ちで、

「銃で撃たれても男性自身には絶対に弾が当たらないようにして欲しい。」

訴えに共通しているものは男性自身ですから根本の原因は推察できます。



しかし、元々の原因について

話を向けようとしても状態が状態ですから

「そんな話をしに来たのではない。」

と一蹴されることは間違いありません。


ですから、最初は本人の訴え通りに

話を進めていくことになりますが、

それでは、何回の施療どころか、

一年、二年でどうこうなるとは思えませんから、


「それが実現する可能性はあるけれども、

毎週一回施療をして3年以上は間違いなく掛かる。

だから、施療を始めるのは止めた方が良いのではないだろうか。」

と、施療を受け付けることを断る意味で伝えたのですが、

それでも良いとのことで、施療が始まりました。



当初は、途中で来なくなるかもしれない。

費用も無駄になる確率は高いだろう。

当初は、施療する側の私が、

そんな思いを持ったままの施療のスタートでした。



そして、施療の部屋でのさらなる追い打ち、

「この部屋に盗聴器はないでしょうか。」

「絶対に無いですか。」

この言葉で、その男性の状態がどのようなものであるのかが確信に。



催眠の反応性が思いっきり良ければ機会を見て、

ダイレクトにに問題に触れていくことも出来るかもしれないと、

試してみたものの反応は良くなく。


リラックス誘導を時折敢行するだけで、

殆どの施療の時間はカウンセリングです。

心の混乱を収める方法など分からない。


だから、その男性の今の気持ちを知らなければどうしようもない。

一つ一つ、話を聞き、一つ一つの気持ちを知ろうとしたのですが、

男性の話し方が特徴的で、徹底的に正確に話そうとします。



例えば、

「少し腕の力を抜いてみて。抜いてみた?」と聞くと

「腕に力が少し入っているように思いますから

力が抜け切れているとは言えないかもしれません。


しかし、少し前の腕と比べると

抜けていると言えるように思えるのですが、

他の人の力が抜けている腕と言うのが

どのようなことを言うのか分かりませんから、

もしかすると、抜けてはいないと言えるかもしれません。


私の今の腕の状態よりも力が入っている人がいたとしたら、

力が抜けていると言えるかもしれません。」

全てにおいて、このような感じでしたから

話が先へと進むのにとてつもなく時間を要しました。



当初の私の気持ちは、

少しでも解決の可能性を感じながら施療を進めているのではなく、

解決の一筋の光さえみえないまま施療を進めているのですから

本人の経済負担への申し訳なさと罪悪感を持ちながらの施療です。


今もあの時の本当の重い気持ちを忘れることが出来ません。

ただ、何か道があるはずだと

絶対にあきらめることだけはしないことだけが、

自分を支えていたように思います。



その施療がどの様な結末となったかと言うと、

施療期間は2年どころか5年が経過していました。


何とその男性は今、会社員として働いています。

「あの時、あんなことをお願いしていた自分を笑ってしまう。」と言いながら

心の底からの照れの混じった笑顔を見せてくれました。

神戸に来た今も、その男性から時折、

今貯金がいくら出来たとかの近況の報告メールを頂きます。



私にとって、この男性のことは

忘れようと思っても忘れることが出来ません。


「私が何をどうしたから、このような回復に至った!」

と言うように胸を張って言えるものはありません。

施療と言えるのかどうかも分かりません。


ただ、人と人との交流があっただけのように思います。

そして、その男性は、心は混乱から抜け出て来ました。

その人だからこそ成し得たのかもしれません。

「個人には、それを克服するだけの力を持っている。」

頭の中で分かっていたことが、

その考えに魂を入れてくれたのがその男性です。


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契約

2012年03月14日 | 心理カウンセリング



ダルビッシュ選手がメジャーのオープン戦で二度目の登板をしました。

結果はもう一つのようでしたが、

だんだんとメジャーの水に馴染むと言うか、

メジャーの公式球に馴染んで良い成績を残してくれるでしょう。



さて、アメリカは契約社会ですから

日本球界からメジャーリーグに挑戦した選手は、

随分と分厚い契約書に目を通し、内容の細かな点を交渉し、

了承出来たらサインをします。



心理療法も同じようなもので

最初に大きな目標が来て、それを達成するために必要なこと、

かつ、今の自分がやれることを一緒に探っていきます。

そして、了承できたら心の規則の書き換えを決意(サイン)することになります。



かと言って、このような契約は、ビジネスの契約ではありませんから、

何度でも契約内容の変更可の契約です。


それが確実に行われなかったとしても契約違反とはならず、

契約内容の修正についての話合いとなるか、

大きな目標を達成するために必要な次の契約内容について、

中身を詰めていくことになります。



私達に出来ることは、その人が大きな目標を達成できるように

契約内容が無理のないものとなるように一緒に検討し、一緒に考え、

時には、一つのプランを提供したり、背中を押すことはありますが、

一番重要な最後のサイン(決意)と自分が取り組むことへの実行は、

本人が担ってもらわなければなりません。



ところが、クライアントの中には、

今の自分を変えたいと言いながら、

いかに周りが悪いのか、酷いのかを強く訴え、

自分の正当性を主張し続けるような場合があります。

確かに、それはそうなのかもしれません。


そうであったとしても、その主張は、

自分ではなく悪い人達が変わることを求めているのと同じになります。



これは、先のメジャー契約で言うと自分が活躍できるように

他の選手が、自分の投げるボールを打たないでもらえる契約内容を

求めているようなものとなりますから、

仮にそのような契約書が成り立つとしても、

先に他の選手がその内容を了承するサインをしてくれなければ、

その望み、契約は成り立つことはありません。


悔しくても、我慢ならなくとも、

相手がサインをしてくれないのであるなら、

自分が変わるしかないのです。



通常であるなら、それはとても難しいことなのかも知れません。

そこまでしなくても良いことかもしれません。

しかし、今の自分のネガティブな感情が、

自分の今を辛いものとしているのであるなら、

そして、それを変えようとするなら、

歯を食いしばってでも自分を変えるために立ちあがって欲しいのです。



また、数度の取り組みで「私には無理だ。」と諦めてしまう人もいます。

あなたには無理ではないのです。

それを打ち破るだけの力をすでに有する人です。

それを実行するために埋めておかなければならない何かがあるだけです。

それを実行する前に解決しておく何かがあることを示しているだけです。

何度でも契約内容を一緒に検討しましょう。



その人は、それまでの自分の殻を打ち破るだけの力をすでに有している。

これは、私の今までの経験から得た結論であり、そう信じています。


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カレー最強説

2012年03月08日 | ライフ


全ての料理にカレーを加えればカレー味になってしまう。

以前のインド旅行でホテルで食べる料理が全てカレー味で、

二日目位までは本場のカレー味を楽しんでいましたが、

3日目になるとカレー好きな私もさすがに飽きて来たところに、

やっとピラフ料理が出現、ヨシ!と思ったのが甘かった。



どう見てもピラフ料理で色も白、なのにカレー味。

一度、ほっとしたところにカレー味だったので

カウンターパンチのように強烈なダメージをこうむりました。

それ以来、私の中ではカレー最強説なるものを持っていたのですが。



先日、長い人生の中でカレー料理に初めて失敗をしました。

何たって私の中では最強神話のカレー味ですから

今まで、ヨーグルトや赤ワインやチョコレートやマヨネーズやバター、

ニンニクやお好みソースやケッチャップ等々、

その時に思いつくものを適当に入れても大崩れすることもなく、

玉ねぎを炒めに炒めて、小麦粉を炒めて、カレー粉を入れてと

カレールーに頼らないカレーに挑戦した時にも大崩れせずにきたものがです。



そう言えば今回はリンゴと蜂蜜と言うぐらいだからリンゴを投入して

フル―ティーなカレーをと目論んでリンゴを購入、

何たって最強神話を持つカレーだからと二個擦って入れた所、

フルーティーには違いないのですがフルティー過ぎました。

最早それはカレーでは無くなっていました。

よりによってその人のカレーには国産牛肉をたっぷりと入れてあったので、

頑張って食べようとしたのですが、半分食べてキブ。

知り合いに聞くとリンゴは恐い、8分の1個が限界だと言っていました。



長く君臨した最強王者が完膚なきまでに叩きのめされた感じ。

リンゴ最強伝説の始まりです。



誰しもが今までの自分をひっくり返すような何かを持っているはずなんですよね。

あなたにとってのリンゴは何だと思いますか。

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見えない衣

2012年03月03日 | 催眠療法


東京での施療体験でのことになりますが、

ある日、初老の男性があることで相談に訪れました。

何でも数年前から外出先から帰宅すると、

玄関先で洋服を全部脱いで、すぐにお風呂に入り、

納得するまで身体をゴシゴシと洗うようになってしまっているとのことです。



このような自分の身体が凄く汚れてしまっていると言う

強迫観念を持つまでに心が混乱している方の場合、

今までの私の施療経験では、多くの施療期間を必要としますし、

多くの時間をかけると多くの人は解決しますとは

自信を持って言い切れません。



ですが、実際に解決した人もいることも事実で、

その中でも特に印象深かった人がその初老の男性でした。

初回カウンセリングは、話をお聞きし情報を集め、

催眠誘導をしてどの程度の催眠の反応性があるかどうかをチェックするのが

通常の流れなのですが、

その方の場合、催眠の初回誘導であるにもかかわらず、

催眠にどっぷりと没入するだけの反応性を示しました。



そして、次の施療の機会に

その方の催眠反応能力を利用しない手は無いなと思い、

催眠に深く誘導し、その方に見えない光の衣を身につけてもらいました。

そして、

「あなたを護る光の衣については覚醒しても全く覚えていないし、

気が付くこともないでしょう。ですが、

これからの人生においてずっとあなたを守り続けます。」

と暗示して覚醒。



このようなアプローチをしてはみたものの、

その時には、それで良くなるとの確信などなく、

その方の催眠反応がすこぶる良かったことから、

ものは試しでと言うのが正直なところです。



ところが、一週間後に来て頂いたその方はニコニコしながら、

前回のことは全く覚えていないのですが、

あれから外出先から帰宅しても普通に家に入るうことが出来、

その変わりように妻が驚いているとの話を聞くことになります。



私としてもとても嬉しかったのですが、

「そんなに簡単に変われるほど簡単な心の状態ではないはずだよなあ。」と、

心では思いながらも効果があったと本人から報告があったのですから、

ではと同じ誘導をし光の衣をさらに強化するアプローチ。



そして、次の施療は少し間を開けて2週間後に来て頂いても

変化がそのまま維持されているようなので、

話は強迫観念の話ではなくストレスを感じ始めた頃の話をして

誘導は同じ誘導をして、次は3週間後、そして、一カ月後として様子を見たのですが、

ずっと変化は維持されていたので

施療は一応の終わりとして様子を見て頂くことになりました。



今、思えば強迫観念が無くなったと言えども

その強迫観念を引き起こすまでになった元々のモノの見方や捉え方について

施療を引き続き行って行けば、

よりしっかりとした土台が築けたのではないかと思ってはいます。



心理療法は、どこまで行っても施療者の力だけではどうにもならず、

クライアントの力を貸してもらわなければ効果はあがりません。

この方の場合は、解決のために必要な殆どの部分を

その方の力でカバーしてもらった施療として忘れることが出来ません。


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