浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

社会的な倫理観

2024-03-21 21:16:59 | 日記

 『週刊金曜日』最新号の新刊紹介には、読みたくなるような本が並ぶ。

 まず『ケアの論理』(岩波新書)の紹介文を読み、これは読まなければならないと思った。というのも、ここに「リベラリズムの倫理においては、理性的で自律した個人が集まって普遍的正義に基づく社会を作る」に対しての「ケアの倫理」として、「誰もが生まれたばかりの時には他人に完全に頼りきっていたように、他人に依存するという形での「つながり」こそが人間の普遍的な条件であるという認識から出発する」が記されていたからである。

 私は、まさにその「リベラリズムの倫理」を意識的に追求し、それに沿った倫理観をつくってきたし、生きてきた。できうる限り感情や欲望をおさえて理性的に行動し、自律的に生きる、そのためには自立を図らなければならない、その自立には経済的自立はいうまでもなく、生活的自立(だから私は家事万般を行うことができる)も求められ、できうるかぎりあらゆる場面で他人に依存しないということ、それを実践してきた。学問的な面でも、他人に頼るのではなく(他人からはサジェスチョンしか受けない)、自ら学び理解する(自分自身が分かるまで学ぶ、考える)、思想的、学問的な自立である(だから多方面の書物を購入し読んできた)。

 しかしこういう生き方は、なかなか厳しいものであった。しかし近代的人間類型こそが民主社会の主体として存在可能であるという認識をもって、生きてきた。

 今になって、確かに「ケアの倫理」がいうように、他人に依存しながら生きていくことこそが「普遍的」ではないかと思うようになってきたが、いまだ「依存する」ことが体質的にできない。「依存する」のは、家族だけである。

 とりあえず『ケアの倫理』を購入しておこうと思う。

 

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