浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

デモに参加すると就職に不利?

2015-07-30 07:55:16 | 社会
 朝日新聞に、表題のような記事が載った。

http://digital.asahi.com/articles/ASH7W5SYRH7WUTIL03M.html


 ボクは学生時代、何度もデモに参加していた。それも高校生の頃から。だからといって、就職できなかったということはない。就職してからも組合活動に参加。その組合は、「御用組合」ではなかったので、もちろんいわゆる「出世」はない。

 学生時代に、ボクと同じようにデモにでていた者がいた。彼は、同じように就職したが、組合活動に加わらず、一方でボクらに同調するようなことを口にしていたが、他方で上司に取り入り、結局は反民主的な行動をとって「功績」をあげ「出世」していった。ボクは、そういう人間を信用できず、どういう話をしてよいか分からなくなったので離れていった。同じように、ボクの仲間たちも彼から離れていった。それぞれが苦い記憶をもちながら。


 要するに、生き方だ。ボクは、過度の収入はいらない、食べていければそれでよいという気持で生きてきた。だからみずからの思想信条に忠実に生きてきたし、今もそうだ。


 今、学生諸君がデモに参加し、素晴らしいメッセージを発している。ボクらの頃は、あのような心に残るメッセージを発したことはない。自分の思想信条を、自分の言葉で皆の前で話す、素晴らしい体験ではないか。そういう体験は、必ず将来に大きな力を与えるだろうと思う。

 時は刻々と去っていくが、ボクたちの様々な体験は去ってはいかない。それらはボクらの内面に蓄積されていくのだ。何を蓄積していくのか、それはそれぞれみずからが選び取ったもの。だからこそ、人間は素晴らしいのだ。ひとりひとりの人間がそれぞれの思想や生き方をもって生き、それらが社会を形づくる。

 ただひとつ望みたいのは、『人間の条件』(五味川純平、岩波現代文庫)の主人公・梶のように、極限までみずからの「良心」にしたがって生きて欲しい、ということだ。

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