私のところにも、いろいろな情報がメールで送られてくる。そのなかには、今回のロシアによるウクライナ侵攻は、もちろんロシアが悪いが、ウクライナにはネオナチがいる、ウクライナがNATOに入ろうとした、あるいはアメリカなどNATO諸国が反ロシア政策を展開していた・・・・・・だからロシアは悪いが、ウクライナも悪いということを主張するものだ。そしてロシアは悪者だとロシアをこぞって叩くのはいかがなものか・・・・と。
国家間の関係だから、もちろんどちらかに絶対的な正義があるわけではない。そんなことは当たり前である。
だが、現在、ロシアはウクライナの民衆を殺戮し、ウクライナ民衆の生活を根こそぎ破壊しているのだ。ロシアが徹底的に悪者であるのは当然である。
アメリカがイラクのフセイン政権を倒すために、軍隊を派遣して、今回と同じようなことをした。アメリカがフセイン政権を倒すのは理由があるからだ・・・といって、アメリカを擁護することは、リベラルといわれる人々の間にもなかったと思う。イラクは大量破壊兵器を持っていないのに、持っているとして攻撃したアメリカ軍は悪者だ、という共通見解があった。
今回の侵略について、リベラルと言われる人々の間に、ロシアを擁護する姿勢が、なぜか見られるのだ。
問題はこう立てられなければならない。「殺すな!」ということだ。私たちが立つべきところは、「殺される側の民衆」のところであるべきなのだ。その立場からみれば、一目瞭然、悪はロシアである。
ロシアの侵攻には理由がある・・・といっている人々に、私は上から目線を感じてしまう。ロシアがウクライナ侵攻するにはもちろん理由はあるだろう、しかしその理由をあれこれ想像する必要が、今あるのだろうか。
停戦が成立し、ロシア軍によるウクライナ民衆への殺戮、そして破壊が止まり、ウクライナの主権が尊重されるようになったとき、侵攻の理由をあれこれ議論してもよい。今はその時ではない。
ウクライナをみずからの勢力圏に置いておきたいロシア、そのこと自体上から目線であるのだが、そのロシアの非を徹底的に攻撃することが、今必要なのだ。
ウクライナの歴史、ソ連やロシアによって収奪され、抑圧された歴史がある。やっと大国ロシアの軛から離れて独り立ちしようとしていたとき、今回の侵攻が起きた。
ロシアを免罪してはならない。ロシアは悪者なのだ。そしてもちろん、そのロシア=ロシア人ではない。私がいうロシアとは、プーチンをリーダーとするロシア国家である。
今、そのロシアが、殺戮と破壊を恣にしている。そのロシアに少しの正当性はあるのか。まったくない!のだ。