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浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

本の処分

2016-12-28 23:00:40 | その他
 今まで買いためてきた本の処分をすすめている。紙袋に入れて、廃品回収用のボックスに投げ入れているのだが、昨日は3袋、今日も3袋。

 もう読まないだろうなあと思う本を惜しげもなく捨てる。

 のこされた時間はあまり多くはないだろうから、それに新しい本も次々と届けられるから、とにかく捨てていかないと整理もできないし、置くスペースもない。

 この本欲しい?と尋ねれば、欲しいと応える人もいるだろうが、待つ時間はない。

 とりあえず、雑誌は思い切って捨てている。それと古い本で、研究史的には不要だと思われるもの。

【本】岡田尊司『マインド・コントロール』(文春新書)

2016-12-28 12:47:03 | その他
 マインド・コントロ-ルという言葉は、オウム真理教の問題が大々的に報じられてきたとき、ある種の流行語となっていた。しかしそれ以降、あまりみかける言葉ではなくなった。

 『中日新聞』の書評欄に本書が紹介されていたことがあり購入してあったのだが、やっと読んだ次第である。マインド・コントロールは、カルト教団特有の言葉ではなく、日常生活と密接に結びついていることがよくわかった。

 マインド・コントロールされる人は依存性が強い人であるとのこと、しかしそういう人はそこいらにたくさんいる。だから、政治の世界でもその影響が露出することがある。ナチズムに熱狂したドイツ国民が、それである。本書にもしばしばそれに言及がある。

 未来に希望が見いだせないとき、「強い確信を持って希望を約束する救い主が放つ魅力に、知識人さえも容易に欺かれ、自分から進んでマインド・コントロールされてしまう」(212)である。

 「多くの人が、強い確信を持って希望を約束されると、その言葉を信じてしまう。なぜなら、多くの人は、現実の世界では満たされない願望やフラストレーションや不安を抱え、希望や救いを求めているからだ」(213)

 確かに、知性も品性もない、あたかも確信を持っているようにみえる輩が、「アベノミクスで・・・・」などと言われると、信じてしまうのだろう。その輩をみていると、「傲慢なまでの自信と揺るぎない確信」(56)をみてしまう。しかしこの説明は、オウム真理教のあのグルについての説明である。日本国民は、あたかもそのグルに付き従う信者のようだ。

 「自信たっぷりに語る人に、日本人は騙されやすいのだ」(149)。

 未来への不安を抱く人が多い日本、その時代にあの輩の支持率が高い。私は、その輩の周囲に、マーケティングの達人や、こうしたマインド・コントロールについて詳しい人がいるのではないかと疑っている。

 あの輩は、今ハワイである。メディアは大々的に、彼の姿を流す。アメリカ大統領と一緒にいるところをみせつける。日本人の支持は高まる。

 あの輩に勝手なことをさせないために、カウンター勢力は、不安を抱く一般庶民に届く声をつくらなければならないのである。

 なお本書は、いろいろな点で勉強になる。




消えゆく東芝?

2016-12-28 09:39:12 | その他
 東芝の家電製品がわが家にもあるが、そうした分野は東芝から離れ、東芝は原子力発電を中心事業としていくとしているようだが、その原発建設がつまづいている。このままだと、東芝は遅かれ早かれ経営危機に陥るだろう。不正会計など腐敗した経営陣が間違った選択をした結果である。

 原発は、採算が合わないがゆえに、もう海外では「時代遅れ」のプラントである。東芝は、日本の財界でも大きな顔をしてきたが、終わりの始まりが来ているような気がする。


 『東京新聞』の記事(一部)

東芝、数千億円損失か 米原発事業で巨額赤字
2016年12月28日 朝刊

 経営再建中の東芝は二十七日、米国の原発事業を巡り最大で数千億円規模の損失が生じる可能性があると発表した。米原発事業で巨額損失を計上するのは二年連続。東芝は不正会計問題に伴う巨額の赤字計上で財務基盤が弱っており、資本増強を含めた経営の抜本的な見直しを迫られそうだ。


 損失が発生するのは、子会社の米原発メーカー、ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)が昨年十二月に買収した米原発建設会社「CB&Iストーン・アンド・ウェブスター(S&W)」。米国で建設中の原発四基のコストが想定より膨らんだことが影響した。東芝は損失額の確定を急ぎ、二〇一六年四~十二月期連結決算に反映させる。


 東芝の綱川智社長は記者会見で「責任は痛感している。処理に真摯(しんし)にあたることに集中したい」と謝罪し、原発事業に関しては「将来は事業の位置付けを見直す可能性はある」と述べた。同席した経営幹部は「米国で建設を進めている原発の費用が、想定より大きい」と損失を計上する理由を説明した。


 東芝は経営再建策として原子力事業を収益の柱としているが、一六年三月期に米原発事業の資産価値の低下で二千四百七十六億円の減損処理を実施。これらを含め、連結純損益は過去最悪の四千六百億円の赤字に陥った。