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浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

叱る

2016-12-23 21:12:49 | その他
 今日の『中日新聞』は、来年度予算の報道・解説に大きなスペースを費やしている。安倍政権のもとで、軍拡そして福祉の後退などが継続的に行われている。これは予想されていたことである。

 品性も知性もない人物が首相となり、明らかに先日の日露交渉が何も獲得しなかったのに、あたかも成功であるかのように語る安倍は、いったいいかなる人物なのか、と思う。

 今までの人生の中で、明らかにあらゆる点で劣っているにもかかわらず、驚くべき自信を示す人物に会ったことがある。安倍はそういう人物のような気がする。ある意味で、宗教創始者ではないか。あのオームの創始者のような。

 そういう輩が、国家財政を決めている。何とかならないのかと思っても、何もできない。無力感が先に立つ。

 昨日、竹久夢二について書いたら、町田の住人から、夢二を評価するなんて理解できない、というメールが来た。

 しかし、人間は多面的である。私は今、音楽を聴きながらこれを書いている。リチャード・クレーダーマン、おそらく町田の住人は知らないだろうが、彼の叙情的な美しいピアノが流れている。

 先ほどまでは、今日届いた『竹久夢二詩画集』(岩波文庫)をさらさらと眺めていた。

 いざよいの晩、
 私は泣きながら生れた。
 その時、みんなは笑つた。

 死ぬ時には、
 私笑つてゐ
 たいとおもふ。

 そして、みんなを
 泣かせてやりたい。



 こういう詩に、うーんと唸り、

 「花のゆくえ」にもすばらしいと感動している自分がいる。

 ほろり ほろり と、花がちる。
 花にゆくえを聞いたらば。
 空へ舞ふのは、蝶になる。
 海へ落ちれば桜貝。
 花はのどかに笑ふてる。
 ほろり ほろり と、花がちる。


 こういう詩をよむと、夢二の背後には、孤独がまとわりついている感じがする。

 人間は、そう、孤独だ。ひとりで生まれ、ひとりで苦しみ、ひとりで死んでいく。だから生きているあいだ、ひとりを意識しないでいられるときが必要だ。そこにもうひとりがひつようだ。それが愛かもしれない。

 こんなふうに想念を重ねていくと、ふと、今日の新聞記事のことが思い出される。

 現実をどうするんだ!と、叱る声がする。

 町田の住人からの、罵声が聞こえてくる。

 しかし・・・いいものはいいのだ。