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浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

ポツダム宣言を知らない首相

2015-05-23 22:37:53 | 政治
 『日刊ゲンダイ』の記事。重要だ。首相を始め、かくも政治家が劣化しているという証拠。歴史も何も知らない、妄想に生きる。そういう首相が戦争に参加したがっていると言うことだ。

「ポツダム宣言読んでいない」安倍首相に憲法学者が怒りの声

2015年5月22日

世界中がアングリしたに違いない。20日の党首討論で「ポツダム宣言を読んでいない」と言い放った安倍首相。ライフワークのように「憲法改正」を唱えながら、憲法学の大家である芦部信喜氏を知らないなど、これまでも政治家としての資質に「失格」の烙印が押される言動は多々あったが、今回ばかりは驚天動地の発言だ。

「私はまだ、つまびらかに読んでいない。論評は差し控えたい」

 共産党の志位和夫委員長から「ポツダム宣言」の認識を問われ、こう答えた安倍首相。「つまびらかに」なんてモゴモゴ言っていたが、ゴマカシていたのは明らかだ。

「ポツダム宣言」は45年7月に米英中が大日本帝国に対して発した降伏勧告で、軍国主義を民主主義に改めるよう求めた。日本は8月15日にこの宣言を受諾。方針を具現化するために作られたのが日本国憲法だ。言葉や経緯は中高生でも知っている。

そもそも安倍首相の持論は「戦後レジームからの脱却」だ。その戦後体制が始まったのが「ポツダム宣言」であり、「脱却」を主張するなら、「つまびらか」に知っているのは当然だろう。さらに言えば、終戦直前に当時の鈴木貫太郎首相は会見で「ポツダム宣言」について「黙殺して断固戦争完遂に邁進」と発言したため、米国が激怒。広島・長崎の原爆投下を決断するきっかけになったとも指摘されている。

 安倍首相の「読んでいない」という発言は、この鈴木元首相の「黙殺」に並ぶ失言だ。仮にドイツのメルケル首相が「ベルリン宣言」を「読んでない」と国会で発言したら、たちまち世界から総スカンを食らうのは間違いない。安倍首相の発言は、それぐらい非常識なのである。

 九大名誉教授の斎藤文男氏(憲法)が言う。

「『ポツダム宣言』は戦後の民主化、非軍事化を進めた世界秩序であり、民主主義国家となった日本の出発点です。政治家として(経緯や詳細を)知っているのは当たり前で、『読んでいない』というのが本当なら『政治家になるな』と言いたい。それに安倍首相は『戦後レジームからの脱却』を叫び、ポツダム宣言以降の体制を否定しているのだから、国会で堂々と論戦すればいい。ノラリクラリはぐらかすなんて許されないし、国会軽視も甚だしい。そんな政治家が自衛隊を世界中に派遣し、戦争に加担させる安保政策の大転換法案を国会に提出している。まったく許せません」

 その通りだ。結局、安倍首相は国民のためでも、深い政治信条があって動いているワケでもない。「憲法改正」も「(先の大戦は)侵略戦争ではなかった」という主張も、祖父の故・岸信介元首相の“遺言”を実践しているだけ。A級戦犯の亡霊首相の妄言に、今も付き合わされる国民は、つくづく不幸である。

参戦で「リスクは増大しない」?

2015-05-23 10:17:45 | その他
 今国会に提出された「参戦草案」。アメリカなどとともに、アフガンやイラクのような戦場での戦闘行動を「合法化」(憲法違反である!)するものだ。アフガンやイラクでは、参戦した国々の兵士がたくさん死傷している。
 しかし、防衛大臣はこういう。『東京新聞』記事。

自衛隊員のリスク「増大することない」 安保法案で防衛相
2015年5月22日 夕刊
 中谷元・防衛相は二十二日午前の記者会見で、他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を含む安全保障関連法案が成立した場合、自衛隊員のリスクが高まるとの懸念について「増大することはない」と明言した。野党側はリスクが高まることを認めるよう求めており、国会審議では、海外での活動範囲拡大に伴う自衛隊員の危険性が大きな焦点となりそうだ。
 中谷氏は、発言の根拠について、活動地域の安全を事前に確認した上で派遣するなど、危険を回避する措置を法案で講じていると説明。「日米同盟の抑止力は確実に高まる。法整備によって得られる効果は、残るリスクよりもはるかに大きい。抑止力で隊員の安全性も高まる」と主張した。


 「参戦法案」は、他国で武力行使を「合法化」する。自衛隊は、「他国」で戦闘行動に従事するのだ。以下は『朝日新聞』記事。
 
他国で武力「許されないわけではない」 防衛相再び言及
2015年5月22日15時45分
 中谷元・防衛相は22日の閣議後の記者会見で、新たな安全保障法制によって集団的自衛権の行使が可能になることについて、「他国領域での武力活動が新3要件に該当するならば、憲法上許されないわけではない」と述べ、「国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険」があるなど武力行使の「新3要件」に当てはまれば、他国の領土、領海、領空でも武力行使ができるとの認識を改めて示した。


 これについては、菅官房長官も言っている。TBSの報道。

 菅官房長官は、新たな安全保障法制に関連し、集団的自衛権を行使する場合の条件となる「新3要件」を満たせば、他国の領域で武力行動をとることも憲法上の理論としては許されないわけではないという考えを示しました。

 「政府はですね、武力行使の目的をもって武装した部隊を他国の領域へ派遣するいわゆる海外派兵は、一般に自衛のための必要最小限度を超えるものであって、憲法上許されない、このように政府は理解をしています。その上で、他国の領域における武力行動であって、新3要件に該当するものがあるとすれば、憲法上の理論としては、そのような行動をとることが許されないわけではない」(菅義偉官房長官)


 海外での武力行使により、自衛隊員は大きなリスクを背負う。これに賛成する議員諸氏は、絶対にそういう危険なところには行かない。




議員の質

2015-05-23 08:30:52 | 政治
 もちろんすべてではないが、国会議員、地方議員を含めて質が悪いこと、悪いこと。

 浜松市でも、議会での質問を市の職員に作成を依頼する議員がいる。議員には大量の資料が配付される。なかには分厚いものもある。すべてに目を通して点検し問題を剔出することはなかなかたいへんである。

 知り合いの議員から頼まれてここ10年以上そうした作業をこなしてきたが、もちろん資料を見ただけではなかなかほんとうのところはわからない。他市の例を調べたり、文献を読んだりしていかないと隠れている問題をオモテに出すことは難しい。

 だがそうした作業をしている議員は、まことに少ない。市政調査費など、歳費以外の金員が議員には渡されるのであるから、こうした作業を怠るべきではないのだが・・多くの議員は、こうしたカネを「視察」と称する海外・国内旅行で費消している。

 さてこうした議員だけではなく、反社会的あるいは非社会的なことを行う者もいる。

 『毎日新聞』配信。

<パワハラ慰謝料など>衆院議員の事務所スタッフ女性が提訴

05月22日 21:49毎日新聞

 ◇未払い残業代含め2300万円支払い求めて大阪地裁に

 維新の党の足立康史衆院議員(49)=比例近畿ブロック=の事務所スタッフだった40代女性が22日、足立議員に対し、未払いの残業代とパワハラへの慰謝料として計約2300万円を支払うよう求め、大阪地裁に提訴した。

 訴えによると、女性は2013年1月~昨年12月、大阪府茨木市の事務所で常駐スタッフとして勤務。電話応対や会合への代理出席などの業務にあたっていた。2年間の残業が深夜や休日の勤務などで計約3700時間に達したが、残業代は一切支払われなかったと主張。割増賃金を払うとした足立議員との労働契約書に基づき、支払いを求めた。

 また女性は、足立議員から椅子を蹴られたり、「殺すぞ」などの暴言を浴びせられたりといったパワハラも受けたと主張している。

 足立議員は12年12月の衆院選で初当選。今年3月の衆院厚生労働委員会では、女性から残業代を請求されたことを明かし、「政治家の事務所が残業代を労働基準法に沿って払える態勢か」などと述べた。提訴を受け、足立議員は「訴状を見て真摯(しんし)に対応する」とのコメントを出した。【堀江拓哉】