hakuunの未来ノート

将来のため、人生やビジネスに関して、考えたこと、感じたことを綴ります。

短期的な視点&長期的な視点

2013-01-08 | 企業経営

新聞の切り抜きをたまに行う。
分野は様々であるが、企業経営や人財育成などが多い。

本日は、日経新聞から、三つの記事を切り抜いた。
一つ目は、「経営書を読む」コーナーから「戦略の不全の論理(三品和広著)」
二つ目は、「大機小機」コーナーから「短期か長期か」
三つ目は、「一目均衡」コーナーから「トンネルの先への視線」

この三つ、当然それぞれ独立しており、書いている人も違う。
「戦略の不全の論理(三品和広著)」はビジネス書関係から。
「短期か長期か」は、マーケット分野から。
「トンネルの先への視線」は、投資・財務関係から。
しかし、私には同じように見えた。


●事業全体を語れる事業部長は?

「戦略の不全の論理(三品和広著)」によると、
『社長の在任期間が短く、戦略の最低スパンに届かない』とある。
つまり、『長期収益の水準を決める戦略スケール、戦略課題に対するメスの入り方の深さは経営者の任期に大きく依存する』

以前ブログでも書いたが、創業者とサラリーマン社長の宿命かもしれない。
サラリーマン社長は、目の前の利益を上げる必要があり、今の時代、それだけで必死だと思う。
その点、創業者や長期政権にある経営者は、自分の代で終わらせるのではなく、次の世代にどのように引き継ぐか。
これも大きな経営課題としてとらえている。そのために長期的ビジョンを考え、人財育成に努めている。

さらに、おもしろい(?)データ分析を行っている。
電機・精密機器企業の事業部長30人に対象とした調査がある。
『事業全体がどういう姿になれば、高い長期収益が得られるか?』
と言う質問に対して、具体的に語れる事業部長は30人中4人だけ、ということであった。
自分の事業分野、つまり部分最適は語ることができるが、全体最適を語ることができない、ということだろうか。
このような状態であれば、当然今のような厳しい時代に生き抜くことは厳しいだろう。


●トンネルの先への視線とは?

この記事では、堀場製作所の堀場社長と、ブリジストンの荒川会長に焦点を当てている。
両者は、「企業にとってトンネルを抜けた世界はどのように変わっているか?」と言う課題を正面から捉え、企業として対応している。

歴史的に見ても、大不況は人々の思考や価値観を変えている。
「トンネルの先の世界をどのようにとらえるか」
「いや、トンネルの先の世界を捉えることができるか」
益々、経営者の手腕がものを言う時代になってくる。
記事は、現在の東京株式市場の値上がりについいて
『ほっとして改革の手を緩める経営者と、トンネルの向こうにある様変わりの世界に目を向ける経営者。遠からず株価にも差が出始める』

やはり、経営者が足元の問題点を確実に処理しながら、どれだけ長期視点に立てるか、が鍵であろう。


●短期か長期か

この記事は、『日本国の経済運営』について書かれている。
『短期的な視野で問題を解決すると、長期的な問題を大きくすることがある』

政治の世界の話になるが、課題点として三つ上げられている。
一つ目は、「財政運営」
二つ目は、「金融政策」
三つ目は、「TPP問題」

連日、TVや新聞に取り上げられている課題である。
例えば、「財政運営」では、大型補正予算や公共投資は、短期的に見ると景気は良くなる。一方で長期的に見れば、財政破綻に近づくだけである。
「金融政策」では、短期的には市場の活性化が可能だが、長期的には日銀の信頼性が損なわれ、安易に国債を買い続けると、デフレからの脱却を通り過ぎてインフレになる恐れがある。
「TPP問題」では、短期的には今まで過保護であった農業部門に大打撃を与えるが、長期的には市場を開くことで日本の農業を強くする。

さらに、選挙では国民受けを狙い、票が集まりやすい短期的な政策運営になりがちである、とも述べている。


●これからの課題

TVや新聞を見る際、議論されているテーマは、
「短期的な課題か、長期的な課題か」を見極める必要がある。
これが混在すると、解決する糸口を探すことができなくなる。
同様に、企業経営でも同じと思う。
「短期的課題、長期的課題」を見極めることができる「短期的視点、長期的視点」の両方を持ち合わせる必要がある。

これから出会う経営者は、
「どのような視点で考えているか」
を考えることも必要である。


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