hakuunの未来ノート

将来のため、人生やビジネスに関して、考えたこと、感じたことを綴ります。

経営理念とは

2012-10-15 | 企業経営
●樹木の栄養素とは

今、「経営理念」について、勉強している。
最近、「『経営理念』とは何か」、よく考えるテーマである。
企業を「樹木」に例えるなら、私が思う「経営理念」とは、「水や栄養素」と考えている。

私が考える樹木は、根が「人材」、幹が「組織」、枝が「顧客」そして花が「収益」である。通常、樹木はそのままでは生きていけないし、成長もしない。
根に水や栄養素がいかないと、次第に樹木は枯れてしまう。
一方、雨が降り地下に浸み込むことで、「水分が栄養素」として、根にとどく。
その結果、幹も太くなり、枝ものび、花も咲く。
そこで、樹木を大きくして花を咲かせる、この栄養素を「企業理念」と考えている。



●中堅ゼネコンの企業理念

中堅ゼネコンの定性的分析を行っている。
どのように行えば、「成果」がでるか、考えてみた。
例えば、「このような考え方により、数値的結果とリンクしている」ということができれば、一つのレポートとして書くことができると考えた。
そこで、最初に浮かんだのが、『決算短信』である。
この『決算短信』は、年度末にでる各社の通信簿である。
今では、四半期ごとにも発表されている。
メインは、財務上のものであり、ほとんどが定量的なものである。
よく見ると、定性的な事柄も書かれており、「定量的なもの」と「定性的なもの」のクロス分析ができないか、と考え始めた。


●決算短信の書式

Wikipediaから「決算短信の書式」を引用する。

1.経営成績

1.経営成績に関する分析
2.財政状態に関する分析
3.利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当
4.事業等のリスク(ただし、マザーズ上場会社は必須)
5.継続企業の前提に関する重要事象等

2.企業集団の状況

3.経営方針

1.会社の経営の基本方針
2.目標とする経営指標
3.中長期的な会社の経営戦略
4.会社の対処すべき課題
5.その他、会社の経営上重要な事項

4.連結財務諸表

1.連結貸借対照表
2.連結損益計算書
3.連結株主資本等変動計算書
4.連結キャッシュ・フロー計算書
5.継続企業の前提に関する注記
6.連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項
7.連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更
8.連結財務諸表に関する注記事項

5.個別財務諸表

1.貸借対照表
2.損益計算書
3.株主資本等変動計算書
4.継続企業の前提に関する注記
5.重要な会計方針
6.重要な会計方針の変更
7.個別財務諸表に関する注記事項
6.その他
(一部省略)

以上、基本はこのような形式になっており、一部においては省略可能となっている。


●決算短信から見える定性的なもの

3.経営方針

1.会社の経営の基本方針
2.目標とする経営指標
3.中長期的な会社の経営戦略
4.会社の対処すべき課題
5.その他、会社の経営上重要な事項

この欄、ほとんどが文章である。
経営方針であるから、企業の経営に対する考え方が記載されている。
各企業の経営理念をはじめ、行動指針、戦略、課題が書かれている。
さらっと流している企業もあれば、丁寧に細かく記載している企業もある。

文字数で比較するのもナンセンスではあるが、
最小は257文字。
最大は2152文字。
8.4倍の差がある。
当然、文字数が多ければ良いというわけではない。
中身で勝負することはわかっている。
だが、この文字数をみるだけでも、どれだけ顧客や投資家に対して情報開示しているかがわかる。

つまり、その企業の顧客や投資家に対する姿勢がわかるということだ。

多くの顧客や投資家は、詳細の情報を望んでいる。
自分の大切なお金を投資するのであるから、相手の素性を知りたいと思うのは当然である。
であるならば、企業も顧客の視点にたてば、数値的結果とともに定性的な情報を開示すべきであろう。

ここで、再度、経営理念について考えてみる。


●経営理念とは

企業理念とは、事業経営に行うにあたって、
「経営の基本的なあり方を表明したもの」である。
「企業の目的は何か」
「何のために経営を行うのか」
「どのような会社を目指すのか」
などを述べたものである。

経営理念は、企業の憲法として、
「全ての意思決定の拠り所」「全ての活動の拠り所」となる。


●経営理念の意義

経営者の「社会に対する責任」と「社員に対する責任」を明らかにするものである。

○企業の社会的責任を明らかにする

経営理念の第一の役割は、「自社の社会における存在意義を明らかにすること」である。
我社はどのような事業で、どのように社会に貢献しようとしているか、を明確にすることである。
企業が世の中に存在するには、「何らかの価値がある」からである。
経営理念は、このことを明らかにして、自ら宣言する、ことである。
すなわち、「社会に対しる経営者の公約」と言える。

○経営者と社員との共通の土俵作り

経営者と社員では、立場が決定的に異なる。
一方は、雇い主であり、他方は、被雇用者である。この立場の異なる両者が、会社という組織の中で一致して働くためには、「共通の土俵」が必要である。
この役割を果たすのが、「経営理念」である。
「経営理念」を設定し、社員と共有すること。
ここから、経営者はリーダーシップを発揮することができるようになる。

続く。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。