hakuunの未来ノート

将来のため、人生やビジネスに関して、考えたこと、感じたことを綴ります。

人を動かす その9 心からほめる

2012-06-21 | スキルアップ
本日は、
D・カーネギー著
『人を動かす(創元社)、
Part2 人に好かれる六原則 
09 心からほめる』から引用する。

●美人をほめる方法とは?

『他人を喜ばせたり、ほめたりしたからには、私が望んでいたのは、金では買えないものだ。
そして、たしかにそれを手に入れた。相手のためにつくしてやり、しかも相手には何の負担もかけなかったというすがすがしい気持ちが、それだ。こういう気持ちは、いつまでも楽しい思い出となって残るものである。』

『人間の行為に関して、重要な法則がひとつある。この法則にしたがえば、たいていの紛争は避けられる。これを守りさえすれば、友は限りなくふえ、常に幸福が味わえる。だが、この法則を破ったとなると、たちまち、はてしない紛争に巻き込まれる。
この法則とは、「常に相手に重要感を持たせること」である。』

「ほめる」のもスキルだと思う。
「ほめる」ことは誰にでも、できることだが、相手が喜ぶかどうかは別問題である。
「何をほめるか」「どのようにほめるか」によって、相手の反応は異なる。
たとえば、美人に向かって「きれい髪ですね」と言ったとしよう。
髪を人並み以上に大切にしている人であれば、「ありがとうございます」と返事し喜ぶであろう。
さらに、髪の手入れの仕方や髪へのこだわりについて質問すれば、彼女は喜んで応えてくれるだろう。
その結果、貴方を「良い人のグループ」に入れることだろう。
ただ、このように、「髪がきれいだね」というよいうなほめ方は、他の人も使っている。
そのため、そのような人たちは、「良い人のグループ」に属するが、「特別な良い人」にはなりきれないと思う。

では、どうすれば、「特別な良い人」になることができるであろうか。
一方で、相手が気づかない点をほめたらどうであろうか。
たとえば、提出書類を見て、
「よく短期間にこれだけの報告書をつくったものだ。すばらしい報告書だ。感謝すよ。」
ほめたら、どうであろうか。
おそらく、彼女は、提出書類をつくるのに、様々な文献を調べ、ヒアリング調査を行い、もしかしたら徹夜していたのかもしれない。
このように相手が努力した点をほめたらどうであろうか?
自分の努力を認めてくれる相手には、好ましく感じるだろう。

さらに、「このクロス分析から、このような結果を導き出した論理構成がすばらしい」と、ほめたらどうであろうか。
相手も気づいていない点をほめることができたら、相手はどのような反応をするだろうか。
まずは、「ええっ!」びっくりし、その後心から喜ぶだろう。
その結果、尊敬の念を持って、あなたを見ることになるだろう。
今まで、自分でも気づいていない点を、認めて言ってくれということは、至上の喜びである。
そうすれば、あなたは、彼女にとって「特別な良い人」になるだろう。


●どこをほめたらよいのか?

私の部下にA君がいる。いつも身なりはすっきりし、好青年である。
彼は、IT技術者として、社内でも一目置かれている人物である。
他部門からも信頼され、相談者が日参する。
彼は、いやな顔一つせず、真摯に相談にのり、相手が望む結果をだしている。
また、管理職として、部下の面倒見もよく、適切な指導をしている。
その仕事ぶりには、非の打ちどころがなく、上司として嬉しい限りである。

では、このような彼について、どこをほめたらいいのだろうか?
日常の仕事ぶりについて、ほめるのは当然である。
毎回、同じよう点をほめても、喜ぶかもしれないが、内心はどうかわからない。
「ほめる点」を探すのも意外と難しい。
よく観察して、相手が気づいていない点をどうやって見つけるか?

この力は、観察力であり、まさに「スキル」である。
最初は見えないかもしれないが、日々繰り返し、観察することで、見えないものが見えてくるようになる。また、気づくようになってくる。

A君の仕事を見ていると、データをチェックする際、毎回、非常に集中すている。
その行為をほめることも良いが、単純すぎる。
さらに彼の行動を見ていると、整理整頓もいきとどいている。
たとえば、テプラーの電源コードをしまう際、きちんと巻かれており、毎回感心していた。
そこで、今回、この「テプラーの電源コード」と「データのチェック方法」をからめて、ほめた。
さらに、「このような性格で生んでくれた両親に感謝した方がよいよ」と言ったところ、彼は「ニコッ」と笑い、「そうですか?」と、その顔には嬉しさを表していた。

これは一例かもしれないが、だれにでもほめる点はある。
相手が特に気を使っている点は、ほめる価値がある。
さらに、相手が気づいていない点が必ずあるので、そこを心からほめることで、より良い信頼関係を気づくことができる。


●歴史が語る「人間関係の法則」とは?

『「人間関係の法則」について、哲学者は数千年にわたって思索をつづけてきた。そして、その思索のなかから、ただひとつの重要な教訓が生まれてきたのである。それは決して目あたらしい教訓ではない。人間の歴史と同じだけ古い。三千年前のペルシアで、ゾロアスターはこの教訓を拝火教徒に伝えた。二千四百年前の中国では、孔子がそれを説いた。道教の教祖、老子もそれを弟子たちに教えた。キリストより五百年早く、釈迦は聖なる川ガンジスのほとりで、これを説いた。それより千年前に、ヒンズー教の聖典に、これが書かれている。キリストは千九百年前にユダヤの岩山で、この教えを説いた。

キリストはそれを次のような言葉で説いている。
「すべての人にせられんと思うことは、人にもまたそのごとくせよ」』

すごい話である。
ゾロアスター、孔子、老子、釈迦、キリストは、歴史上の賢人たちである。
この賢人たちは、時代も場所も異なるが、同じ教えを説いている。
ただただ驚くだけである。
二千年前、三千年前の話である。
電話もインターネットは当然、文字さえ、わからない時代である。
しかし、賢人たちが、同じテーマで、悩み悟りを開いたという事実は残っている。
この悟りは、まさに人間の真理をついているものである。

しかし、現代においても、この悟りを理解せず、「人間関係」がギクシャクしている例が数限りなくある。
新聞を見れば、「自分のエゴ」を守ろうとして、トラブルが生まれている。
政治の世界でも、外交の世界でも、しかりである。
世界中の人々が、「人間関係の法則」を用いて、「すべての人にせられんと思うことは、人にもまたそのごとくせよ」を実施すれば、戦争はなくなり、貧困も消えると思う。

●あの黄金律にしたがおう!

『人間は、だれでも周囲のものに認めてもらいたいと願っている。自分の真価を認めてほしいのだ。小さいながらも、自分の世界では自分が重要な存在だと感じたいのだ。見えすいたお世辞は聞きたくないが、心からの賞賛はには飢えているのだ。自分の周囲のものから、“心から認め、惜しみなくほめ”られたいと、わたくしたちは、みなそう思っているのだ。
それゆえ、あの“黄金律”にしたがって、人にしてもらいたいことを、人にしてやろうではないか。』

この記事を引用していて、昔のことを思い出した。
学生時代、スキー場で、小学生の男の子から雪をぶつけられたことがある。
どのようなやり取りかは、覚えていないが、その子を無視したことだけは覚えている。
おそらく、私は彼を無視して、彼の存在を認めなかったのだと思う。
そのことが、彼の心に伝わり、怒りの表現として、私に雪をぶつけたのだと思う。
今思えば、悪いことをしたと思う。自分の未熟さを考えると恥ずかしい限りである。

子供でも、自分の世界では、自分が重要な存在だと感じたいのだ。
まして、大人はなおさらである。

今では、心して、あの“黄金律”にしたがって、人にしてもらいたいことを、人にしてやろう、と思う次第である。


●結論

『人に好かれる原則6』

『重要感を与える。誠意をこめて、心からほめる。』

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