hakuunの未来ノート

将来のため、人生やビジネスに関して、考えたこと、感じたことを綴ります。

オンリーワン企業のつくり方

2012-06-08 | 企業経営

●一枚の新聞記事

ここに新聞記事のコピーが一枚ある。

2012年1月30日付けのコピーである。
ハードロオック工業社長、若林克彦さん。
タイトルは、『アイデアは人を幸せに』である。
これは、日本経済新聞の夕刊に掲載されている「人間発見」の記事である。

今までも興味ある新聞記事は、切り抜きを行い、線などを引いていた。
切り抜きはするが、そのまま袋に入れたりして、時間が過ぎると捨てるだけであった。
だが、『アイデアは人を幸せに』の記事は捨てることができずに、一枚だけが机の中にしまっていた。

従来「人間発見」は月曜日から金曜日の5回に分けて掲載される。
ということは、私の手元にあるのは、月曜日の記事だけであり、火曜日から金曜日までの4回分は手元にない。
そこで、先日、図書館に行き、残りの4回分をコピーしてきた次第である。
今までなら、このように新聞記事を探しに、わざわざ図書館に行くようなことはしなかった。

今は、少し違う。
人生に役立つと思うようなことに対しては、貪欲さが出てきた。
若い時は、どちらかというと物事に対して無頓着で、好奇心は弱い方であった。
しかし、今は少し違う。
このようなことは、ブログを書きだしてからは、その傾向が強くなってきた。
ブログのテーマ探しには神経を使い、使えそうな新聞記事などには、敏感になってきた。
好奇心というアンテナが少しずつではあるが、成長してきたと思う。

●ハードロックという会社

ハードロックは、「ボルト・ナット」の「ナット」をつくる会社である。
この「ナット」は、新幹線、瀬戸大橋、羽田空港、台湾新幹線、英国鉄道でも採用されている。
通常、ボルト・ナットは振動に弱く、時間が経つにつれて「緩み」が生じる。
神社を散歩しているときに、鳥居のクサビを見て、ヒントを得たという。
そこで、ハードロックのナットは、ヒントからその弱点を克服して、緩まないナットを発明した。
最近では、東京スカイツリーにも採用された。
今後、航空業界への進出に力を入れており、すでにボーイング社と協議を始めており、欧州の航空機メーカーのエアーバスや三菱重工業にも売り込む予定である、とのことである。

ハードロックという会社は、簡単にいえば、『ナット』一つで、オンリーワン企業になった会社である。

●若林社長という人物

若林社長を一言でいえば、「好奇心の固まり」である。
淡白な私と正反対である。
彼は、小さい時からモノづくりが好きで、アイデアマンである。
小学生の時、疎開先で、農家の人々が腰を屈めて、手で種をまいている姿を見て、工夫して歩きながら種まきができる「種まき機」をつくった。
そのことで、農家の人々から「ありがとう」と言われたことがとてもうれしく覚えている、と言っている。

その後、様々な発明を行い、『アイデアに人生をかけよう』と決心する。


●オンリーワン企業の秘訣

オンリーワン企業の秘訣と思われることを、新聞記事から引用する。

・アイデアに気づく機会は平等である。
・この世に完全な製品などはない。不完全な部分を改良することで新たな需要を生み出す。
・中小企業こそ、独自の技術力と営業力を強化すべきである。
・中小企業は、地道に製品を売りこむ過程で、顧客が何を求めているかを知り、それが新たなアイデアを生む力となる。
・中小企業が自立するには、オンリーワン製品を武器に、独自の販売先を開拓する必要がある。
・大企業にしたいとは思わない。小回りが利かなくなると、外部の変化への対応が遅れ、企業としては致命傷になりかねない。
・中小企業の財産はアイデアである。それを生み出すには、「よい心の状態」を維持することが大切である。
・「よい心の状態」とは「SUJ」。S=素直、U=受け入れる(他人の言うことを聞く)、J=実行する、の3点が大切である。
・世界で通用するオンリーワン商品を生み出す秘訣は、アイデアをすぐに形にする習慣を身につけることである。
・すべてのものに好奇心を持ち、見て、触れて、感じることである。
・世の中の商品は、すべて未完だとみなし、どうすればもっと便利になるかを模索することである。
・すべてのものは組み合わせで成り立つと考えることである。
・経営理念は、「たらいの水の原理」である。お客様や社会が喜ぶ努力をすればするほど、自分に利益が返ってくる。

●異業種に学ぶ

ハードロック社は、ナットの製造会社である。
この、ノウハウをどのようにとらえるかが、課題である。
他業種だから使えない、と考えるか、他業種のノウハウを自分の会社や自分の業界に展開するにはどのようにすればよいのか、と考えるかにより、結果は大きく違う。

さらに、これらのノウハウは、スキルである。
ノウハウを知っているだけでは、何も知らないのと同じである。
であるならば、後はどれだけ、実直に実行できるかである。

このことは、企業経営者はもちろんのこと、スポーツ選手も、講演講師も学ぶ点がある多いと思う。


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