はるのほっぺ

備忘録です。仕事柄、政治の話題が中心です。

二度目の東京五輪は政治課題なのか

2006年08月31日 | 政治

 昨日、石原慎太郎・東京都知事が首相官邸に安倍晋三官房長官を訪ねました。読売新聞<石原都知事、五輪立候補決定を安倍氏に報告・協力要請>を参考にすると、会談には石原伸晃・自民党都連会長と都議会オリンピック招致議連の山崎孝明会長も同席したようです。オヤジの威光を借りて倅の伸晃がお土産を持参したと見てしまうのはちょっとへそ曲がりでしょうか。
 確かに東京になろうが福岡市になろうが、本気で夏季五輪を日本へ誘致するのは世界各国の立候補都市に勝たなければいけませんから、国家的なプロジェクトとして推進しなければいけません。たまたま東京でしたが、福岡になっても首相官邸への要請は行われていたのでしょうが、安倍晋三を中心にみると石原都知事が行ったことの方が絵になったのは事実です。
 小泉首相はどう考えているのでしょうか。日経の首相動静・首相Q&A (31日)から五輪関係の小泉首相のコメントを抜粋してみます。
(抜粋始め)
「これからだから。日本で決まっても世界のどの国が立候補するか分からないけれども、そこでの競争もあるだろう。日本に決まればいいんだけれども」
「決まれば支援するけれども北京の次はロンドン、その次でしょう。競争にまず勝たなきゃいけない。それからだ」
(抜粋終わり)

 石原都知事の表情からすると、東京開催に意欲満々といった感じですが、実際にはまだまだ高いハードルが沢山あります。その点、小泉首相の感想が率直なところでしょう。
 2016年夏季五輪大会には、マドリードやローマのほか、南米大陸での初開催を目指すブラジル・リオデジャネイロ、米国の3都市も関心を示しているとのこと。開催地は09年10月にコペンハーゲンで開かれる国際オリンピック委員会(IOC)総会で決定するのですから、これから約3年に渡り相当な資金と政治力を注がなければいけません。
 オリンピックの課題の一つが、ビジネスとして成立するのかどうかと言われています。そのためには、世界各国から人が集まれる場所、集まっても安全な場所であるかが大切です。こうした条件を考えれば東京も可能性があります。
 しかし、二度目の東京五輪はまだまだ当面の政治課題とは思えません。憲法改正、教育基本法改正、社会保障制度の整備などなど目の前に多くの課題があります。優先順位をつけるとすれば、五輪誘致はかなり下位のはずです。

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「短期or長期」政権?安倍晋三、総裁経験者に挨拶

2006年08月31日 | 政治
 いよいよ明日9月1日、安倍晋三が正式に出馬表明をします。その前に露払いよろしく、総裁経験者のところに挨拶回りを行いました。中曽根康弘、海部俊樹、河野洋平、森喜朗の4名。ご存じの通り、河野洋平だけは総理経験者ではありません、海部は新進党経由の出戻りです。
 まずは、森喜朗のところ。森の粋な計らい?で父上の前で写真撮影を行いました。この森喜朗は短期政権でした。それも小渕恵三の死に伴う、密室談合政権でしたからイメージの悪さがどこにいっても付いて回りました。おかげで小泉純一郎という人物の登場になったわけです。
 もう一人は、海部俊樹。羽田孜ではなく海部を選んだ理由に「みこしはパーの方が担ぎやすい」との謎言を小沢一郎が言ったとか。小沢が自民党幹事長時代です。
自民党分裂のときに、小沢たちに連行されてしまい、自民党総裁室から肖像画が取り外されてしまいました。二階俊博・経産相のおかげで自民党に復党できましたが、この人はまさに操り人形の典型的な総理です。
 悲劇王は河野洋平。自・社・さ政権のときに、村山富市から禅譲があった時にそれを辞退したとか。決断できない典型的な政治家で、中国への気配りだけしかありません。安倍晋三にもアジア外交の重要性を説いていました。三権の長なのですから少し自重することを望みます。
 最後は中曽根康弘。風見鶏の実力を発揮し、長期政権を実現した政治家です。国鉄民営化など確かな実績を残しているように見えますが、時と人に恵まれていたと私は思っています。ご本人は自分が実力者と錯覚していたので、郵政民営化の時までも息子を使って介入してしまいます。参院での採決前に、たまたま群馬にある中曽根事務所の前を通ったのですが、大勲位が事務所に来るとかで交通渋滞が発生していました。
 安倍晋三総裁が誕生しても、短期政権では!という声を聞きます。確かに選挙の流れを見ると、10月衆院補選、11月沖縄県知事選、来年4月統一地方選、7月参院選と立て続けにあります。特に参院選で自民党・公明党が過半数割れしてしまったら国会審議がすべてストップ、時の政権が崩壊してしまう可能性もあります。
 しかし、安倍晋三に代わりうる総裁候補が、今回のポスト小泉では出てきていません。麻生太郎、谷垣禎一はあくまでもポスト小泉で、ポスト安倍ではないと思います。その可能性があった中川昭一、額賀福志郎はチャンスをつかめませんでした。安倍晋三の一点買いで進んでしまった自民党の面々は覚悟を決めて支えないといけません。
 安定か不安定かと言われれば、不安定政権になると思います。しかし短期か長期かとなれば、長期政権になるような気がしています。
小泉首相が使った“解散総選挙”という伝家の宝刀の切れ味を、安倍晋三が覚えていれば多少の不安定要素を恐れずに自らが理想とする「美しい国」のかたちをみせてもらいたいものです。

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「敵の敵は味方」にする小沢主義

2006年08月29日 | 政治

 昨年の総選挙。広島6区は写真のホリエモン、国民新党・亀井静香、民主党・佐藤公治の三つどもえの戦いでした。自民党は全面的にホリエモンを支援、刺客として亀井静香を落選させたい計画だったようです。
しかし、結果は亀井が辛勝、話題からはずれた民主党・佐藤公治は惨敗でした。この佐藤公治が来年の参院選・広島選挙区からの立候補になるようです。何と亀井静香の応援も決まっているようですから、小沢一郎の老練なる早業と言えるでしょう。
 もちろん、亀井静香にもメリットが無ければいけませんから、佐藤公治を衆院選の公認候補から降ろし、民主党・国民新党の野党統一候補として亀井静香が出馬できるようにしたのです。これで誰を自民党が送り込んできても負けることはないという計算が成り立ったのでしょう。亀井静香らしい打算の戦術です。
 山梨県でも参院選に向けて民主党候補の擁立を決定しました。これは先日の箱根でのゴルフコンペで堀内光雄を黙らせることに成功した結果です。
 “小泉・自民党憎し”という感情を小沢一郎が“敵の敵は味方”と勘定して小沢主義を貫いています。ゴルフに参加した面々は、参院で自民党が負けたら自分たちに助けを求めてくると信じている人たちばかり。小沢もこの気持ちは分かりきっているのでしょうが、思惑に多少のずれがあっても今は気にならないのです。とにかく、自民・公明との対立軸として票を吸収できる形を作ることしか考えていないのです。
 参院選の前哨戦となる10月の二つの衆院補選。神奈川16区と大阪9区ですが、ここで自民党が2敗することがあり得ると思います。その時に、自民党離党・無所属組がどのように動き始めるかが注目されます。また勝ちに気を良くした小沢一郎が、大暴走し始めるかもしれません。
 今のところの補選の予想は、神奈川は自民党、大阪は民主党で1勝1敗でしょうか。自民党内では、補選で2敗した方が引き締まった参院選になると思っている人も多いようです。こうした面々は「安倍みこし」を担ごうとはしていません。
 それにしても、政治家は「情と理」で動くと言われてきましたが、今は、「情と利」に変わってきているのでしょう。双方の利益が一致すれば何でもありなのです。
かつて自民党が下野したときは、亀井静香は野中広務とともに、小沢一郎を徹底的に攻撃していたのです。

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「小沢主義=コロコロ変わる」 石原慎太郎の直球

2006年08月29日 | 政治
 「鴻池よしただ政経セミナー」に出席しました。前半のセミナー講師は予定通り、石原慎太郎都知事。石原慎太郎が参院に出馬したときから、勝手連的に応援していた鴻池祥肇参院とは旧知の仲です。もちろん勝手連仲間の浜渦武生も会場にいました。
マスコミも数社来ていた様ですが、時期を考えてオリンピック・ネタは封印、自民党総裁選についてもひと言も語りませんでした。登壇の際に、国旗に一礼したのはいつものことです。
 まずは持論の「日本人も捨てたものではない!」を展開。話があちらこちらに飛ぶのですが、アメリカと日本の技術力は圧倒的に日本が勝っているという話のくだりから、湾岸戦争そして小沢一郎へと話が移っていきました。昨日の講演で、政界の話になったのはここだけでした。
 「小沢一郎は信じない。政権交代と言っているが、あれだけ言うことをコロコロ変える人でいいのか!」 小沢一郎の自民党幹事長時代の悪行を、湾岸戦争のエピソードを交えてバッサリ切り捨てました。自民党総務会を開かずにボイコットしたことや、使途不明になった数十億ドルのうわさ話付き。
石原慎太郎は小沢の嫌がる直球を投げまくっていました。民主党のなかにも、小沢一郎の過去を本当に知っている議員はいないのではないかとも言っていました。
 約一時間でセミナーが終了、第二部のパーティーへ。鴻池祥肇参院は郵政民営化法案で青札(反対票)を投じた人物ですから、来年の参院選の公認問題でも兵庫県連と揉めていました。何とか公認を得ましたが、昨日のパーティーに国会議員の来賓が少ないこと。こんなところにもまだ傷跡が残っていると思いました。
 9月1日に、小沢一郎が「小沢主義・オザワイズム」という本を出版します。自らの考え方を綴っているようですが、多くの政策で安倍晋三の本と対照的になるような展開になっているそうです。
しかし、小沢一郎の考え方がコロコロ変わる事を知れば知るほど、今回の本も都合のいい事しか書かれていないように思います。
 青嵐会のメンバーの年老いた姿を見て、政治家は“コロコロ”変わらず、ブレないことが大切であると思いました。ブレの幅は人それぞれですが。

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小泉純一郎「偏向マスコミを叱る」

2006年08月28日 | 政治
 写真はカザフスタン、ウズベキスタンを訪問するため、羽田空港を出発する小泉首相
 
 共同通信の記事に<言論封殺は許されず 加藤氏の実家火災で首相>がありました。このなかでマスコミに対する首相からの指摘を以下に引用します。
(引用始め)
 首相は自らの参拝が「ナショナリズム」をあおり立てているとの指摘について「全くそれはないと思う」と反論。さらに「あおりたがる勢力があるのは事実だ」とした上で「マスコミなどもなぜこれだけ常に靖国問題を取り上げるか考えた方がいいと思う。あまりよその国からあおり立てられ、よその国をあおり立てる行動は戒められたらよろしいのではないか」と指摘した。
(引用終わり)


 首相が、加藤紘一の実家火災に関してコメントしたことを記事にしているのでしょうが、後段のマスコミへの指摘は、記者にも理解できていないのでしょう。これから他社の記事も更新されるでしょうが、反省するところなど皆無のはず。8月15日の報道は異常・異様としか言い得ません。昨年の“賽銭・参拝”を生中継していたのもそうです。数十秒ほどの報告報道や数行の記事で済ませばいいものです。
 マスコミの怖さは人格の無視にあるように思います。今、ワイドショーの主役は早実の佑ちゃん。かつての早実・荒木大輔の活躍を知っている世代としては“大輔フィーバー”と無理矢理に重ねようとしているのが見え見えです。私生活や家族までにおよぶ取材攻勢が、果たして彼の将来にどう影響するのでしょうか。高校野球や野球の将来を考えての報道とは考えられません。これで大きな事件が起これば、そちらに飛び付くでしょう。
 おそらく自民党総裁選でも、安倍晋三、麻生太郎、谷垣禎一の幼少からの生い立ちや私生活を調べ上げたり、縁故関係者を必死に取材しているところでしょう。こうしてワイドショーで伝えられる内容は、政策では無くなっていきます。
 メディアの力を知り尽くしている小泉首相ですが、あまりの偏りすぎは気になったのでしょう。この一撃は、結構重要だと思います。
 
 今日はこれから「鴻池よしただ政経セミナー」に行って来ます。講師は石原慎太郎都知事の予定です。内容は明日のエントリで書こうと思います。

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