はるのほっぺ

備忘録です。仕事柄、政治の話題が中心です。

官邸主導の「リトマス試験紙」 拉致問題対策本部

2006年09月30日 | 政治

 昨日の閣議で、「拉致問題対策本部」の設置が決定しました。組織としては以下のようになります。
本部長-安倍晋三首相
副本部長-塩崎恭久拉致問題担当相(官房長官)
事務局長-中山恭子首相補佐官
メンバー-全閣僚
 誰もが考えるように、手詰まり状態にある拉致問題の解決に向け、新政権の強い姿勢を示すねらいがあるのは明らかです。北朝鮮に対して強気な姿勢を貫いたからこそ、国民的な人気が高まった安倍首相が「拉致問題対策本部」を速やかに設置したいのは分かります。
 早速、拉致被害者の家族と会合を開いて、政府としての意志を伝えています。やる気を見せる安倍晋三首相ですが、この「拉致問題対策本部」は官邸主導の「リトマス試験紙」になると思っています。
以下に試されるセクションと課題をあげてみます。
【官僚】
 国民の関心が高い問題ですから、省庁間の手柄を争っている場合ではありません。外務省や内閣府の官僚がセクショナリズムに走れば二元外交に陥ります。
また国民のために本気で無私になれるか。事なかれ主義や責任を取らない“たらい回し”をしたらアウトです。
【閣僚用】
 麻生外務大臣や官房長官、担当補佐官など関係している面々の連携が取れるかどうかが試されています。また、担当外の閣僚が政治的にどんな動きをするかも注目されます。今回の件ばかりではなく、いろいろな分野で首相から指示を受けた補佐官と連携できるのか、反目し合うのか試されていくと思います。
【補佐官用】
 官邸に集まってくる情報を分析する能力を持てるかが試されます。如何ほど情報が集まっても分析する能力がなければ戦略を立てることもできません。また、「総理が言っているのだから」という印籠だけで閣僚、官僚を納得させる手法ではいけません。自らの政治力を発揮できるか問われます。
【首相用】
 外交としては、北朝鮮の核開発問題が周辺諸国の最大の懸案事項。拉致問題だけではなく、これを突破口に足並みの揃わない6か国協議へ道筋をつけられるか試されます。もちろん、国連の常任理事国入りへ麻生外務大臣と二人三脚で進める必要があります。
「主張する外交」を一歩ずつ進めることで、初めて日本国として「集団的自衛権」の論議を深めることもできると思います。
 官邸主導の姿を国民が期待して見守っています。安倍晋三の本気度が試されています。


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「アインシュタイン?」所信表明演説

2006年09月29日 | 政治
 安倍総理による所信表明演説が終わりました。
まずは及第点を差し上げたいと思います。指摘されていた「しっかりと」、「思います」といった言葉はありませんでした。内容に関してそれぞれの分野における具体的な提案がありました。
あとはこれからどうやって行政を動かし法律を作り実現するかに掛かっています。ひな壇にならんだ閣僚のみなさんの頑張りに期待します。
 演説のなかで3箇所の引用がありましたが、どれも今イチでした。吉田松陰、ソニー盛田?、アインシュタインでしたでしょうか。
 特に後段で国家観を語っていくところで、アインシュタインが語った日本人像を引用するのはいかがなものかと思いました。


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国民から一人だけに与えられた「時と場所」・所信表明演説のその前に

2006年09月29日 | 政治

 本日13時から、安倍晋三・内閣総理大臣の所信表明演説が行われます。内容に関しては、これまで総裁選挙で訴えてきたことと大差はないのでしょう。
しかし、正式に広報担当の補佐官を任命したのですから、世耕補佐官がどのようにアレンジしているかを注目しています。
 昨日の産経新聞には、<安倍首相就任会見 「しっかりと」32回「思います」35回>という記事がありました。
26日夜の就任記者会見を見ていましたが、たしかに安倍晋三首相の「しっかりと」というコメントの多さは気になりました。
 おそらく、補佐官からこの点は伝えられているでしょうから、「しっかりと」はあまり気にしないで済むでしょう。
 もともと、安倍首相が、演説上手なのかというとそうでもありません。これまでいろいろな街頭演説を見てきましたが、むしろ下手な方でしょうか。
話し方は一本調子で早口、内容は一方通行な感じが否めません。
しかし、人気があるので人だかりにはなるのですが、演説の終わったあとに何が残るかと言えば「沢山の人だった」という感想ぐらいです。
 安倍首相がこれまで選挙応援でしてきた演説は数限りないでしょうが、応援を依頼した側は「人寄せパンダ」的に利用していますし、応援に入る安倍サイドもそれを百も承知ですから、どこでも同じ話しをして数をこなすという形をとっていたと思います。
 余談ですが、麻生外相の街頭演説は、時と場所を熟考していて導入部分で聴衆の聞く気を起こさせるのが上手です。
 淡々とした演説になると予想していますが、国会議員や国民に「安倍晋三はこれがやりたい」と感じさせられる内容を期待しています。
 国民から一人だけに与えられた「時と場所」です。


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「内閣支持率」で閣僚・官僚を動かせ!

2006年09月28日 | 政治

 報道各社による安倍内閣に関する緊急世論調査の結果が報道されました。
共同:<
安倍内閣、支持65% 51%が「参拝自粛を」>
読売:<
安倍内閣の支持率70・3%、歴代3位…読売世論調査
日経:<安倍内閣の支持率71%、発足時で2位・本社世論調査
毎日:<毎日世論調査:安倍内閣支持率 歴代3位の67%
朝日:<安倍内閣支持率63%、戦後3位の高水準 本社世論調査

 党員投票と同じくらいで、もう少し低い支持率(60%程度)かと思っていましたが、高水準で上々の滑り出しです。改めてこれからの総理大臣は、国民的な人気が不可欠になったと痛感しました。
 共同通信社の調査内容で注目したのが“支持理由”です。
以下に抜粋すると、
「ほかに適当な人がいない」=22・6%
「首相を信頼する」=21・9%
不支持率は16・2%

 小泉首相の「宰相のイメージ」が大きすぎて、「ほかに適当な人がいない」と回答した人も多かったのでしょうが、国会議員の判断基準と似ていて思わず笑ってしまいました。
「安倍みこし」を担ぐために集まった多くの議員は、「ほかに適当な人がいない」のを見越して流れに乗ろうとしていたのですから。
 今回の新閣僚のなかで、本気で安倍晋三を総理にしたいと考え行動していた議員たちは、官房長官、内閣特命担当相たちや官房副長官。そして首相補佐官の4人(小池補佐官は外します)あたりでしょうか。
 しかし、その他の閣僚たちも官邸からの呼び出しに応え総理からの任命を受けたのですから、安倍首相へ忠誠を誓ったと考えてもいいでしょう。
腹の中は違っていても、安倍内閣の一員として政策を推進してもらいたいところです。
 諸手をあげて安倍内閣に期待しているわけではなく、臨時国会での決断力、実行得を見守る必要があります。
期待に反する結果が続くと、間違いなく支持率は低下をし始めると思います。そうすると安倍首相への忠誠心が低下し始める閣僚も出てくるでしょうし、自民党内のアンチ安倍からの批判も高まります。
 国民的な人気で誕生した安倍晋三首相ですから、政策の実行の有無が支持率に比例してくると思います。
たとえば、社会保険庁の改革などにキチンとしたビジョンを掲げれば、社会保障に関して不安や不満を持っている国民からの支持も高まります。
その支持を武器に閣僚、官僚を動かしていくこともできるのではないでしょうか。要は安倍首相の覚悟一つです。
 もちろん「内閣支持率」は諸刃の剣かもしれません。下手をすれば自らの首をはねることもあり得ます。機構やスタッフといった形でホワイトハウスを真似するより、大統領制に近い形で選ばれていることを自覚して行動できるかに掛かっています。

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強者揃いの「5人の補佐官」

2006年09月27日 | 政治

 安倍内閣の新組閣が決まりました。主要閣僚が「老壮」に振り分けられたので安定感があると思います。
安定感の最大の貢献者は麻生太郎外務大臣。アメリカを初め諸外国は安心したでしょう。
 組閣にあたっては、案の定、露骨な論功行賞という批判が出ていますが、自らの味方をしてくれた人を傍に置く事は定石です。
また、仲良しクラブといった批判は当選回数や年齢が安倍総理に近い閣僚を差しているのでしょうが、これまた意志の疎通が図れる面々を傍に置く事も定石です。まぁ外された人たちからは批判が出て当たり前ですね。
 今回の組閣を見て、安倍総理が官邸主導を目指す意志は伝わってきました。内閣官房長官・副長官、内閣府の担当大臣、首相補佐官たちは安倍クラブと考えて良いでしょう。
特に内閣総理大臣補佐官は強者が揃いました。
 (国家安全保障問題担当)  小池 百合子       
 (経済財政担当)  根本 匠   
 (拉致問題担当)  中山 恭子   
 (教育再生担当)  山谷 えり子  
 (広報担当)     世耕 弘成


 小池百合子という名前の発表には驚きました。環境大臣退任の際に涙を流す姿が報道されていましたが、その涙も乾かぬうちに復活してきました。
安全保障のエキスパートというより、調整能力を買われたのではないかと思います。
麻生外務大臣-久間防衛庁長官という濃い政治家との中和にもいいですし、在日米軍再編に絡む沖縄県とのパイプ役も出来そうです。
何より、沖縄県知事選挙に向けての戦力とも考えられます。
 根本匠の実力は未知数ですが、安倍総理の苦手分野と言われる経済財政には詳しいですから、家庭教師的な役割を期待しているかもしれません。
 中山恭子、世耕弘成の両名の担当分野の実績は評価が高いですから、安倍総理が安心して自分の考え方を伝えて実行に移すことが出来ると思います。
 心配なのが最後の一人、山谷えり子です。
この政治家、とにかく強烈なパワーの持ち主です。教育という専門分野はエキスパートというより妙なカリスマ性を兼ね備えています。
個人的な話ですが、2年前の参院選に自民党からの出馬が決まった山谷補佐官にお会いした事があります。
 私の事務所に訪ねてきてくれたのですが、約2時間ぶっ続けで持論を展開されてしまいました。聞き役に徹するよりなかったのですが、とにかく元気で声がでかい、キーも高かった記憶があります。
お帰り頂いた後に、事務所のスタッフから「よく辛抱していましたね」と声を掛けられるくらい聞く側の私が疲れてしまったのです。
その後、もう一度、選挙直前にお会いしたときは参院の先生と一緒でしたから、非常におとなしくしておりました。
 この山谷補佐官のパワーは、下手をすると官僚をコントロールするというよりやり込める結果になりそうです。伊吹文明・文部科学大臣が長老のテクニックで調整してくれることを念願します。というか最初は伊吹大臣も驚くと思います。
 強者の秘書官5人が官邸に入ります。最初は慣らし運転、安全運転を心がけてもらいたいと思っています。


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