はるのほっぺ

備忘録です。仕事柄、政治の話題が中心です。

「人の話を聞く」総裁候補三人

2006年08月16日 | 政治

 小泉首相の靖国神社参拝から一日が経ちました。偶々なのですが、昨晩、国会議員と話しをする機会に恵まれました。
総裁選の動向を聞いてみると、安倍晋三支持への流れが急加速していることを実感しました。そのなかで政治家の性格について面白い話しがありました。
お会いした議員は官僚から転身した方です。故・橋本龍太郎、小泉純一郎は話しを聞かない。独善的な代表格だそうです。
一方、総裁選に名乗りを上げている三名は人の話を聞くそうです。
「大臣、それはこうですよ」と若手官僚が言っても「うん、そうか」と聞いてくれるのだそうです。「橋本さんや小泉さんでは怖くてこんなことはあり得ない」と言っていました。
 人の話しを聞く総裁候補三名のようですが、靖国神社参拝に関しては三者三様の対応になっています。独走態勢の安倍晋三は、「何も語らない」。谷垣禎一は「首相になったら参拝しない」。麻生太郎は政治からは遠ざけて「靖国に弥栄あれ」です。
 今回の首相参拝に関しても、閣議後の質疑応答のコメントを比べてみるとそれぞれです。官房長官のコメントは官邸HPにありませんので、新聞記事からとしますが、残りの二人はそれぞれの省HPから引用します。
安倍晋三
【総裁選への余波】
(自民党総裁選で)争点化することと靖国神社にお参りするということは別だと思う。本来、首相も静かに哀悼の誠をささげたいというお気持ちだったのだろう。それを私も素直に受け取りたい。


谷垣禎一
問)大臣の総裁選を支える一部の宏池会の議員の方の中には、もし今日参拝されたならば大臣、閣僚をお辞めになるべきじゃないかという議論もあったと思うんですが、大臣をお続けになられるこの理由について、お伺いしたいと思います。
 それともう1つだけ、小泉総理は先程のぶら下がりで、中国が嫌がることを止めたからといって、直ちに関係改善されるとは思わないという話をされていると思うんです。これは大臣の総裁選のご主張と真っ向から対立すると思うんですけれども、その小泉総理の考え方についてはどう思われますでしょうか。
答) 今の点は、我々の同志の中にもいろんな考え方があることは私は承知しております。ただ小泉総理は、ご自分の公約でこれをやるとずっと言ってこられて、今までいろんな諸般の考慮から8月15日にはお参りにならなかったわけですね。今日はそのけじめをつけたんだという私は見方ですが、要は、私共はそういう小泉さんを総裁選でも推してきたということが1つあります。
 それからもう1つ、じゃあ中国の言うことを聞いたから、靖国参拝を控えたからといって、それで問題が全て解決するわけではないというご認識は、私もそれで全てが魔法が解けるように解決するとは思っているわけではありません。要するに日本と中国、歴史的にも長い関係ですし、その遠くの浅い関係だけあったというわけではありませんから、プラスマイナスいろんな、過去に歴史があったことは否定すべくもないわけで、今後もいろんなことで問題が起こるのは当然あるだろうと思います。従って、何かあったら全部この薬をつけたら全部きれいに治ってしまったと、何にも病気は無くなったというわけにはいかないだろうと思います。ただ、何か問題が起こった時に、やはり話し合いで解決が出来る基盤を作っていくことは必要だと思っておりまして、これは日本側だけの問題ではないと思います。相手方にもそのような態度を求めるのは当然だろうと思います。


麻生太郎
(問)先日、私見を発表されてその考え方を示されたのですが、総理大臣が靖国参拝することが国内でも国外でも注目を浴びる事態となったことについてどうお考えですか。
(外務大臣)私に言わせると、英霊側にしてみても遺族側にしてみても、8月15日にかかわらず参拝が静かに行われるということを最も期待をしているのが実情だと思います。これが政治問題化してきたり、ましてや政局化しているなどというのは全く望んでいないことだと思います。
従って、私の場合は私案として、宗教法人である間は公人だ私人だという話に限らず、9条だ、19条だ、20条だと憲法の話がまた絡んできたりしますから、なるべく政治とは一番遠いところに置いておかれて然るべきなのだと私自身はそう思っています。遺族も英霊もたぶん同じことを望んでおられると思います。ましてや、近隣から何か言われるからというような話は全く望んでいないというのが実情。かたわら靖国で祀るというのは、国と、行かれた兵隊もしくは軍人、色々立場がおありになるとは思いますが、勇んで行った方もおられますでしょうし、赤紙で嫌々徴集させられた方もいらっしゃる。亡くなられた260万人の方々にはそれぞれ色々な思いがおありだと私はそう思います。ただ、いずれも亡くなった後は英霊として祀るという国との約束ですから、そういった意味では国として祀る、国は最高の栄誉を持ってそれを祀るという義務を果たさねばならないと私自身はそう思っています。

 安倍晋三は「必要以上のコメントはしない」という姿勢なのでしょうか。頑固であり、時にはふてぶてしく映るかもしれません。
 谷垣貞一は真面目一直線。そこまで小泉首相にもの申すならば、閣僚を辞任すれば男が上がると期待するマスコミの質問にも同調しません。
 麻生太郎は「靖国に弥栄あれ」と同じ内容ですが、真摯な答弁に「何とかしたい」という想いが感じられます。

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