アラブのうわさ

アラビア語、アラブ文化、イスラーム(イスラム)等に関する話題を元留学生が等身大でお伝えします!

通訳依頼

2006年11月29日 00時10分47秒 | Weblog
 今年はアブドッラー国王により20人の日本人がハッジに招待されるとのことで、先日、知り合いからその日本人巡礼団の通訳をしてくれないかと頼まれました。
 実のところ語学院最後の試験を迎えるため、万が一落としたら学部入学が半年先になることから『今年はハッジに行かないでのんびり試験対策を立てよう』などと思っていたのですが、このような依頼となると話は別です。拙劣なアラビア語力でも役に立てるのなら少しでもムスリムの助けにならなくてはなりません。喜んで引き受けるお務めです!
 でも聞いたところ、今回はイスラーム神学の研究をなさっている大学教授の方(もちろんアラビア語に堪能)も参加を希望しているそうですし、私はただの日常雑務世話係になることでしょう。
 私も3年前、前ファハド国王による招待ハッジに参加しました。招待ハッジでは5ツ星ホテル・ゴージャスな食事、さらには王様からのプレゼントを用意され、個人巡礼者と違いかなりラクチンに義務の巡礼を果たすことができます。
 1ヶ月後の『ハッジ』。今から本当に待ち遠しいです。

試験日程発表

2006年11月28日 23時48分28秒 | Weblog
 普段は何にしてもやることが遅い大学なのに、これから迎えるハッジ(義務の巡礼)休暇・試験・試験休みに向けての日程が早くも発表されました。
 12月25日からハッジ休暇、1月6日から講義再開。13日から口答試験、20日から筆記試験で、試験が終わり次第また休暇。後期は2月18日に始まるとのこと。
 去年は1ヶ月半まとめて休暇が来たため、のんびり帰国。ついでにカタル・バハレーン・アラブ首長国連邦・エジプトと旅行できたのに、今回は休みが分散しているため、そんなことはとても叶わずちょっとイヤなかんじです。
 はぁ。試験のことを考えると気が重いですねえ・・・何も準備していません。

学院長の悪評

2006年11月26日 00時10分01秒 | Weblog
 サウディ人には珍しく、秩序立てるのが好きな学院長。就学当初は『秩序があるなんて・・・』と感心したものの、最近は度が過ぎて学生の間でかなり不評です。
 朝の礼拝の後さっそうとやってきて、バングラデシュ人の労働者と共にカギを開けるところから1日が始まり、始業時刻には学院の建物の前で遅刻者のチェック(20年くらい前の日本みたいですね)。ちなみに始業時刻を過ぎると学院長の部屋の前を通る通路以外はすべてドアが閉められ施錠されてしまうので、1限に遅刻すると1日を通して欠席ということになります。また授業終了後もなにかしら残業と、一般サウディ人から比べると常軌を逸した異常な行動を取るのです(少なくとも私は残業するサウディ人など見たことありません。その日に出来なかったことは翌日に延ばすのが常。外国資本の会社などでは事情が違うかもしれませんが)。もっとも学院長のご両親は元々アフリカ出身で彼自身もハウサ語を話すそうですから、サウディ人のパターンというのは比較の対象外でしょうか。
 一部の学生からは『家庭生活がうまくいってないから、学院で時間を潰しているんじゃないか?』とか『あんなに監視するのが好きなら、門番と仕事を変わればいいのに』などといった話が出るくらいで、レベル2・3あたりの学生は『これじゃあ監獄生活だよ・・・』とぼやいている始末。そんな彼等からは『レベル4なんだからあと少しで卒業でしょ?いいなー。なんとか耐えて卒業しなくちゃね!』と羨ましがられながらも励まされています。
 学生達の不満は募るばかり。そのうち爆発しなければいいのですが。

傲慢は心の病

2006年11月25日 01時51分31秒 | Weblog
 先日、タフスィール(クルアーン解釈)の講義で『傲慢は心の病』と先生が語っていました。傲慢であると周囲はその人の意見を聞かなくなり、また尊敬もされないのでまったく意味のないことだというのです。
 ですがサウディ国内を見渡すとどうでしょう。例えば売店やクリーニング屋に車で乗りつけ、クラクションをブーブー鳴らしては従業員(出稼ぎ労働者)を呼び出し、買い物なり洗濯物の受け渡しなどをするという光景はそう珍しくありません。こういった行動は傲慢そのものだと思うのですが。
 アラビア語語学院で私達が勉強しているようなことは、おそらくサウディの小学校や中学校でも勉強しているはず。『傲慢は心の病』といった言葉も彼等のアタマには入っているのでしょうが、そもそもどういう行いが傲慢であるのかをわかってなく、また自分達の行動が傲慢ではないのか、などといった反省もまるっきり欠けているのが現状です。
 でも自覚がないことほど、自省を促すのは難しいんですよね。どうかアッラーが傲慢な人達をより善い方へ導いてくれますように・・・

ボンボンサウディ人

2006年11月24日 23時48分32秒 | Weblog
 マディーナ・イスラーム大学のうち3割ほどはサウディ人の学生なのですが、やっぱり中にはお金持ちのオウチで育ったボンボンがいるんですよね。
 先日知り合った子は大学の4年生で、来年の夏に大学卒業の見込み。『卒業したらパパにレクサス(トヨタの高級車)を買ってもらうんだ~』などという話をしていました。でも卒業祝いにレクサスって・・・サウディでは日本よりクルマのお値段は若干高めなので、こちらで販売されているレクサスの新車は日本円で1000万円くらいすると思うのですが。
 なんでもこの子のパパはアラビア語語学院で使われている『タウヒード』(神の唯一正論)の教科書の執筆者だといいます。でもこの本って語学院で使われている教科書の中で一番分かりににくく、はっきり言って『使えない』と悪評高いんです。とはいえ自慢気に語っているのに水を差すようなことも言えず、『へー、そうなんだー』などど感心したふりをして聞き流していました(笑)。
 仕事はどうするの?と尋ねるとその辺ももちろんコネ。なんでも叔父さんが犯罪者の取調べの仕事(つまり検察官のようなもの)をしているらしく、そのつてで就職するんだそうです。まあ彼の専攻はイスラーム法だから適職といったら適職なのかもしれません。
 本当に苦労知らずで過ごしている人もいるんだなと、ある意味ちょっと珍しいものを目にした感じがします。同じサウディでも生活に余裕がない人はいっぱいいますし、また月収が2万円にも満たない出稼ぎ労働者が何百万人といるというのに・・・これが世の中なんですねえ。
 また彼との別れ際、『困ったことがあったらなんでも助けてあげるから』などと言われたのですが、サウディに来てから同じようなセリフを今まで何度耳にしたことでしょうか。多くのサウディ人はこういった言葉を掛けることに強い自己満足を感じるようです。でも実際困った時に相談してみても面倒臭がってあまり当てにならないのが常となっています。

免許取得の謎

2006年11月23日 00時35分20秒 | Weblog
 サウディアラビアで自動車運転免許の取得を考えています。
 ですが外国人がこの国で免許を取る際には、その人の国籍によって条件が異なるようです。
 例えばアメリカ人学生によると『アメリカ人は免許のアラビア語訳さえあれば、サウディでわざわざ免許を取る必要がない』とのことで、フィンランド人の友人は『実技試験もコンピュータによる道路標識試験もなく、ただ書類の手続きだけだった』と言います。韓国の学生は実技試験も道路標識の試験もあったそうですから、本当によくわかりません。
 私はここ10年間車を運転していませんが一応、日本で取得した免許があります。なので『日本人なら免許の切り替えだけで試験はないんじゃないの?』というのが友人談ですが・・・はて。実際に免許を取得する際にはどうなるのでしょうか?後日、免許取得の詳細をお伝えしたいものです。

追記:交通事務所に行きたいのですが平日の午前中しか業務をしていません。講義を休むわけにもいかず、免許取得はハッジ休暇まで遅らせることになりそうです。

退学者10人超え!

2006年11月22日 23時56分32秒 | Weblog
 私の通っている語学院では講義への出席督促がうるさく、先日、欠席過多を理由に10人以上の学生が退学になりました。
 なんでも去年までは1ターム(約15週間)中・14日間は休んでも大丈夫だったそうなのですが、今期からはそれが半減して7日までしか休めなくなっているというのです。
 私はここ最近、更年期障害なのか体調不良で講義を休みがちだったため、すでに欠席は5日に達してしまいました・・・
 残りの講義は4週間だけ。それを終えたら3週間のハッジ休暇を挟み試験という流れなので、退学にならずになんとか語学院を卒業しなくてはなりません。
 朝の礼拝の後、2度寝をしなくてもいいように早寝を心がけています。

『ハッジ』という敬称

2006年11月13日 00時14分49秒 | Weblog
 サウディでは名前を知らない人を呼びつける時、少なくとも男性に対しては『ムハンマド!』と声を掛けますが、より敬意を込めた表現として『ハッジ』というのがあります。
 今は時期を問わず耳にする『ハッジ』という呼びかけ。元々は義務の巡礼であるハッジ中、預言者モスクやマッカのハラムモスクなどに来る人に対して使われていたのでしょう。
 もちろんその人が必ずしもハッジを果たした人とは限りませんが、この『ハッジ』という呼称はムスリムにとって無難かつ最大限の敬意が込められたいい言葉だといえます。
 こういった呼びかけがもっと普及すればと思うものの、一般サウディ人が出稼ぎのバングラデシュ人に『ヤー、ハッジ!』なんて声を掛けるのはちょっと想像がつきませんね・・・

追記 『ハッジ』という敬称、アラビア語表記では『حاج』で正確に発音すると『ハーッジ』(女性に対してはハーッジャ)となるのですが、口語的にはハッジと短く発音することが多いです。

ファイサリーヤ・カフェ

2006年11月10日 02時27分32秒 | Weblog
 大学の裏門を出たすぐのところに『ファイサリーヤ・カフェ』というハイカラな喫茶店がオープンしました。
 大きいテレビスクリーンでサッカーの試合が観戦できるので、学生の姿もちらほらと見かけます。特に大学内ではテレビの視聴を禁止されているため、その反動として観たくなってしまう学生がいるのも仕方がないことでしょう。
 ですがこの『ファイサリーヤ・カフェ』。一部の学生の間では不評のようです。というのもカフェなんかで時間を潰すのはもったいない。そんな時間があったら勉強するべきだなどという意見があり、またカフェは不良の溜まり場といったイメージが強いようでもあるのです。現にお洒落なカフェに出入りしている若者は見るからにちょっと頭が弱く、教養に欠けた感じの子が多いんですよね・・・
 私も以前スターバックスでコーヒーを飲んでいたことがあるのですが、たまたま他の学生の目に止まってしまい『あんなところで何してたんだ!?』と問い詰められてしまいました。別に悪さをしているわけでもないし、何処でお茶しようが私の勝手でしょうに。
 それからというもの面倒はイヤなのでマディーナのカフェには行っていません。そういったところでくつろぐのは大都市ジェッダ訪問時などのお楽しみとしています。

奨学金がもらえない!

2006年11月09日 02時33分43秒 | Weblog
 1年前にも同じように奨学金がもらえないという記事を書きましたが、その体制はやっぱり変わりません。
 今年度(9月)から奨学金は銀行の口座に振り込まれることになったものの、支給日であるヒジュラ暦(イスラーム暦)の25日に入金されたことは1度もありません。また奇妙なことに2か月分まとめて振り込まれたりするのです。
 政府からの支給が遅れているのか、それとも銀行がやること遅いのか。はたまたその間に大学が絡んでいるのかはよくわかりませんが、なんとかならないでしょうかね。
 日本では有名な『育英会』という奨学金を支給する団体がありますが、知人によると支給が遅れたことなどないと言います。
 こんなんだからアラブはいつになっても先進国になれないんです。ちょっとはまともに秩序作りを考えるべきだと思うのですが、本人達にまったくその自覚がないのでどうしようもありませんね。