アラブのうわさ

アラビア語、アラブ文化、イスラーム(イスラム)等に関する話題を元留学生が等身大でお伝えします!

ボンボンサウディ人

2006年11月24日 23時48分32秒 | Weblog
 マディーナ・イスラーム大学のうち3割ほどはサウディ人の学生なのですが、やっぱり中にはお金持ちのオウチで育ったボンボンがいるんですよね。
 先日知り合った子は大学の4年生で、来年の夏に大学卒業の見込み。『卒業したらパパにレクサス(トヨタの高級車)を買ってもらうんだ~』などという話をしていました。でも卒業祝いにレクサスって・・・サウディでは日本よりクルマのお値段は若干高めなので、こちらで販売されているレクサスの新車は日本円で1000万円くらいすると思うのですが。
 なんでもこの子のパパはアラビア語語学院で使われている『タウヒード』(神の唯一正論)の教科書の執筆者だといいます。でもこの本って語学院で使われている教科書の中で一番分かりににくく、はっきり言って『使えない』と悪評高いんです。とはいえ自慢気に語っているのに水を差すようなことも言えず、『へー、そうなんだー』などど感心したふりをして聞き流していました(笑)。
 仕事はどうするの?と尋ねるとその辺ももちろんコネ。なんでも叔父さんが犯罪者の取調べの仕事(つまり検察官のようなもの)をしているらしく、そのつてで就職するんだそうです。まあ彼の専攻はイスラーム法だから適職といったら適職なのかもしれません。
 本当に苦労知らずで過ごしている人もいるんだなと、ある意味ちょっと珍しいものを目にした感じがします。同じサウディでも生活に余裕がない人はいっぱいいますし、また月収が2万円にも満たない出稼ぎ労働者が何百万人といるというのに・・・これが世の中なんですねえ。
 また彼との別れ際、『困ったことがあったらなんでも助けてあげるから』などと言われたのですが、サウディに来てから同じようなセリフを今まで何度耳にしたことでしょうか。多くのサウディ人はこういった言葉を掛けることに強い自己満足を感じるようです。でも実際困った時に相談してみても面倒臭がってあまり当てにならないのが常となっています。