アラブのうわさ

アラビア語、アラブ文化、イスラーム(イスラム)等に関する話題を元留学生が等身大でお伝えします!

サウディアラビア航空・大阪路線その後・・・

2006年12月26日 00時18分35秒 | Weblog
 今年の9月にサウディアラビア航空がリヤード発・マニラ経由・大阪直行便という路線を設けましたが、その後インターネットの航空便時刻表をいくら調べてもこのフライトを見つけることができません。あまりにもの利用者の少なさで、マニラ・大阪間は運休になったのでしょうか(リヤード・マニラ間は週に4便飛んでいます)。
 ですが大阪直行便就航は私にとって不利益ばかりが目に付きます。というのも毎年大学側が日本への往復チケットを用意してくれるのですが、リヤード・大阪間は9月の時点では週に1便しかなく、これではフライトの予定を急に変更することなど難しい状況となります(今年の夏にもらったチケットではマニラまでサウディアラビア航空、そこから成田まではJALを利用しました)。また私の実家は埼玉にあるため一旦東京に向かわなくてはならず、その間の関西国際空港から羽田への交通費まで負担してくれる保証などまったくありません。それが自己負担だとすると往復で3万円くらいかかってしまいます。更にこれを4年間も繰り返すと10万円以上の出費ということに。
 『大阪路線、このままなくなってくれればいいな・・・』というのが個人的な心情です。

誤訳ではなかった!

2006年12月25日 23時56分47秒 | Weblog
 先述の記事で『2大聖地の守護者』は誤訳と断言したものの、他の言語ではどのように訳されているのかちょっと調べてみたら、それは誤訳ではないことがわかりました。
 サウディ政府公認のクルアーン英訳の本に『ファハド国王からの贈り物』と書かれていて、併記された国王の肩書きは『custodian』となっていたのです。ジーニアス英和辞典によるとその単語の意味は『後見人』『保護者』とのこと。
 もちろん翻訳したのはクルアーンだけに留まらずイスラームの知識が豊富で英語に堪能な方でしょうから、そういった人達の判断で意図的に『custodian』=守護者という表現を決めたのなら、外野がどうこう言う事柄ではありません。
 まあ背景には政治的問題や国際的な国王の立場などいろいろあるのでしょう。
 これ以上深く掘り下げて意見を述べるのは留学生という身分上、何かしら問題を生じる可能性があるため控えておきます。

2大聖地の守護者って・・・

2006年12月22日 01時01分21秒 | Weblog
 サウディアラビアの国王の別称に『خادم الحرمين』(ハーディムルハラメイン)というのがあるのですが、日本語で『2大聖地の守護者』などというとんでもない誤訳を目にしたことがあります。一体、誰がこのような愚かで罪深い誤訳をしてしまったのか・・・
 アラビア語で『خادم』(ハーディム)というと、召使いとか奉仕者といった意味になります。守護者なら『حام』(ハーミン)あるいは『حافظ』(ハーフィズ)とならなくてはいけません。たぶん訳者は『国王の別称として奉仕者と表現するのはふさわしくない』と判断して『奉仕者』を『守護者』と意訳したのでしょう。
 ですがイスラームにおいて守護・護持といった力はアッラーの属性とされ、『私はハーミンです』とか『私はハーフィズです』などと言うと傲慢な響きが感じ取られます。国王はそのように名乗る気などさらさらなく、自分は2つの聖地を護るアッラーの僕であるという自覚、またそういった奉仕によりアッラーからアジュル(報酬)を授かるという謙虚な気持ちで『خادم』(ハーディム)を選んだのかと思います。
 アラビア語に造詣が深い人でも得意分野は異なるので誤訳は仕方がないとはいえ、このような間違いがこれからも起こり続けてしまうとすると由々しき問題ですね。

1円の利息

2006年12月21日 23時38分31秒 | Weblog
 イスラーム上、利息を取るのはハラーム(禁じられたこと)となっています。
 借金をする人は金銭面において生活になにかしら支障をきたしているわけで、利息を取るとなるとその人をさらに苦しめることになる。だからやめましょうという単純な側面を見ることができます。まあ現代の経済における銀行のシステムや投資といった観点からすると、色々異なった意見を唱える人が出てくるかもしれませんね。
 ですが日本で銀行の口座を持つとどうしても『利息』がついてしまうのです。私など常に全財産を持ち歩き(そう大した額は持っていない)銀行は必要なお金のやり取りをする際にしか使わないため、口座にはほとんどお金が入っていません。
 でも、でも利息がついてしまうんですよー。しかもその額わずか1円!
 1円であっても1万円であっても金額に関係なく、ハラームなものはハラーム。
 とても恨めしい1円であります・・・・

語学院・講義終了・・・

2006年12月20日 00時19分54秒 | Weblog
 たぶん20日・水曜日で、語学院の講義は終わりになります。ここ2週間くらい先生達がラストスパートをかけ物凄い勢いで授業を進めたため、タフスィール(クルアーン解釈)以外はすべての科目で教科書を一通り終えてしまいました。
 でも発表された予定では週明け(サウディでは木曜・金曜がお休み)の3日間とハッジ明けの1週間は講義があることになっているんですが・・・
 先生達は『教科書は一通り終えました。もし学生が来たら授業はあるし、学生が来なかったら授業はない・・・』などと言います。その言葉、『来るな!』を意図しているのは明白ですよね(笑)。
 もうサウディに1年以上住んでいるため、このサウディ流に驚かされることはありません。

奨学金が早く出た!

2006年12月19日 23時26分02秒 | Weblog
 いつも一ヶ月以上は支給の遅れる奨学金なのですが、先月分の支給からそう間を置かずに翌月分が口座に振り込まれました。
 でもふと思いました。今回は早く支給されたものの、次回はハッジ明け。ハッジ中はサウディ国内いろいろな機能が麻痺しがちなため、その支給は確実に遅れるんじゃないかと。
 とはいえ学生(特にアフリカの黒人・一部のアラブ人など)はお金があったらあっただけすぐ使ってしまう傾向にある上(新しい携帯電話とかMP3を買っちゃうんですよ)、ハッジ参加で更に出費がかさみます。
 となると来月はどうやって食べていくのか・・・でも能天気な学生達はみんなそこまで先のことなど考えてないでしょう。
 ただそういった方がある意味、幸せなのかもしれません。ヘンに先のことばかり考えて不安になったり心配したりするよりかは。
 私も彼等を見習ってもうちょっとお気楽に生きていきたいですね。

無免許運転イード君

2006年12月18日 00時14分07秒 | Weblog
 ヨルダン人のお友達イード君も免許を取得するとのことだったため、彼に交通事務所まで車で連れて行ってもらったのですが、よくよく考えると免許を取得するために無免許で車を運転して交通事務所まで行くっていうのはどんなもんですかねえ・・・
 しかも交通事務所から大学に戻る途中では見事に検問に遭遇。でもシマーグを被り、その上にイカールを載せたイード君の見かけはどう見てもサウディ人。なので検問は顔パスで済みました。アルハムドリッラー。
 外国人の無免許運転がこの国で見つかったらまず警察に捕まり尋問、罰金。さらに学生なら大学に通報され退学ということも大いにありえます。
 とはいえイード君は免許取得のために試験を受けなければならず、ちょっと大変そうです。ちなみに試験は運転の実地試験とコンピュータによる道路標識の試験とがあり、それぞれ100リヤルずつ手数料がかかります。仮に落ちたらまた100リヤルを払わなくてはなりません。語学院のクラスメートで免許取得を目指している子も、先日、道路標識の試験に落ちたとうなだれていました。
 そういえば10歳くらいの小さい男の子が車を運転しているのをたまに見かけるのですが(本当に!)、あれってやっぱり無免許運転だと思うんですよね。ある時は助手席に運転している少年の母親と思われるアバーヤ(黒服)姿の女性を乗せていたことも・・・うーん。ちょっとおかしい気がしますが、これが砂漠の民の常識なのでしょうか?

祝・運転免許取得

2006年12月17日 23時50分26秒 | Weblog
 試験が無かったため、免許の取得は本当にカンタンでした。ちなみにかかった費用は免許交付手数料で75リヤル(2300円くらい)、有効期限が1年の強制加入の保険で410リヤル(約12700円)。
 当初耳にしたうわさでは『外国人に対しては必ず試験が行われる』ということだったので、わざわざ友達のクルマを借りて運転の練習などをしていたのですが・・・こんなんだったら学期初めの講義が始まる前にさっさと取得しておくべきでした。
 とはいえ、いいんでしょうかねえ。本当に私が免許を取得して。日本の運転免許証はオートマ限定でマニュアル車は運転しちゃいけないことになっているんですけど、サウディでは9割以上のクルマはマニュアル車。こちらで取得した免許にはそういった条件の記述などもちろんありません。また道路標識にも『ラクダに注意!』(※動物一般に対しても使われています)といった日本では見慣れないものがあったりします。
 サウディ政府の定めたきまりによりOKというのなら、ま、いいのでしょう。私が深く考え込む必要もありませんね。

学部選択の面接

2006年12月13日 00時18分55秒 | Weblog
 学部選択の面接が行われました。無事に終わりほっとしています。
 希望したのは以前から公言しているように『アラビア語学部』。実のところここ数日、『シャリーア・イスラーム法学部』にするかいろいろと迷っていたのですが・・・
 面接といっても『タムイーズを使った例文を言ってみて』(※タムイーズ=文法用語のひとつ)『クルアーンはどれだけ暗記している?』『日本におけるイスラームはどんな感じ?』『イギリスのライースは誰?』(※ライース=長・指導者)といった質問をされ、最後に『行きたい学部は?』と聞かれる簡単なものでした。
 文法用語を出されてのとっさの質問にはちょっとドキっとしたものの、タムイーズはちょうど先週、語学院の講義で復習したところなのでなんなく答えることができましたし、クルアーンも確実に覚えているのは『ジュズ・アーンマ(終わりの30分の1)』なので、その中の1章を読まされただけ。
 むしろ戸惑ったのは『イギリスのライースは誰?』です。あまりにも意表を突いた質問でした。でもどうなんでしょう。『ライース』って政治的指導者という意味ではトニー・ブレアで、国家元首という意味ではエリザベス女王になるんですよね。私は『トニー・ブレア』と答えましたが。
 あとは正式な学部入学の許可を待つのみ。最終的に学部決定をするのは大学側なので『宗教原理・布教学部』に行け!などと言われる可能性ももちろんあります。
 もし希望が叶わなかったとしても、それがアッラーの望むところなんだと甘んじて受け入れるつもりです。

免許取得は試験無し!

2006年12月12日 23時55分07秒 | Weblog
 今日、こちらの交通事務所に行き免許所得の手続きをしてきました。
 ここ10年、クルマなどまったく運転していない身にいきなりマニュアル車の実地試験など課されても困るな・・・などと思いつつ、事務所の所長さんと他のスタッフとのやり取りに耳を傾けていました。すると・・・
所長さん 『日本人は初めてだな・・・』
他の職員 『あれ?この前来ませんでしたっけ?』
所長さん 『ありゃ中国人だ』
 といった会話が交わされ、所長さんは免許所得のための条件が書かれた書類を分厚いファインダーの中から引っ張り出して音読。『湾岸諸国、及び先進国はイスティブダール(変更手続き)・・・・』などと口にしていました。
所長さん 『うーん。じゃあ日本人はイスティブダールだね・・・』
 ということは実技試験も筆記試験もすべてパスで書類上の手続きのみ!やはり日本国籍はサウディにおいて色々と都合がいいです。
 でもこの先進国の基準っていったい何なんでしょうか?韓国人の学生は韓国国内の免許も国際免許も持っていたのに関わらず、自動車学校に通わされたといいます(韓国は先進国じゃないのかな・・・?)。
 少なくとも自分は試験無しで免許が取れるとのことでほっとしました。