アラブのうわさ

アラビア語、アラブ文化、イスラーム(イスラム)等に関する話題を元留学生が等身大でお伝えします!

アラビア語学習に適した国は?

2006年08月25日 18時59分18秒 | Weblog
 留学を検討している人から『アラビア語学習に適した国はどこ?』といった質問を受けるのですが返答に困ります。どの国にもそれぞれいい面、悪い面がありますので。
 まず、その学習者が何を目指しているかによって留学先を考えたほうがいいかと思います。例えばジャーナリズム的な学習はレバノンがいいでしょうし、古典的な文法学を突き詰めるならエジプト。イスラームのことを純粋に見るならサウディアラビアもいいかと思います。また日本人留学生に人気なのはシリアですよね。それからネイティブに聞くと案外『イエメンやスーダンがいい』といった意見も出てきます。ただモロッコやアルジェリアで勉強しなさい、といった声だけは今まで一度も聞いたことがありません。
 でも気軽に日本人がピャっと行って勉強できる語学学校があるのはシリアとエジプトくらいで、選択の余地が少ないのが実情となっています。
 私が思うに普通に本や新聞が読めるようになれればいいというのなら、別段留学する必要性をあまり感じないのですが。私はアラビア語学習を始めてからちゃんと日本人の先生に教わったことは1度もなく、それが随分と遠回りする結果になりましたから。日本語で説明してもらえば一言で片付くようなことを、アラビア語で何度説明してもらっても結局分からずじまい・・・なんてことが数多くありました。
 留学の利点はネイティブの先生から教わるということより『日本を離れることにより勉強に集中できる時間が増える』といった要素の方がずっと大きいんじゃないでしょうか。ネイティブの先生でも教え方が下手な人、人格的に先生に適していない人は多いですし、そういったヘンな先生の元で延々学習を続けるのはお金と時間の無駄ですから。

第一志望はアラビア語学部!

2006年08月24日 23時46分26秒 | Weblog
 2ヶ月に及んだマレーシア滞在も終わりを迎えます。明日、日本へ一時帰国し今月の末には再度灼熱のサウディアラビアへ。
 マレーシアではインスタントの東南アジア料理を大量に買い込み、サウディの自炊生活に備えています。
 肝心の学習は元々『クルアーンプログラム』で来ていたのに、なぜか最後の方はイスラーム大学のアラビア語文法の講義出席がメインとなっていました。イブン・バトゥータの旅行記など読書も楽しみましたし、日本にいたらアラビア語もそう使わないので忘れてしまったことでしょう。全体的に有意義な滞在となってよかったです。
 でも学習はまだまだ続きます。半年後にはインシャーアッラー、学部入学ということに。ここで皆さんに現時点では『アラビア語学部第一志望』ということを発表します。面接があり必ずしも希望が通るとは限らないのですが、なんとか面接官を説得し『アラビア語学部』への就学を叶えたいものです。

左手利きの受難

2006年08月23日 16時02分06秒 | Weblog
 私はモノを使う際、利き手が違います。例えば右手で文字を書きますし(元々左手で書いていたのを矯正されました)ボールなどを遠くへ投げるのにもやはり右手です。でもハブラシを使うのは左手で、さらに箸も左手を使っていました。
 とはいえムスリムは食事の際、右手を使うことになっています。用便後の処理は左手で行うということから、ちょっと左手は汚いという印象がありますし、また預言者ムハンマドが右手での食事を推奨していて『左手で食べてはいけない。それは悪魔のすることである』といった伝承があるのです。
 入信後、箸を右手で使うように心がけているものの、やはり上手に使えませんね(笑)。でもアラブにいる時は手づかみか、スプーンで食べるのでそう問題はありません。
 ただ『そば』を食べるのはうまくいかず本当に困ります。その時だけはムスリムが居合わせていない場合、左手で食べてしまうこともあります。もちろん誰が居ようが居まいが、行いはアッラーがすべて見ているわけなので、ちょっと心苦しくもあるのですが・・・どうか右手での箸使いが上手になりますように。

女性が多いマレーシア

2006年08月22日 15時17分57秒 | Weblog
 マレーシアのイスラーム大学は女子学生の数が圧倒的に多いです。男女比率は3対7といったところでしょうか。高等教育において男子学生は一般的に就職で有利とされる技術系を選ぶ傾向にあるため、いわゆる文系中心のイスラーム大学にはあまり集まらないようです。ですがイスラーム大学とはいうものの実のところ総合大学で工学部や経済学部もあり、学内で一番規模が大きいのは工学部だという話を聞きました。
 この男女比の差はイスラーム大学内だけなのかなと思っていたら、マレーシアではなぜか男の子より女の子が生まれることが多く、総人口の構成比率も女性の方が高くなっているとのこと。その原因はわからないものの、かなり深刻な社会問題だと思います(でも当事者のマレーシア人達は『なんとかなるよ』と案外あっけらかんとしているんですよね・・・)。
 もっとも一夫多妻が認められているので法制度上ではそのような現象にも対応できているのですが、やはり大抵の場合、最初の妻は第2夫人を娶るのをイヤがりますし、夫人同士の不仲や遺産相続で揉めたりするのはどこのイスラーム社会でもあることで、それを敢えて推奨するというのも更なる問題が生じることになりそうです。
 私が習っているアラビア語の先生は『今はたまたま女性が多く生まれる時期で、百年もしたら今度は男の子が多く生まれるから大丈夫』などと無責任なことを言っていました。でも男の子が多く生まれることになったら、今度は結婚相手を見つけられない男達が溢れてしまいます。一妻多夫も同性婚も認められていないイスラームではこうなってしまうと法制度上対応しきれないですよね。まあその時はその時で、アタマのいい学者さん達が解決策を捻り出してくれることでしょう。

シンドラーのエレベーター

2006年08月20日 23時27分11秒 | Weblog
 日本で一時話題になった『シンドラー』のエレベーター。今でも度々トラブルが起きているようですね。
 私もマレーシアに来てエレベーターに乗る際にはちょっと気になっています。でも滞在中の2ヶ月間、シンドラー社のエレベーターは一度も目にしていません。
 ただこの会社、エスカレーターも製造しているようで、こちらの方は駅や政府機関の建物で使われていました。自分が乗った時にはシンドラー社製とはいえフツーのエスカレーターで、急に止まったり、段が逆に動き出したりはしませんでした。ちょっとしたトラブルがあった方が話としては面白いんですが、そう都合よく起こるものじゃないですね。
 サウディでもシンドラー社のエレベーターがないか、あちらに戻ったらちょっと注意してみることにします。なんか大学のエレベーターあたりで使っていそうな気がしないでもありません。

そごうレストラン

2006年08月16日 21時02分33秒 | Weblog
 クアラルンプールの百貨店『そごう』にある日本料理屋『そごうレストラン』にマレーシア人の友達と行きました。いつもご馳走になってばかりなので、そのお礼を込めてといった意味で招いたのですが、皆日本料理は初めてだとのこと。ただ今まで日本料理屋に外国人と一緒に行って好評だったことは1度もなく、どんな反応をされるかちょっと不安でした。
 注文を任されても、果たしてどれを選んだらいいのかまた微妙なもの。以前、バングラデシュ人とカイロの日本料理屋に行った時、うなぎを注文したら出された料理を見て『これはヘビだ!!!』なんて言い出したくらいですし・・・とりあえず『てんぷら』『すきやき』『鉄板焼』『釜飯』と、いかにも日本っぽいものを頼むことに。
 ですがですが意外なことにここのレストラン、料理はそれなりに美味しかったです。私が外国で訪れたことのある日本料理屋の中では一番まともでした。大体、外国の日本料理屋というのは現地人スタッフが多いせいで、味付けが『和風』じゃない場合が多いんですよね。『だし』に頼らず、すべて『塩』に任せるといいますか。ただカイロにある『お化け屋敷』とも称されている某日本料理屋では日本人のオヤジさんがすべて取り仕切っているにも関わらず、長期間のエジプト滞在で味覚が狂ってしまったのか、どうも日本離れした味付けをしていて驚かされたこともありますが。
 『釜飯』だけは味付けが薄かったからかあまりいい反応はなかったものの、エビ天や鉄板焼は大好評でした。またてんぷらの味は『天つゆ』だけでは物足りないようで、それにさらにチリソースを付けていたところなど、いかにもマレーシア人らしい食べ方をしていたものです。
 最後のお会計は税金込みで180リンギット(約5400円)ほど。4人で食べに行ってこの額だったのですが、日本だったらちゃんとしたディナーを頼むと5000円なんてひとり分にもなりませんよね。マレーシアだからこそご馳走することができたわけで、これもまた今回の滞在のいい思い出です。

SONYは強し!

2006年08月15日 15時19分42秒 | Weblog
 マレーシア人の友達と電化製品の展示・即売会に行ってきました。
 知らないうちにMP4とか出ていたり(MP4ってなんですか?)、MP3もお値段がかなり安くなっていてビツクリしたものです。
 でも友人は数ある中、『SONY』の物にしか目が行っていませんでした。日本の経済ニュースを見る限りではここ最近ヒット製品もプロデュースせず、ちょっと沈みがちといったかんじだったのですが、マレーシアではまだまだ『SONY』のブランド力は強いみたいですね。また価格設定も他の会社に比べてやはり少々高めといった感じがしました。ラップトップのパソコンなど3000リンギットから4000リンギットくらいで売られている中、SONYのパソコン『vaio』はスペックもそう違わないのに7000リンギットや8000リンギットもしましたし。
 その後インターネットで調べたところ、こちらで売られていたSONYのMP3は449リンギットだったのが、日本では1万円少々(350リンギットくらい)で売られていました。
 結局、一緒にいた友人からは『このMP3を日本から買ってきて』と頼まれてしまう羽目に。他にもデジカメを買ってきてくれという依頼があり、10日後の一時帰国はちょっとした買出しということになりそうです。

私はアラビア語オタク?

2006年08月08日 23時59分28秒 | Weblog
 最近思うんです。私って、アラビア語オタクじゃないのかと。
 そもそもアラビア語文法が好きという時点でちょっとおかしいですよね。文法といっても外国人がアラビア語を理解するためのものではなく、日本語の文法学習で例えるならば『どれが主語でどれが目的語』『この助詞は終助詞でこれは格助詞』といったかんじのもの、あるいは古文における品詞分解のようなことをアラビア語でやっているのです。読解に直接結びつくわけでもないけれど、アラブでのアラビア語教育とはこういった理解に重点を置きます。
 でもちゃんとわかってくると、いかにアラブ人が滅茶苦茶なアラビア語を使っているかを知ることができます。通常、新聞や書籍において母音符号は省略されているのですが、子供向けの本などには振られていることがあります。でもそれがまた間違いだらけで唖然としてしまうこともしばしば。教科書ですら『えっ?!』って思うような間違いを見つけてしまうことも。
 あまり実用的でないのは承知の上でついつい文法書ばかり手にとってしまうのは習慣になってしまったからでしょうか(笑)。最近は単語力向上のために一般書籍も極力読むようにしています。

レバノン人学生の今後

2006年08月06日 22時23分44秒 | Weblog
 今は夏休みなのでマディーナのレバノン人学生も国に帰っています。あと1ヶ月すると新学期が始まりますが、彼等は果たしてマディーナで学習を続けることができるのか・・・空港はすでに閉鎖されているわけで、もしマディーナを目指すとしたら陸路でやってくることになります。シリアとの国境は難民でごった返しているのは想像がつきますし、幹線道路も補給路を絶つために爆撃されていると聞きます。道のりは険しいものでしょう。
 また戦争の中、家族を残して学業のために旅に出る気になるかどうか。まあ中には家族の方々が安全なマディーナへの避難、そして学業の継続を勧めたりするかもしれませんが。
 シリア人学生に電話して聞いてみたところ、確認できる範囲で目下レバノン人学生達は皆無事だとのこと。でも空爆は続けられていますし、彼等やその家族にいつどのような危険が迫り来るかもわかりません。
 入信する前まで中東における戦争など本当に他人事でしかなかったのに、今はそれを身近に感じる身となりました。いろいろと考えさせられてしまいます。

今年のラマダーンは・・・

2006年08月05日 23時26分44秒 | Weblog
 ラマダーンが少しずつ近づいてきています。今年は9月24日頃ラマダーン入りする予定なんだとか。ヒジュラ暦(イスラーム暦)は太陽暦(西暦)に比べて1年が約11日短いので来年は9月13日頃、もう数年すると真夏のラマダーンを迎えるということになります。
 サウディにいたら屋外の暑さは厳しいものの、建物の中はどこでも冷房が備え付けてあるので、案外ラクに一日を乗り越えられるものです。とはいえつい20年・30年前までは冷房もそう普及していなかったわけですから、その暑さの中での断食はさぞかし厳しかったことでしょう。
 私の場合、長時間飲み食いを絶つことはそんなに苦じゃないのですが、食事が出来る時間が短くなるのが問題です。日没を迎えてイフタール(断食を解く食事)を摂り、その後マグリブ(日没)とイシャー(夜)、ラマダーン中のタラーウィーフ(イシャーの後)の礼拝を終えてからさらに食事。早朝、空に太陽の光が差し込む前にさらに食事と、9時間くらいの間に3食を摂らなくてはなりません。胃腸が弱く、食が細い自分にとってはそれが大変なこと大変なこと。少しでも多く食べなきゃカラダがもたないと思い、半分泣きながらとにかく食べるようにしています。
 去年はサウディに来たばかりで友達もなく本当に寂しいラマダーンでしたが、今年は『試練の1ヶ月』を仲のいい学生達と楽しく過ごすことができそうです。胃薬片手に頑張っていかなくては!