アラブのうわさ

アラビア語、アラブ文化、イスラーム(イスラム)等に関する話題を元留学生が等身大でお伝えします!

モロッコ人学生就職事情

2006年07月30日 22時25分21秒 | Weblog
 マディーナのモロッコ人学生でマレーシアに遊びに来ている子と会いました。ふと卒業後の話になったのですが、『仕事はどうするの?』と聞くと『モロッコに帰っても仕事なんてないからね・・・マディーナに残ってシワーク(木のハブラシ)売りにでもなるよ』という返事で、ハブラシ売りは冗談だとしても、彼の将来が明るく輝くものというような感じではありませんでした。
 事情はいろいろあるにせよ、モロッコではイスラームを専門に勉強してきた人は危険思想者とみなされるようです。マディーナを卒業した人も同様の扱いを受けるのでしょう。本来は逆で、より正しい道を教えるための大学なのですが・・・
 実のところ私も卒業後の進路などまったく見通しは立ちません。順調に学業を終える頃は30台も半ばにさしかかります。イスラームの知識がありアラビア語に通じていたとしても、そんなトシの新卒に仕事なんてありますかねえ(笑)。
 まあ卒業は4年以上も先ですし、今からどうこう考えられる問題じゃないですね。当面は目先のことをひとつずつ片付けていくことにます。

プリントTシャツ

2006年07月28日 23時53分50秒 | Weblog
 日本に一時帰国していた時、あるおばさんに『イラクへの援助物資として古着を募集していたのだけど、絵の入ったTシャツはダメと言われたのはなんでなのかしら?』と聞かれました。
 それなりに事情があります。絵や写真といった類は『偶像崇拝』に結びつきやすいという考えがあるのですが、イスラームにおいてそれは信仰上最も忌み嫌われる行為とされています。よってそういったTシャツは避けておこうという判断なのでしょう。
 また時にはプリントされた文字や絵自体に問題があることも挙げられます。以前、エジプト留学時代にインドネシア人の学生から『これはなんて意味?』と聞かれた際、彼のTシャツにプリントされていたのは『毘沙門天』という字に、それを描いたとしか思えない絵でした。毘沙門天とは日本では財宝の神という扱いで七福神のひとつにされていますよね。知らない人にしてみれば『絵がカッコいいから着ただけ』とか『漢字が珍しくていいじゃん』となるのでしょうが、知っている人が見たらこれは明らかに唯一神信仰から外れることとなるわけです。
 とはいえ時代が経ちカメラやテレビが普及したこと、イスラーム版図の拡大に伴い人々の間で絵や写真に対する認識が異なることなどにより、それに対する忌避の度合いは地域によってずいぶんと違います。
 例えばサウディで宗教的に厳しい人は『写真はハラーム(禁止行為)だ!』と言い切りますし、同じサウディでも若者同士や家族の間ではごくごく普通に記念写真を撮ったりします。
 私の友人の間でも写真については意見が分かれていますが、自分のことを言いますと別段写真をハラーム視はしていません。

ヒズボラは『神の党』?

2006年07月25日 23時51分07秒 | Weblog
 さて。レバノンとイスラエルの間でドンパチ起こってしばらく経ちますが、今回の騒乱を引き起こした『ヒズボラ』(アラビア語の発音だとヒズボッラー)。一部の報道等では『神の党』と紹介されています。でも正確な意味を吟味すると、この訳は間違いだと思うんです。
 というのも、ヒズボッラーという単語はヒズボ(党)とアッラーの2つの語から成り立っているのですが、アッラーは一般的概念としての神『イラーフ』に定冠詞のついた単語で、固有名詞的に使われています。なので語呂は悪いものの『アッラーの党』、あるいは存在を限定させた『唯一神の党』と記述するなどして、多神の要素をも含む漠然とした表現の『神』とは区別する必要があります。
 ノン・ムスリムの方はここまで細かいことに神経を尖らせなくても・・・と思われるかもしれませんが、神の唯一性を正当なものとするのはイスラーム信仰の根本であり、やはり譲ることはできません。

時給3リンギット

2006年07月24日 00時09分28秒 | Weblog
 イスラーム大学構内の売店等では、学生達がパートタイムのお仕事に励んでいます。
 それでも聞いたところ、時給は3リンギットなんだとか・・・日本円にして100円にもなりません。
 とはいえそれがマレーシアでは当たり前のようです。マクドナルドの売り子も時給4リンギット(約120円)だといいますし。
 マディーナに留学しているマレーシア人学生の多くはラップトップのコンピュータを持っていたりするので、全体的にもっと所得があるのかなと思っていましたが・・・どうやら彼等はお金持ちの子のようです。そもそもマディーナに留学するくらいの子は、イスラーム教育に力を入れている私立の学校を卒業しているはず。となるとそれだけで多少なりとも経済的に余裕のある家の出ということになりますか。
 日本だと東京近県ならパートタイムのお仕事でも時給800円くらいから。派遣のお仕事だと時給1300円から1500円くらいというのはごくごく普通にありますが、世界的に見ると飛びぬけた高給となります。でも物価の高い日本ではそれでも『足りない』という不満も出そうなものですよね。

トイレにパンツが落ちてます

2006年07月23日 00時28分50秒 | Weblog
 なぜなんでしょうか。モスクのトイレではパンツの忘れ物(あるいは落し物?)をよく目にします。数日はそのまま放置されるのですが、しばらくすると掃除のおばさんが処分するのか所有者が持っていくのか、気が付くとなくなっています。
 マレーシアの人は用便の際、どうやらズボンとパンツを全部脱ぐ習慣があるようで、トイレの個室のドアには閉まったドアの上に内側からズボンやら腰巻やらが掛けられています。
 その時にあやまって床に落として汚れてしまったからそのまま放っておかれているか、あるいはただはき忘れただけなのか・・・
 真相は不明です。

張り紙がされました

2006年07月22日 23時58分09秒 | Weblog
 先日お伝えした『モスクで人が死にました』ですが、その後階段には『CAUTION!』と張り紙がされました。
 確かに階段のタイルって滑りやすいんです。靴下を履いている時、またウドゥー(礼拝前の身の清め)で足を洗った後の濡れた状態で歩く際には本当に注意が必要です。
 でも階段の段を数えたらひとつの階から踊り場まで10段足らず。亡くなった方は一体どんな派手な転び方をしたでしょうか。見たところちょっと転んだくらいじゃ人が死ぬような感じはしませんでしたが。
 いずれにせよアッラーがそう望まれた結果、現世とお別れとなったことには違いがありません。ヤルハムフッラー(アッラーが彼に慈悲をおかけになりますように)。

なにかが違うマレーシア

2006年07月21日 00時07分05秒 | Weblog
 マレーシアのイスラーム、サウディから来るとちょっと違うんです。イスラームには主に4つの法学派(イスラーム法解釈の見解の違い)があり、サウディで主流の法学派は『ハンバリー』でマレーシアが『シャーフィイー』となっています。そのためちょっとした違いがあるのは当たり前だといえるでしょう。
 でも金曜日の礼拝の時に『ほれ、サダカ(任意の喜捨)をしなさい』とばかりに募金箱が回ってきたりするのは、どうなのかと思います。
 サダカはあくまで『アッラーの顔』を思い浮かべて行われるべきもので、人の目があるからとか募金箱が回ってきたから仕方なく、ということに本来の意義を見出すことはできないのに・・・またサダカの形としては直接貧しい人、困っている人に援助する方がいいはずなのですが。
 そもそも募金箱で集められたお金がどのように使われているのかも謎。まあモスクで責任持って管理しているのでしょうから、そう深く詮索する必要もないことですかね。

モスクで人が死にました

2006年07月20日 22時33分41秒 | Weblog
 先日、モスクで人が死にました。アメリカ人の学生だそうですが、階段で足を踏み外してそのまま転げ落ち、頭を強く打って亡くなってしまったのだとか・・・
 私もそそっかしいので日頃から注意が必要です。もっとも私の場合、注意していてもコケることがありますからどうしようもないですね。

意地悪な質問

2006年07月17日 23時00分57秒 | Weblog
 イスラーム国家とはいえ、マレーシアにはノンムスリムも多くいます。そのためか、セブン・イレブンなどではビールも普通に売られているのですが、この前『ミロ(MILO)』を買おうとして緑の缶を探していたらあやうく『バドワイザー』を手にとってしまいそうになりました。なんといっても裸眼では視力0.1もないド近眼なもので・・・
 このことをマレーシア人ムスリムの友達に話していた時、ふと『お酒を飲んだことある?』と聞いてしまいました。その反応はというと、ちょっとギクッとした感じで『いや、えと、あの・・・ううん。飲んだことないよ』とかなり歯切れの悪いものでした。
 まったく意識はしていなかったものの、意地悪な質問になってしまったと反省しています。というのも過去にお酒を飲んだことがあったとしても、私の質問には『飲んだこと無い』としか答えようがなかったでしょう。すると結果的に『ウソ』を強要させてしまっているわけです。
 今後は気をつけなくてはいけません。