石打ちの刑

　石打ちの刑についての補足です。
　言うなれば『死刑』のことで、死刑囚に対して死ぬまで石を投げ続けるといった執行方法を取ります。でも現在『石打ちの刑』を実施しているのはサウディアラビアだけじゃないでしょうか（あとはもしかしたらイランでも行われているかもしれません）。
　ただ姦通の立証というのは難しいので、これが理由で『石打ちの刑』というのはとてもまれなことのようです。というのも、４人以上の証人あるいは本人の自白が必要となるからです。またその証言も性器の結合部分まで目にした場合のみ『姦通』と断定されるわけで。フツー、性行為は密室なり人目につかないところでやりますからねえ…一部のマニアの方は別かもしれませんが。

合法的な性交渉

　『性的な交渉はイスラームにおいて禁止されている』
と書きましたが、正確には『認められた関係以外での性行為が禁止』ということになります。合法的な性交渉は『夫婦間』及び『主人と女奴隷間』となっていますが、現代社会において奴隷制度は存在しないことになっているので、実際には夫婦間の性交渉しか持てないとなるわけですね。となると私の場合、独身なので合法的な性交渉を持つことができません。
　また認められていない性交渉はすべて非合法となり、それに含まれるのは婚前交渉、結婚後の性行為を伴う浮気、同性間の性交渉など。
　未婚者の姦通の場合は１００叩きの後に町から追放で、既婚者の姦通の場合は石打ちの刑が科せられることになっています。
　お酒と豚が禁止されていることや一夫多妻（多妻といっても妻は４人まで）と並んで、イスラームならではのきまりだと思うのですが、なぜか日本ではこのことってあまり知られてないんですよね…

エイズ検査

　エイズ検査を受けてきました。
　というのも、私は現在サウディアラビアへの留学を希望していて、ビザ取得のためにエイズ検査を含めた健康診断を受ける必要があったからです。
　得てして、アラブの国々はエイズに関して敏感な反応を示しているといえるでしょう。４年前、イラクに入国した時もイミグレーションでエイズ検査をさせられました。また去年通っていたエジプトの学校、『アズハル』に就学の申請をした時もやはり健康診断書の提出を求められ、その際にエイズ検査を受けなければなりませんでした。
　入信後、エイズに感染するような行為、特に性的な交渉はイスラームにおいて禁止されているため身を遠ざけるようにはしているものの、やはり結果を見る時にはドキドキするものですね。幸い、今までの検査結果はすべて『陰性』となっています。

バス代の謎

　カイロではトヨタのミニバン『ハイエース』を改造した車がミニバスとして用いられています。後部には３人掛けシート４列の１２人、助手席には２人乗るので運転手をいれて１５人乗り。また多くの場合、集金兼客引きの車掌役の男性が同乗します。ミニバスは大体決まった路線を走っていて、乗りたい場所で止まってもらい、また降りたいところでも止まってもらえるのでとても便利な交通手段の一つといえるでしょう。
　ある日、私がミニバスに乗った時のことです。車掌がいなかったため、運賃を直接運転手に払いました。この路線の料金は定額で１ギニー（約２０円）。満席だったので、運転手の手元には１４ギニー渡されるはずです。するとどうでしょう。なぜか２５キルシュ（４分の１ギニー、約５円）がおつりとして返ってくるじゃないですか。皆、自分のではないからと受け取らなかったため、その２５キルシュ札は次々に回され、しまいには私のところへやってきました。

　　　　私　　　　 『これ誰の？』
隣のおばさん　 『知らないわ。取っときなさいよ』
　　　　私　　　　 『えー、どうして？』
隣のおばさん　 『ここはエジプトだからね…』

たしかに、秩序という言葉が似つかわしくないエジプト。このおばさんの説明にイマイチ納得はいかなかったものの、首をかしげつつ２５キルシュ札をポケットにしまいこんだものでした。

雨

　ご存知の方も多いかもしれませんが、アラブでは曇り空や雨天の場合を『いい天気』といいます。アラビア半島の国々の湾岸部や一部標高の高い地域を除き通年ほとんど雨が降りません。また雨が降ると砂漠に水溜りができるので、家族で水溜りを囲みにピクニックに出かけることもあります。水溜りを囲んではしゃいでいる人々の姿というのも、日本人にはなかなか創造つかないですよね。
　それに対して春のバグダード（バグダッド）は結構な『どしゃ降り』に襲われます。一応、排水溝などもあるにはあるのですがあまり役には立っていないようで、やはり町中水浸しになってました。町の中心部にあるお店の多くが営業放棄（休業）していたのが印象的です。
　またカイロでは秋と春に雨が降ることが多いです。ただでさえ渋滞のひどいアラブ圏一の大都市カイロ。雨が降ると交通状態は輪をかけて悪くなります。あまり秩序の無いエジプトではこういった時、バスが終点まで行かなかったり、路線を変更することもしばしば。私も何度か降りざるをえなかったことがあります。もちろん料金払戻しのシステムなど無いので、乗客は運賃の払い損ということに（まあ公共バスの運賃は１０円くらいなんですけど）。運転手の判断でそうしているのですが、日本のバス会社でこのようなことをしたら処分モノですよね。
　今日は台風に見舞われ大雨ですが、あちらでは味わえない日本の風情を感じています。

食文化 その１

　ただいま一時帰国中。日本は食事がおいしくていいですね。
　さて。食文化は世界中どこも違うものですが、私がエジプトで住んでいた学生寮には色々な国から学生が来ていたので、ちょっとした『食』の博覧会でした。アフリカ系は豆の煮物、バングラデシュはカレーといった感じに。
　ある日、私が味噌汁を作ってキッチンに置いていたら、ちょっと目を離したスキにそれがなくなってしまったことがあります。ふとシンクを見ると、自分が使っていた鍋が空で置かれている・・・そこでちょうどキッチンに入ってきた仲のいいバングラデシュ人の学生に『私が作っておいたスープを知らない？』と尋ねるとその答えは『えっ？！あれは汚れた水だと思って捨てちゃった』でした。
　まあたしかに汚れた水に見えなくもないからしょうがないか・・・

見た目年齢

　アラブ人というと、多くの男性がヒゲを生やしています。そのせいか皆どうも老けて見えるのだけれども、ヒゲワシャでそれこそ『この人って４０歳くらいかな・・・』という人がまだハタチそこそこだったりする。
　私などヒゲを生やしていないためか、アラブにいると実年齢より年下に見られることが多いのですが、やはり若く見られるというのは嬉しいものですね。しれっとして、年齢を６～７歳サバよんだところで疑いの目を向けられることはないものの、さすがに１０歳サバよむと１０台ということになってしまうので、そこまでずうずうしいことは控えるようにしています（笑）。
　はぁ、そういえば昨日は誕生日だったんだなあ。またひとつトシを取ってしまった。