アラブのうわさ

アラビア語、アラブ文化、イスラーム(イスラム)等に関する話題を元留学生が等身大でお伝えします!

カラスの足跡

2008年08月24日 07時58分30秒 | Weblog
 先日イエメンの航空会社『イエメニア』を利用した際、機内誌をパラパラとめくってみました。
 すると『شيخوخة العيون』(目の老化)というなかなか興味深い見出しが目に付いたのですが、お肌の曲がり角を迎えると誰しもに襲い掛かる目元の悩みの解決方法を紹介するという記事でした。
 そのうちの1つ目は
『المشكلة:التجاعيد والشقوق』(問題:シワと割れ目)
となっていて、その解決方法として
『...من مشكلة أقدام الغراب الصغيرة خداً إلى خطوط العميقة』
(とても小さなカラスの足跡の問題が深い線になっていく・・・云々)
と説明がされていました。
 結局はボトックス注射を打ちましょうなどと、どうでもいいことしか書いてなく、私にとってはそれより『日本語と同じくアラビア語でも目元の小じわをカラスの足跡という表現をするんだなー』といった発見の方が役に立つ内容だったと言えます。
 ところで他の言語だと目元の小ジワをどのように表現するのでしょうかね?どなたかからコメントを頂けたら幸いです。

1ポンド玉

2008年08月21日 14時13分27秒 | Weblog
 エジプトで使われている紙幣は使い古されてボロボロなものが多く、中にはセロハンテープで補強されていたりもします。
 新しく出た200ポンド札やそれに次ぐ高額紙幣の100ポンド札は比較的きれいなんですけど、とにかく単位が下になればなるほどひどい状態になり、そういったものは買い物を繰り返すうちに本人が望まなくてもトランプのババ抜き状態で次々に回されてきます。またあまりにもビリビリに破けていると商店での利用も拒否されるのですが、店側としては受け取るのを嫌がるものの、お釣りではしっかりと渡してくるんですよね・・・
 ですが最近は以前に比べて1ポンド玉を多く見かけるようになりました。少し重たくて不便なものの、紙幣のようにボロボロにならない利点があります。
 もしかしたらエジプト造幣局で1ポンド札に替えて1ポンド玉を流通させようとしているのかもしれません。

かわいそうなマーシー

2008年08月16日 03時58分27秒 | Weblog
 イエメンの首都サナアーに、日本人旅行者から『マーシー』と呼ばれている旅行ガイドがいます。
 マーシーの由来は芸能人だった『田代まさし』に似ているからという話で、ある安宿でマーシーを見かけた時、自己紹介を受ける前に『あー、この人が噂のマーシーだな・・・』と私でもすぐわかったくらいでした。
 ですが実のところ、本人は『マーシー』というあだ名を好きではないとぼやいていました。ただ日本人にとって彼の名前、『アブドゥルファッターフ』は長すぎて呼びづらい上に覚えにくいのでしょう。
 『エジプトならマーシはOKっていう意味なんだし、その名前は悪くないんじゃない?』などと言っておいたものの、しばらくしてあることを思い出しました。マーシとはエジプトではOKという意味なのがイエメンでは正反対、つまりダメとかノーを意味するのです。
 本人が望んでもいないのにこういったあだ名をつけられたのではちょっとかわいそうな気もしますが、すでに日本人の間では『マーシー』が定着していますし、今になってそれを変えるのも難しいのかもしれません。しかもガイドにとって自分の存在・名前を広く認知されることは仕事上、大きな利点でしょうからなおさら。
 もちろん私は彼を『アブドゥルファッターフ』と本名で呼んでいます。事情を知る私までが『マーシー!』と呼びかけたら、それこそ嫌がらせになってしまいますものね。


マッチョなイエメン人

2008年08月10日 20時24分41秒 | Weblog
 イエメン人というと、なぜか痩せこけた人が多いです。食の貧しさもあるのでしょうが、体質的にそうなのかもしれません。
 ですが昨日、ジューススタンドに『ざくろジュース』を飲みに行ったら、タンクトップ姿で筋肉ムキムキのイエメン人を見かけました。
 身体の線があらわになる服はイスラーム上、よくないんですけどね・・・ましてや肌の露出も一般的に避けられる傾向にあるので、こういった格好は本当に目立ちます。ただマッチョな男はサウディアラビアでもたまにいて、これ見よがしに筋肉隆々の腕をさらしていましたっけ。
 マッチョな男って万国共通・ナルシストなんでしょうか???

やっぱり複雑なイエメン方言

2008年08月05日 23時50分40秒 | Weblog
 先日『イエメンではフスハーが通じる』などとお伝えしましたが、色々話を聞いてみるとアラブの他の地域では見られないくらい、多様な方言が存在するようです。イエメン人いわく、国内で2番目に人口の多い都市、タイズでは1つの町にもかかわらず、大きく3つの方言が話されているのだとか。
 また例えば『パン』を意味する単語『ホブズ』。これも町によって呼び方が変わるのだといいます。
 それでもぱっと見た感じ、意思の疎通に困難をきたしている様子はありません。更に不思議なことに、私にはイエメンの方言などわからないはずなのに、ネイティブ間で話している内容も場合によってはちゃんと理解できるのです。サウディアラビアの方言に近いからでしょうか。
 滞在中、耳をダンボにして彼らの話す言葉を注意深く聞き取りたいと思います。

涼しいイエメン

2008年08月01日 00時58分12秒 | Weblog
 夏休みを利用して、目下イエメン旅行中。
 高地に位置する首都のサナアーは時々雨が降ったりして、サウディアラビアやエジプトに比べると本当に涼しいです。
 それにしてもサナアーで会う人々のアラビア語には驚かされます。
 かなりフスハー(正則語)に近い言葉を話してくれるのです。
 イエメン方言は訛りがきついという指摘を耳にしたことがありますが、エジプトの言葉に比べたら随分とキレイなアラビア語を話してくれるという印象を私は持っています。
 例えば『パンが欲しい?』と聞くとすると、
 エジプトでは
 『アーウィズ・アエーシュ?』
 になりますが、こちらイエメンでは
 『トゥリード・ホブズ?』
 と、フスハーの表現のまま。
 環境が整えば、アラビア語学習、特に会話の上達に関してはイエメンもいいのかもしれません。


 追記 その後、『欲しい?』という表現では『タブガー?』という『トゥリード』とは別の言いまわしをよく耳にしました。ちなみにタブガーは湾岸地域でよく使われていますが、こちらもフスハーの単語です。