たまたま見てましたら、なんで稽古着で本番の芝居をするのか?というような疑問がありましたので、それくらいなら、私も答えられますので、できる範囲でしてみます。
ただあくまで「北区つかこうへい劇団」それ以前の劇団について聞いた話だけです。
現在有志がしている劇団については触れません。
毎回似たような写真になりますが、うちうちの事情がありますので…。ご了承ください。
しかし、懐かしい写真が…。多分大丈夫だろうと…。

paradox.arrow.jp(出典)
「売春捜査官」の舞台風景です。吉見あかりさん、多分、大分市つかこうへい劇団のものと思います。
女性は稽古着ですね。

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「銀ちゃんが逝く」左より山崎銀之丞、吉田学、平栗あつみ
これもほぼ稽古着って感じです。

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「飛龍伝」神尾佑、桐谷美玲 ほぼ稽古着です。
一方ちゃんと

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「熱海殺人事件~モンテカルロイルージョン~」のように衣装のあるものもあります。
まず、熱海殺人事件(以下=熱海)は犯人・大山はオレンジのつなぎです。これは定番です。部長刑事、この場合は阿部さんが演じている役ですが、これも歴代タキシードと決まっています。
この差はなにか?といいますと、要は、
金がないそこに行き着きます。
つかさんが舞台を始めた頃って、まだ学生の頃で、予算というものが無かったんですね。
「熱海」はつか芝居初期の作品ですが、衣裳を用意する金がない。
ないから、あるもの着て来いで、たまたま初期に演じていた役者さん(多分、三浦洋一郎さんだったと思います)がタキシードを持っていた。だからそれ以来、タキシードが衣装になったという、実に単純な理由です。
舞台装置もほぼありません、これは全芝居外部公演でない限り共通してますが「熱海」で唯一絶対にあるのがこの机です。

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あとは椅子が2つくらいあって、小道具がある程度ですが、何故こうなったかというと
金がない舞台装置なんぞ用意出来んから始まったようです。
それでいろいろ、いわれると、じゃ、クラックでもかけろとオープニングは「白鳥の湖」がかかるようになりました。
だったら、格調あって文句ないだろうみたいなところから始まってます。
(※誤解ないように付け加えますと、そういうセンスはつかこうへい氏ならではのものです。
「熱海」は岸田國士戯曲賞(演劇界の芥川賞と言われる賞)をつか氏は当時最年少で受賞しています。これはノミネートにて受賞するものです)
別に舞台装置も衣装も無くても、役者の身体と台詞と熱意があれば、芝居はできるが、今に受け継がれたという感じのようです。
この机はいつも稽古場の隅に放置されていて「売春捜査官」のときなど酒を煽るので、酒びんも上に乗ってたりしますが、うわぁ~って触って振ったら、中から水が出てきてびっくりしたことがあります。
長い間芝居に耐えているから、蓋がしてあっても漏れてくるんですね。
まず、新人の公演なんぞ、証明なし、音響なし、衣装なしが売りでしたからね。(照明、音響はありましたが)
サバイバル公演なんて言って、お客さんの投票みたいなので、役者のギャラが決まるなんて企画もかつてはありましたね。(本当にそれしか渡してないのかは、当時は中の人間じゃなかったので知りません)
唾が飛んでくる、汗まみれというのもありました。
18歳~20代半ばの役者が、つかさんが芝居はF1と同じだと言い、技量がない分、勢いで演じるから、飛びまくる状態になるみたいです。
昔は劇団内の公演のときなんかよくジャージ着こんで本番に立ってましたから汗まみれで、そこまでしなくてもいいだろうと思ったことはありましたが…。

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入所式のつかさんの挨拶です。こういうシーンに私も立ち会い、今から始まると緊張したもんです。

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「北区~」の看板役者、1期生の神尾祐さんです。今はテレビ、舞台と大忙しの出世頭です。
と、まあ、我が懐かしき学びやの話でもありました。