goo blog サービス終了のお知らせ 

「愛人」という職業

2011-06-19 18:00:00 | 思い出
 私の個人的な知り合いではないのだけど、

 職業・愛人

 という人がいた。

 若い女なら、世間が判っていない。若いうちならなんだってできるでしょう、と切り捨ててしまうわけだが、60を過ぎた女性だから、凄味があるわけだ。

 個人的な知り合いではなかったので会ったことがあるわけじゃないので、どんな顔をしているのかも知らない。

 でも何故か娘がおり、孫もいた。1度は結婚をして生んだのか、誰かの子を未婚のまま生んだのか、それは知らない。

 でも、今の話を聞いているなら、それなりに生きてきた女の人生があるだけだ。


 酒が入ると色っぽくなるらしい。それが男たちを虜にしたようだ。
 もちろん、長い人生の間、相手が切れることもあった。中にはそれだけのお手当を出してくれない男もいたのだろう。
 だから、その分は自分で働き、資格も持っている。

 でも主職業は愛人が1番長く、彼女の人生の中に横たわっていた。



 たまたま私が彼女の話を聞いた頃、仕事をしている先の経営が危ないのか、もう数カ月給料を払ってくれないから困っている…そんなことを言っていたらしい。


 さすがに60を過ぎると、愛人としてやってはいけなくなっていたらしい。
 仕事は違う方へ展開されていた。


 どうしてそんな人生を送るのだろう。
 そう思う反面、それでも生きていけるのだなと、何故か私を納得させた。

 なんと言っても物語じゃなく、本当にそうして生きてきたんだもの。
 そりゃ、説得力があるわ。

 彼女の後姿だけはちらりと見たことがある。

 姿を見ているだけなら、普通の人生を歩んできた、どこにでもいる、おばさんでしかない。


 しかし、彼女の人生は、そういう特異なものだった。

 自分で選んだのではなく、気付いたらそれが当たり前になっていたのかもしれない。

 しかし、年齢を考えるならいろいろな偏見と闘い続けた人生だったんだろうな、そうも思う。


 人の生き方はいろいろある。

 今の彼女がどうしているのか、さっぱりしらない。それなりにやっているのだろう。

 それなりにやっていけるのだな。

 私にそう教えた人でもあった。


 彼女の歩んだ人生は、私のその後の人生に大きな何かを残している…それだけは間違いがない。

楽園のライオン

2011-06-19 15:00:00 | ドラマ/映画/ドキュメンタリー
 市原悦子さん主演の2時間ドラマでたまたま再放送をしてた。
 主役は、フリーのジャーナリストでかつて一緒にしていた出版社の担当たちはみんな上手くやって上の地位に昇り詰めている。
 そして、あんなばあさんに何ができるとばかにしてるわけだ。
 雑誌なんだから売れる記事を書く。大衆の興味のあるネタを書く。

 主人公はそれに対して怒りを感じるわけだ。
 ジャーナリストなんだから事件の真相を暴かなくてどうする?

 50を過ぎようと牙をむいたライオンでいることを選ぶ。

 でもそうすると仕事がなくなっちゃうわけだわな。
 長いものには巻かれろ、そう忠告されても自分のやり方を変えようとしない。

 ちょっとした縁でホステスとしてスカウトされる。


 50を過ぎてもホステスってできるの?

 って、まずそこにびっくりするのだ。
 現実的に可能かどうか知らないが、できるなら、こりゃ怖いものないわよね。


 元々私が書いて生きて行こうと思った時、最後は野垂れ死にしても構わない覚悟ができたからだ。
 それくらいの覚悟がなければ踏み切らないわさ。


 けれど、主人公は、そのホステスとして入った店「楽園」で2人の元・ホステスの死に遭遇する。
 今は古くなってしまったけれど、サイトで自殺仲間を募って練炭自殺をする、それにのせられて死んでしまったのだ。
 犯人は誰だろう。主人公はジャーナリストとして動き出す。

 店に来ている若い男の1人が怪しい。
 かつて親に車の中に捨てられて、どんどん温度が上がって行く車の中で死ぬ思いをした過去を抱いている。
 自分をそんな目に合わせた母親に怒りを抱いており、その復讐として「黒い天使」と名乗って、自殺を助ける振りをして、人々を殺している…主人公はそう睨む。

 男を追い詰めようとすると、それに勘ずいた彼に、他のホステス達の怒りを買うように仕向けられ店にいられなくなるようにする…。
 この辺も若い女たちのそれと違う。髪をつかみあって喧嘩をするというのではなく、静かな無視というのかな…そういうことが繰り広げられていくわけだ。

 そして最後、男を追い詰めるために、彼女は自らが自殺志願者になり、男に罠を仕掛ける…。


 切ない話と言えばそうだ。

 しかし、タイムリーというのかな。

 ジャーナリストなら、最後まで牙をむけ。

 そういうメッセージが響いた。

 ぬくぬくと生きている人間に何が書けるのだ?
 どんな真実が暴けるのだ?

 そういうメッセージが効いた。

 市原悦子さんという女優さんの静かでどこかとぼけた味を出しながら、凄味をましていく演技は、まさに円熟した女優のそれだ。

 私が女優として生きていたなら、彼女のような女優になりたいと思わせるに十分な、存在感のある演技が番組を引きたてていた。

ドッキドキ、サマー大作戦

2011-06-19 10:04:35 | 日記風
 占いでは、6月から運気が上がると言われていたが、上がっているかい?

 街をふらふらしていると、夏の旅行広告があちこちに貼られている。


 中で目を引いたのが、イタリア8日で12,3万ってやつ。主要3都市を回るらしい。


 いいじゃない~~~。

 やっぱり行くならヨーロッパよね~~と思って、よく見たら、11月分の出発募集だった。


 遠すぎるわ。


 予定がたたんわ。


 それくらいの時期だと、それくらいの値段でもOKってことなんだよね。


 夏なんて行ったらもうすぐだもんね。予定を立てるならそろそろ、きりきりってことじゃない。



 今年は節電対策もあるから、旅行もいろんなものが取り揃っている。


 と言ってもお財布がイマイチ寂しいわ。

 それに私、不思議なことに夏に旅行に出ることって今までなかったんだよね。


 暑さにやられていたというか。

 劇団の劇作家コースに入ってからは9月に〆切があるから、7,8月遊んでられないよって言うのもあった。


 でも、もう今年はそれがないわけだ。


 だったら行ってもいいんじゃない?



 後はお財布と相談ってことですけど。



 それが1番切ないですわね~。


 未知なる世界で、未知なる時期に未知なる体験。
 何かが待っているなら…何か予定を立ててみようか?


 誰よりも面白い、ドッキドキできるような予定を、立ててみようか。