静岡県立漁業高等学園は、創立50年。一流の漁師になる近道です。

漁師をめざして、がんばっている生徒たち。
30歳までの若者が全国から漁業の街、焼津に集っています。

用宗でシラス漁の体験

2018年09月26日 13時01分54秒 | 授業・講演

やっと実現しました。
7月に予定していたシラス漁の体験実習。台風でのびのびでした。
今回ダメなら、今年はあきらめるつもりでした。
雨は降ったものの、風はなくて無事に行うことができました。
向かったのは静岡市の清水漁協用宗(もちむね)支所がある用宗漁港です。
五隻に分かれて、乗船させてもらいました。

氷を用意する47期卒業のSくんとも再開。
もう2年目で、すっかりなれた感じでした。
生徒用にお土産もくれました。
相変わらず、気配りの人です。


氷を積み込む手伝いをした後、運搬船に乗り込みます。
シラス漁は、地域によって違いがあります。
用宗の場合は二艘(にそう)曳きで、二つの船で網を曳きます。
そして捕れたシラスを、すぐに運搬船が市場に運びます。鮮度バツグンです。


船頭の方から、魚探でシラスがどう見えるかも教えていただきました。


取り立てのシラスも食べさせてくれました。


船を下りた後に、漁業士でもある漁協役員の方が生徒の質問に答えてくださいました。
清水漁協のみなさん、今年もありがとうございました!


学園見学のお申し込み、入学のお問い合わせは電話、Eメールで。
電話 054-626-0219
Eメール gyogaku@pref.shizuoka.lg.jp
詳しくはホームページをご覧ください。
10月はAO入試がありますよ!願書は10月1日から受付です!
www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940

 園長のつぶやき
学園に入学するための、もっとも大事な条件。
それは漁師になりたいこと。
だって漁師になるための専門校ですから!

学園見学者のほとんどは、漁師になりたいと思っています。
でも、そうじゃない人もいます。
進路の選択肢の一つと思っていて、とりあえず学園の説明会に来るんです。
で、どうなるか?

学園の見学に来られた方に、学園がどんな学校かをご説明します。
そのなかで、漁師の仕事に少し触れます。
でも、詳しくお話しはできません。
漁師の仕事と言っても、漁業は養殖から遠洋までありますからね。
時間が限られているなかで、お話ししても正確に伝わるのか?と思うんです。
入学者は全員卒業させるのが私の願いです。
すぐ退学するような生徒を入学させたくありません。

ですから、あえて漁師の仕事が大変であるところに絞ってお話しします。
 魚を捕る以外の仕事がたくさんある
 危険もある
 出漁してから、帰港するまで海の上では毎日仕事
 寝る時間が少ししかない時も珍しくない
 収入は仕事の大変さに比例する・・・
漁師の良さも、ちょっとだけ話します。
 満天の星空など、漁師だけが見ることのできる風景
 がんばった成果が捕った魚で実感できる・・・

選択肢の一つとして来園した人に、私がこんな説明をするわけですよ。
だから説明を聞いた人が「漁師になりたい」とはなりません。
むしろ「漁師大変じゃん。辞める」となります。
これが入学者の増えない原因の一つとなっているかも知れません。
でも、「学園に入学」することは「漁師という仕事を選ぶ」ことです。
本人には重たい話です。
仕事を選ぶ以上、覚悟をもって欲しいのです。

相手が小学生なら話が違います。
先日来た掛川市の小学生。
操船シュミレーターやカツオの一本釣り体験をしてもらい楽しい経験をしてもらいました。
彼らが漁師の仕事に興味を持ち、これから何年もかけて自分の仕事にするかを考えればよいからです。

でも、中学3年生、高校3年生ならどうなるでしょう。
「漁師楽しそうだな」
と入学して、すぐに楽しいだけじゃないことを知り・・・退学です。

昨日のブログに書いた、近海カツオ漁船の機関長講話。
例によって、生徒に感想文を書いてもらっています。
その中で
「今回を含め、話しを聞いたどの漁師も仕事が楽だと言っていない」
と書いている人がいました。

だからと言って、漁師の仕事が特別に過酷(かこく)とは思えません。
どんな仕事でも一流の人なら、自分の仕事が楽だとは言いません。
苦労を重ねて一流になったんです。
だから自分の仕事に誇りを持っています。

学園の見学では、漁師になることを決めていない方を断ることはありません。
でも、漁師の仕事を知りたいのなら、そのことを始めにお話しください。
そうすれば、学園の説明ではなく、漁師の仕事を説明します。
それに漁師の仕事を教えてくれるのは学園だけではありません。
漁協、県の水産技術研究所、県庁の水産業局を訪問するのも良いと思います。
本だってあります。YouTubeも良いでしょう。
そして、自分にとっての漁師の魅力を見つけてください。
漁師の魅力は、私が押し付けるものではありません。

そして、漁師という仕事を選ぶのなら、学園に来てください。待っています!

コメント
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